~The First Strike~
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もう平気か?」
「うん、大丈夫」
「良かった」
あれから暫くしてリアは泣き止み、ユーリとフレンもツラかった痛みも無くなった
ユーリとフレンはリアの笑顔を見てほっと安堵の息を吐き、微笑んでいた
だが、明日の出動に向けてやらなくてはいけない事がまだ残っている
それはリアも同じだった
リアもまだやらなくてはいけない事があった
「ユーリ、フレン」
「「?」」
リアは一度俯き、そして顔を上げてニコリと微笑んで答えた
「ありがとう」
「「っ///」」
リアの笑顔に顔を赤くしているユーリとフレンだが、リアはそれに気付いていないのか言葉を続ける
「それから、ちゃんとラピードにも謝ってね。ラピードも心配してたんだから」
「「・・・ああ」」
ユーリとフレンはその言葉を聞き、一瞬きょとんとしたがお互いに顔を見合わせ小さく笑って返事を返した
「・・・明日は、頑張ってね」
「ああ。リアも無理はすんなよ」
「うん。ユーリもフレンも、気を付けてね」
「ああ。じゃあ、また」
各々微笑みながら返事を返し、ユーリとフレンはリアの部屋を後にした
「さてと、じゃあ私も、やる事やらなくちゃね」
そう言ってベッドから立ち上がり、リアは部屋を後にした
12.それぞれの思いを乗せて
「いよいよ明日、かぁ・・」
「ちょっと急だから緊張するわね・・・。あれ?」
ヒスカとシャルティルは廊下を歩きながら先程明日、遺跡に向かうと伝えられた事を話していると、ある場所に目が止まった
「「リア!?」」
「あ、ヒスカさん、シャスティルさん」
廊下に置かれている応接セットの所にリアが座っているのが見え、二人はリアの元に駆け寄り、リアはヒスカとシャスティルの姿を見てニコリと微笑んだ
「もう大丈夫なの?」
「はい。色々と心配掛けてすみません」
「ううん、良いのよ。元気になって良かったわ」
ヒスカとシャスティルは今朝見た時より良い顔をしているリアを見て本当に安心した顔をして微笑んでくれた
「明日、あの遺跡に向かうんですよね?」
「ええ」
ヒスカは椅子に座りながら答え、シャスティルも空いている席に座った
「ユーリとフレン、まだ吹っ切れてない所があるから迷惑を掛けるかもしれませんけど、二人の事、よろしくお願いします」
リアの言葉を聞き、ヒスカとシャスティルはお互いに顔を見合わせ、小さく笑って答えた
「リアって、本当にあの二人の事、大事に思ってるのね」
「大事な幼馴染みで大切な親友ですから」
「信頼してるのね」
「はい」
いつもケンカばかりしているユーリとフレン
だが、リアが来てからと言うもの、ケンカはしているにしてもリアの傍にいる時は安心しきった顔をしている
最初は幼馴染みで好きな子が傍にいるからだろうと思っていたが、なんだかんだ言っても、お互いに大切に思っているんだと分かり、リアの安心しきった笑顔を見て、ヒスカとシャスティルは同じ事を思って微笑んでいた
((あの二人がリアの事大事にしてる理由、解った気がする))
「? どうかしましたか?」
「ううん。何でもないわ」
そう言ってシャスティルはクスリと笑って立ち上がり、ヒスカも立ち上がった
「じゃあ私達はそろそろ部屋に戻るわね」
「はい。明日は頑張って下さい」
「ええ、有り難う。じゃあ、お休み」
「お休みなさい」
お互いに笑顔で挨拶をして、ヒスカとシャスティルは部屋へと戻って行った
「おや、リアさん」
「あ、ガリスタさん」
あれから暫くして今度はガリスタが通りかかり、リアの姿を見つける
「もう大丈夫なんですか?」
「はい。ご心配をおかけしました」
「いえ。風邪を引いていないようでなによりです」
ガリスタはそう言って椅子に座る
「先程、セイさんと一緒にいらっしゃらなかったので心配だったんですよ」
「温かい格好して暫く大人しくしとけ、って言われてたので、部屋で作業していたんです」
「そうだったんですか」
その時の事を思い出しリアは苦笑しながら話した
実際にその事を言われたのも事実だが、精神面で弱っていた事もあったからだ、と言う事は一先ず置いておく事にした
「ガリスタさんは、何をしていたんですか?」
「私は明日の遺跡のルートを隊長に届けに行っていたのですよ」
遺跡に行く、とナイレンが言った後に、ナイレンがガリスタにルートの検討を頼んでいたな、とリアが思っているとガリスタがリアを見て言葉を続ける
「貴方方は遺跡に向かわれるのですか?」
「え? いえ、私達は仕事がありますから、見送り組です」
「そうですか」
「?」
リアの言葉を聞き、ガリスタは何か思っている顔をしていた
「いえ、あの時一緒に戦ったと聞いたので一緒なのかと思いまして」
リアが首を傾げているとガリスタは少し慌てて言葉を続ける
あの時と言うのは、エアルクリーチャーや魔物達が街に攻撃を仕掛けた時の事だった
「あの時は人手が足りなかったから、一緒に戦っただけですよ」
「そうだったんですか・・・」
その言葉を聞き、ガリスタは少しだけ申し訳ない顔をしていた
その理由はリアも解っている
それはランバート達軍用犬の事、そして、ツラい思いをさせてしまった事に対しての事だった
「明日、我々は見送り組ですが、無事を祈りましょう」
「はい」
そう言ってガリスタは立ち上がり、お互いに挨拶をして、ガリスタは歩いて行った
「・・・見送り組・・か・・・」
リアはぼそりと呟き目を閉じ
「・・・そうなるとは思えないけど・・・」
ある事を思い出し、また小さく呟き、目を開けて窓から見える月に視線を持って行った
「? リアか?」
「あ、ナイレンさん」
リアは月を眺めていると声が聞こえ、視線を戻すとナイレンがいた
「どうしたんだ、こんな時間に?」
「ずっと部屋で大人しくしてたので、寝付けなくて」
「そうか」
リアは苦笑して言うとナイレンはリアの顔を見てもう平気だと分かり小さく笑って椅子に座った
「ナイレンさんはどうしたんですか?」
「ん? オレもちょっと寝付けなくてな」
明日の事を考えれば、皆寝付けないのも当然かもしれない
「リアはずっと此処にいたのか?」
「はい。此処に居ると、みんなの事が見えてくるんです。心配事や不安や緊張が」
リアはそう言って窓の向こうに見える部屋や廊下を見て言い、ナイレンへと視線を戻す
「それに、こうやって色んな人達とも話が出来ますから」
ニコリと笑ってリアはナイレンを見ると、ナイレンは一瞬驚いた顔をした
そして、小さく笑ってリアの頭に手を乗せた
「リアを見てると、娘を思い出すな」
「・・・娘さん、ですか?」
「ああ。生きてたら丁度同じくらいだろうな」
「・・・・」
「昔、ある事件で妻と娘を亡くしてな・・・」
それからナイレンはその時の事を少しだけ話してくれた
昔、軍の命令を重んじたあまりにある事件で家族の命を守れなかった、と語ってくれた
「・・・・」
リアはその話を口を挟まずじっと聞いていた
「だからかもしれないが、あいつ等を見てると子供の面倒を見てるような気になってくるんだよな」
あいつ等と言うのはユーリやフレン、そしてこの隊にいるヒスカやシャスティルを含めた若いメンバー達の事を言っていた
「ユーリもフレンもナイレンさんがいるから、居心地が良いんだと思います」
「ん? そうか?」
「はい」
急にそう言われナイレンは疑問を持ってリアを見るとニコリと笑っていた
ユーリとフレンの性格を昔から知っているリアにしてみれば、それは直ぐに解った事だし、ヒスカやシャスティル達を見ていても居心地が良いと言うのは伝わってくる
実際にリアとセイも居心地が良いと感じている
それはナイレンの人柄、人望を見ていれば自然と感じるものだからだ
「んじゃ、そう言う事にしとくか」
そう言ってナイレンは笑いリアも笑っていた
「それに、私から見てもユーリとフレンは、まだ子供だと思いますよ」
「そうだな。年下のリアの方がしっかりしてるしな」
リアが苦笑して言うとナイレンも同意しお互いに笑った
「でも、ユーリとフレンなら、もう大丈夫ですよ。まだ迷いはありますけど、あの二人なら、きっと大丈夫です」
リアは数時間前の二人を思い出しニコリと笑って答えるとナイレンは何かを思い小さく笑った
「・・・あいつ等の強さは、これか」
「え?」
「いや、何でもねえよ」
ナイレンはヒスカとシャスティルと同じように、リア達幼馴染みの絆を見て納得し微笑んで小さく呟いたが、リアには聞こえていないようだった
ナイレンはそんなリアを見て、リアの頭を優しく撫でた
「さて、じゃあオレはそろそろ戻るかな。リアもあんまり夜更かしするんじゃねえぞ」
「はい」
「それと・・・」
ナイレンはリアの頭を撫でた後、周りに聞こえない声でリアに言う
「あの件の事、頼んだぜ・・・」
「はい・・・。任せて下さい」
「じゃ、お休み」
「お休みなさい」
リアも周りに聞こえない声で答え、その返事を聞くとナイレンは微笑んでまたリアの頭を優しく撫で立ち上がって言い、リアも返事を返し、ナイレンの姿が見えなくなると背凭れに背を預け、目を閉じて考え出した
(明日で事が片付く・・・。みんな、まだ各々緊張や不安を感じている。それは此処に居ても十分伝わってくる・・・)
街の安全、そして市民や自分達の安全の事を考え、皆、何が待っているかも解らない遺跡、そして、この異常な状況に緊張を感じている
それは調査に向かえないガリスタや街の人々の不安も一緒だった
(みんな、各々思っている事はあるだろうけど・・・)
リアは目を開けて窓から見える月に目を持って行き、
「・・・みんなの気持ちを、
この言霊に乗せて・・・
―― 無事に事が終わりますように・・・」
そう呟いたのだった
続く
あとがき
出陣前夜を書いてみました
ユーリとフレンは前回書いたので、劇場版キャラ達と絡ませてみました!(意外と絡んでなかったのでι)
ヒスカとシャスティルとの会話はやっぱりセイ兄ちゃんと一緒で、二人の面倒見てたから三人の様子に気付いてただろうと思ったし、女の子同士だから絡ませておきたいなってのがあったのでこういう感じで
ガリスタとはやっぱり前々回の時にリアちゃんの様子を知ってから心配してもらいましたw
見送り組だから、って言わせたいのもあったけどw
まあちょっと気になる所もあったけど・・・
そして最後はお待たせ隊長!
やっとナイレンさんと絡ませられた!(ピンでって意味ですよ)
ナイレンさんとの会話や絡みはユーリやフレン、リアちゃん達の今後にも関わってくるから絶対に此処で入れておきたかったので
こちらも色々と気になる事を言ってましたが・・・追々解ってくるのかな?
そして、最後は言霊使いのリアちゃんならでは! な、終わらせ方にしてみました
この後どうなるかは、読んでからのお楽しみ
2009.11.17
「うん、大丈夫」
「良かった」
あれから暫くしてリアは泣き止み、ユーリとフレンもツラかった痛みも無くなった
ユーリとフレンはリアの笑顔を見てほっと安堵の息を吐き、微笑んでいた
だが、明日の出動に向けてやらなくてはいけない事がまだ残っている
それはリアも同じだった
リアもまだやらなくてはいけない事があった
「ユーリ、フレン」
「「?」」
リアは一度俯き、そして顔を上げてニコリと微笑んで答えた
「ありがとう」
「「っ///」」
リアの笑顔に顔を赤くしているユーリとフレンだが、リアはそれに気付いていないのか言葉を続ける
「それから、ちゃんとラピードにも謝ってね。ラピードも心配してたんだから」
「「・・・ああ」」
ユーリとフレンはその言葉を聞き、一瞬きょとんとしたがお互いに顔を見合わせ小さく笑って返事を返した
「・・・明日は、頑張ってね」
「ああ。リアも無理はすんなよ」
「うん。ユーリもフレンも、気を付けてね」
「ああ。じゃあ、また」
各々微笑みながら返事を返し、ユーリとフレンはリアの部屋を後にした
「さてと、じゃあ私も、やる事やらなくちゃね」
そう言ってベッドから立ち上がり、リアは部屋を後にした
12.それぞれの思いを乗せて
「いよいよ明日、かぁ・・」
「ちょっと急だから緊張するわね・・・。あれ?」
ヒスカとシャルティルは廊下を歩きながら先程明日、遺跡に向かうと伝えられた事を話していると、ある場所に目が止まった
「「リア!?」」
「あ、ヒスカさん、シャスティルさん」
廊下に置かれている応接セットの所にリアが座っているのが見え、二人はリアの元に駆け寄り、リアはヒスカとシャスティルの姿を見てニコリと微笑んだ
「もう大丈夫なの?」
「はい。色々と心配掛けてすみません」
「ううん、良いのよ。元気になって良かったわ」
ヒスカとシャスティルは今朝見た時より良い顔をしているリアを見て本当に安心した顔をして微笑んでくれた
「明日、あの遺跡に向かうんですよね?」
「ええ」
ヒスカは椅子に座りながら答え、シャスティルも空いている席に座った
「ユーリとフレン、まだ吹っ切れてない所があるから迷惑を掛けるかもしれませんけど、二人の事、よろしくお願いします」
リアの言葉を聞き、ヒスカとシャスティルはお互いに顔を見合わせ、小さく笑って答えた
「リアって、本当にあの二人の事、大事に思ってるのね」
「大事な幼馴染みで大切な親友ですから」
「信頼してるのね」
「はい」
いつもケンカばかりしているユーリとフレン
だが、リアが来てからと言うもの、ケンカはしているにしてもリアの傍にいる時は安心しきった顔をしている
最初は幼馴染みで好きな子が傍にいるからだろうと思っていたが、なんだかんだ言っても、お互いに大切に思っているんだと分かり、リアの安心しきった笑顔を見て、ヒスカとシャスティルは同じ事を思って微笑んでいた
((あの二人がリアの事大事にしてる理由、解った気がする))
「? どうかしましたか?」
「ううん。何でもないわ」
そう言ってシャスティルはクスリと笑って立ち上がり、ヒスカも立ち上がった
「じゃあ私達はそろそろ部屋に戻るわね」
「はい。明日は頑張って下さい」
「ええ、有り難う。じゃあ、お休み」
「お休みなさい」
お互いに笑顔で挨拶をして、ヒスカとシャスティルは部屋へと戻って行った
「おや、リアさん」
「あ、ガリスタさん」
あれから暫くして今度はガリスタが通りかかり、リアの姿を見つける
「もう大丈夫なんですか?」
「はい。ご心配をおかけしました」
「いえ。風邪を引いていないようでなによりです」
ガリスタはそう言って椅子に座る
「先程、セイさんと一緒にいらっしゃらなかったので心配だったんですよ」
「温かい格好して暫く大人しくしとけ、って言われてたので、部屋で作業していたんです」
「そうだったんですか」
その時の事を思い出しリアは苦笑しながら話した
実際にその事を言われたのも事実だが、精神面で弱っていた事もあったからだ、と言う事は一先ず置いておく事にした
「ガリスタさんは、何をしていたんですか?」
「私は明日の遺跡のルートを隊長に届けに行っていたのですよ」
遺跡に行く、とナイレンが言った後に、ナイレンがガリスタにルートの検討を頼んでいたな、とリアが思っているとガリスタがリアを見て言葉を続ける
「貴方方は遺跡に向かわれるのですか?」
「え? いえ、私達は仕事がありますから、見送り組です」
「そうですか」
「?」
リアの言葉を聞き、ガリスタは何か思っている顔をしていた
「いえ、あの時一緒に戦ったと聞いたので一緒なのかと思いまして」
リアが首を傾げているとガリスタは少し慌てて言葉を続ける
あの時と言うのは、エアルクリーチャーや魔物達が街に攻撃を仕掛けた時の事だった
「あの時は人手が足りなかったから、一緒に戦っただけですよ」
「そうだったんですか・・・」
その言葉を聞き、ガリスタは少しだけ申し訳ない顔をしていた
その理由はリアも解っている
それはランバート達軍用犬の事、そして、ツラい思いをさせてしまった事に対しての事だった
「明日、我々は見送り組ですが、無事を祈りましょう」
「はい」
そう言ってガリスタは立ち上がり、お互いに挨拶をして、ガリスタは歩いて行った
「・・・見送り組・・か・・・」
リアはぼそりと呟き目を閉じ
「・・・そうなるとは思えないけど・・・」
ある事を思い出し、また小さく呟き、目を開けて窓から見える月に視線を持って行った
「? リアか?」
「あ、ナイレンさん」
リアは月を眺めていると声が聞こえ、視線を戻すとナイレンがいた
「どうしたんだ、こんな時間に?」
「ずっと部屋で大人しくしてたので、寝付けなくて」
「そうか」
リアは苦笑して言うとナイレンはリアの顔を見てもう平気だと分かり小さく笑って椅子に座った
「ナイレンさんはどうしたんですか?」
「ん? オレもちょっと寝付けなくてな」
明日の事を考えれば、皆寝付けないのも当然かもしれない
「リアはずっと此処にいたのか?」
「はい。此処に居ると、みんなの事が見えてくるんです。心配事や不安や緊張が」
リアはそう言って窓の向こうに見える部屋や廊下を見て言い、ナイレンへと視線を戻す
「それに、こうやって色んな人達とも話が出来ますから」
ニコリと笑ってリアはナイレンを見ると、ナイレンは一瞬驚いた顔をした
そして、小さく笑ってリアの頭に手を乗せた
「リアを見てると、娘を思い出すな」
「・・・娘さん、ですか?」
「ああ。生きてたら丁度同じくらいだろうな」
「・・・・」
「昔、ある事件で妻と娘を亡くしてな・・・」
それからナイレンはその時の事を少しだけ話してくれた
昔、軍の命令を重んじたあまりにある事件で家族の命を守れなかった、と語ってくれた
「・・・・」
リアはその話を口を挟まずじっと聞いていた
「だからかもしれないが、あいつ等を見てると子供の面倒を見てるような気になってくるんだよな」
あいつ等と言うのはユーリやフレン、そしてこの隊にいるヒスカやシャスティルを含めた若いメンバー達の事を言っていた
「ユーリもフレンもナイレンさんがいるから、居心地が良いんだと思います」
「ん? そうか?」
「はい」
急にそう言われナイレンは疑問を持ってリアを見るとニコリと笑っていた
ユーリとフレンの性格を昔から知っているリアにしてみれば、それは直ぐに解った事だし、ヒスカやシャスティル達を見ていても居心地が良いと言うのは伝わってくる
実際にリアとセイも居心地が良いと感じている
それはナイレンの人柄、人望を見ていれば自然と感じるものだからだ
「んじゃ、そう言う事にしとくか」
そう言ってナイレンは笑いリアも笑っていた
「それに、私から見てもユーリとフレンは、まだ子供だと思いますよ」
「そうだな。年下のリアの方がしっかりしてるしな」
リアが苦笑して言うとナイレンも同意しお互いに笑った
「でも、ユーリとフレンなら、もう大丈夫ですよ。まだ迷いはありますけど、あの二人なら、きっと大丈夫です」
リアは数時間前の二人を思い出しニコリと笑って答えるとナイレンは何かを思い小さく笑った
「・・・あいつ等の強さは、これか」
「え?」
「いや、何でもねえよ」
ナイレンはヒスカとシャスティルと同じように、リア達幼馴染みの絆を見て納得し微笑んで小さく呟いたが、リアには聞こえていないようだった
ナイレンはそんなリアを見て、リアの頭を優しく撫でた
「さて、じゃあオレはそろそろ戻るかな。リアもあんまり夜更かしするんじゃねえぞ」
「はい」
「それと・・・」
ナイレンはリアの頭を撫でた後、周りに聞こえない声でリアに言う
「あの件の事、頼んだぜ・・・」
「はい・・・。任せて下さい」
「じゃ、お休み」
「お休みなさい」
リアも周りに聞こえない声で答え、その返事を聞くとナイレンは微笑んでまたリアの頭を優しく撫で立ち上がって言い、リアも返事を返し、ナイレンの姿が見えなくなると背凭れに背を預け、目を閉じて考え出した
(明日で事が片付く・・・。みんな、まだ各々緊張や不安を感じている。それは此処に居ても十分伝わってくる・・・)
街の安全、そして市民や自分達の安全の事を考え、皆、何が待っているかも解らない遺跡、そして、この異常な状況に緊張を感じている
それは調査に向かえないガリスタや街の人々の不安も一緒だった
(みんな、各々思っている事はあるだろうけど・・・)
リアは目を開けて窓から見える月に目を持って行き、
「・・・みんなの気持ちを、
この言霊に乗せて・・・
―― 無事に事が終わりますように・・・」
そう呟いたのだった
続く
あとがき
出陣前夜を書いてみました
ユーリとフレンは前回書いたので、劇場版キャラ達と絡ませてみました!(意外と絡んでなかったのでι)
ヒスカとシャスティルとの会話はやっぱりセイ兄ちゃんと一緒で、二人の面倒見てたから三人の様子に気付いてただろうと思ったし、女の子同士だから絡ませておきたいなってのがあったのでこういう感じで
ガリスタとはやっぱり前々回の時にリアちゃんの様子を知ってから心配してもらいましたw
見送り組だから、って言わせたいのもあったけどw
まあちょっと気になる所もあったけど・・・
そして最後はお待たせ隊長!
やっとナイレンさんと絡ませられた!(ピンでって意味ですよ)
ナイレンさんとの会話や絡みはユーリやフレン、リアちゃん達の今後にも関わってくるから絶対に此処で入れておきたかったので
こちらも色々と気になる事を言ってましたが・・・追々解ってくるのかな?
そして、最後は言霊使いのリアちゃんならでは! な、終わらせ方にしてみました
この後どうなるかは、読んでからのお楽しみ
2009.11.17