~The First Strike~
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「あ、ユーリ、フレン、おかえり」
夕方、巡回から戻って着たユーリとフレンは犬舎と厩にいるランバート達や馬達に餌をやりに来たのだが、ラピードとランバート達の所にリアが居た
「リア、何してんだ?」
「ちょっと前に散歩から戻って来たから此処で休んでたの。あ、これから配るの?」
「ああ」
「なら、手伝うよ」
「え?」
「みんなでやった方が早く終わるでしょ」
ユーリとフレンが持っているものを見てリアは二人の所に行き、ニコリと笑ってそう言って分担し、犬舎をリア、厩をユーリとフレンが担当する事になった
「じゃ、こっちは任せたぜ」
「うん。みんなー、ご飯よー」
「「ワンワン!」」「アン!」
リアは二人を見送ると軍用犬達にそう声を掛け、楽しそうに笑って餌を配りだした
厩に着き餌を配ったりしている間にリアの様子を伺うと、動物好きと言うだけあって他の軍用犬達もリアに懐いているのが解り、じゃれ合ったりしているのが目に入った
「他の人達であんな風に懐いてたりじゃれているのは見た事ないな」
「何だよ、お前等もリアから貰いたいのか?」
お互いに離れて餌をやりながらリアの様子を見てそう呟き、そんなリアを見て厩にいる馬達はユーリの言葉に頷いているように鳴いた
「ユーリ、フレン、終わったよ」
「ありがとうリア」
「サンキュ」
三人でやったお陰でいつもより早く終わりリア達はそのまま外に出た
「随分楽しそうだったね、リア」
「うん、楽しかったよ。みんな良い子達だし」
「なら、今度から餌やりは今度からリアに任せるか」
「ユーリ、自分がやりたくないだけだろ」
「ふふっ。今日みたいに時間があったらまた手伝うよ。ぁ、」
ふと立ち止まったリアを見ると空を見ていて見上げると綺麗な夕焼け空が広がっていた
「綺麗な空」
「「・・・・」」
夕空を眺めているリアを見ていると二人の視線に気付いたのかリアが小さく首を傾げた
「? どうかした?」
「いや、なんでも」
「・・・二人共、何か悩んでる?」
「「え?」」
急にそう言われ驚いてリアを見ると少しだけ心配した顔をしていた
「なんでそう思うんだ」
「ずっと一緒にいたんだからちょっとの違いでも解るよ」
そう言われユーリとフレンは目を瞠った
「話したくないなら無理には聞かないし、私じゃダメなら兄さんにでも」
「大丈夫だって」
「・・・本当に?」
「ああ。大丈夫だよ」
心配そうに言うリアを見てユーリとフレンはリアを安心させるように微笑むとリアは渋々だが納得した
「・・・なら、良いけど。? ユーリ、ちょっと腕見せて」
「ん?」
ユーリは言われた通り腕を見せるとリアは小さく息を吐いた
「やっぱり。此処、ちょっと破けてる」
リアの言う所を見ると確かに少しだけ破けていた
「これくらい平気だよ」
「平気でもこれくらいなら直ぐに直せるから」
言うとリアはポケットからポーチを取り出し、そのポーチを開けソーイングセットを出した
「「!」」
それを見た途端二人の表情が変わった
「リア、それ・・・」
「え? あ、うん」
二人が言いたい事が解り微笑んだ
「大事に使ってるよ」
リアが手にしているポーチとソーイングセット、それは去年ユーリとフレンがリアに誕生日プレゼントとして贈った物だった
「ユーリ、手動かさないでね」
針に糸を通し終わり破けている所を丁寧に縫い始めた
去年リアに渡したポーチとソーイングセット、去年はリアも仕事が忙しく下町にいない事が多くプレゼントはリア達が旅先で泊っている宿に送った
フレンは子供の頃に下町を離れ別の街に住んでいたが手紙と同じく、誕生日プレゼントなども毎年リアに贈っていた
そしてさっきプレゼントを見た途端、ヒスカやシャスティル、ナイレンに言われた事を思い出し、リアの嬉しそうな顔が浮かんだ
「「ぷっ」」
すると急にユーリとフレンは同時に小さく笑った
「え? 何? 私、何か変な事言った?」
そんな二人を見てリアは手を止め少し慌ててそう聞いた
「いや、言ってないぜ」
「なら何で笑ってるの?」
「気にしないで、こっちの事だから」
「?」
ユーリとフレンはひとしきり笑うとリアを安心させるようにそう言って、お互い顔を見合わせた
「何悩んでたんだろうな、オレ達」
「ああ。答えは直ぐ近くにあったのにな」
ユーリとフレンはリアに聞こえない声でそう言いリアへと視線を向けた
二人が悩んでいたその答え、それは二人の直ぐ側にいるリアが出してくれた
リアに目を戻すと器用に破けている所を縫っていた
「ん、なに?」
二人の視線に気付きちらりと見て言うとフレンは小さく笑って答えた
「いや。やっぱりリアは手際が良いと思ってね」
「そうかな。あ、フレンも何か縫う物があったら言ってね」
「ああ。じゃあ後でお願いしようかな」
「うん、任せて。ユーリも他にもあったら言ってね」
「ああ」
ニコリと微笑んで言うリアを見てユーリもフレンも自然と微笑み返していた
((明日、買いに行くか))
そして二人して同じ事を思ったのだった
*
「あれ~、リアちゃん何してるの~?」
「あ、レイヴン」
二日後、街を歩いていると聞き慣れた声が聞こえ振り返るとレイヴンがリアを見つけ歩いて来た
「珍しく一人?」
「うん。って、アスラもいるけど」
「まあ発言としては正しいかな」
アスラの姿が他の人達に見えないと言う事をレイヴンも知っているからなのか、リアが一人の時はこうして声を掛けていた
「セイは一緒じゃないの?」
「部屋でやる事があるから、呼ぶまで戻って来るなって言われて・・・」
「へえ、珍しい事もあるのね」
「セイもボク達もずっと一緒にいる訳じゃないしね」
一緒にいる所をずっと見ているレイヴンにしてみればリアとアスラだけと言うのは新鮮に感じたのだろう
「でもこれからギルドの方に行こうと思ってたの」
「あ、そうなの。じゃ、俺様も一緒に行こうかなぁ」
「どっか行く所じゃなかったの?」
「いやいや、俺様も丁度戻る所だったのよ」
「・・・まあ、良いけど」
リアの隣に並んで歩き出したレイヴンを見てアスラはそう言ったが、諦めたのかそれ以上は何も言わなかった
夕方、セイからアスラに連絡が来てリアはギルドを後にし、騎士団の駐屯地へと戻って来た
「リア」
「兄さん、ただいま」
「悪かったな、仕事任せて」
「ううん。兄さんの方は終わったの?」
「ああ。じゃ、戻るか」
「うん」
応接セットがある所までやって来るとセイが座っていて、リアを見つけ声を掛け数言話して部屋へと戻った
「リア、先に入れ」
「え、うん?」
部屋の前に戻って来ると急にそう言われリアはドアノブに手を掛け、ゆっくりと開けた
「「おかえり、リア」」
「え、ユーリ、フレン?」
扉を開けると部屋の中にユーリとフレンがいて、リアを見るとニコリと笑ってそう言った
「二人共どうしたの? 兄さんに用事だった?」
「いや、リアを待ってたんだよ」
「私を?」
「ああ」
言うとユーリとフレンはラッピングされた袋をリアの前に出した
「? これは?」
「いいから開けてみろよ」
「う、うん」
そう促されガサガサと音を立てて紙袋を開けると
「! これ」
その中に入っていたのはリアがずっと見て欲しがっていたあのリボンだった
「どうしてこれを・・、それに・・・」
「ちょっと早いけど誕生日プレゼントだよ」
「え?」
フレンにそう言われ驚いて目を瞠った
「お前、自分の誕生日がもうすぐだって忘れてるだろ」
「え、あ・・そう言えば・・・」
ユーリの言葉で後少しで自分の誕生日だと気が付いた
「やっぱり忘れてたんだね」
「ま、此処んとこバタバタしてたしな」
そんなリアを見てアスラもセイも苦笑していたが、直ぐに微笑んで
「「「「リア、誕生日おめでとう」」」」
と、声を揃えて言った
「っ、ありがとう、ユーリ、フレン、兄さん、アスラ」
ユーリ達の急なサプライズと気持ちと言葉が嬉しくて、リアは少し涙目になっていた
そんなリアを見てセイが優しく頭を撫でるとリアは心地良さそうに微笑み、二人から貰ったリボンを見た
「でも、どうしてこのリボンを?」
このリボンの事はヒスカやシャスティル、そしてナイレンとランバートとラピードしか知らないはずなのに、と思っているとフレンは少しだけ苦笑して話した
「実はあの時、先輩達からリアがこのリボンを見てた事を聞いてね」
「その後も何度か店の前通った時に見てただろ」
「知ってたの?」
「「ああ」」
その姿を見られていたのが恥ずかしくなったのかリアは少しだけ頬を染め、くるりと後ろを向いた
そして下を向き何かしていると思っていると同時にしゅるっと音が聞こえ、その音が聞こえなくなるとリアはまたユーリ達の方を向いた
「どう、かな?」
そう言われリアを見ると、先程プレゼントしたリボンがリアの首元に結ばれていた
ショーウィンドウに飾られているリボンと少しだけ結び方を変えていたが、それでもショーウィンドウに飾られていたものより、そして十分リアに似合っていた
「とても似合っているよ」
「ああ。似合ってるぜ」
「ユーリ、フレン、本当にありがとう。大事にするね」
微笑んで言うとリアは更に嬉しそうな顔をして微笑んでいた
ユーリとフレンがプレゼントをくれる理由、
それはただ単に誕生日だからとか幼馴染みで親友だからと言う理由だけじゃない
私や兄さんは言霊使いの中でも一際力が強い
その分危険な仕事を担う事が多い
この事は昔、ユーリとフレンに言霊使いだって話した時、ううん、それ以降でも兄さんやアスラが度々話していた
だから昔、プレゼントを貰った時、二人にこう言われた
「リアが危険な目に遭っても安心出来るように、心細くないように。」
「いつでもオレ達が側にいる。だから、安心しろ」
「ユーリ、フレン・・・。うん!」
それ以来、二人から貰うプレゼントは凄く大事にしている
会えない時も仕事で危険な事に遭っても、二人から貰ったプレゼントが私を支えてくれてる
だからお守りとしてずっと持っていた
そして久しぶりに再会して、二人から貰ったこのリボン
「・・・ずっと、大事にするね」
そっとリボンに触れ、そう呟いた
二人から貰ったプレゼント、
それは私にとって、とても大切な宝物
これからもずっと、
私の宝物だから ―――
僕の宝物(後編)
「ったく、世話の掛かる奴等だな」
「ホントですよね」
「でも良いじゃないですか。リアがあんなに嬉しそうなんだし」
「そうだな」「そうね」
翌日、リア達幼馴染み組を見つけ更にリアの首元に結ばれているリボンを見て、ナイレンとヒスカとシャスティルは無事に事が済んだ事と、嬉しそうにしているリアを見て微笑んでいたのだった
終わり
後書き
サイト二周年記念小説!は見事アンケートで一位を取った下町幼馴染み組でリアちゃんの誕生日会でした
・・・この話しは以前から考えていたものだったのですが、今回のアンケート結果を見てプラスして書けば行けるか?と思って仕上げたものです
劇場版の話しだし、場所が場所だからそんなに大きな誕生日会ではなかったけど、それでもリアちゃんにとっては凄く大切な誕生日だったと思う
前後編で分かれるとは思わなかったけどιww
一応補足しておいた方が良いと思うので補足しておきます
この話しは劇場版の一部と思って下さい
劇場版本編の流れだとどうしても日にちが早くなってしまってますが、それでもこう言った話しが本編の一部で遭ったんだと思って下さい
そしてリアちゃんの誕生日はあの事件が遭った数日後、って事にしておいて下さいι(じゃないと設定や時間枠などが変わってきてしまうのでι)
後、少し早い誕生日会だったのは上記の事もありますが、リアちゃんなんだかんだで仕事でいない時とかもあるから、ユーリとフレンが非番の日でリアちゃん達と一緒に居る時に少し早い誕生日会だったって事です
でも久々に劇場版メンバーとも絡ませられたし、話しが書けて良かったな!
レイヴンも出られて良かったね!ww
しかし、やっぱり隊長はカッコイイですね!←
やっぱり隊長の言葉がなかったらユーリとフレンは大事な事に気が付きませんでしたよね
最後になりましたが、二周年本当に有り難う御座います!!
今後も頑張って行きますのでこれからも、等サイト、夢小説をよろしくお願い致します!
それでは此処まで読んで下さって有り難う御座いました!!
第二弾もお楽しみに♪
國府田 マリ子 ミニアルバム「僕の宝物」より
完成:2011.07.14
サイト二周年:2011.07.18
夕方、巡回から戻って着たユーリとフレンは犬舎と厩にいるランバート達や馬達に餌をやりに来たのだが、ラピードとランバート達の所にリアが居た
「リア、何してんだ?」
「ちょっと前に散歩から戻って来たから此処で休んでたの。あ、これから配るの?」
「ああ」
「なら、手伝うよ」
「え?」
「みんなでやった方が早く終わるでしょ」
ユーリとフレンが持っているものを見てリアは二人の所に行き、ニコリと笑ってそう言って分担し、犬舎をリア、厩をユーリとフレンが担当する事になった
「じゃ、こっちは任せたぜ」
「うん。みんなー、ご飯よー」
「「ワンワン!」」「アン!」
リアは二人を見送ると軍用犬達にそう声を掛け、楽しそうに笑って餌を配りだした
厩に着き餌を配ったりしている間にリアの様子を伺うと、動物好きと言うだけあって他の軍用犬達もリアに懐いているのが解り、じゃれ合ったりしているのが目に入った
「他の人達であんな風に懐いてたりじゃれているのは見た事ないな」
「何だよ、お前等もリアから貰いたいのか?」
お互いに離れて餌をやりながらリアの様子を見てそう呟き、そんなリアを見て厩にいる馬達はユーリの言葉に頷いているように鳴いた
「ユーリ、フレン、終わったよ」
「ありがとうリア」
「サンキュ」
三人でやったお陰でいつもより早く終わりリア達はそのまま外に出た
「随分楽しそうだったね、リア」
「うん、楽しかったよ。みんな良い子達だし」
「なら、今度から餌やりは今度からリアに任せるか」
「ユーリ、自分がやりたくないだけだろ」
「ふふっ。今日みたいに時間があったらまた手伝うよ。ぁ、」
ふと立ち止まったリアを見ると空を見ていて見上げると綺麗な夕焼け空が広がっていた
「綺麗な空」
「「・・・・」」
夕空を眺めているリアを見ていると二人の視線に気付いたのかリアが小さく首を傾げた
「? どうかした?」
「いや、なんでも」
「・・・二人共、何か悩んでる?」
「「え?」」
急にそう言われ驚いてリアを見ると少しだけ心配した顔をしていた
「なんでそう思うんだ」
「ずっと一緒にいたんだからちょっとの違いでも解るよ」
そう言われユーリとフレンは目を瞠った
「話したくないなら無理には聞かないし、私じゃダメなら兄さんにでも」
「大丈夫だって」
「・・・本当に?」
「ああ。大丈夫だよ」
心配そうに言うリアを見てユーリとフレンはリアを安心させるように微笑むとリアは渋々だが納得した
「・・・なら、良いけど。? ユーリ、ちょっと腕見せて」
「ん?」
ユーリは言われた通り腕を見せるとリアは小さく息を吐いた
「やっぱり。此処、ちょっと破けてる」
リアの言う所を見ると確かに少しだけ破けていた
「これくらい平気だよ」
「平気でもこれくらいなら直ぐに直せるから」
言うとリアはポケットからポーチを取り出し、そのポーチを開けソーイングセットを出した
「「!」」
それを見た途端二人の表情が変わった
「リア、それ・・・」
「え? あ、うん」
二人が言いたい事が解り微笑んだ
「大事に使ってるよ」
リアが手にしているポーチとソーイングセット、それは去年ユーリとフレンがリアに誕生日プレゼントとして贈った物だった
「ユーリ、手動かさないでね」
針に糸を通し終わり破けている所を丁寧に縫い始めた
去年リアに渡したポーチとソーイングセット、去年はリアも仕事が忙しく下町にいない事が多くプレゼントはリア達が旅先で泊っている宿に送った
フレンは子供の頃に下町を離れ別の街に住んでいたが手紙と同じく、誕生日プレゼントなども毎年リアに贈っていた
そしてさっきプレゼントを見た途端、ヒスカやシャスティル、ナイレンに言われた事を思い出し、リアの嬉しそうな顔が浮かんだ
「「ぷっ」」
すると急にユーリとフレンは同時に小さく笑った
「え? 何? 私、何か変な事言った?」
そんな二人を見てリアは手を止め少し慌ててそう聞いた
「いや、言ってないぜ」
「なら何で笑ってるの?」
「気にしないで、こっちの事だから」
「?」
ユーリとフレンはひとしきり笑うとリアを安心させるようにそう言って、お互い顔を見合わせた
「何悩んでたんだろうな、オレ達」
「ああ。答えは直ぐ近くにあったのにな」
ユーリとフレンはリアに聞こえない声でそう言いリアへと視線を向けた
二人が悩んでいたその答え、それは二人の直ぐ側にいるリアが出してくれた
リアに目を戻すと器用に破けている所を縫っていた
「ん、なに?」
二人の視線に気付きちらりと見て言うとフレンは小さく笑って答えた
「いや。やっぱりリアは手際が良いと思ってね」
「そうかな。あ、フレンも何か縫う物があったら言ってね」
「ああ。じゃあ後でお願いしようかな」
「うん、任せて。ユーリも他にもあったら言ってね」
「ああ」
ニコリと微笑んで言うリアを見てユーリもフレンも自然と微笑み返していた
((明日、買いに行くか))
そして二人して同じ事を思ったのだった
*
「あれ~、リアちゃん何してるの~?」
「あ、レイヴン」
二日後、街を歩いていると聞き慣れた声が聞こえ振り返るとレイヴンがリアを見つけ歩いて来た
「珍しく一人?」
「うん。って、アスラもいるけど」
「まあ発言としては正しいかな」
アスラの姿が他の人達に見えないと言う事をレイヴンも知っているからなのか、リアが一人の時はこうして声を掛けていた
「セイは一緒じゃないの?」
「部屋でやる事があるから、呼ぶまで戻って来るなって言われて・・・」
「へえ、珍しい事もあるのね」
「セイもボク達もずっと一緒にいる訳じゃないしね」
一緒にいる所をずっと見ているレイヴンにしてみればリアとアスラだけと言うのは新鮮に感じたのだろう
「でもこれからギルドの方に行こうと思ってたの」
「あ、そうなの。じゃ、俺様も一緒に行こうかなぁ」
「どっか行く所じゃなかったの?」
「いやいや、俺様も丁度戻る所だったのよ」
「・・・まあ、良いけど」
リアの隣に並んで歩き出したレイヴンを見てアスラはそう言ったが、諦めたのかそれ以上は何も言わなかった
夕方、セイからアスラに連絡が来てリアはギルドを後にし、騎士団の駐屯地へと戻って来た
「リア」
「兄さん、ただいま」
「悪かったな、仕事任せて」
「ううん。兄さんの方は終わったの?」
「ああ。じゃ、戻るか」
「うん」
応接セットがある所までやって来るとセイが座っていて、リアを見つけ声を掛け数言話して部屋へと戻った
「リア、先に入れ」
「え、うん?」
部屋の前に戻って来ると急にそう言われリアはドアノブに手を掛け、ゆっくりと開けた
「「おかえり、リア」」
「え、ユーリ、フレン?」
扉を開けると部屋の中にユーリとフレンがいて、リアを見るとニコリと笑ってそう言った
「二人共どうしたの? 兄さんに用事だった?」
「いや、リアを待ってたんだよ」
「私を?」
「ああ」
言うとユーリとフレンはラッピングされた袋をリアの前に出した
「? これは?」
「いいから開けてみろよ」
「う、うん」
そう促されガサガサと音を立てて紙袋を開けると
「! これ」
その中に入っていたのはリアがずっと見て欲しがっていたあのリボンだった
「どうしてこれを・・、それに・・・」
「ちょっと早いけど誕生日プレゼントだよ」
「え?」
フレンにそう言われ驚いて目を瞠った
「お前、自分の誕生日がもうすぐだって忘れてるだろ」
「え、あ・・そう言えば・・・」
ユーリの言葉で後少しで自分の誕生日だと気が付いた
「やっぱり忘れてたんだね」
「ま、此処んとこバタバタしてたしな」
そんなリアを見てアスラもセイも苦笑していたが、直ぐに微笑んで
「「「「リア、誕生日おめでとう」」」」
と、声を揃えて言った
「っ、ありがとう、ユーリ、フレン、兄さん、アスラ」
ユーリ達の急なサプライズと気持ちと言葉が嬉しくて、リアは少し涙目になっていた
そんなリアを見てセイが優しく頭を撫でるとリアは心地良さそうに微笑み、二人から貰ったリボンを見た
「でも、どうしてこのリボンを?」
このリボンの事はヒスカやシャスティル、そしてナイレンとランバートとラピードしか知らないはずなのに、と思っているとフレンは少しだけ苦笑して話した
「実はあの時、先輩達からリアがこのリボンを見てた事を聞いてね」
「その後も何度か店の前通った時に見てただろ」
「知ってたの?」
「「ああ」」
その姿を見られていたのが恥ずかしくなったのかリアは少しだけ頬を染め、くるりと後ろを向いた
そして下を向き何かしていると思っていると同時にしゅるっと音が聞こえ、その音が聞こえなくなるとリアはまたユーリ達の方を向いた
「どう、かな?」
そう言われリアを見ると、先程プレゼントしたリボンがリアの首元に結ばれていた
ショーウィンドウに飾られているリボンと少しだけ結び方を変えていたが、それでもショーウィンドウに飾られていたものより、そして十分リアに似合っていた
「とても似合っているよ」
「ああ。似合ってるぜ」
「ユーリ、フレン、本当にありがとう。大事にするね」
微笑んで言うとリアは更に嬉しそうな顔をして微笑んでいた
ユーリとフレンがプレゼントをくれる理由、
それはただ単に誕生日だからとか幼馴染みで親友だからと言う理由だけじゃない
私や兄さんは言霊使いの中でも一際力が強い
その分危険な仕事を担う事が多い
この事は昔、ユーリとフレンに言霊使いだって話した時、ううん、それ以降でも兄さんやアスラが度々話していた
だから昔、プレゼントを貰った時、二人にこう言われた
「リアが危険な目に遭っても安心出来るように、心細くないように。」
「いつでもオレ達が側にいる。だから、安心しろ」
「ユーリ、フレン・・・。うん!」
それ以来、二人から貰うプレゼントは凄く大事にしている
会えない時も仕事で危険な事に遭っても、二人から貰ったプレゼントが私を支えてくれてる
だからお守りとしてずっと持っていた
そして久しぶりに再会して、二人から貰ったこのリボン
「・・・ずっと、大事にするね」
そっとリボンに触れ、そう呟いた
二人から貰ったプレゼント、
それは私にとって、とても大切な宝物
これからもずっと、
私の宝物だから ―――
僕の宝物(後編)
「ったく、世話の掛かる奴等だな」
「ホントですよね」
「でも良いじゃないですか。リアがあんなに嬉しそうなんだし」
「そうだな」「そうね」
翌日、リア達幼馴染み組を見つけ更にリアの首元に結ばれているリボンを見て、ナイレンとヒスカとシャスティルは無事に事が済んだ事と、嬉しそうにしているリアを見て微笑んでいたのだった
終わり
後書き
サイト二周年記念小説!は見事アンケートで一位を取った下町幼馴染み組でリアちゃんの誕生日会でした
・・・この話しは以前から考えていたものだったのですが、今回のアンケート結果を見てプラスして書けば行けるか?と思って仕上げたものです
劇場版の話しだし、場所が場所だからそんなに大きな誕生日会ではなかったけど、それでもリアちゃんにとっては凄く大切な誕生日だったと思う
前後編で分かれるとは思わなかったけどιww
一応補足しておいた方が良いと思うので補足しておきます
この話しは劇場版の一部と思って下さい
劇場版本編の流れだとどうしても日にちが早くなってしまってますが、それでもこう言った話しが本編の一部で遭ったんだと思って下さい
そしてリアちゃんの誕生日はあの事件が遭った数日後、って事にしておいて下さいι(じゃないと設定や時間枠などが変わってきてしまうのでι)
後、少し早い誕生日会だったのは上記の事もありますが、リアちゃんなんだかんだで仕事でいない時とかもあるから、ユーリとフレンが非番の日でリアちゃん達と一緒に居る時に少し早い誕生日会だったって事です
でも久々に劇場版メンバーとも絡ませられたし、話しが書けて良かったな!
レイヴンも出られて良かったね!ww
しかし、やっぱり隊長はカッコイイですね!←
やっぱり隊長の言葉がなかったらユーリとフレンは大事な事に気が付きませんでしたよね
最後になりましたが、二周年本当に有り難う御座います!!
今後も頑張って行きますのでこれからも、等サイト、夢小説をよろしくお願い致します!
それでは此処まで読んで下さって有り難う御座いました!!
第二弾もお楽しみに♪
國府田 マリ子 ミニアルバム「僕の宝物」より
完成:2011.07.14
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