~The First Strike~
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カタンっと耳元で何か音がした
「・・・ん・・っ・・・」
そしてゆっくりと目を開けると徐々に光が入って来て辺りの光景が見え出す
「気が付いたか?」
「・・・兄さん、アスラ」
リアは声の聞こえた方に顔を向けるとセイとアスラがリアを見ていた
「まだ起きちゃダメだよ」
ゆっくりと身体を起こしてベッドから降りようとしていたがアスラに止められ、そのまま座っている事にした
「・・・私・・」
「此処に戻って来る途中で倒れたんだよ」
「倒れ・・・っ!!」
リアはそう言われ昼間の事を思い出した
辺りを見れば此処はリア達が借りている騎士団の駐屯地の部屋、そして外は既に暗く、今にも雨が降り出しそうな雲行きだった
「・・・ランバート達、助けられなかったんだね」
「・・・ああ」
リアはセイの返事を聞いてギュッとシーツを握った
あの時、ランバート達軍用犬はエアルクリーチャーという魔物に取り込まれて自我を無くしてしまった
そして、リア達に襲い掛かって来た
あの時に血だらけになってしまったが、綺麗に落され着替えもされていた
「ハクスイとリンコウに来て貰った」
リアが思っている事に気が付きセイが説明をしてくれた
どうやら他の女性の式神を呼んで汚れを落し寝かせたようだった
「帰ったらお礼言わなくちゃね・・・」
「二人にリアを任せてる間、ボク等は状況を見てたからね」
「・・・ヒスカさんやメルゾムさん達は?」
「ヒスカはエルヴィンと一緒に隊長とシャスティルが帰って来るの待ってる」
「メルゾム達もギルドの方に戻って行ったよ」
リアはヒスカやメルゾム達が無事な事に安堵の息を吐いた
そして一番気掛かりだった事を聞いた
「・・・ユーリは?」
「「・・・・」」
その言葉にセイもアスラも言い淀んでしまう
「帰って来た後、一人で何処かに行っちゃったよ・・・」
「責任・・感じてんだろうな・・・」
「・・・・」
リア達が襲われそうになった時、ユーリはランバートの名を叫び剣を構えて向かって行った
だがあの時、誰かがそうしなければ皆無事に戻って来れなかっただろう
「っ・・、ユー・・・ラン・・・ートっ」
リアは俯いてシーツをギュッと握った
そしてリアの瞳からは涙が落ちていた
「・・・・」
そんなリアを見てセイはベッドに腰掛けリアを抱きしめた
「・・・ツラかったんだろ。ランバート達の感情が流れ込んできて」
「・・・うん・・・」
あの時、リアの身体に流れ込んできたものはランバート達軍用犬達の感情だった
エアルクリーチャーに取り込まれ自我を失った感情、そしてその奥深くに眠る本当の感情
その両方が一気にリアの心と脳に流れ込んできた
勿論この力を持っているセイも、そしてリアの相棒であるアスラも同じだった
数日しか触れ合っていないとはいえ、なかなか懐かない軍用犬達が直ぐにリアに懐いた
動物好きで仲良くじゃれ合っていたランバート達があのような事になってしまったのだから、リアが傷ついているもの無理はない
「けど、私達よりユーリの方が傷ついてる・・・」
ユーリはリア達がこの街に来る前からランバート達の世話をしていた
特にランバートの子供であるラピードはユーリに懐いている
ラピードの年齢を考えるとまだ親に甘えている歳だ
だが、もう甘えられる親もいなければ周りにいた仲間達もいない
「・・・ツラすぎるよっ、」
リアはラピードの事を思いセイの胸に顔を埋めた
森に入る前に見たランバートの目は死を覚悟した眼だった
ランバートはあの時から既に、仲間を助けに行く時からもう戻って来れない事を解っていた
「だから、あの時・・、私やユーリに・・ラピードの事、頼んだって・・」
眼だったと続けようとするが、涙が溢れ出し言葉が続かなかった
セイもアスラも口を挟まずただじっとリアの言葉を聞いていた
「その後は・・・ランバード達の感情が伝わって来て・・・」
セイはそれを聞いてリアの頭を優しく撫でだした
それは昔からもう喋らなくて良い、と言う合図だった
「その後は・・・俺達も良く解ってるから・・・」
セイの声はツラさと優しさが交ざっていた
セイの言葉にアスラも頷き、更に口を閉ざした
「兄さ・・アスラ・・・っ、」
そんなセイとアスラを見てリアは絞り出すような声で呟き、二人の優しさとツラさが伝わり涙が溢れ出しセイの胸に顔を埋めて泣き出してしまった
リアが泣き出したと同時に雨が降り出した ―――
08.その雨は大粒の涙と共に降り出した
この時、何処かでユーリも泣いているような気がした・・・
続く
あとがき
此処で続きます!!(えっ!?)
次回の事を考えると此処で終わった方が書きやすいので・・・
それにせっかくだからやっぱり同じ力を持って同じ気持ちが伝わってしまっているセイ兄ちゃんとアスラには甘えて欲しかったので今回はオリキャラのみ登場(お当番)でした
本編でユーリも此処でラピードを抱きしめて泣いてましたからね・・・
時間枠としては同じくらいですね
前回と同じく此処も泣いた人は多いはず・・・
あ、最後のモノローグはリアちゃんなので(解ってるよ)
次回もシリアスだけど・・・ちょっと意外な事になりそうです
では
2009.11.11
「・・・ん・・っ・・・」
そしてゆっくりと目を開けると徐々に光が入って来て辺りの光景が見え出す
「気が付いたか?」
「・・・兄さん、アスラ」
リアは声の聞こえた方に顔を向けるとセイとアスラがリアを見ていた
「まだ起きちゃダメだよ」
ゆっくりと身体を起こしてベッドから降りようとしていたがアスラに止められ、そのまま座っている事にした
「・・・私・・」
「此処に戻って来る途中で倒れたんだよ」
「倒れ・・・っ!!」
リアはそう言われ昼間の事を思い出した
辺りを見れば此処はリア達が借りている騎士団の駐屯地の部屋、そして外は既に暗く、今にも雨が降り出しそうな雲行きだった
「・・・ランバート達、助けられなかったんだね」
「・・・ああ」
リアはセイの返事を聞いてギュッとシーツを握った
あの時、ランバート達軍用犬はエアルクリーチャーという魔物に取り込まれて自我を無くしてしまった
そして、リア達に襲い掛かって来た
あの時に血だらけになってしまったが、綺麗に落され着替えもされていた
「ハクスイとリンコウに来て貰った」
リアが思っている事に気が付きセイが説明をしてくれた
どうやら他の女性の式神を呼んで汚れを落し寝かせたようだった
「帰ったらお礼言わなくちゃね・・・」
「二人にリアを任せてる間、ボク等は状況を見てたからね」
「・・・ヒスカさんやメルゾムさん達は?」
「ヒスカはエルヴィンと一緒に隊長とシャスティルが帰って来るの待ってる」
「メルゾム達もギルドの方に戻って行ったよ」
リアはヒスカやメルゾム達が無事な事に安堵の息を吐いた
そして一番気掛かりだった事を聞いた
「・・・ユーリは?」
「「・・・・」」
その言葉にセイもアスラも言い淀んでしまう
「帰って来た後、一人で何処かに行っちゃったよ・・・」
「責任・・感じてんだろうな・・・」
「・・・・」
リア達が襲われそうになった時、ユーリはランバートの名を叫び剣を構えて向かって行った
だがあの時、誰かがそうしなければ皆無事に戻って来れなかっただろう
「っ・・、ユー・・・ラン・・・ートっ」
リアは俯いてシーツをギュッと握った
そしてリアの瞳からは涙が落ちていた
「・・・・」
そんなリアを見てセイはベッドに腰掛けリアを抱きしめた
「・・・ツラかったんだろ。ランバート達の感情が流れ込んできて」
「・・・うん・・・」
あの時、リアの身体に流れ込んできたものはランバート達軍用犬達の感情だった
エアルクリーチャーに取り込まれ自我を失った感情、そしてその奥深くに眠る本当の感情
その両方が一気にリアの心と脳に流れ込んできた
勿論この力を持っているセイも、そしてリアの相棒であるアスラも同じだった
数日しか触れ合っていないとはいえ、なかなか懐かない軍用犬達が直ぐにリアに懐いた
動物好きで仲良くじゃれ合っていたランバート達があのような事になってしまったのだから、リアが傷ついているもの無理はない
「けど、私達よりユーリの方が傷ついてる・・・」
ユーリはリア達がこの街に来る前からランバート達の世話をしていた
特にランバートの子供であるラピードはユーリに懐いている
ラピードの年齢を考えるとまだ親に甘えている歳だ
だが、もう甘えられる親もいなければ周りにいた仲間達もいない
「・・・ツラすぎるよっ、」
リアはラピードの事を思いセイの胸に顔を埋めた
森に入る前に見たランバートの目は死を覚悟した眼だった
ランバートはあの時から既に、仲間を助けに行く時からもう戻って来れない事を解っていた
「だから、あの時・・、私やユーリに・・ラピードの事、頼んだって・・」
眼だったと続けようとするが、涙が溢れ出し言葉が続かなかった
セイもアスラも口を挟まずただじっとリアの言葉を聞いていた
「その後は・・・ランバード達の感情が伝わって来て・・・」
セイはそれを聞いてリアの頭を優しく撫でだした
それは昔からもう喋らなくて良い、と言う合図だった
「その後は・・・俺達も良く解ってるから・・・」
セイの声はツラさと優しさが交ざっていた
セイの言葉にアスラも頷き、更に口を閉ざした
「兄さ・・アスラ・・・っ、」
そんなセイとアスラを見てリアは絞り出すような声で呟き、二人の優しさとツラさが伝わり涙が溢れ出しセイの胸に顔を埋めて泣き出してしまった
リアが泣き出したと同時に雨が降り出した ―――
08.その雨は大粒の涙と共に降り出した
この時、何処かでユーリも泣いているような気がした・・・
続く
あとがき
此処で続きます!!(えっ!?)
次回の事を考えると此処で終わった方が書きやすいので・・・
それにせっかくだからやっぱり同じ力を持って同じ気持ちが伝わってしまっているセイ兄ちゃんとアスラには甘えて欲しかったので今回はオリキャラのみ登場(お当番)でした
本編でユーリも此処でラピードを抱きしめて泣いてましたからね・・・
時間枠としては同じくらいですね
前回と同じく此処も泣いた人は多いはず・・・
あ、最後のモノローグはリアちゃんなので(解ってるよ)
次回もシリアスだけど・・・ちょっと意外な事になりそうです
では
2009.11.11