~The First Strike~
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昨日の夜からずっと降り続いていた雨はいつの間にか止んでいた
雨は上がったものの、まだ雲は残っていた
明日、ナイレン率いるフェドロック隊は湖にある遺跡の調査に向かう
その事はもう全員に知らされていて、皆各々明日の出動に向けて準備をしているのだろう
「遺跡の調査、か・・・」
リアはベッドに座ってある報告書を見ながらぽつりと呟いた
それはリア達がナイレンやメルゾム達から頼まれた仕事の内容を纏めたものだった
(詳しい事は兄さんが戻って来るまで解らないし、明日、レイヴンやメルゾムさんにも聞かないと何とも言えないし・・・)
リアは報告書を見て考えを纏めた後、小さく溜息を吐くとアスラが側にやってきた
「リア」
「どうしたの?」
「センキ達が情報掴んだみたいだからちょっと行ってくるよ」
「あ、じゃあお願いね」
アスラはリアの返事を聞くと姿を消した
リアはまだ万全の状態じゃない為大人しくしているように言われていたので、仲間達からの報告はアスラに任せる事にした
それを見送り報告書を纏め引き出しに入れようとしていた時だった
トントン
「はい?」
突然ノックが聞こえ、引き出しを閉じて返事を返すと扉が開きある人物が入って来た
「「リア」」
「・・・ユーリ、フレン」
パタンと扉を閉めるとユーリとフレンはリアが座っているベッドの前に移動して来る
そして、
「「さっきはごめん」」
同時に頭を下げて謝られ、リアは一瞬驚いて目を見開く
「ぇ・・・」
「「・・・・」」
二人を見ると二人は頭を下げたまま何も言わないでいた
「・・・・」
リアは少し考えた後、二人の前に行き、ベッドに膝を着いてゆっくりと手を伸ばし二人の背中に腕を回した
「「? っ、リアっ!?」」
リアはそのまま少しだけ力を加え二人を引き寄せ、二人はリアの胸の辺りに顔を埋める状態になり、ユーリとフレンはその事に驚いていた
「・・・だよね」
「「?」」
「ユーリもフレンも、お互いに違う場所でツラくて、悔しい思いをして・・・どうしようもなくて、気持ちの整理がなかなか付かない。そんな時にあそこで会っちゃったから、やり場のない怒りが込み上げてきて、ああなっちゃったんでしょ・・・?」
「「・・・・」」
リアの的確な言葉にユーリとフレンは黙ってしまった
リアの言う通り、ユーリもフレンも別々の場所でツラくて悔しい思いをしていた
そして、そんな気持ちの整理が付いていない時にあの場所で会い、お互いに挑発してしまい、怒りが爆発して取っ組み合いになってしまった
「・・・私の方こそ、ゴメンね。怒鳴っちゃって」
「いや。リアが止めてくれなかったらずっとあのままだったよ」
「ああ。それに・・リアの方がずっとツラい思いしてんだろ?」
「え・・・?」
その言葉に驚いて手を離すとユーリとフレンは悲しそうな顔をした
「セイからリアが倒れた事、聞いたよ」
「倒れた本当の理由、もな」
「!」
リアは二人の言葉に驚き、俯いてベッドに座り込んでしまった
「・・・っ」
リアの顔は俯いている為、表情ははっきりとは解らないが、知られたくなかった・・・と思っている事はリアを見て解った事だった
「「・・・・」」
そんなリアを見てユーリとフレンはベッドに腰掛け優しくリアを抱きしめた
「・・っ! ユーリ、フレン!?」
リアは急な事に驚き顔を上げようとするが、二人に抱きしめられていて上げる事が出来なかった
「・・・ごめんな。あん時気付いてやれなくて」
「僕も傍にいてやれなくて、ごめん・・・」
ユーリとフレンは切ない声で言い、ギュッとリアを抱きしめる
「・・・ユーリ、フレン・・・っ、」
二人のツラさと切なさ、そして優しさが伝わりリアは切なさが込み上げてきて今にも泣きそうだった
「・・・ったよ」
リアは二人の腕の中で声を発し、ユーリとフレンはその言葉の続きを待った
「あの時、ランバート達の感情が伝わって来て、・・今まで以上にツラかった。ラピードの事を思うと、本当にツラかった・・・!」
「「・・・・」」
「でも・・、それなら私よりユーリの方が傷ついてる・・・。フレンも同じ時に、帝都でツラい思いをしてた・・・」
「「・・・・」」
リアの言葉にユーリもフレンもぴくりと反応するが、言葉は発さず続きを待つ
「だから、・・・私も傍にいてやれなかったから・・・ゴメンな・・っさい・・・」
リアは涙を堪えながら必死に言い、そんなリアを見て、ユーリとフレンも更にツラさを感じる
「だけど・・・、一番ツラいのは、ユーリとフレンが争ってる事なの・・・。だから、あの時・・・、見てて本当にツラかったっ! 私だけじゃなくて・・ラピードも・・・。だからっ・・・っ、!」
言葉を続けていると、二人に強く抱きしめられ、そして、セイがいつもリアにするように優しく頭を撫でだした
その行動がもう喋らなくて良い、と言う合図だと分かり、リアは大人しくしているといつも以上にツラそうなユーリとフレンの声が聞こえ、強く抱きしめられた
「「・・・ごめん」」
「っ・・・!」
その優しさとツラさが伝わり、リアはユーリとフレンの腕の中で声を出して泣き出してしまった
11.涙に濡れた日
セイに背中を押され、リアの元にやってきたユーリとフレン
リアは自分の痛みと、そしてユーリとフレンのツラい痛みを抱えていた
けど、それはお互いに気付なかった事に悔しさを感じ、互いに謝った
リアは必死に涙を堪えていたが、二人の優しさとツラさが伝わり、最後は声を出して泣いてしまった
私が泣いている間、
ユーリとフレンはしっかりと私を抱きしめて、
ずっと傍に居てくれていた
お互いに傍にいてやれなかった分、
この時に私達(オレ達)(僕達)は
三人で痛みとツラさを、分かち合った・・・
続く
あとがき
すっげー重たい!!
でも、此処はやっぱり重たくなっちゃいますよね
やっぱり大切にしてる分、気にもしちゃいますからね・・・
最後はリアちゃん視点のモノローグ、そしてリア、ユーリ、フレン、三人のモノローグでした
後々、今まで以上に親友になる為の一歩が此処だったって言う感じにしたかったから、本当に此処どう書こうか悩みました・・・ι
さ、次回はこれのちょっと後を書いてからあの人達と絡ませたいと思います!
遺跡にはまだ行きませんよw
2009.11.17
雨は上がったものの、まだ雲は残っていた
明日、ナイレン率いるフェドロック隊は湖にある遺跡の調査に向かう
その事はもう全員に知らされていて、皆各々明日の出動に向けて準備をしているのだろう
「遺跡の調査、か・・・」
リアはベッドに座ってある報告書を見ながらぽつりと呟いた
それはリア達がナイレンやメルゾム達から頼まれた仕事の内容を纏めたものだった
(詳しい事は兄さんが戻って来るまで解らないし、明日、レイヴンやメルゾムさんにも聞かないと何とも言えないし・・・)
リアは報告書を見て考えを纏めた後、小さく溜息を吐くとアスラが側にやってきた
「リア」
「どうしたの?」
「センキ達が情報掴んだみたいだからちょっと行ってくるよ」
「あ、じゃあお願いね」
アスラはリアの返事を聞くと姿を消した
リアはまだ万全の状態じゃない為大人しくしているように言われていたので、仲間達からの報告はアスラに任せる事にした
それを見送り報告書を纏め引き出しに入れようとしていた時だった
トントン
「はい?」
突然ノックが聞こえ、引き出しを閉じて返事を返すと扉が開きある人物が入って来た
「「リア」」
「・・・ユーリ、フレン」
パタンと扉を閉めるとユーリとフレンはリアが座っているベッドの前に移動して来る
そして、
「「さっきはごめん」」
同時に頭を下げて謝られ、リアは一瞬驚いて目を見開く
「ぇ・・・」
「「・・・・」」
二人を見ると二人は頭を下げたまま何も言わないでいた
「・・・・」
リアは少し考えた後、二人の前に行き、ベッドに膝を着いてゆっくりと手を伸ばし二人の背中に腕を回した
「「? っ、リアっ!?」」
リアはそのまま少しだけ力を加え二人を引き寄せ、二人はリアの胸の辺りに顔を埋める状態になり、ユーリとフレンはその事に驚いていた
「・・・だよね」
「「?」」
「ユーリもフレンも、お互いに違う場所でツラくて、悔しい思いをして・・・どうしようもなくて、気持ちの整理がなかなか付かない。そんな時にあそこで会っちゃったから、やり場のない怒りが込み上げてきて、ああなっちゃったんでしょ・・・?」
「「・・・・」」
リアの的確な言葉にユーリとフレンは黙ってしまった
リアの言う通り、ユーリもフレンも別々の場所でツラくて悔しい思いをしていた
そして、そんな気持ちの整理が付いていない時にあの場所で会い、お互いに挑発してしまい、怒りが爆発して取っ組み合いになってしまった
「・・・私の方こそ、ゴメンね。怒鳴っちゃって」
「いや。リアが止めてくれなかったらずっとあのままだったよ」
「ああ。それに・・リアの方がずっとツラい思いしてんだろ?」
「え・・・?」
その言葉に驚いて手を離すとユーリとフレンは悲しそうな顔をした
「セイからリアが倒れた事、聞いたよ」
「倒れた本当の理由、もな」
「!」
リアは二人の言葉に驚き、俯いてベッドに座り込んでしまった
「・・・っ」
リアの顔は俯いている為、表情ははっきりとは解らないが、知られたくなかった・・・と思っている事はリアを見て解った事だった
「「・・・・」」
そんなリアを見てユーリとフレンはベッドに腰掛け優しくリアを抱きしめた
「・・っ! ユーリ、フレン!?」
リアは急な事に驚き顔を上げようとするが、二人に抱きしめられていて上げる事が出来なかった
「・・・ごめんな。あん時気付いてやれなくて」
「僕も傍にいてやれなくて、ごめん・・・」
ユーリとフレンは切ない声で言い、ギュッとリアを抱きしめる
「・・・ユーリ、フレン・・・っ、」
二人のツラさと切なさ、そして優しさが伝わりリアは切なさが込み上げてきて今にも泣きそうだった
「・・・ったよ」
リアは二人の腕の中で声を発し、ユーリとフレンはその言葉の続きを待った
「あの時、ランバート達の感情が伝わって来て、・・今まで以上にツラかった。ラピードの事を思うと、本当にツラかった・・・!」
「「・・・・」」
「でも・・、それなら私よりユーリの方が傷ついてる・・・。フレンも同じ時に、帝都でツラい思いをしてた・・・」
「「・・・・」」
リアの言葉にユーリもフレンもぴくりと反応するが、言葉は発さず続きを待つ
「だから、・・・私も傍にいてやれなかったから・・・ゴメンな・・っさい・・・」
リアは涙を堪えながら必死に言い、そんなリアを見て、ユーリとフレンも更にツラさを感じる
「だけど・・・、一番ツラいのは、ユーリとフレンが争ってる事なの・・・。だから、あの時・・・、見てて本当にツラかったっ! 私だけじゃなくて・・ラピードも・・・。だからっ・・・っ、!」
言葉を続けていると、二人に強く抱きしめられ、そして、セイがいつもリアにするように優しく頭を撫でだした
その行動がもう喋らなくて良い、と言う合図だと分かり、リアは大人しくしているといつも以上にツラそうなユーリとフレンの声が聞こえ、強く抱きしめられた
「「・・・ごめん」」
「っ・・・!」
その優しさとツラさが伝わり、リアはユーリとフレンの腕の中で声を出して泣き出してしまった
11.涙に濡れた日
セイに背中を押され、リアの元にやってきたユーリとフレン
リアは自分の痛みと、そしてユーリとフレンのツラい痛みを抱えていた
けど、それはお互いに気付なかった事に悔しさを感じ、互いに謝った
リアは必死に涙を堪えていたが、二人の優しさとツラさが伝わり、最後は声を出して泣いてしまった
私が泣いている間、
ユーリとフレンはしっかりと私を抱きしめて、
ずっと傍に居てくれていた
お互いに傍にいてやれなかった分、
この時に私達(オレ達)(僕達)は
三人で痛みとツラさを、分かち合った・・・
続く
あとがき
すっげー重たい!!
でも、此処はやっぱり重たくなっちゃいますよね
やっぱり大切にしてる分、気にもしちゃいますからね・・・
最後はリアちゃん視点のモノローグ、そしてリア、ユーリ、フレン、三人のモノローグでした
後々、今まで以上に親友になる為の一歩が此処だったって言う感じにしたかったから、本当に此処どう書こうか悩みました・・・ι
さ、次回はこれのちょっと後を書いてからあの人達と絡ませたいと思います!
遺跡にはまだ行きませんよw
2009.11.17