~The First Strike~
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遺跡の調査は無事に終わった
だが、その遺跡はエアルの力で半ば怪物と化していた
そして遺跡の一番奥には見た事もない巨大な魔導器があった
アスラの仲間、式神達の調べでは、あの魔導器は以前は動いていないようだった
つまり誰かが魔刻を持ち出してあの魔導器に填め込み、操作した
そして異常な時を知らせる赤いエアルが辺りに広まり、エアルクリーチャーを生み、辺りの魔物を凶暴化させ、季節外れの紅葉も現れた
遺跡にあったその魔導器は、エアルの放出を抑える小さなクモ型の魔導器のお陰で無事に治まった
だが、そこでリア達は大事な人を失った
ナイレン・フェドロック
彼を失った痛みは、ユーリ達フェドロック隊、そしてリア達だけではなく、シゾンタニアに住む全ての人に大きな悲しみを与えた
「・・・ナイレンさん・・・」
リアは窓の外を眺めながらぽつりと呟いた
「・・・リア、大丈夫?」
アスラは心配そうな顔をして声を掛けるとリアは振り返った
「うん・・・。アスラ、例のアレは?」
「今、ケンクとゲツレイが行ってるよ。終わり次第セイとフキの所に行く事になってる」
「そっか・・・」
リアはベッドに腰掛けアスラを抱えそのまま抱きしめた
「「・・・・」」
リアもアスラもそのまま黙ったままだった
「リア」
そう声が聞こえ、顔を上げるとフキが姿を現した
「フキ、お帰り。もしかして、終わったの?」
「ああ。今はセイが持ってるけどな」
「解った。知らせてくれて有り難う」
「いや。 ・・・リアも、少しは元気出たみたいだな」
そう言いフキは優しく微笑み、リアは薄く笑った
「そういえば、セイは?」
「他の連中に捕まってもう先に外に出てるぞ」
「だからフキが知らせに来たんだ」
「ああ。じゃあ、俺はセイのとこに戻ってるぜ」
フキはそう言って姿を消した
「・・・アスラ」
フキを見送ると急にリアがぽつりと呟き、アスラは目線をリアに向ける
「・・・絶対に、私達でケリを着けようね」
「・・・うん」
リアの真剣な表情と声にアスラも深く頷いた
17.弔い
街の外に出ると皆、ナイレンの葬儀の事を聞きつけ集まっていた
リアは人並みを抜けてセイの所へと歩いて行く
「兄さん」
「っと!」
「ありがとう」
リアは人並みを抜けようとし少しだけバランスを崩しそうになったが、セイがリアの腕を引き受け止めた
「・・・みんな、聞きつけて集まったんだね」
「ああ・・・」
リアは集まっている住民を見ると皆、手に一輪の花を持っていた
「・・・・」
ナイレンがこの街の人達、そして騎士団の人々にどれだけ慕われていたのかが、この光景を見て直ぐに解った
それを見ていると棺が運ばれて来る様子が見え皆通路に並びだし、リアとセイも騎士団がいる側に並ぶ
ユルギスを先頭に棺を運んで来たのはエルヴィン、クリス、ユーリ、フレンだった
ユーリとフレンは住民が集まっている事に驚いていて騎士団とその後ろにいる住民達を見ながら棺を運んでいた
ユーリ達は棺を馬車の荷台に運び、そして騎士団、住民の順に手に持っている花を棺の周りに添え出す
リアとセイも花を持ち、馬車の方に移動した
(・・・ナイレンさん)
リアは花を添えそっと目を閉じて手を合わせてその場を離れ、セイと一緒にユーリとフレンの側に移動した
「・・・・」
住民達は花を添えながら涙を流したり、隊長・・・と言って悲しみに暮れていた
ユーリは住民達の様子を見ながら、隣にいるフレンに告げる
「隊長が死んで何も残らなかったなんて思うか? 此処にいるみんなが生きてるんだ」
ユーリの言葉にフレンはゆっくりとユーリへと視線を向ける
「だろ? 死んだお前の親父さんが何も残さなかったなんて事、絶対にない」
「何も残さなかったら、今のお前やユーリはいない・・・」
「ナイレンさんもおじさんも、私達の事を護ってくれた。そして、」
ユーリはその光景を見てフレンに断言し、セイもリアも言葉を続け、リアはそこで言葉を切り、優しく微笑んで言う
「自分の信じた正義を貫いたんだよ」
三人の言葉はフレンを強く動かし、フレンは涙を流した
「・・・変わったね」
『ああ・・・』
アスラとフキはフレンを見て、フレンの中で父親の存在が今変わった瞬間だと気が付き小さく呟いて微笑んだ
そして全員が花を添え終わるとユルギスが声を発した
「帝国騎士団、ナイレン・フェドロック隊長に、敬!」
その言葉にフェドロック隊は顔を崩さずに強い姿勢で敬礼をし、リアとセイも同じように敬礼をした
そして棺を乗せた馬車は街の出口へと向かって行き、親衛隊の馬車と馬も続いて行った
それを見送ると皆また悲しみに暮れ、ヒスカとシャスティルはお互いに抱きしめ合っていた
「・・・・」
そしてリアとセイとアスラとフキはある人物へと目を向けた
「!」
その途端、隣にいたフレンが何かに気が付き驚いて大きく目を見開いた
「・・・行くぞ」
セイはリアとアスラとフキだけに聞こえる声で言い、踵を返し歩き出した
「・・・ユーリ」
「?」
遠くを見つめるユーリにフレンが声を掛けユーリはフレンへと視線を戻す
「まだ、終わってない・・・」
「・・・ぇ?」
フレンは歯をギュッと食いしばり怒りを露わにし、ユーリは小さく声を漏らした
「・・・・」
「リア、行こう」
「・・・うん」
それを横目で見て、リアは踵を返しアスラと共にセイの後を追った
続く
あとがき
ついに此処まで来ました!
フレンが涙した所は本当に感動でした
やっぱり大好きで憧れていた分、フレンの中では父親の存在が色んな意味で大きかったんでしょうね
でも、それもやっとユーリ達のお陰で重荷として感じられなくなったんですよねえ
そして、最後は・・・此処で終わるかと思いきや、意外な事に?
まあリアちゃんも最初にアスラとフキ何か話してたし、セイ兄ちゃんも何か知ってる感じでしたしね・・・
後、フレンが此処まで怒りを露わにするのも本当に珍しいですからね・・・(オーディオコメンタリーでお三方(鳥さん、マモ、樋口さん)も言ってたけど)
それでは次回!
2009.11.18
だが、その遺跡はエアルの力で半ば怪物と化していた
そして遺跡の一番奥には見た事もない巨大な魔導器があった
アスラの仲間、式神達の調べでは、あの魔導器は以前は動いていないようだった
つまり誰かが魔刻を持ち出してあの魔導器に填め込み、操作した
そして異常な時を知らせる赤いエアルが辺りに広まり、エアルクリーチャーを生み、辺りの魔物を凶暴化させ、季節外れの紅葉も現れた
遺跡にあったその魔導器は、エアルの放出を抑える小さなクモ型の魔導器のお陰で無事に治まった
だが、そこでリア達は大事な人を失った
ナイレン・フェドロック
彼を失った痛みは、ユーリ達フェドロック隊、そしてリア達だけではなく、シゾンタニアに住む全ての人に大きな悲しみを与えた
「・・・ナイレンさん・・・」
リアは窓の外を眺めながらぽつりと呟いた
「・・・リア、大丈夫?」
アスラは心配そうな顔をして声を掛けるとリアは振り返った
「うん・・・。アスラ、例のアレは?」
「今、ケンクとゲツレイが行ってるよ。終わり次第セイとフキの所に行く事になってる」
「そっか・・・」
リアはベッドに腰掛けアスラを抱えそのまま抱きしめた
「「・・・・」」
リアもアスラもそのまま黙ったままだった
「リア」
そう声が聞こえ、顔を上げるとフキが姿を現した
「フキ、お帰り。もしかして、終わったの?」
「ああ。今はセイが持ってるけどな」
「解った。知らせてくれて有り難う」
「いや。 ・・・リアも、少しは元気出たみたいだな」
そう言いフキは優しく微笑み、リアは薄く笑った
「そういえば、セイは?」
「他の連中に捕まってもう先に外に出てるぞ」
「だからフキが知らせに来たんだ」
「ああ。じゃあ、俺はセイのとこに戻ってるぜ」
フキはそう言って姿を消した
「・・・アスラ」
フキを見送ると急にリアがぽつりと呟き、アスラは目線をリアに向ける
「・・・絶対に、私達でケリを着けようね」
「・・・うん」
リアの真剣な表情と声にアスラも深く頷いた
17.弔い
街の外に出ると皆、ナイレンの葬儀の事を聞きつけ集まっていた
リアは人並みを抜けてセイの所へと歩いて行く
「兄さん」
「っと!」
「ありがとう」
リアは人並みを抜けようとし少しだけバランスを崩しそうになったが、セイがリアの腕を引き受け止めた
「・・・みんな、聞きつけて集まったんだね」
「ああ・・・」
リアは集まっている住民を見ると皆、手に一輪の花を持っていた
「・・・・」
ナイレンがこの街の人達、そして騎士団の人々にどれだけ慕われていたのかが、この光景を見て直ぐに解った
それを見ていると棺が運ばれて来る様子が見え皆通路に並びだし、リアとセイも騎士団がいる側に並ぶ
ユルギスを先頭に棺を運んで来たのはエルヴィン、クリス、ユーリ、フレンだった
ユーリとフレンは住民が集まっている事に驚いていて騎士団とその後ろにいる住民達を見ながら棺を運んでいた
ユーリ達は棺を馬車の荷台に運び、そして騎士団、住民の順に手に持っている花を棺の周りに添え出す
リアとセイも花を持ち、馬車の方に移動した
(・・・ナイレンさん)
リアは花を添えそっと目を閉じて手を合わせてその場を離れ、セイと一緒にユーリとフレンの側に移動した
「・・・・」
住民達は花を添えながら涙を流したり、隊長・・・と言って悲しみに暮れていた
ユーリは住民達の様子を見ながら、隣にいるフレンに告げる
「隊長が死んで何も残らなかったなんて思うか? 此処にいるみんなが生きてるんだ」
ユーリの言葉にフレンはゆっくりとユーリへと視線を向ける
「だろ? 死んだお前の親父さんが何も残さなかったなんて事、絶対にない」
「何も残さなかったら、今のお前やユーリはいない・・・」
「ナイレンさんもおじさんも、私達の事を護ってくれた。そして、」
ユーリはその光景を見てフレンに断言し、セイもリアも言葉を続け、リアはそこで言葉を切り、優しく微笑んで言う
「自分の信じた正義を貫いたんだよ」
三人の言葉はフレンを強く動かし、フレンは涙を流した
「・・・変わったね」
『ああ・・・』
アスラとフキはフレンを見て、フレンの中で父親の存在が今変わった瞬間だと気が付き小さく呟いて微笑んだ
そして全員が花を添え終わるとユルギスが声を発した
「帝国騎士団、ナイレン・フェドロック隊長に、敬!」
その言葉にフェドロック隊は顔を崩さずに強い姿勢で敬礼をし、リアとセイも同じように敬礼をした
そして棺を乗せた馬車は街の出口へと向かって行き、親衛隊の馬車と馬も続いて行った
それを見送ると皆また悲しみに暮れ、ヒスカとシャスティルはお互いに抱きしめ合っていた
「・・・・」
そしてリアとセイとアスラとフキはある人物へと目を向けた
「!」
その途端、隣にいたフレンが何かに気が付き驚いて大きく目を見開いた
「・・・行くぞ」
セイはリアとアスラとフキだけに聞こえる声で言い、踵を返し歩き出した
「・・・ユーリ」
「?」
遠くを見つめるユーリにフレンが声を掛けユーリはフレンへと視線を戻す
「まだ、終わってない・・・」
「・・・ぇ?」
フレンは歯をギュッと食いしばり怒りを露わにし、ユーリは小さく声を漏らした
「・・・・」
「リア、行こう」
「・・・うん」
それを横目で見て、リアは踵を返しアスラと共にセイの後を追った
続く
あとがき
ついに此処まで来ました!
フレンが涙した所は本当に感動でした
やっぱり大好きで憧れていた分、フレンの中では父親の存在が色んな意味で大きかったんでしょうね
でも、それもやっとユーリ達のお陰で重荷として感じられなくなったんですよねえ
そして、最後は・・・此処で終わるかと思いきや、意外な事に?
まあリアちゃんも最初にアスラとフキ何か話してたし、セイ兄ちゃんも何か知ってる感じでしたしね・・・
後、フレンが此処まで怒りを露わにするのも本当に珍しいですからね・・・(オーディオコメンタリーでお三方(鳥さん、マモ、樋口さん)も言ってたけど)
それでは次回!
2009.11.18