~The First Strike~
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「騎士団・・か」
ユーリが立ち去った後、リアは窓際へ移動して幼馴染みであるユーリとフレンが再会出来る事を思った後、またチェストの引き出しからフレンから届いた手紙を出して手紙をテーブルに置きイスに座りさっきまでユーリと話していた事を思い出していた
「何暗い顔してんだ」
「・・兄さん」
扉が開く音と同時に聞き覚えのある声が聞こえ扉の方に視線を向けるとセイが戻って来た所だった
「ユーリ、来たんだな」
「うん」
セイはテーブルの上にティーカップが二つあるのが目に入りそう尋ねるとリアは頷いた
「兄さん、ユーリが騎士団に入るって事、いつから知ったの?」
「ちょっと前、だな。俺達が下町に戻って来た頃に丁度騎士団募集の張り紙がされてただろ。そん時にあいつがその張り紙見てるのたまたま見てな」
「それでユーリは騎士団に入るって決めたの?」
「いや、そん時はまだだったんだろうな。その後も何度か張り紙見てるとこ見たからな」
セイはイスに腰掛けながら話しを初め、リアはティーカップに紅茶を注ぎながら話しを聞いていた
「・・やっぱり迷ってたんだね」
下町の人間にとっては騎士団というものは敵と言っても良いほどだ
全員が敵という訳ではないが、下町の人々にとって騎士団は余り良いイメージではない
リアもセイも生まれは此処じゃないにしろ、此処で育っている方が長いからそれは良く解っている
「で、見かねて俺が声掛けてあいつの本音を聞いてやったんだよ」
――――
「よ、ユーリ」
「! なんだ、セイか」
「最近良くその張り紙見てるよな」
「! ・・・知ってったのか」
「ああ。何度か見てるの見た事あってな」
「・・・・」
「・・・騎士団、入りたいのか?」
「・・・・」
セイはユーリの隣に移動して壁に貼られている騎士団募集の張り紙を見てユーリに尋ねるがユーリは何か考えているような顔をしていた
「立ち話もなんだし、とりあえずお前んちに行こうぜ。そこで話し聞いてやる」
そしてユーリの家に移動して、二人は話しを始めた
「ユーリ、もう一度聞くが、お前は騎士団に入りたいのか?」
「・・、・・前にじいさん達にそろそろちゃんと働けって言われて」
ユーリはゆっくりとだが思っている事をセイに話し出す
「それで考えてる時に張り紙見つけて色々と考えてたんだよ」
「騎士団に入れば下町も守れる、からか?」
「ああ・・・」
「・・・・」
そういうユーリだが、妙に重たい感じがした
それは下町出身の者なら誰もが思っている事だった
「本当にそれだけか?」
「・・・・」
「下町の連中も含めお前がこの下町を守りたいって思ってるのは本当だろ。お前は誰よりもこの町と連中が大事だからな」
幼い頃に家族を亡くしたユーリは下町の人達のお陰で育ってこられたのだから、彼等はユーリにとって家族同然の存在だ
だが、それだけではない事をセイは見抜いていた
「けど、一番の影響はフレンの親父さん、だろ」
「!」
その言葉を聞きユーリは驚いて目を瞠り小さく息を吐いた
「・・・はあ、やっぱセイには勝てねえな」
「何年お前の面倒見て来たと思ってんだよ」
お互いに小さく笑ってようやく少しだけ張り詰めた空気だったものが和らいだ
「お前、フレンとフレンの親父さんと剣の稽古してる時凄く楽しそうだったしな」
「ああ。両親いなかったオレにとっちゃフレンの親父さんは憧れみたいなもんだったからな」
フレンの父親は下町出身であり騎士団に入り隊長まで登り詰めた人物だった
彼に憧れを抱いたのは騎士団だけではなく下町の人々も、そして勿論ユーリもフレンもだった
それは一緒に遊び、剣の稽古をしていたリアもセイも思っていた事だった
ユーリは騎士団募集の張り紙を見てから、フレンの父親への憧れと騎士団への印象、と言う気持ちと自分の思い描いている理想が成せるのかという事がありどうするか悩んでいた
「ま、まだ期日まで時間があるんだ、じっくり悩んで決めろ。相談ならいつでも乗ってやる。勿論リアやハンクスじいさん達にも黙っといてやるからよ」
「セイ・・・。サンキュ」
またお互いに笑い合い、数日後、ユーリは騎士団入隊希望の書類を出したのだった
――――
「そうだったんだ」
一通り話しを聞き終わり、少しだけ小さく笑った
「他の人達じゃ言えない事も、兄さんになら言えるもんね」
ユーリにとってもセイは兄のような存在だから、本音を話せたのは年が近くてずっと面倒を見て貰っていたセイだったからだろうとリアは思った
「けど、その後って確か町での揉め事を止めてハンクスさんの所に呼び出されてたって聞いたけど・・・」
ユーリが書類を出して数日後、下町で商売をしてた人の所にチンピラが寄って来て騒ぎを止めようと少しだけ相手をしているとハンクスがユーリを止め、チンピラ達も逃げていきなんとか騒ぎは収まったようだった
が、ユーリはそのままハンクスに呼び出され、少しだけ説教を受け、騎士団の事を話したらしい
リアはその時用事があり故郷に戻っていたから知らなかったが、下町に戻って来た時に町の人達が教えてくれたのだった
「その後オレの所に来て散々愚痴ってたけどな。絶対に騎士になってやる!ってな。ま、本当の本音は言ってないみたいだけどな」
「ユーリなら言わなさそうだもんね」
ユーリの性格を良く解っているリアはそう思い小さく笑った
「それで少しだけ日にちを置いて今日私の所に来たって事か」
「そういう事だ」
リアは少し前にユーリと話した事を思い出して言うとセイは頷いて紅茶を飲んだ
「じゃあ兄さんもアスラも、私とユーリが話しやすいように気を遣って出掛けてたの?」
「それもあるが、故郷行って仕事やってたからな。アスラもフキもまだ故郷だけどな」
「そっか」
言ってリアも紅茶を一口飲み、セイはリアのティーカップの隣に置いてある手紙に目を移す
「それ、フレンからか?」
「うん、ちょっと前に届いたの。フレンも、騎士団に入るんだって」
リアは封を開けセイにその手紙を見せた
「やっぱ、あいつ等は似たもの同士だよな」
「うん。だから試験会場でも再会出来ると良いなって思って」
が、やはりリアは少しだけ暗い顔をしていた
「寂しいか?」
「ちょっとだけ。でも、私も兄さんもずっと下町離れてるから。ただ、」
「ん?」
「ユーリ、上手くやっていけるかな? って・・・。ああいう環境って苦手だろうし」
「そこは俺もハンクスじいさん達も思ってる事だけどな。ま、後はユーリ次第、だろ。それにフレンもいるんだ、心配ねえって」
「うん・・そうだね。ユーリとフレンが一緒なら、大丈夫だよね」
「ああ」
それを聞き、やっとリアの顔から暗かった表情が消えた
(ユーリ、フレン、二人とも入団試験頑張ってね。
ユーリとフレンなら、絶対に合格するよ。
だから・・・、)
「二人が再会して騎士になって、」
リアはそのままチェストの上に飾ってある写真立ての前に移動し
「ユーリとフレンの夢、叶えようね」
写真を見て微笑んでそう言ったのだった
01.5.騎士団への思い
2話へ続く
あとがき
『テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~ Episode 0』が発売されたので書けなかった所や解らなかった所と、発売記念って事も含め書いてみました
多少オリジナルで考えた所もありますけど(ユーリが張り紙何度も見てるって辺り)
他の連載等も含めセイ兄ちゃんがユーリの面倒を見て兄貴っぽい所を見せてるってのを書いてなかったので今回はそれを踏まえた上で書いてみました
最後にリアちゃんが見ていた写真ですが、あれは子供の頃幼馴染み組が揃って撮った写真です
多分、ユーリもフレンも大事に持ってるんじゃないですかねえww
ドラマCD聞いてまだまだ書きたいと思ってる事とかありますので、書いたらまたアップして行こうと思っています
それでは!
2010.06.22
ユーリが立ち去った後、リアは窓際へ移動して幼馴染みであるユーリとフレンが再会出来る事を思った後、またチェストの引き出しからフレンから届いた手紙を出して手紙をテーブルに置きイスに座りさっきまでユーリと話していた事を思い出していた
「何暗い顔してんだ」
「・・兄さん」
扉が開く音と同時に聞き覚えのある声が聞こえ扉の方に視線を向けるとセイが戻って来た所だった
「ユーリ、来たんだな」
「うん」
セイはテーブルの上にティーカップが二つあるのが目に入りそう尋ねるとリアは頷いた
「兄さん、ユーリが騎士団に入るって事、いつから知ったの?」
「ちょっと前、だな。俺達が下町に戻って来た頃に丁度騎士団募集の張り紙がされてただろ。そん時にあいつがその張り紙見てるのたまたま見てな」
「それでユーリは騎士団に入るって決めたの?」
「いや、そん時はまだだったんだろうな。その後も何度か張り紙見てるとこ見たからな」
セイはイスに腰掛けながら話しを初め、リアはティーカップに紅茶を注ぎながら話しを聞いていた
「・・やっぱり迷ってたんだね」
下町の人間にとっては騎士団というものは敵と言っても良いほどだ
全員が敵という訳ではないが、下町の人々にとって騎士団は余り良いイメージではない
リアもセイも生まれは此処じゃないにしろ、此処で育っている方が長いからそれは良く解っている
「で、見かねて俺が声掛けてあいつの本音を聞いてやったんだよ」
――――
「よ、ユーリ」
「! なんだ、セイか」
「最近良くその張り紙見てるよな」
「! ・・・知ってったのか」
「ああ。何度か見てるの見た事あってな」
「・・・・」
「・・・騎士団、入りたいのか?」
「・・・・」
セイはユーリの隣に移動して壁に貼られている騎士団募集の張り紙を見てユーリに尋ねるがユーリは何か考えているような顔をしていた
「立ち話もなんだし、とりあえずお前んちに行こうぜ。そこで話し聞いてやる」
そしてユーリの家に移動して、二人は話しを始めた
「ユーリ、もう一度聞くが、お前は騎士団に入りたいのか?」
「・・、・・前にじいさん達にそろそろちゃんと働けって言われて」
ユーリはゆっくりとだが思っている事をセイに話し出す
「それで考えてる時に張り紙見つけて色々と考えてたんだよ」
「騎士団に入れば下町も守れる、からか?」
「ああ・・・」
「・・・・」
そういうユーリだが、妙に重たい感じがした
それは下町出身の者なら誰もが思っている事だった
「本当にそれだけか?」
「・・・・」
「下町の連中も含めお前がこの下町を守りたいって思ってるのは本当だろ。お前は誰よりもこの町と連中が大事だからな」
幼い頃に家族を亡くしたユーリは下町の人達のお陰で育ってこられたのだから、彼等はユーリにとって家族同然の存在だ
だが、それだけではない事をセイは見抜いていた
「けど、一番の影響はフレンの親父さん、だろ」
「!」
その言葉を聞きユーリは驚いて目を瞠り小さく息を吐いた
「・・・はあ、やっぱセイには勝てねえな」
「何年お前の面倒見て来たと思ってんだよ」
お互いに小さく笑ってようやく少しだけ張り詰めた空気だったものが和らいだ
「お前、フレンとフレンの親父さんと剣の稽古してる時凄く楽しそうだったしな」
「ああ。両親いなかったオレにとっちゃフレンの親父さんは憧れみたいなもんだったからな」
フレンの父親は下町出身であり騎士団に入り隊長まで登り詰めた人物だった
彼に憧れを抱いたのは騎士団だけではなく下町の人々も、そして勿論ユーリもフレンもだった
それは一緒に遊び、剣の稽古をしていたリアもセイも思っていた事だった
ユーリは騎士団募集の張り紙を見てから、フレンの父親への憧れと騎士団への印象、と言う気持ちと自分の思い描いている理想が成せるのかという事がありどうするか悩んでいた
「ま、まだ期日まで時間があるんだ、じっくり悩んで決めろ。相談ならいつでも乗ってやる。勿論リアやハンクスじいさん達にも黙っといてやるからよ」
「セイ・・・。サンキュ」
またお互いに笑い合い、数日後、ユーリは騎士団入隊希望の書類を出したのだった
――――
「そうだったんだ」
一通り話しを聞き終わり、少しだけ小さく笑った
「他の人達じゃ言えない事も、兄さんになら言えるもんね」
ユーリにとってもセイは兄のような存在だから、本音を話せたのは年が近くてずっと面倒を見て貰っていたセイだったからだろうとリアは思った
「けど、その後って確か町での揉め事を止めてハンクスさんの所に呼び出されてたって聞いたけど・・・」
ユーリが書類を出して数日後、下町で商売をしてた人の所にチンピラが寄って来て騒ぎを止めようと少しだけ相手をしているとハンクスがユーリを止め、チンピラ達も逃げていきなんとか騒ぎは収まったようだった
が、ユーリはそのままハンクスに呼び出され、少しだけ説教を受け、騎士団の事を話したらしい
リアはその時用事があり故郷に戻っていたから知らなかったが、下町に戻って来た時に町の人達が教えてくれたのだった
「その後オレの所に来て散々愚痴ってたけどな。絶対に騎士になってやる!ってな。ま、本当の本音は言ってないみたいだけどな」
「ユーリなら言わなさそうだもんね」
ユーリの性格を良く解っているリアはそう思い小さく笑った
「それで少しだけ日にちを置いて今日私の所に来たって事か」
「そういう事だ」
リアは少し前にユーリと話した事を思い出して言うとセイは頷いて紅茶を飲んだ
「じゃあ兄さんもアスラも、私とユーリが話しやすいように気を遣って出掛けてたの?」
「それもあるが、故郷行って仕事やってたからな。アスラもフキもまだ故郷だけどな」
「そっか」
言ってリアも紅茶を一口飲み、セイはリアのティーカップの隣に置いてある手紙に目を移す
「それ、フレンからか?」
「うん、ちょっと前に届いたの。フレンも、騎士団に入るんだって」
リアは封を開けセイにその手紙を見せた
「やっぱ、あいつ等は似たもの同士だよな」
「うん。だから試験会場でも再会出来ると良いなって思って」
が、やはりリアは少しだけ暗い顔をしていた
「寂しいか?」
「ちょっとだけ。でも、私も兄さんもずっと下町離れてるから。ただ、」
「ん?」
「ユーリ、上手くやっていけるかな? って・・・。ああいう環境って苦手だろうし」
「そこは俺もハンクスじいさん達も思ってる事だけどな。ま、後はユーリ次第、だろ。それにフレンもいるんだ、心配ねえって」
「うん・・そうだね。ユーリとフレンが一緒なら、大丈夫だよね」
「ああ」
それを聞き、やっとリアの顔から暗かった表情が消えた
(ユーリ、フレン、二人とも入団試験頑張ってね。
ユーリとフレンなら、絶対に合格するよ。
だから・・・、)
「二人が再会して騎士になって、」
リアはそのままチェストの上に飾ってある写真立ての前に移動し
「ユーリとフレンの夢、叶えようね」
写真を見て微笑んでそう言ったのだった
01.5.騎士団への思い
2話へ続く
あとがき
『テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~ Episode 0』が発売されたので書けなかった所や解らなかった所と、発売記念って事も含め書いてみました
多少オリジナルで考えた所もありますけど(ユーリが張り紙何度も見てるって辺り)
他の連載等も含めセイ兄ちゃんがユーリの面倒を見て兄貴っぽい所を見せてるってのを書いてなかったので今回はそれを踏まえた上で書いてみました
最後にリアちゃんが見ていた写真ですが、あれは子供の頃幼馴染み組が揃って撮った写真です
多分、ユーリもフレンも大事に持ってるんじゃないですかねえww
ドラマCD聞いてまだまだ書きたいと思ってる事とかありますので、書いたらまたアップして行こうと思っています
それでは!
2010.06.22