~The First Strike~
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「隊長さんがみんなの事呼んでたよ」
アスラのその言葉でユーリ達を呼びに来た事を思い出し、リア達はナイレンの執務室へと向かいだした
「「はぁ・・・」」
そう大きな溜息を吐いたのはヒスカとシャスティルで、ヒスカは肩を落し、シャスティルは目に力が入っていなかった
そしてその二人の後ろを不満オーラー全快のユーリと少しだけ元気のないフレンが続く
「・・・兄さん、あれは言い過ぎたんじゃない?」
リアはアスラの言葉の後に言ったセイの言葉を思い出してそう言うとセイは悪気のない顔で言う
「俺は隊長の内心を言っただけだけどな」
「ま、それも直ぐに解る事だけどね」
アスラがそう言うとリア達はナイレンの執務室の前に着き、扉をノックしてユーリ達は部屋に入った
04.重荷
「お前達も入ってこい」
ユーリ達が部屋に入ったのを後ろで見ていると、ナイレンがリア達も部屋に入るよう言い、リア達も部屋に入った
そして左からフレン、ユーリ、ヒスカ、シャスティルと並び、リアとセイとアスラはナイレンとユーリ達の間に移動した
そしてナイレンはリアとセイに目を向ける
「悪かったな、呼んで来てもらって」
「いえ。久しぶりに二人の元気そうな姿が見られて良かったです」
「そうかそうか。良かったな、ユーリ、フレン」
「「・・・・」」
ナイレンは嬉しそうなリアの顔を見て、ナイレンも自然と笑っていてリアの幼馴染みであるユーリとフレンに視線を向けるが二人は浮かない顔をしていた
「なんだ、お前等。久しぶりに幼馴染みに会ったってのに嬉しくないのか?」
「なんで隊長がんな事知ってんだよ?」
「お前等呼びに行く前に、此処で仕事の話してる時にリアが話したんだよ」
「あの、隊長・・・」
セイの言葉を聞いてユーリはそうだったのかと思っているとふとフレンがナイレンの方を見ていた
「・・・・」
ナイレンはそんなフレンと沈んでいるヒスカとシャスティルを見て、大きな欠伸をした後、四人に向き合った
「酒場で乱闘なんてベタな事しやがって」
「・・・すみません」
その言葉にヒスカとシャスティルは黙ってしまい、ユーリはそっぽを向き、フレンは小さな声で謝った
「街の外がめんどくせえ事になってんだ。街の中で面倒起こすなよ」
「あいつ等がいい加減な事すっからだよ。じいさんの金巻き上げただけで途中で放ったらかしにしたんだぞ。あんな連中、許せるかっ!」
ユーリはナイレンに抗議した
ユーリの性格を解っているリアとセイとアスラにしてみれば、ユーリがその行動をとったのは納得がいった
でも今のユーリは騎士団という団体の中で生活している
団体の中の一人が何か問題を起こせばそれは他の人にも影響が出てしまう
それが今、此処に呼び出されている証拠
これ以上は部外者であるリア達が口を挟める事ではない
リアは静かに様子を伺っていると、ナイレンはユーリの言葉を聞き、キセルに溜った灰を灰皿に落とした
そして一息吐き、ユーリを見て話し出した
「成る程なぁ。ま、オレも殴ってたかもな、そりゃ」
「「「「え?」」」」
意外な言葉にユーリ、リア、ヒスカ、シャスティルが驚きの声を上げ、フレンとアスラとセイは声には出さなかったが驚いた顔をしていた
「だがギルドは帝国の影響を受けない自治組織だ。良い面もあんだよ」
「そうは思えませんが」
「今回の事で解ると思うが、オレ達じゃ対処出来ない事もやってる。金は取るがな」
その言葉を聞くとフレンは少しだけ納得いかないような顔をしていたが、直ぐにユーリはある事を思い出してナイレンに言う
「メルゾムってヤツはあんたの事知ってたぜ」
「ん? あぁ、・・まあ・・つまんねえ話しだ」
メルゾムの名前を聞くとナイレンは少しだけ言葉を濁しながら視線を外すと、
「・・・ん?」
沈黙が流れ、じとーっとした目線がナイレンに注がれていた
「なんだよ、別に癒着なんてしてねえぞ」
ナイレンは一息付きキセルに手を伸ばしながら言う
「怪我、大丈夫か?」
「はい」
「じゃあ、とっとと部屋へ戻れ」
「は?」
その言葉にこの場にいた誰もが驚いて目を瞠った
「・・・懲罰貿易じゃねえのかよ」
ユーリは呆気に取られながら聞くと、キセルをユーリ達の方に向けてビシッと言った
「今そんな事をして、何か得があるか?」
この言葉にまた誰もが驚き、ヒスカとシャスティルは顔を見合わせリアもきょとんとしてしまった
「とは言うものの、何もないってのも他の隊員に示しがつかねえか・・・。店への弁償は給料からさっ引いとくぞ」
「げぇ!!」
「それと、フレン」
「は、はい」
あからさまに嫌そうな声を上げるユーリと少しだけ気落ちするフレンだったが、急に呼ばれフレンは姿勢を正すとナイレンはキセルを咥え直し、書類に何かを書き始めながらフレンに告げた
「お前は帝都に行ってくれ。オレの代理だ」
「私が、ですか?」
帝都、その言葉に一瞬だけフレンの表情が変わった
「・・・・」
それはリアだけでなく、ユーリもアスラもセイも、そしてナイレンも感じていた
だが、ナイレンは敢えてそこに触れず書類を書きながら言葉を続ける
「オレは他に行くとこがあんだよ。その間此処はユルギスに任す。おめえは式典への出席と、この援軍の要請書を届けてくれ」
ナイレンは書類をファイルに閉じ机に置き、キセルを外すと少しだけ真剣な顔つきになる
「湖の遺跡にはおそらく何かがある。此処の隊だけじゃ処理しきれない、な・・・」
「「「・・・・」」」
その言葉を聞き、リアとセイとアスラはその事を含めて今回自分達の所に依頼が来たのかと思っていると、ナイレンはシャスティルへと視線を向ける
「それから、でっかい方はオレと着てくれ」
「?」
「セクハラね」
「セクハラだわ」
ナイレンの言葉にリアが首を傾げていると、ヒスカとシャスティルはじとーとした目でナイレンを見てそう呟いた
「でっかいって、どっちも背ぇ同じじゃん。なぁ」
「・・・////」
ユーリもその意味が解っていないのか、隣にいるヒスカとシャスティルを見た後隣にいるフレンにそう振ると何故かフレンは顔を赤くして視線を逸らした
「ユーリは、ランバートの世話頼むわ」
「また犬かよ!」
ユーリは疲れ果てたような、うんざりとしたような顔をしてナイレンに言ったがナイレンはその言葉を綺麗に受け流していた
「じゃ、お前等はもう部屋に戻れ」
「はい。では失礼します・・・」
フレンはそう言ってナイレンから書類の入ったファイルを受け取りヒスカとシャスティルと共に部屋を出て行き、ユーリも部屋を出ようとしたがリア達が部屋に残っているのを疑問に思い見ていると、リアがまた後でね、と言う笑顔を送ったのが見え、小さく笑って部屋を出た
「・・・何か、隊長格の人間が言う台詞じゃねえよな、さっきの」
「少なくともボク達が知ってる限りじゃ、ね」
「そうかぁ? まぁ、そうかもしれねえなぁ」
セイとアスラの言葉を聞きナイレンは苦笑していた
そしてナイレンは立ち上がってユーリ達を呼びに行く前に話していたソファーに腰掛けリア達も腰掛けて、仕事の話しを始めた
*
ナイレンと話しを終えた後、リア達はある一室に泊まるように言われ部屋に移動した
そしてリアはユーリとフレンの所に行こうと思い二人の部屋を尋ねたのだった
トントン
「はい」
「フレン、私だけど」
「リア?」
扉をノックすると返事を返したのはフレンだった
フレンはリアの声を聞き扉を開けた
「リア、隊長と話し終わったのかい?」
「うん。あ、これ、追加の書類だって」
「ありがとう」
リアは持っていたファイルをフレンに渡し、そのまま二人は部屋に入り、リアは部屋を見て疑問符を出した
「・・・あれ? ユーリは? 一緒の部屋、だよね?」
「あ、ああ・・・」
リアがそう言うとフレンから歯切れの悪い返事が返って来た
「・・・またケンカしたの?」
「・・・ユーリが勝手に出て行ってるだけだ」
リアはフレンの行動に少しだけ呆れていると、フレンは椅子に座って貰った書類をナイレンから預かったファイルに移し替えていた
相変わらずな二人だなぁ・・・と思ってリアはフレンを見ていたが、急に表情を曇らせた
「・・・ねえ、フレン」
「・・・?」
さっきと打って変わって聞こえた声にフレンは疑問を持って手を止めた
「本当は、帝都に行くの・・ツライんだよね」
「っ!」
リアの言葉に驚いてフレンはリアを見ると、リアは悲しそうな顔をしてフレンを見ていた
フレンは今でも父親の事を気にしている
それはリア自身も凄く解っているが、さっきのフレンの表情を見たらこう言葉が出ていた
「「・・・・」」
お互いに言葉が出ず、沈黙が流れる
「・・・よ」
「?」
リアは諦めて話題を変えようとしようとした時、ふと小さくフレンが呟きリアに視線を向ける
「ツライよ。けど・・・任務、だから・・ね」
「・・・そっか」
フレンの言葉を聞き、リアは目を閉じて少しだけ顔を俯けた
「でも、本音が聞けて良かったな」
リアは顔を上げてニッコリと笑って言うとフレンは驚いて目を見開いた
「・・・やっぱり、リアには敵わないな」
「? フレン、何か言った?」
「いいや」
本当はこの事を話すつもりはなかった
自分が受け持った事だから、任務として果たさなければならない
が、場所はフレンにとって思い出深い帝都だ
そこはリアやユーリ、セイとアスラと出会った大切な場所であり、父親を失った場所でもある
けど、今のフレンにとって帝都は良い思い出より後者の方が強く、あまり行きたくない場所だった
嫌でもその事は口にしてはいけない事だったが、リアの悲しげな表情を見ていたら自然と答えていた
そして、リアの言葉と笑顔を見て胸に詰まっていたものがストンと落ちた
「じゃあ私、そろそろ戻るね」
「ああ。お休み」
「うん、お休み」
リアはまたニッコリと笑って部屋を後にした
フレンは扉が閉まるまでじっとその場を見ていた
そしてさっきまでリアが座っていた場所に目を向けリアの言葉と笑顔を思い出す
「・・・リアも、昔から変わらないね」
昔から嫌な事が遭ってもリアのあの笑顔と言葉に何度も救われていた
リア自身はその事に気が付いていないが、それはフレンだけでなく、ユーリも同じだった
(完全に克服出来た訳じゃないけど、さっきの事で少しは気が楽になったかな・・・)
「ありがとう、リア・・・」
フレンはそう呟き微笑んだ後、明日帝都に向かう為の準備を始めた
続く
あとがき
あれぇ? 此処で続く予定じゃなかったのになぁ・・・
思った以上にフレンの心情と思いが書けたから、ユーリの出番次回になっちゃったよι(おい・・・ by.ユーリ)
まあでも劇場版はフレンの事も結構書かれてたからね!
んで、最初の方に戻りますが、やっぱり「でっかい方」の所のやりとりが好きww
ユーリ、こん時は純粋だったのにゲームの方じゃエローウェルに・・・
フレンはあんま変わってないような気がするよ!w
でも結局はコイツ等、むっつりww
さ、次回はユーリとあの子達を登場させますか!
それでは!
2009.11.04
アスラのその言葉でユーリ達を呼びに来た事を思い出し、リア達はナイレンの執務室へと向かいだした
「「はぁ・・・」」
そう大きな溜息を吐いたのはヒスカとシャスティルで、ヒスカは肩を落し、シャスティルは目に力が入っていなかった
そしてその二人の後ろを不満オーラー全快のユーリと少しだけ元気のないフレンが続く
「・・・兄さん、あれは言い過ぎたんじゃない?」
リアはアスラの言葉の後に言ったセイの言葉を思い出してそう言うとセイは悪気のない顔で言う
「俺は隊長の内心を言っただけだけどな」
「ま、それも直ぐに解る事だけどね」
アスラがそう言うとリア達はナイレンの執務室の前に着き、扉をノックしてユーリ達は部屋に入った
04.重荷
「お前達も入ってこい」
ユーリ達が部屋に入ったのを後ろで見ていると、ナイレンがリア達も部屋に入るよう言い、リア達も部屋に入った
そして左からフレン、ユーリ、ヒスカ、シャスティルと並び、リアとセイとアスラはナイレンとユーリ達の間に移動した
そしてナイレンはリアとセイに目を向ける
「悪かったな、呼んで来てもらって」
「いえ。久しぶりに二人の元気そうな姿が見られて良かったです」
「そうかそうか。良かったな、ユーリ、フレン」
「「・・・・」」
ナイレンは嬉しそうなリアの顔を見て、ナイレンも自然と笑っていてリアの幼馴染みであるユーリとフレンに視線を向けるが二人は浮かない顔をしていた
「なんだ、お前等。久しぶりに幼馴染みに会ったってのに嬉しくないのか?」
「なんで隊長がんな事知ってんだよ?」
「お前等呼びに行く前に、此処で仕事の話してる時にリアが話したんだよ」
「あの、隊長・・・」
セイの言葉を聞いてユーリはそうだったのかと思っているとふとフレンがナイレンの方を見ていた
「・・・・」
ナイレンはそんなフレンと沈んでいるヒスカとシャスティルを見て、大きな欠伸をした後、四人に向き合った
「酒場で乱闘なんてベタな事しやがって」
「・・・すみません」
その言葉にヒスカとシャスティルは黙ってしまい、ユーリはそっぽを向き、フレンは小さな声で謝った
「街の外がめんどくせえ事になってんだ。街の中で面倒起こすなよ」
「あいつ等がいい加減な事すっからだよ。じいさんの金巻き上げただけで途中で放ったらかしにしたんだぞ。あんな連中、許せるかっ!」
ユーリはナイレンに抗議した
ユーリの性格を解っているリアとセイとアスラにしてみれば、ユーリがその行動をとったのは納得がいった
でも今のユーリは騎士団という団体の中で生活している
団体の中の一人が何か問題を起こせばそれは他の人にも影響が出てしまう
それが今、此処に呼び出されている証拠
これ以上は部外者であるリア達が口を挟める事ではない
リアは静かに様子を伺っていると、ナイレンはユーリの言葉を聞き、キセルに溜った灰を灰皿に落とした
そして一息吐き、ユーリを見て話し出した
「成る程なぁ。ま、オレも殴ってたかもな、そりゃ」
「「「「え?」」」」
意外な言葉にユーリ、リア、ヒスカ、シャスティルが驚きの声を上げ、フレンとアスラとセイは声には出さなかったが驚いた顔をしていた
「だがギルドは帝国の影響を受けない自治組織だ。良い面もあんだよ」
「そうは思えませんが」
「今回の事で解ると思うが、オレ達じゃ対処出来ない事もやってる。金は取るがな」
その言葉を聞くとフレンは少しだけ納得いかないような顔をしていたが、直ぐにユーリはある事を思い出してナイレンに言う
「メルゾムってヤツはあんたの事知ってたぜ」
「ん? あぁ、・・まあ・・つまんねえ話しだ」
メルゾムの名前を聞くとナイレンは少しだけ言葉を濁しながら視線を外すと、
「・・・ん?」
沈黙が流れ、じとーっとした目線がナイレンに注がれていた
「なんだよ、別に癒着なんてしてねえぞ」
ナイレンは一息付きキセルに手を伸ばしながら言う
「怪我、大丈夫か?」
「はい」
「じゃあ、とっとと部屋へ戻れ」
「は?」
その言葉にこの場にいた誰もが驚いて目を瞠った
「・・・懲罰貿易じゃねえのかよ」
ユーリは呆気に取られながら聞くと、キセルをユーリ達の方に向けてビシッと言った
「今そんな事をして、何か得があるか?」
この言葉にまた誰もが驚き、ヒスカとシャスティルは顔を見合わせリアもきょとんとしてしまった
「とは言うものの、何もないってのも他の隊員に示しがつかねえか・・・。店への弁償は給料からさっ引いとくぞ」
「げぇ!!」
「それと、フレン」
「は、はい」
あからさまに嫌そうな声を上げるユーリと少しだけ気落ちするフレンだったが、急に呼ばれフレンは姿勢を正すとナイレンはキセルを咥え直し、書類に何かを書き始めながらフレンに告げた
「お前は帝都に行ってくれ。オレの代理だ」
「私が、ですか?」
帝都、その言葉に一瞬だけフレンの表情が変わった
「・・・・」
それはリアだけでなく、ユーリもアスラもセイも、そしてナイレンも感じていた
だが、ナイレンは敢えてそこに触れず書類を書きながら言葉を続ける
「オレは他に行くとこがあんだよ。その間此処はユルギスに任す。おめえは式典への出席と、この援軍の要請書を届けてくれ」
ナイレンは書類をファイルに閉じ机に置き、キセルを外すと少しだけ真剣な顔つきになる
「湖の遺跡にはおそらく何かがある。此処の隊だけじゃ処理しきれない、な・・・」
「「「・・・・」」」
その言葉を聞き、リアとセイとアスラはその事を含めて今回自分達の所に依頼が来たのかと思っていると、ナイレンはシャスティルへと視線を向ける
「それから、でっかい方はオレと着てくれ」
「?」
「セクハラね」
「セクハラだわ」
ナイレンの言葉にリアが首を傾げていると、ヒスカとシャスティルはじとーとした目でナイレンを見てそう呟いた
「でっかいって、どっちも背ぇ同じじゃん。なぁ」
「・・・////」
ユーリもその意味が解っていないのか、隣にいるヒスカとシャスティルを見た後隣にいるフレンにそう振ると何故かフレンは顔を赤くして視線を逸らした
「ユーリは、ランバートの世話頼むわ」
「また犬かよ!」
ユーリは疲れ果てたような、うんざりとしたような顔をしてナイレンに言ったがナイレンはその言葉を綺麗に受け流していた
「じゃ、お前等はもう部屋に戻れ」
「はい。では失礼します・・・」
フレンはそう言ってナイレンから書類の入ったファイルを受け取りヒスカとシャスティルと共に部屋を出て行き、ユーリも部屋を出ようとしたがリア達が部屋に残っているのを疑問に思い見ていると、リアがまた後でね、と言う笑顔を送ったのが見え、小さく笑って部屋を出た
「・・・何か、隊長格の人間が言う台詞じゃねえよな、さっきの」
「少なくともボク達が知ってる限りじゃ、ね」
「そうかぁ? まぁ、そうかもしれねえなぁ」
セイとアスラの言葉を聞きナイレンは苦笑していた
そしてナイレンは立ち上がってユーリ達を呼びに行く前に話していたソファーに腰掛けリア達も腰掛けて、仕事の話しを始めた
*
ナイレンと話しを終えた後、リア達はある一室に泊まるように言われ部屋に移動した
そしてリアはユーリとフレンの所に行こうと思い二人の部屋を尋ねたのだった
トントン
「はい」
「フレン、私だけど」
「リア?」
扉をノックすると返事を返したのはフレンだった
フレンはリアの声を聞き扉を開けた
「リア、隊長と話し終わったのかい?」
「うん。あ、これ、追加の書類だって」
「ありがとう」
リアは持っていたファイルをフレンに渡し、そのまま二人は部屋に入り、リアは部屋を見て疑問符を出した
「・・・あれ? ユーリは? 一緒の部屋、だよね?」
「あ、ああ・・・」
リアがそう言うとフレンから歯切れの悪い返事が返って来た
「・・・またケンカしたの?」
「・・・ユーリが勝手に出て行ってるだけだ」
リアはフレンの行動に少しだけ呆れていると、フレンは椅子に座って貰った書類をナイレンから預かったファイルに移し替えていた
相変わらずな二人だなぁ・・・と思ってリアはフレンを見ていたが、急に表情を曇らせた
「・・・ねえ、フレン」
「・・・?」
さっきと打って変わって聞こえた声にフレンは疑問を持って手を止めた
「本当は、帝都に行くの・・ツライんだよね」
「っ!」
リアの言葉に驚いてフレンはリアを見ると、リアは悲しそうな顔をしてフレンを見ていた
フレンは今でも父親の事を気にしている
それはリア自身も凄く解っているが、さっきのフレンの表情を見たらこう言葉が出ていた
「「・・・・」」
お互いに言葉が出ず、沈黙が流れる
「・・・よ」
「?」
リアは諦めて話題を変えようとしようとした時、ふと小さくフレンが呟きリアに視線を向ける
「ツライよ。けど・・・任務、だから・・ね」
「・・・そっか」
フレンの言葉を聞き、リアは目を閉じて少しだけ顔を俯けた
「でも、本音が聞けて良かったな」
リアは顔を上げてニッコリと笑って言うとフレンは驚いて目を見開いた
「・・・やっぱり、リアには敵わないな」
「? フレン、何か言った?」
「いいや」
本当はこの事を話すつもりはなかった
自分が受け持った事だから、任務として果たさなければならない
が、場所はフレンにとって思い出深い帝都だ
そこはリアやユーリ、セイとアスラと出会った大切な場所であり、父親を失った場所でもある
けど、今のフレンにとって帝都は良い思い出より後者の方が強く、あまり行きたくない場所だった
嫌でもその事は口にしてはいけない事だったが、リアの悲しげな表情を見ていたら自然と答えていた
そして、リアの言葉と笑顔を見て胸に詰まっていたものがストンと落ちた
「じゃあ私、そろそろ戻るね」
「ああ。お休み」
「うん、お休み」
リアはまたニッコリと笑って部屋を後にした
フレンは扉が閉まるまでじっとその場を見ていた
そしてさっきまでリアが座っていた場所に目を向けリアの言葉と笑顔を思い出す
「・・・リアも、昔から変わらないね」
昔から嫌な事が遭ってもリアのあの笑顔と言葉に何度も救われていた
リア自身はその事に気が付いていないが、それはフレンだけでなく、ユーリも同じだった
(完全に克服出来た訳じゃないけど、さっきの事で少しは気が楽になったかな・・・)
「ありがとう、リア・・・」
フレンはそう呟き微笑んだ後、明日帝都に向かう為の準備を始めた
続く
あとがき
あれぇ? 此処で続く予定じゃなかったのになぁ・・・
思った以上にフレンの心情と思いが書けたから、ユーリの出番次回になっちゃったよι(おい・・・ by.ユーリ)
まあでも劇場版はフレンの事も結構書かれてたからね!
んで、最初の方に戻りますが、やっぱり「でっかい方」の所のやりとりが好きww
ユーリ、こん時は純粋だったのにゲームの方じゃエローウェルに・・・
フレンはあんま変わってないような気がするよ!w
でも結局はコイツ等、むっつりww
さ、次回はユーリとあの子達を登場させますか!
それでは!
2009.11.04