~The First Strike~
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夜、リアは仕事を終えて騎士団の駐屯地へと戻って来ると、ある場所に目が止まった
「・・・ユーリ?」
「リア。お帰り」
ユーリは戻って来たリアに気付き、空から視線を外しリアへと移した
「ただいま。 ・・・どうしたの?」
リアは返事を返し、ユーリを見るとユーリは何かを決意した目をしていた
「オレ、騎士団辞める事にした」
「・・・・」
ユーリは真剣な目をしてリアを見て言うとリアは黙り、ユーリは言葉を続ける
「住民が危ない目に遭ってんのに、結局本部の奴等 は何にもしなかった。それで多くの人が死んだってのに・・・。事が終わった後にのこのこと出て来やがった・・・」
「・・・・」
ユーリは悔しそうに握り拳を作って話しをする
リアはそれを口を挟まずに聞いていた
ユーリの悔しさはリア自身も良く解っている
ユーリやリアを含めたシゾンタニアの人々に慕われ、ユーリ達の事を見てくれ、大切にしていた人を奪われたのだから・・・
その気持ちが分かるからこそリアは何も言わずにユーリの言葉を聞いていた
「こんなんじゃ、オレの目指してるもんには辿り着けねえ・・・」
ユーリの理想はリアも解ってる
だからあの時、ユーリの背中を押して見送ったのだった
「そっか・・・」
リアは目を閉じてそう答えた
隊長不在となった今、フェドロック隊は撤収を命じられていた
そしてあの事件で街の結界魔導器も壊れてしまい住民達も移住する事となった
その機会を目にユーリは騎士団を辞める事を決意した
「ラピードも連れてく」
「うん。その方がラピードも喜ぶよ」
リアはニコリと笑って答えるとユーリもやっと表情を緩めて微笑んだ
「いつ出発するの?」
「明日にでも出るつもりだ。リア達はどうすんだ?」
「私達ももう仕事が終わったから、明日には出ると思うよ」
リアも依頼主であるナイレンと先に街を出たメルゾム達がいないとなれば、どちらもやる事を済ませているにしろもうこれ以上此処にいても意味がない
だからリア達もこの街を出る事になったのだった
「なら、明日は同じくらいに出るか?」
「そうだね。私もみんなに挨拶しておきたいし」
リアの返事を聞きユーリは満足そうな顔をした
「オレ、もうちょいラピードんとこいるから先部屋に戻ってな」
「うん。じゃあ明日ね」
「ああ」
そう言ってリアは屋敷の中に入って行った
「・・・・」
だが、なんとなくまだ部屋に戻る気にはなれなかった
「・・・最後だから、ね」
リアは薄く笑って廊下を歩き出した
こうやって此処を歩くのもこれで最後
そう思いながらリアは色々な事を思い出しながら廊下を歩いていた
そしてある場所に辿り着いた
「・・・・」
そこは応接セットが置いてる場所
リアが此処に来て久しぶりにユーリとフレンと再会し、その後も何度か此処でヒスカやシャスティル達と話しをした場所であり、あの夜、ナイレンとも話しをした場所だった
「此処が一番の思い出かもね」
リアはそう言って椅子に座った
そしてあの時と同じように窓から見える部屋や中庭、廊下を見て小さく微笑んだ
「・・・リア?」
「? フレン」
突然声が聞こえ視線を戻すとフレンが立っていた
「どうしたんだい、こんな時間に?」
「さっき仕事から帰って来たから此処でちょっと休憩」
「そうなんだ。お疲れ様」
そう言ってフレンは椅子に座った
「此処に来た時に、ユーリとフレンと会ったのって此処だったね」
「ああ。ちょっと前なのになんだか懐かしいね」
「乱闘後だから傷だらけだったけど」
「・・・その話しは忘れてくれ」
リアの言葉を聞きフレンは少し拗ねて苦笑し、リアはそんなフレンを見てくすくすと笑っていた
「・・・ユーリ、騎士団辞めるんだって?」
急にユーリの事を振られリアは驚いた顔をしたが、直ぐに薄く笑って答えた
「知ってたんだ・・・」
「さっきユルギス副隊長から聞いたよ」
どうやらフレンはガリスタの件についての報告書をユルギスに届けに行っていたらしい
その時にユーリが騎士団を辞める、と言う事を聞いたようだった
「ユーリらしい選択だと思ったよ」
「うん。私もさっきユーリから聞いてそう思った」
リアは先程までのユーリを思い出し、小さく笑って答えるとフレンも同じように笑った
「でも、フレン、ちょっと寂しそう」
「そんな事はないけどな・・・」
リアの言葉にフレンは曖昧な笑顔を作っていた
(やっぱり、なんだかんだ言っても幼馴染みだからね)
リアはそう思い微笑んでいると、フレンは真剣な目をしてリアに言う
「リア、僕は騎士団で上を目指すよ。そして必ず国を変えてみせる」
「うん・・・。フレンなら、きっと出来るよ」
フレンの強い意志を見てリアは微笑んで返事を返した
翌日、
「リア、元気でね」
「また何処かで会ったらよろしくね」
「はい。ヒスカさんとシャスティルさんもお元気で」
リアは旅支度を済ませ、ヒスカとシャスティルに挨拶をしていた
二人もリアがいる間ずっと一緒に話しをしたりしていたのでやっぱり寂しそうな顔をしていた
「リア、そろそろ行くよ」
足下にやって来たアスラがリアに伝えるとリアは頷いた
「それじゃあ、私達はこれで」
「ええ。リアもアスラも元気でね」
「セイにもよろしくね」
「はい」
そう言いリアはアスラを連れて歩き出し、ヒスカとシャスティルはリアに手を振りリアも振り返して、セイがいる所へ急いだ
「兄さん、ユーリとフレンは?」
「フレンなら門の所で待ってるぞ。ユーリなら」
セイはそう言ってある場所を見て、リアもアスラもその場所見た
そこには騎士の格好ではなく、私服姿のユーリとユーリの足下を歩いているラピードの姿があった
「・・・ラピードが咥えてるあのキセル・・・」
そのキセルはナイレンが使用していたものだった
ユーリは歩いて来る中、ユーリの姿を見つけ手を振っているヒスカ、シャスティル、ユルギス達に片手を上げて返事を返していた
「行くぞ」
ユーリが自分達の近くに来たのを見るとセイはリアに声を掛け、リアもアスラと共に歩き出した
そしてそのままユーリの側に行き、リアはユーリの隣に並ぶとユーリはリアに気付きリアはニコリと笑い、ユーリも微笑み返した
リア達はそのまま歩いて行き、街の正門へと着いた
そしてフレンはリア達の姿を見つけるとリア達に向き合った
「もう行くのかい?」
「ああ」「うん」
その返事を聞くとユーリは街の方へと視線を向ける
「みんなも出て行っちまうんだな」
「帝国が此処を放棄する以上仕方ないさ」
「ギルドの連中なんざ、とっとと消えちまったしな」
「メルゾム達なら昨日出て行ったぜ」
昨日の晩、リア達はメルゾム達から引き受けていた仕事を終わらせるとメルゾム達はそのまま街を出て行った
「メルゾムさんもナイレンさんがいたから心地良かったんだよ、きっと」
リアはその時の事を思い出して言うとユーリも言葉を続ける
「オレも隊長の居ない騎士団じゃやってけそうにないもんなぁ」
「確かにユーリはそうかもね」
ユーリの言葉にリア達は小さく笑ってしまう
ユーリもナイレンがいたからこそ、騎士団と言う組織の中でやってこれたのだろうから
「悪ぃ、後始末頼むわ」
「ガリスタ・ルオドーの魔導器暴発の事故死って報告書をユルギス副隊長は黙って受け取ってくれたよ。ユルギスさんもガリスタの事は隊長から聞いて、疑ってたみたいだ。だから僕等の独断も黙認してくれたんだ」
そして隊員達には、ガリスタは魔導器暴発による事故死と発表したそうだ
「ユルギスさんらしいな」
リアはその光景が浮かんだのか、そう呟いて微笑んで感謝した
それにはユーリもフレンもセイもアスラも同じで微笑んでいた
「フレン、お前は強いな。俺には真似出来ねえ」
「君もね、ユーリ。一人で生きていこうなんて君らしい選択だよ。僕は騎士団に残る事で隊長が目指した事を追い駆けてみるよ。あの人に頼まれちゃったし」
ユーリとフレンはお互いに強い眼差しを送り微笑み、リアも微笑んだ
「アンッ!」
「ラピードが一人じゃないって言ってるよ」
「アンッ!」
ラピードが一声鳴くとリアはそれを直ぐに理解し伝えるとまたラピードが鳴いた
「ごめん。一人じゃなかったな、ラピード」
その光景を見てセイとアスラは微笑んだ
今回の事でユーリもフレンもリアも大きく成長した
多くの経験をし、大切な人から大切な事を教えて貰い、大切なものを守る為に自分の道を行くと選んだユーリ
騎士の任務を守る事以上に大切な事もあると知り、ファイナス・シーフォやナイレン達が目指した事を騎士として全うすると心に誓ったフレン
水と油だった二人は何度も衝突を重ねた
その間に中和となる存在、リアとセイが二人の元に現れた
リアも二人と同じく、多くの経験をし、人一倍傷つき、もっと強くなる事を決意した
皆で傷つき、涙し、死闘を乗り越え、そして、本当にお互いを理解し、認めあるようになり、更に深い絆が生まれた
勿論その中にはいつも後ろ盾をして背中を押してくれるセイも入っているが、やはり自然とリア達に目がいっていた
「これからの成長も楽しみだな」
「リア達なら大丈夫だよ」
『ああ。リア達の絆は簡単に崩れないだろうしな』
そんなリア達を見てセイとアスラと姿を消しているフキはそう話し自然と微笑んでいた
ユーリは自分の左腕に着けている武醒魔導器を見せた
その魔導器はナイレンから受け取った魔導器だった
「大事にしてくれ」
フレンはその魔導器を見ると微笑んで答え、リア達も微笑んで魔導器を見ていた
「じゃあな」
「ああ」
「俺達もそろそろ行くか」
「うん」
そう言ってユーリは荷物を抱え直しラピードは立ち上がり、リア達も自分の荷物を持った
そして、
「ユーリ、フレン!」
数歩進んだ所でリアは二人の名前を呼び、
「またね」
「「ああ」」
リアは満面の笑顔でユーリとフレンに言い、ユーリとフレンも笑顔で返事を返し、ユーリとラピードは帝都に向けて、フレンは職へと戻る為に踵を返し、リアとセイとアスラとフキは故郷へと向けて、歩き出した
―― いつかまた、こうやってみんなと出逢える、
その日まで・・・――
――――
「リア、何してんだ、置いてくぞ」
リアは思いに耽って空を眺めていると急に声が聞こえ、地上へと視線を戻すといつの間にかユーリ達との距離が空いていた
リアはそのままユーリ、フレン、ラピード、セイ、アスラの順で一人一人見ていく
そしてまた空へと視線を移した
(ナイレンさん、ユーリとフレンは貴方の意思を受け継いで立派に成長してますよ。私達も、あの頃より成長して一歩一歩進んでいます。だから・・・)
「ユーリ、フレン、ラピード、兄さん、アスラ」
リアはユーリ達一人一人の名前を呼び、ユーリ達はリアの呼び掛けに歩みを止め振り返った
「この旅が終わったら・・・」
リアは顔を上げて
「―― シゾンタニアに行こう」
ニッコリとして言うとユーリ達は驚いて目を瞠った
(これから私達は世界の命運を掛けた大きな戦いに挑みます。
世界を守る為にも、ナイレンさんが目指した事を守る為にも、成長した私達を、
私達の正義を、見ていて下さい
20.未来へと続く道(最終話)
を、築き上げてみせます
全てを終わらせて、私達の思い出の場所である
シゾンタニアに行けるように ――)
end.
あとがき
劇場版、遂に完結~~~~!!!!!!
劇場版の話しを書き出して1ヶ月とちょっとで、完成させました!
やっぱりユーリとフレンはナイレンさんの影響や意思を受けて、色々と成長しましたからねえ
こういう過去が遭ったからこそ、あんなに素晴らしい大人主人公達になったんですよね(リアちゃんやセイ兄も含め)
最後は過去から現代に戻って来ての話しなので、みんなちょっと口調やら性格やら変わってます
一応タルカロンに乗り込む前の話なのであーゆー感じになりました(実際にゲーム でヒスカとシャスティルに会うのも乗り込む前だしね)
リアちゃんの言葉を聞いてユーリ達がどんな返事を返したかは皆さんの想像にお任せしますw
劇場版は本当にいい話だったので、いつも以上に世界観を崩さないよう注意しながら此処まで書きました
本当に劇場版キャラ達もゲームサイドのキャラ達もみんなみんな大好きです!!
此処まで読んで下さった皆様、本当に有り難う御座います!!
この話は過去の話になりますので、本編の連載 と共に読んで頂けたなら幸いです!
それでは本当に有り難う御座いました!!
2009.11.19
「・・・ユーリ?」
「リア。お帰り」
ユーリは戻って来たリアに気付き、空から視線を外しリアへと移した
「ただいま。 ・・・どうしたの?」
リアは返事を返し、ユーリを見るとユーリは何かを決意した目をしていた
「オレ、騎士団辞める事にした」
「・・・・」
ユーリは真剣な目をしてリアを見て言うとリアは黙り、ユーリは言葉を続ける
「住民が危ない目に遭ってんのに、結局
「・・・・」
ユーリは悔しそうに握り拳を作って話しをする
リアはそれを口を挟まずに聞いていた
ユーリの悔しさはリア自身も良く解っている
ユーリやリアを含めたシゾンタニアの人々に慕われ、ユーリ達の事を見てくれ、大切にしていた人を奪われたのだから・・・
その気持ちが分かるからこそリアは何も言わずにユーリの言葉を聞いていた
「こんなんじゃ、オレの目指してるもんには辿り着けねえ・・・」
ユーリの理想はリアも解ってる
だからあの時、ユーリの背中を押して見送ったのだった
「そっか・・・」
リアは目を閉じてそう答えた
隊長不在となった今、フェドロック隊は撤収を命じられていた
そしてあの事件で街の結界魔導器も壊れてしまい住民達も移住する事となった
その機会を目にユーリは騎士団を辞める事を決意した
「ラピードも連れてく」
「うん。その方がラピードも喜ぶよ」
リアはニコリと笑って答えるとユーリもやっと表情を緩めて微笑んだ
「いつ出発するの?」
「明日にでも出るつもりだ。リア達はどうすんだ?」
「私達ももう仕事が終わったから、明日には出ると思うよ」
リアも依頼主であるナイレンと先に街を出たメルゾム達がいないとなれば、どちらもやる事を済ませているにしろもうこれ以上此処にいても意味がない
だからリア達もこの街を出る事になったのだった
「なら、明日は同じくらいに出るか?」
「そうだね。私もみんなに挨拶しておきたいし」
リアの返事を聞きユーリは満足そうな顔をした
「オレ、もうちょいラピードんとこいるから先部屋に戻ってな」
「うん。じゃあ明日ね」
「ああ」
そう言ってリアは屋敷の中に入って行った
「・・・・」
だが、なんとなくまだ部屋に戻る気にはなれなかった
「・・・最後だから、ね」
リアは薄く笑って廊下を歩き出した
こうやって此処を歩くのもこれで最後
そう思いながらリアは色々な事を思い出しながら廊下を歩いていた
そしてある場所に辿り着いた
「・・・・」
そこは応接セットが置いてる場所
リアが此処に来て久しぶりにユーリとフレンと再会し、その後も何度か此処でヒスカやシャスティル達と話しをした場所であり、あの夜、ナイレンとも話しをした場所だった
「此処が一番の思い出かもね」
リアはそう言って椅子に座った
そしてあの時と同じように窓から見える部屋や中庭、廊下を見て小さく微笑んだ
「・・・リア?」
「? フレン」
突然声が聞こえ視線を戻すとフレンが立っていた
「どうしたんだい、こんな時間に?」
「さっき仕事から帰って来たから此処でちょっと休憩」
「そうなんだ。お疲れ様」
そう言ってフレンは椅子に座った
「此処に来た時に、ユーリとフレンと会ったのって此処だったね」
「ああ。ちょっと前なのになんだか懐かしいね」
「乱闘後だから傷だらけだったけど」
「・・・その話しは忘れてくれ」
リアの言葉を聞きフレンは少し拗ねて苦笑し、リアはそんなフレンを見てくすくすと笑っていた
「・・・ユーリ、騎士団辞めるんだって?」
急にユーリの事を振られリアは驚いた顔をしたが、直ぐに薄く笑って答えた
「知ってたんだ・・・」
「さっきユルギス副隊長から聞いたよ」
どうやらフレンはガリスタの件についての報告書をユルギスに届けに行っていたらしい
その時にユーリが騎士団を辞める、と言う事を聞いたようだった
「ユーリらしい選択だと思ったよ」
「うん。私もさっきユーリから聞いてそう思った」
リアは先程までのユーリを思い出し、小さく笑って答えるとフレンも同じように笑った
「でも、フレン、ちょっと寂しそう」
「そんな事はないけどな・・・」
リアの言葉にフレンは曖昧な笑顔を作っていた
(やっぱり、なんだかんだ言っても幼馴染みだからね)
リアはそう思い微笑んでいると、フレンは真剣な目をしてリアに言う
「リア、僕は騎士団で上を目指すよ。そして必ず国を変えてみせる」
「うん・・・。フレンなら、きっと出来るよ」
フレンの強い意志を見てリアは微笑んで返事を返した
翌日、
「リア、元気でね」
「また何処かで会ったらよろしくね」
「はい。ヒスカさんとシャスティルさんもお元気で」
リアは旅支度を済ませ、ヒスカとシャスティルに挨拶をしていた
二人もリアがいる間ずっと一緒に話しをしたりしていたのでやっぱり寂しそうな顔をしていた
「リア、そろそろ行くよ」
足下にやって来たアスラがリアに伝えるとリアは頷いた
「それじゃあ、私達はこれで」
「ええ。リアもアスラも元気でね」
「セイにもよろしくね」
「はい」
そう言いリアはアスラを連れて歩き出し、ヒスカとシャスティルはリアに手を振りリアも振り返して、セイがいる所へ急いだ
「兄さん、ユーリとフレンは?」
「フレンなら門の所で待ってるぞ。ユーリなら」
セイはそう言ってある場所を見て、リアもアスラもその場所見た
そこには騎士の格好ではなく、私服姿のユーリとユーリの足下を歩いているラピードの姿があった
「・・・ラピードが咥えてるあのキセル・・・」
そのキセルはナイレンが使用していたものだった
ユーリは歩いて来る中、ユーリの姿を見つけ手を振っているヒスカ、シャスティル、ユルギス達に片手を上げて返事を返していた
「行くぞ」
ユーリが自分達の近くに来たのを見るとセイはリアに声を掛け、リアもアスラと共に歩き出した
そしてそのままユーリの側に行き、リアはユーリの隣に並ぶとユーリはリアに気付きリアはニコリと笑い、ユーリも微笑み返した
リア達はそのまま歩いて行き、街の正門へと着いた
そしてフレンはリア達の姿を見つけるとリア達に向き合った
「もう行くのかい?」
「ああ」「うん」
その返事を聞くとユーリは街の方へと視線を向ける
「みんなも出て行っちまうんだな」
「帝国が此処を放棄する以上仕方ないさ」
「ギルドの連中なんざ、とっとと消えちまったしな」
「メルゾム達なら昨日出て行ったぜ」
昨日の晩、リア達はメルゾム達から引き受けていた仕事を終わらせるとメルゾム達はそのまま街を出て行った
「メルゾムさんもナイレンさんがいたから心地良かったんだよ、きっと」
リアはその時の事を思い出して言うとユーリも言葉を続ける
「オレも隊長の居ない騎士団じゃやってけそうにないもんなぁ」
「確かにユーリはそうかもね」
ユーリの言葉にリア達は小さく笑ってしまう
ユーリもナイレンがいたからこそ、騎士団と言う組織の中でやってこれたのだろうから
「悪ぃ、後始末頼むわ」
「ガリスタ・ルオドーの魔導器暴発の事故死って報告書をユルギス副隊長は黙って受け取ってくれたよ。ユルギスさんもガリスタの事は隊長から聞いて、疑ってたみたいだ。だから僕等の独断も黙認してくれたんだ」
そして隊員達には、ガリスタは魔導器暴発による事故死と発表したそうだ
「ユルギスさんらしいな」
リアはその光景が浮かんだのか、そう呟いて微笑んで感謝した
それにはユーリもフレンもセイもアスラも同じで微笑んでいた
「フレン、お前は強いな。俺には真似出来ねえ」
「君もね、ユーリ。一人で生きていこうなんて君らしい選択だよ。僕は騎士団に残る事で隊長が目指した事を追い駆けてみるよ。あの人に頼まれちゃったし」
ユーリとフレンはお互いに強い眼差しを送り微笑み、リアも微笑んだ
「アンッ!」
「ラピードが一人じゃないって言ってるよ」
「アンッ!」
ラピードが一声鳴くとリアはそれを直ぐに理解し伝えるとまたラピードが鳴いた
「ごめん。一人じゃなかったな、ラピード」
その光景を見てセイとアスラは微笑んだ
今回の事でユーリもフレンもリアも大きく成長した
多くの経験をし、大切な人から大切な事を教えて貰い、大切なものを守る為に自分の道を行くと選んだユーリ
騎士の任務を守る事以上に大切な事もあると知り、ファイナス・シーフォやナイレン達が目指した事を騎士として全うすると心に誓ったフレン
水と油だった二人は何度も衝突を重ねた
その間に中和となる存在、リアとセイが二人の元に現れた
リアも二人と同じく、多くの経験をし、人一倍傷つき、もっと強くなる事を決意した
皆で傷つき、涙し、死闘を乗り越え、そして、本当にお互いを理解し、認めあるようになり、更に深い絆が生まれた
勿論その中にはいつも後ろ盾をして背中を押してくれるセイも入っているが、やはり自然とリア達に目がいっていた
「これからの成長も楽しみだな」
「リア達なら大丈夫だよ」
『ああ。リア達の絆は簡単に崩れないだろうしな』
そんなリア達を見てセイとアスラと姿を消しているフキはそう話し自然と微笑んでいた
ユーリは自分の左腕に着けている武醒魔導器を見せた
その魔導器はナイレンから受け取った魔導器だった
「大事にしてくれ」
フレンはその魔導器を見ると微笑んで答え、リア達も微笑んで魔導器を見ていた
「じゃあな」
「ああ」
「俺達もそろそろ行くか」
「うん」
そう言ってユーリは荷物を抱え直しラピードは立ち上がり、リア達も自分の荷物を持った
そして、
「ユーリ、フレン!」
数歩進んだ所でリアは二人の名前を呼び、
「またね」
「「ああ」」
リアは満面の笑顔でユーリとフレンに言い、ユーリとフレンも笑顔で返事を返し、ユーリとラピードは帝都に向けて、フレンは職へと戻る為に踵を返し、リアとセイとアスラとフキは故郷へと向けて、歩き出した
―― いつかまた、こうやってみんなと出逢える、
その日まで・・・――
――――
「リア、何してんだ、置いてくぞ」
リアは思いに耽って空を眺めていると急に声が聞こえ、地上へと視線を戻すといつの間にかユーリ達との距離が空いていた
リアはそのままユーリ、フレン、ラピード、セイ、アスラの順で一人一人見ていく
そしてまた空へと視線を移した
(ナイレンさん、ユーリとフレンは貴方の意思を受け継いで立派に成長してますよ。私達も、あの頃より成長して一歩一歩進んでいます。だから・・・)
「ユーリ、フレン、ラピード、兄さん、アスラ」
リアはユーリ達一人一人の名前を呼び、ユーリ達はリアの呼び掛けに歩みを止め振り返った
「この旅が終わったら・・・」
リアは顔を上げて
「―― シゾンタニアに行こう」
ニッコリとして言うとユーリ達は驚いて目を瞠った
(これから私達は世界の命運を掛けた大きな戦いに挑みます。
世界を守る為にも、ナイレンさんが目指した事を守る為にも、成長した私達を、
私達の正義を、見ていて下さい
20.未来へと続く道(最終話)
を、築き上げてみせます
全てを終わらせて、私達の思い出の場所である
シゾンタニアに行けるように ――)
end.
あとがき
劇場版、遂に完結~~~~!!!!!!
劇場版の話しを書き出して1ヶ月とちょっとで、完成させました!
やっぱりユーリとフレンはナイレンさんの影響や意思を受けて、色々と成長しましたからねえ
こういう過去が遭ったからこそ、あんなに素晴らしい大人主人公達になったんですよね(リアちゃんやセイ兄も含め)
最後は過去から現代に戻って来ての話しなので、みんなちょっと口調やら性格やら変わってます
一応タルカロンに乗り込む前の話なのであーゆー感じになりました(実際に
リアちゃんの言葉を聞いてユーリ達がどんな返事を返したかは皆さんの想像にお任せしますw
劇場版は本当にいい話だったので、いつも以上に世界観を崩さないよう注意しながら此処まで書きました
本当に劇場版キャラ達もゲームサイドのキャラ達もみんなみんな大好きです!!
此処まで読んで下さった皆様、本当に有り難う御座います!!
この話は過去の話になりますので、
それでは本当に有り難う御座いました!!
2009.11.19