~The First Strike~
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「・・・・」
昨日の夜からずっと雨が降り続いている
まるでこの街の全ての人の悲しみと言うように・・・
昨日はリアも泣いてしまい、隊のみんなもそれぞれに傷を負い、他の事に気が回らなかった
そして翌朝、リアの事を心配してヒスカとシャスティル、ナイレンが様子を見に来てくれていた
「リア、もう大丈夫なの?」
「はい、心配を掛けてすみません」
「ううん・・・。ヒスカを助けてくれてありがとう」
「私も助けてもらいましたし」
「悪かったな。オレ達がいない間にツラい思いさせちまって」
「いえ・・・私よりツラいのは、ユーリですから・・・」
「「「・・・・」」」
リアの言葉を聞きナイレン達は黙ってしまう
ナイレンもシャスティルも昨日の出来事は聞かされた
勿論、ランバート達の事も・・・
それから暫く話をして三人は部屋を後にした
三人が部屋を出た後、リアは窓際に移動してじっと降り続く雨を見ていた
「・・・ユーリ、ラピードの所にいるのかな?」
リアはぽつりと呟いて傘を持ってユーリがいるであろう犬舎へ向かった
09.Rain Beat
外に出て傘を差し厩屋と犬舎がある門の方へと向かい出す
が、途中で何か妙な音が聞こえだした
「?」
その音はリアが今向かっている犬舎の方からだった
そして今度は犬の遠吠えが聞こえた
「あれは・・ラピード?」
リアはその音とラピードの遠吠えが気になり歩くスピードを上げて行く
「!?」
そしてリアはその音の正体に気が付いて立ち止まった
「・・ユーリ・・? フレン・・・? !」
そこには雨の中、馬乗りになって殴り合っているユーリとフレンの姿が目に入った
「二人共っ、何してるのっ!」
リアは持っていた傘を手放し二人の側に駆け寄り声を掛けるが聞こえていない様子
「ちょっ、・・・」
ユーリとフレンはお互いにやり場のない怒りをぶつけるかのように殴り合っている
「・・ユーリ・・フレン・・・」
二人の心情が伝わったのかリアは少しだけ悲しそうな顔をしているとラピードがリアに寄り添ってきた
「・・・ラピード」
リアはそのままラピードを抱え、そしてまた二人に声を掛ける
「二人共、それ以上は・・」
が、やはりリアの声は届かない
「二人共、やめてっ!」
「ワウゥン!」
リアと共にラピードも言うがそれでも二人にはリアとラピードの声が聞こえていないようで、お互いに怒りをぶつけるように殴り合っている
更に二人の心情が、怒りが伝わってきてリアは俯いた
そして、
「二人共っ、いい加減にしてっ!!」
「「っ!!?」」
ラピードを抱えたまま、わなわなと肩を振るわせてリアは怒鳴った
その声でようやく二人の動きが止まり、ゆっくりとリアへ視線を向ける
「「・・・リア」」
リアは目に涙を浮かべ荒い息を吐きながら二人を見た
「どうしていつもそうなの。そうやってケンカばっかり・・・。ユーリとフレンが今、もの凄くやり場のない怒りがあるって言うのは解るよ。けど、それをそんな風にぶつけても仕方がないじゃない!」
いつもより強い口調で言いリアはまた息を整え出し、ユーリとフレンはリアの言葉を聞いて黙ってしまった
「「・・・・」」
雨が降り続く中、どう言葉を続けるか、どう言葉を掛けようか、互いにそう思っていた時だった
「そこまで!」
そう言葉が聞こえ三人の間にアスラが姿を現した
そしてはあ、と大きな溜息を吐いて言葉を発した
「何かイヤな感じがすると思って来てみたら・・・」
アスラはユーリとフレン、そしてリアとリアの腕の中にいるラピードを見るとまた大きな溜息を吐いた
「これ以上此処にいると風邪引くから戻るよ」
アスラの威圧感がある言葉を聞くとユーリとフレンは立ち上がり、お互いに距離を置いて歩き出した
「・・・・」
リアは黙って俯いているとラピードがリアの頬を舐めた
「ラピード・・・」
ラピードは元気を出せ、と言っているように頬を舐め、リアは小さく微笑んで犬舎に歩いて行きラピードを降ろした
「っ・・・、」
リアは犬舎を見てランバート達の事を思い出してしまい胸がちくりとした
「・・・また明日ね」
リアは微笑んでラピードの頭を撫でて犬舎を離れ、アスラと共にユーリとフレンの後を追った
屋敷の前に戻って来ると一人の人物がそこに立っていた
「・・・兄さん」
そこにいたのはセイだった
だが、セイの表情はいつもと違っていた
「・・・お前等、何やってんだよ」
セイの声には少しだけ怒りが込められていた
「「「・・・・」」」
久しぶりに聞く、そして久しぶりに見るセイの怒った顔と言葉にユーリもフレンもリアも何も言えずに黙ってしまった
セイは三人の様子を少しだけ伺うと小さく溜息を吐き、扉を開け中に置いてあったタオルを取り、ユーリとフレンに向かって投げた
「それで拭いたらさっさと隊長んとこ行け。お待ちかねだぞ」
「「ああ・・・」」
ユーリとフレンは軽く返事を返すとそのまま中に入って行った
「・・・リア、大丈夫か?」
「・・・うん」
さっきとは打って変わって優しい声音で言うとリアは小さく頷いてセイの所まで歩いて行く
セイはリアが来たのを確認すると頭からバスタオルを掛けてやり、扉を閉めた
「兄さん、ナイレンさんと話してたんじゃ・・・」
「アスラがお前等の事に気が付いたから中断したよ。アスラ向かわせて正解だったな」
「リアが止めたけど、あのまま放って置いたらずっとあの状態だっただろうしね」
「・・・・」
リアはその言葉にまた俯くとポンと頭にセイの手が乗った
「あいつ等止めたのはリアだ。んな顔すんな」
「・・・うん」
「じゃ、俺達も行くか」
リアに少し元気が戻ったのを確認するとセイはリアとアスラを連れて、ナイレンがいる執務室へと向かった
そして、
「・・・ったく、何やってんだよ、お前等は」
「全くですよ。彼女まで巻き込んで」
「あ、いえ、私の場合、勝手にあの場にいただけですから」
ナイレンは机の上に頬杖を付き、溜息混じりで前にいるユーリとフレンを見て言い、ナイレンの隣にいるガリスタも同じく溜息を吐き、自分達の間の端にある椅子にバスタオルを羽織るようにして身体に巻き付けて座っているリアを見て言った
リアの隣にはセイが立っていてアスラはセイの肩に乗っていた
「けど、リアが止めなかったらコイツ等ずっと殴 り合ってただろうよ」
「いえ・・・っくしゅん!」
「大丈夫ですか。そちらでは寒いでしょう。こちらへどうぞ」
「あ、すみません。有り難う御座います」
「椅子は俺が持ってやるよ」
「ありがと、兄さん」
リアがくしゃみをするとガリスタがリアの下に行き、手を引いて立たせて火の側まで誘導し、その後ろを椅子を持ったセイとアスラが続いた
「・・・お前等、女性のエスコートも覚えないとな」
「「・・・・」」
ナイレンは少し呆れた目をしてユーリとフレンを見ると面白くなさそうな、少しだけふてくされた顔をしてふいっと視線を逸らした
「・・・やれやれだな」
そんな二人を見てナイレンは呆れて溜息を吐いていた
続く
あとがき
またまた続いちゃったよ!!
思ってたより書けたから書きたかった所が次回に回ってしまった・・・ι
今回は珍しくリアちゃんが怒鳴ってましたし、セイ兄ちゃんも怒ってましたしね・・・
幼馴染み組の関係も結構危うい?方へと傾いて行ってます・・・
でも、シリアスばっか続いてたので最後ちょっとだけ遊んじゃいました!
てか、今気付いたけど、やっとガリスタ登場したねw
まあ彼なら普通にあーゆー風なエスコートしそうですよね
次回はこの後の話しから始まると思います
GRANRODEO 6thシングル delidht song C/W Rain Beat&GRANRODEO 曲名でお題 19.Rain Beat より
2009.11.11
昨日の夜からずっと雨が降り続いている
まるでこの街の全ての人の悲しみと言うように・・・
昨日はリアも泣いてしまい、隊のみんなもそれぞれに傷を負い、他の事に気が回らなかった
そして翌朝、リアの事を心配してヒスカとシャスティル、ナイレンが様子を見に来てくれていた
「リア、もう大丈夫なの?」
「はい、心配を掛けてすみません」
「ううん・・・。ヒスカを助けてくれてありがとう」
「私も助けてもらいましたし」
「悪かったな。オレ達がいない間にツラい思いさせちまって」
「いえ・・・私よりツラいのは、ユーリですから・・・」
「「「・・・・」」」
リアの言葉を聞きナイレン達は黙ってしまう
ナイレンもシャスティルも昨日の出来事は聞かされた
勿論、ランバート達の事も・・・
それから暫く話をして三人は部屋を後にした
三人が部屋を出た後、リアは窓際に移動してじっと降り続く雨を見ていた
「・・・ユーリ、ラピードの所にいるのかな?」
リアはぽつりと呟いて傘を持ってユーリがいるであろう犬舎へ向かった
09.Rain Beat
外に出て傘を差し厩屋と犬舎がある門の方へと向かい出す
が、途中で何か妙な音が聞こえだした
「?」
その音はリアが今向かっている犬舎の方からだった
そして今度は犬の遠吠えが聞こえた
「あれは・・ラピード?」
リアはその音とラピードの遠吠えが気になり歩くスピードを上げて行く
「!?」
そしてリアはその音の正体に気が付いて立ち止まった
「・・ユーリ・・? フレン・・・? !」
そこには雨の中、馬乗りになって殴り合っているユーリとフレンの姿が目に入った
「二人共っ、何してるのっ!」
リアは持っていた傘を手放し二人の側に駆け寄り声を掛けるが聞こえていない様子
「ちょっ、・・・」
ユーリとフレンはお互いにやり場のない怒りをぶつけるかのように殴り合っている
「・・ユーリ・・フレン・・・」
二人の心情が伝わったのかリアは少しだけ悲しそうな顔をしているとラピードがリアに寄り添ってきた
「・・・ラピード」
リアはそのままラピードを抱え、そしてまた二人に声を掛ける
「二人共、それ以上は・・」
が、やはりリアの声は届かない
「二人共、やめてっ!」
「ワウゥン!」
リアと共にラピードも言うがそれでも二人にはリアとラピードの声が聞こえていないようで、お互いに怒りをぶつけるように殴り合っている
更に二人の心情が、怒りが伝わってきてリアは俯いた
そして、
「二人共っ、いい加減にしてっ!!」
「「っ!!?」」
ラピードを抱えたまま、わなわなと肩を振るわせてリアは怒鳴った
その声でようやく二人の動きが止まり、ゆっくりとリアへ視線を向ける
「「・・・リア」」
リアは目に涙を浮かべ荒い息を吐きながら二人を見た
「どうしていつもそうなの。そうやってケンカばっかり・・・。ユーリとフレンが今、もの凄くやり場のない怒りがあるって言うのは解るよ。けど、それをそんな風にぶつけても仕方がないじゃない!」
いつもより強い口調で言いリアはまた息を整え出し、ユーリとフレンはリアの言葉を聞いて黙ってしまった
「「・・・・」」
雨が降り続く中、どう言葉を続けるか、どう言葉を掛けようか、互いにそう思っていた時だった
「そこまで!」
そう言葉が聞こえ三人の間にアスラが姿を現した
そしてはあ、と大きな溜息を吐いて言葉を発した
「何かイヤな感じがすると思って来てみたら・・・」
アスラはユーリとフレン、そしてリアとリアの腕の中にいるラピードを見るとまた大きな溜息を吐いた
「これ以上此処にいると風邪引くから戻るよ」
アスラの威圧感がある言葉を聞くとユーリとフレンは立ち上がり、お互いに距離を置いて歩き出した
「・・・・」
リアは黙って俯いているとラピードがリアの頬を舐めた
「ラピード・・・」
ラピードは元気を出せ、と言っているように頬を舐め、リアは小さく微笑んで犬舎に歩いて行きラピードを降ろした
「っ・・・、」
リアは犬舎を見てランバート達の事を思い出してしまい胸がちくりとした
「・・・また明日ね」
リアは微笑んでラピードの頭を撫でて犬舎を離れ、アスラと共にユーリとフレンの後を追った
屋敷の前に戻って来ると一人の人物がそこに立っていた
「・・・兄さん」
そこにいたのはセイだった
だが、セイの表情はいつもと違っていた
「・・・お前等、何やってんだよ」
セイの声には少しだけ怒りが込められていた
「「「・・・・」」」
久しぶりに聞く、そして久しぶりに見るセイの怒った顔と言葉にユーリもフレンもリアも何も言えずに黙ってしまった
セイは三人の様子を少しだけ伺うと小さく溜息を吐き、扉を開け中に置いてあったタオルを取り、ユーリとフレンに向かって投げた
「それで拭いたらさっさと隊長んとこ行け。お待ちかねだぞ」
「「ああ・・・」」
ユーリとフレンは軽く返事を返すとそのまま中に入って行った
「・・・リア、大丈夫か?」
「・・・うん」
さっきとは打って変わって優しい声音で言うとリアは小さく頷いてセイの所まで歩いて行く
セイはリアが来たのを確認すると頭からバスタオルを掛けてやり、扉を閉めた
「兄さん、ナイレンさんと話してたんじゃ・・・」
「アスラがお前等の事に気が付いたから中断したよ。アスラ向かわせて正解だったな」
「リアが止めたけど、あのまま放って置いたらずっとあの状態だっただろうしね」
「・・・・」
リアはその言葉にまた俯くとポンと頭にセイの手が乗った
「あいつ等止めたのはリアだ。んな顔すんな」
「・・・うん」
「じゃ、俺達も行くか」
リアに少し元気が戻ったのを確認するとセイはリアとアスラを連れて、ナイレンがいる執務室へと向かった
そして、
「・・・ったく、何やってんだよ、お前等は」
「全くですよ。彼女まで巻き込んで」
「あ、いえ、私の場合、勝手にあの場にいただけですから」
ナイレンは机の上に頬杖を付き、溜息混じりで前にいるユーリとフレンを見て言い、ナイレンの隣にいるガリスタも同じく溜息を吐き、自分達の間の端にある椅子にバスタオルを羽織るようにして身体に巻き付けて座っているリアを見て言った
リアの隣にはセイが立っていてアスラはセイの肩に乗っていた
「けど、リアが止めなかったらコイツ等ずっと
「いえ・・・っくしゅん!」
「大丈夫ですか。そちらでは寒いでしょう。こちらへどうぞ」
「あ、すみません。有り難う御座います」
「椅子は俺が持ってやるよ」
「ありがと、兄さん」
リアがくしゃみをするとガリスタがリアの下に行き、手を引いて立たせて火の側まで誘導し、その後ろを椅子を持ったセイとアスラが続いた
「・・・お前等、女性のエスコートも覚えないとな」
「「・・・・」」
ナイレンは少し呆れた目をしてユーリとフレンを見ると面白くなさそうな、少しだけふてくされた顔をしてふいっと視線を逸らした
「・・・やれやれだな」
そんな二人を見てナイレンは呆れて溜息を吐いていた
続く
あとがき
またまた続いちゃったよ!!
思ってたより書けたから書きたかった所が次回に回ってしまった・・・ι
今回は珍しくリアちゃんが怒鳴ってましたし、セイ兄ちゃんも怒ってましたしね・・・
幼馴染み組の関係も結構危うい?方へと傾いて行ってます・・・
でも、シリアスばっか続いてたので最後ちょっとだけ遊んじゃいました!
てか、今気付いたけど、やっとガリスタ登場したねw
まあ彼なら普通にあーゆー風なエスコートしそうですよね
次回はこの後の話しから始まると思います
GRANRODEO 6thシングル delidht song C/W Rain Beat&GRANRODEO 曲名でお題 19.Rain Beat より
2009.11.11