~The First Strike~
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フレンはユーリと一緒に騎士団の駐屯地へと戻って来た
だが、フレンは部屋に戻ろうとはせず無言のままある場所を目指して歩いていた
「・・・・」
ユーリはそんなフレンを見て疑問を持っていたが、雰囲気的に声を掛けられるようではなかった
そして・・・
「やっと来たか」
「「!」」
ある場所に差し掛かると突然声が聞こえ、ユーリとフレンは歩みを止めた
18.本当の黒幕
声が聞こえたと同時に柱の影から一人の男が姿を現した
「! セイ。それにリアとアスラも」
セイの後ろからはリアとリアの肩に乗っているアスラが姿を現した
「・・・セイ、どいてくれ」
フレンは少しだけ不満そうな声でそう言いユーリは事態が掴めずフレンへと視線を向ける
「・・・おい、」
「「「「・・・・」」」」
だが、フレンもリアもセイもアスラも黙ったままお互いを見ている
「俺達が何で此処にいるのか聞きたい、って顔してるな」
セイは不満そうなフレンとそして事態を把握出来ていないユーリを見て言う
「・・・止めるつもりはないよ」
「! だったら!」
「ストップ!」
リアの言葉を聞きフレンは直ぐに把握するが、アスラに止められる
「無謀に突っ込んで行っても無駄だろ」
「・・・解っている。だが、!」
フレンが言い淀んでいるとセイはフレンに向かって何かを投げた
「っ! これはっ!?」
フレンはそれを受け取り、手に持っているものを見て驚いた顔をした
「ボクの仲間に取って来て貰ったよ」
「それがあった方が便利でしょ?」
「・・・・」
フレンはリア達の言葉を聞き、それを握りしめた
「後は俺達に任せろ。お前達はやる事やれ」
そう言ってセイは小さく笑い、ユーリとフレンの肩をポンと叩いて姿を消してセイの隣にいるフキと共に歩いて行った
「・・・セイ、ありがとう」
フレンは小さな声で言うと顔を上げ歩き出し、その後をアスラが続き、リアは少しだけ表情を緩めてユーリを見た
「ユーリ、私達も行こう?」
「ああ・・・」
ユーリはまだ事態が掴めずリアの隣に並んで歩き出した
「・・・直ぐに、解るから・・・」
リアは少しだけ顔を俯けぽつりと呟いた
だが、その声には寂しさと怒りが交ざっているような気がした
リア達はある場所に着いた
そこは騎士団の駐屯地の書庫だった
リアは扉を閉めるとフレンとアスラは先に歩き出し、ユーリとリアもその後に続いた
机の前に着くとフレンは握りしめているモノを見つめ、それを机の上に置いた
それは目のような形をした魔刻だった
「・・・これは・・?」
ユーリは机の上に置かれた魔刻を見て眉を寄せた
どうやらユーリもこの魔刻に見覚えがあるようだった
そして、
「! まさか・・・っ!」
「ああ・・・」
ユーリは今いる場所、そしてその魔刻を見てある事に気が付きフレンを見ると、フレンは頷いて返事を返した
「・・・これ」
そしてリアは壁に掛けてある一枚の額を指さす
「「!」」
それを見てユーリとフレンは目を見開いた
それは、あの遺跡で見たあの巨大な魔導器と同じ絵だったからだ
「・・・これで納得いった?」
「・・・ああ」
リアが教えてくれた絵とアスラの言葉に、ユーリの目付きは鋭くなっていった
「・・・リア、アスラ。知ってたのか?」
「・・・詳しい事は、後で話してあげる」
「今は本当の黒幕にケリを着けなきゃ、でしょ・・?」
「「ああ・・・」」
リアとアスラの言葉にユーリとフレンは決意のこもった声で返事を返した
「・・・もう少しでこの部屋にやってくるよ」
「今は気配を消して見えない所に隠れてよう」
リアの判断にユーリもフレンも頷き、リア達は本棚の隅に身を潜めた
ガチャリと音を立ててリア達が入って来た扉と違う方の扉が開いた
そこから入って来たのはガリスタだった
ガリスタはリア達がいる事に気が付いていないようで、そのまま歩いて行く
そして立ち止まり腕に填めている魔導器を一度軽く触り机の方へ移動した
「・・・・」
が、机の上に置かれている魔導器を見て、少しだけ眉を寄せた
「遺跡の中に仕掛けてありました」
その声と共に本棚の方からフレン、ユーリ、リア、アスラが出て来て、ガリスタはリア達を横目で見た
「貴方しか使用しないタイプの魔刻です」
「・・・貴方の事は、色々と調べさせて貰いましたよ。ガリスタさん」
「遺跡に魔導器と魔刻を持ち込んで設置したの、あんたでしょ?」
「・・・・」
フレンとリアとアスラの言葉にガリスタはリア達に身体を向け、怪しい笑いになった
「あの遺跡は新たな魔導器実験所だったのですよ」
「新たな魔導器・・・?」
「人間は魔導器を完全に操る事が出来ない。だから、あの遺跡で新たな魔導器の開発の為の研究をしていた・・・。人工的に作られた実験所、だった・・・」
「その通りです」
「その所為で、エアルが暴走してエアルクリーチャーを生んだり、魔物が凶暴化してたんですよ!?」
リアが必死に言うと、ガリスタは更に不敵な笑みを浮かべる
「実験には成功もあれば、失敗も犠牲も必要・・・そうでしょう?」
「っ!」
ガリスタはただ自分の実験の為に、フェドロック隊を裏切り、そしてこの街を・・・シゾンタニアを犠牲にしようとした
リア達は更に怒りが込み上げて来た
そんな三人を見てガリスタは嘲笑うように1つ台詞を吐いた
「ある程度成果を得た実権もあったのですよ? 勿論、犠牲者は出ましたが」
「犠牲・・者・・・?」
「・・・まさか・・・」
リア達はその言葉を聞き疑問を持っていると、ある事に気が付きガリスタを見ると、ガリスタは眼鏡を持ち上げた後、口角を上げて笑った
「お気の毒でした」
「「「「っ・・・・!」」」」
その言葉にリア達は抑えていた怒りが込み上げて来て、ユーリとフレンは剣を抜き、フレンはガリスタに斬りかかった
「うぁああああ!!!!」
ガリスタは素早く防御の魔術を発動し、フレンを遠くへ弾き飛ばした
「うわぁ、っ・・」
「フレン!!」
「リア、!」
ユーリはそのままフレンの元へ駆け出そうとしているリアの手を取ってその場から離れだした
「どうやら此処でも魔導器が暴発する必要がありそうですね」
そう呟きガリスタは暴れているような雷を発動させ、雷の所為で書庫の床のタイルや壁が壊れ出し、逃げているユーリとリアに向かって行く
「アスラ!」
フレンの援護をアスラに任せ、リアとユーリは本棚の隅に隠れ、不意を突きユーリが駆け出し剣を振るう
「はあぁぁぁっ!」
だがやはり防御されてしまうが、すかさずアスラがガリスタの視界を引きつけ、その隙に防御が崩れた所を見てフレンが仕掛けるも再び防御されてしまうがガリスタの顔に傷をつける事が出来た
「痛いな・・・」
ただそう呟きガリスタはユーリ達を睨み付け、魔術を発動させようとした時だった
「ホーリーランス!!」
「っ!?」
本棚の隅に隠れていたリアがすかさず魔術を放ち、素早い動きでガリスタを守っている防御壁へと斬りかかる
「貴女も魔導器をお持ちでしたか。ですが、そのうち暴発してしまいますよ?」
ガリスタは不敵な笑みを浮かべリアに言うと、リアは薄く笑う
「残念ですけど、今私は魔導器は外してます。それに・・・」
リアはそこで言葉を切り不敵な笑みを浮かべて答える
「魔導器を持っていても、使う事は滅多にありませんから」
「なっ!?」
ガリスタはその言葉に驚き、リアはその隙を見て更に力を加えガリスタを押しのけ、地を蹴って距離を置いた
そしてガリスタが体勢を崩したと同時に、本棚がドミノ倒しのようになって倒れてきた
それはユーリが倒したのだった
その隙を見てリア達は安全そうな場所に移動しようとした途端、本棚と本が吹き飛び、ガリスタの周りに本が吸い寄せられるように集まっていた
「ムカつく奴等だ・・・」
今までの冷静さとは違い、目を細め徐々に怒りを露わにし、リア達を睨み付けた
「これ、遺跡で見たゴーレムと同じ! きゃあぁ!!「「うわぁ!!」」」
「みんな!」
ガリスタは集まっているリア達目掛けてその本をぶつけた
それを見たアスラは急いで元の姿に戻り、近くにいたリアを宙で受け止めた
「アスラ、ありがとう」
ユーリとフレンとは少しだけ距離があった為受け止める事が出来ず、ユーリとフレンはそのまま壁に打ち付けられてしまい窓ガラスが割れた
その衝撃で二人はボロボロになって床に倒れていた
「ユーリ! フレン!」
リアは急いで二人に駆け寄り治癒術を掛けようとしたがユーリに止められる
それを不思議に思っているとリアとアスラに呟いた
「リア、アスラ、隙を作ってくれないか? フレン、あれをやるぞ」
そう言うとポケットからナイレンの魔導器を取り出した
そしてユーリに何か考えがあると分かり、リア達は一斉に頷きリアはアスラと共にガリスタの方へ向かって行く
「アスラ、行くよ!」
「うん!」
「はあぁっ!!」
リアは瓦礫を乗り越え立ち止まり、アスラに合図を送るとアスラは風の力を引き出しリアはそれを操り、風の力で舞っている本をガリスタに向けて放った
「っ・・・! !?」
ガリスタは怒り、リアとアスラの方を見た
だが次の瞬間、驚いた顔になった
そこには既にリアとアスラの姿はなく、魔導器に力を念じるユーリとフレンの姿があり、辺りは眩しく光り出した
「「くらえっっっっっっ!!!!」」
その光が放たれ、ガリスタは目を閉じた
「っ!?」
そしてガリスタが目を開けた時にはユーリはガリスタの近くまで来ていて次の瞬間、ガリスタの心臓を貫いた
「っ・・・そ、れは・・・」
「・・・隊長の魔導器だよ」
「・・・ぁ・・・っ・・・」
ユーリはぽつりと呟きその言葉の後、ガリスタは力を無くし剣からすべり落ちた
「・・・隊長、終わったよ」
ユーリはガリスタから目を離し、腕に着けている魔導器を見つめて優しく呟いた
赤く光っていた魔導器は眠るように光が消えていった
(ナイレンさん、ランバート。・・・終わりましたよ・・・)
リアは天井を見つめ静かに目を閉じて心の中でそう呟いたのだった
続く
あとがき
くはぁ~、戦闘シーン頑張った!!
この辺、台詞が曖昧にしか覚えてないから違ってたらすいませんι
とりあえず、黒幕とはなんとか決着が着きました!
まあリアちゃんやセイ兄ちゃんが言ってた、ガリスタの事を調べてたってのは次回話します
後、これは前回の後書きでも言ってたけど、やっぱフレンが此処まで怒りを露わにするのは本当に珍しい事でしたよね。
なんだかんだ言ってもフレンもユーリと一緒でナイレンさんの事尊敬してたし、怒りが露わになるのも当然と言えば当然ですよね
えっと、目標20話だから頑張って埋めます!!
とりあえず、ユーリ、フレン、リアちゃん、アスラ、セイ兄ちゃん、お疲れ様
詳しくは次回なっ!!ww
2009.11.18
だが、フレンは部屋に戻ろうとはせず無言のままある場所を目指して歩いていた
「・・・・」
ユーリはそんなフレンを見て疑問を持っていたが、雰囲気的に声を掛けられるようではなかった
そして・・・
「やっと来たか」
「「!」」
ある場所に差し掛かると突然声が聞こえ、ユーリとフレンは歩みを止めた
18.本当の黒幕
声が聞こえたと同時に柱の影から一人の男が姿を現した
「! セイ。それにリアとアスラも」
セイの後ろからはリアとリアの肩に乗っているアスラが姿を現した
「・・・セイ、どいてくれ」
フレンは少しだけ不満そうな声でそう言いユーリは事態が掴めずフレンへと視線を向ける
「・・・おい、」
「「「「・・・・」」」」
だが、フレンもリアもセイもアスラも黙ったままお互いを見ている
「俺達が何で此処にいるのか聞きたい、って顔してるな」
セイは不満そうなフレンとそして事態を把握出来ていないユーリを見て言う
「・・・止めるつもりはないよ」
「! だったら!」
「ストップ!」
リアの言葉を聞きフレンは直ぐに把握するが、アスラに止められる
「無謀に突っ込んで行っても無駄だろ」
「・・・解っている。だが、!」
フレンが言い淀んでいるとセイはフレンに向かって何かを投げた
「っ! これはっ!?」
フレンはそれを受け取り、手に持っているものを見て驚いた顔をした
「ボクの仲間に取って来て貰ったよ」
「それがあった方が便利でしょ?」
「・・・・」
フレンはリア達の言葉を聞き、それを握りしめた
「後は俺達に任せろ。お前達はやる事やれ」
そう言ってセイは小さく笑い、ユーリとフレンの肩をポンと叩いて姿を消してセイの隣にいるフキと共に歩いて行った
「・・・セイ、ありがとう」
フレンは小さな声で言うと顔を上げ歩き出し、その後をアスラが続き、リアは少しだけ表情を緩めてユーリを見た
「ユーリ、私達も行こう?」
「ああ・・・」
ユーリはまだ事態が掴めずリアの隣に並んで歩き出した
「・・・直ぐに、解るから・・・」
リアは少しだけ顔を俯けぽつりと呟いた
だが、その声には寂しさと怒りが交ざっているような気がした
リア達はある場所に着いた
そこは騎士団の駐屯地の書庫だった
リアは扉を閉めるとフレンとアスラは先に歩き出し、ユーリとリアもその後に続いた
机の前に着くとフレンは握りしめているモノを見つめ、それを机の上に置いた
それは目のような形をした魔刻だった
「・・・これは・・?」
ユーリは机の上に置かれた魔刻を見て眉を寄せた
どうやらユーリもこの魔刻に見覚えがあるようだった
そして、
「! まさか・・・っ!」
「ああ・・・」
ユーリは今いる場所、そしてその魔刻を見てある事に気が付きフレンを見ると、フレンは頷いて返事を返した
「・・・これ」
そしてリアは壁に掛けてある一枚の額を指さす
「「!」」
それを見てユーリとフレンは目を見開いた
それは、あの遺跡で見たあの巨大な魔導器と同じ絵だったからだ
「・・・これで納得いった?」
「・・・ああ」
リアが教えてくれた絵とアスラの言葉に、ユーリの目付きは鋭くなっていった
「・・・リア、アスラ。知ってたのか?」
「・・・詳しい事は、後で話してあげる」
「今は本当の黒幕にケリを着けなきゃ、でしょ・・?」
「「ああ・・・」」
リアとアスラの言葉にユーリとフレンは決意のこもった声で返事を返した
「・・・もう少しでこの部屋にやってくるよ」
「今は気配を消して見えない所に隠れてよう」
リアの判断にユーリもフレンも頷き、リア達は本棚の隅に身を潜めた
ガチャリと音を立ててリア達が入って来た扉と違う方の扉が開いた
そこから入って来たのはガリスタだった
ガリスタはリア達がいる事に気が付いていないようで、そのまま歩いて行く
そして立ち止まり腕に填めている魔導器を一度軽く触り机の方へ移動した
「・・・・」
が、机の上に置かれている魔導器を見て、少しだけ眉を寄せた
「遺跡の中に仕掛けてありました」
その声と共に本棚の方からフレン、ユーリ、リア、アスラが出て来て、ガリスタはリア達を横目で見た
「貴方しか使用しないタイプの魔刻です」
「・・・貴方の事は、色々と調べさせて貰いましたよ。ガリスタさん」
「遺跡に魔導器と魔刻を持ち込んで設置したの、あんたでしょ?」
「・・・・」
フレンとリアとアスラの言葉にガリスタはリア達に身体を向け、怪しい笑いになった
「あの遺跡は新たな魔導器実験所だったのですよ」
「新たな魔導器・・・?」
「人間は魔導器を完全に操る事が出来ない。だから、あの遺跡で新たな魔導器の開発の為の研究をしていた・・・。人工的に作られた実験所、だった・・・」
「その通りです」
「その所為で、エアルが暴走してエアルクリーチャーを生んだり、魔物が凶暴化してたんですよ!?」
リアが必死に言うと、ガリスタは更に不敵な笑みを浮かべる
「実験には成功もあれば、失敗も犠牲も必要・・・そうでしょう?」
「っ!」
ガリスタはただ自分の実験の為に、フェドロック隊を裏切り、そしてこの街を・・・シゾンタニアを犠牲にしようとした
リア達は更に怒りが込み上げて来た
そんな三人を見てガリスタは嘲笑うように1つ台詞を吐いた
「ある程度成果を得た実権もあったのですよ? 勿論、犠牲者は出ましたが」
「犠牲・・者・・・?」
「・・・まさか・・・」
リア達はその言葉を聞き疑問を持っていると、ある事に気が付きガリスタを見ると、ガリスタは眼鏡を持ち上げた後、口角を上げて笑った
「お気の毒でした」
「「「「っ・・・・!」」」」
その言葉にリア達は抑えていた怒りが込み上げて来て、ユーリとフレンは剣を抜き、フレンはガリスタに斬りかかった
「うぁああああ!!!!」
ガリスタは素早く防御の魔術を発動し、フレンを遠くへ弾き飛ばした
「うわぁ、っ・・」
「フレン!!」
「リア、!」
ユーリはそのままフレンの元へ駆け出そうとしているリアの手を取ってその場から離れだした
「どうやら此処でも魔導器が暴発する必要がありそうですね」
そう呟きガリスタは暴れているような雷を発動させ、雷の所為で書庫の床のタイルや壁が壊れ出し、逃げているユーリとリアに向かって行く
「アスラ!」
フレンの援護をアスラに任せ、リアとユーリは本棚の隅に隠れ、不意を突きユーリが駆け出し剣を振るう
「はあぁぁぁっ!」
だがやはり防御されてしまうが、すかさずアスラがガリスタの視界を引きつけ、その隙に防御が崩れた所を見てフレンが仕掛けるも再び防御されてしまうがガリスタの顔に傷をつける事が出来た
「痛いな・・・」
ただそう呟きガリスタはユーリ達を睨み付け、魔術を発動させようとした時だった
「ホーリーランス!!」
「っ!?」
本棚の隅に隠れていたリアがすかさず魔術を放ち、素早い動きでガリスタを守っている防御壁へと斬りかかる
「貴女も魔導器をお持ちでしたか。ですが、そのうち暴発してしまいますよ?」
ガリスタは不敵な笑みを浮かべリアに言うと、リアは薄く笑う
「残念ですけど、今私は魔導器は外してます。それに・・・」
リアはそこで言葉を切り不敵な笑みを浮かべて答える
「魔導器を持っていても、使う事は滅多にありませんから」
「なっ!?」
ガリスタはその言葉に驚き、リアはその隙を見て更に力を加えガリスタを押しのけ、地を蹴って距離を置いた
そしてガリスタが体勢を崩したと同時に、本棚がドミノ倒しのようになって倒れてきた
それはユーリが倒したのだった
その隙を見てリア達は安全そうな場所に移動しようとした途端、本棚と本が吹き飛び、ガリスタの周りに本が吸い寄せられるように集まっていた
「ムカつく奴等だ・・・」
今までの冷静さとは違い、目を細め徐々に怒りを露わにし、リア達を睨み付けた
「これ、遺跡で見たゴーレムと同じ! きゃあぁ!!「「うわぁ!!」」」
「みんな!」
ガリスタは集まっているリア達目掛けてその本をぶつけた
それを見たアスラは急いで元の姿に戻り、近くにいたリアを宙で受け止めた
「アスラ、ありがとう」
ユーリとフレンとは少しだけ距離があった為受け止める事が出来ず、ユーリとフレンはそのまま壁に打ち付けられてしまい窓ガラスが割れた
その衝撃で二人はボロボロになって床に倒れていた
「ユーリ! フレン!」
リアは急いで二人に駆け寄り治癒術を掛けようとしたがユーリに止められる
それを不思議に思っているとリアとアスラに呟いた
「リア、アスラ、隙を作ってくれないか? フレン、あれをやるぞ」
そう言うとポケットからナイレンの魔導器を取り出した
そしてユーリに何か考えがあると分かり、リア達は一斉に頷きリアはアスラと共にガリスタの方へ向かって行く
「アスラ、行くよ!」
「うん!」
「はあぁっ!!」
リアは瓦礫を乗り越え立ち止まり、アスラに合図を送るとアスラは風の力を引き出しリアはそれを操り、風の力で舞っている本をガリスタに向けて放った
「っ・・・! !?」
ガリスタは怒り、リアとアスラの方を見た
だが次の瞬間、驚いた顔になった
そこには既にリアとアスラの姿はなく、魔導器に力を念じるユーリとフレンの姿があり、辺りは眩しく光り出した
「「くらえっっっっっっ!!!!」」
その光が放たれ、ガリスタは目を閉じた
「っ!?」
そしてガリスタが目を開けた時にはユーリはガリスタの近くまで来ていて次の瞬間、ガリスタの心臓を貫いた
「っ・・・そ、れは・・・」
「・・・隊長の魔導器だよ」
「・・・ぁ・・・っ・・・」
ユーリはぽつりと呟きその言葉の後、ガリスタは力を無くし剣からすべり落ちた
「・・・隊長、終わったよ」
ユーリはガリスタから目を離し、腕に着けている魔導器を見つめて優しく呟いた
赤く光っていた魔導器は眠るように光が消えていった
(ナイレンさん、ランバート。・・・終わりましたよ・・・)
リアは天井を見つめ静かに目を閉じて心の中でそう呟いたのだった
続く
あとがき
くはぁ~、戦闘シーン頑張った!!
この辺、台詞が曖昧にしか覚えてないから違ってたらすいませんι
とりあえず、黒幕とはなんとか決着が着きました!
まあリアちゃんやセイ兄ちゃんが言ってた、ガリスタの事を調べてたってのは次回話します
後、これは前回の後書きでも言ってたけど、やっぱフレンが此処まで怒りを露わにするのは本当に珍しい事でしたよね。
なんだかんだ言ってもフレンもユーリと一緒でナイレンさんの事尊敬してたし、怒りが露わになるのも当然と言えば当然ですよね
えっと、目標20話だから頑張って埋めます!!
とりあえず、ユーリ、フレン、リアちゃん、アスラ、セイ兄ちゃん、お疲れ様
詳しくは次回なっ!!ww
2009.11.18