~The First Strike~
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「ヒスカさんとシャスティルさん、元気そうで良かったね」
「ああ。けど、まさかこんな所で会うとは思ってなかったな」
「昔とあんま変わってなかった気もするけどな」
「ラピードも久しぶりに会えて良かったな」
「ワン!」
「此処まで大きくなった事には驚いてたけどね」
私とユーリとフレンと兄さんとアスラは笑いながら歩いていて、その隣をラピードが歩いていた
此処はノール港、たまたま買い出しで立ち寄った先で懐かしい人達と再会した
ヒスカ・アイヒープ、シャスティル・アイヒープ
彼女達はユーリとフレンが騎士団に入りたての頃に二人の面倒を見ていた先輩騎士
双子で顔立ちも似ていて瓜二つで、見分けが難しいほどだった(隊の人達は何処かで見分けていたらしいけど・・・)
私は前を歩くユーリとフレンとラピード、そして、ユーリが着けている武醒魔導器とラピードが咥えているキセルを見て兄さんとアスラを見てゆっくりと空を眺めた
「・・・あれから、三年、か」
私は空を眺めて、そう呟いた
三年前、
それは此処に居る私、ユーリ、フレン、兄さん、アスラ、ラピード、
そしてさっき会ったヒスカさんとシャスティルさんにとって大きな出来事が遭った
そう、忘れられない、
とてもとても哀しい出来事が・・・
01.騎士団へ
三年と数ヶ月前、
「リア、いるか?」
「ユーリ? 開いてるよー」
此処は帝都ザーフィアスの下町の宿屋の2階、此処には二人の兄妹が住んでいる
その部屋には水色の髪の女性、リア・ルーティアがいた
そして扉を開けて入って来たのはリアの幼馴染みで黒髪の青年、ユーリ・ローウェルだった
「ん? セイとアスラはどうしたんだ?」
「兄さんもアスラも用事があるって言って何処か行っちゃったよ」
セイと言うのはリアの兄でリアと5歳離れ、ユーリとは4歳離れている
アスラと言うのはリアの相棒で犬のような猫のような狐のような姿をした生き物で、人の言葉を話す事が出来る特殊な生き物だ
「・・・気ぃ遣わせちまったか?」
「え?」
「あー、いや・・・」
ユーリの言葉にリアは疑問符を出したがユーリはそれを受け流して椅子に座った
「・・・・」
ユーリはキッチンで作業をしているリアを見て、一呼吸置いて口を開く
「なあ、リア、今ちょっといいか?」
「うん・・・」
リアはキッチンからクッキーの入った皿とティーセットを持ってきた
「ミルクと砂糖多め?」
「ああ・・・」
リアはいつもより歯切れが悪いユーリを見て疑問符を浮かべて向かいに座った
「「・・・・」」
ユーリとリアはミルクティーを一口飲むと黙ってしまう
「ユーリ、どう「リア、オレ、騎士団に入るわ」え?」
リアはユーリの言葉を聞いて驚いて目を見開いた
「騎士団・・に?」
「ああ。 ・・・フレンの親父さんの事、覚えてるか?」
「・・・うん、覚えてるよ」
フレンと言うのはリアとユーリとセイの幼馴染みで、ユーリと同い年だ
この四人はこの下町で子供の頃に出会い、家と年齢が近いからか、物心つく前からずっと一緒に居た
仲が良く、いつも一緒にいた為、下町の人達にも仲が良いね、と言われていた
フレンの父親、ファイナス・シーフォは下町出身で騎士団の隊長まで登り詰めた人だ
下町の人々も彼に憧れる人が多く、騎士団の中にも彼に憧れている人も多かったそうだ
だが、リア達が今よりまだ小さい頃に、彼は下町を護る為に命を落としたのだった
「オレ、フレンの親父さんに憧れてたんだ・・・」
ユーリは物心つく前に家族を亡くしていた為、フレンの父親に憧れを抱いていた
彼のようになりたい、と言うのはフレンも同じで、良く一緒に剣の稽古をしていて、時々リアやセイにも剣を教えてくれていた
「だから、オレも騎士団に入ってこの下町を守る」
「・・・・」
フレンの父親が亡くなった後、フレンは直ぐに引っ越してしまったが、ユーリはその思いを持ち続けてずっと剣の稽古をしていた
「兄さんは、その事知ってるの?」
「ああ。色々と相談に乗ってもらった」
ずっとユーリの面倒を見ているセイにしてみれば、その事に気付くのは早かっただろう
「だから、暫くは下町には戻って来れないと思う・・・」
少しだけバツが悪そうな顔をして言うユーリを見てリアは小さく笑った
「そんな顔しないでよ。せっかく騎士団に入れる歳になったんだから、ユーリの夢、叶えなきゃ」
「リア・・・」
リアはそう言ってニッコリと笑い、ユーリは思ってもみない言葉に驚いていた
「それに、暫く下町に戻れないって言うなら、私や兄さんはしょっちゅうじゃない・・・」
リアとセイは情報屋の仕事をしている
だが、これは表向きの仕事、本業は知る人しか知らない為、表向きは情報屋の仕事をしている
帝国にもギルドにも所属していないフリーの情報屋で、一見や信頼出来ない相手には絶対に情報を売らない、相手を見極めてから情報を売る、と言うものだ
「そうだな」
ユーリはリアの言葉を聞いて苦笑していたが、リアにこの事を話したお陰なのか、リアに応援されたお陰なのか、胸に溜っていた重たいものが無くなった
ユーリは残っていたミルクティーを一気に飲み干し、立ち上がった
「さてと、じゃあオレそろそろ行くわ」
「ユーリ」
「ん?」
「頑張ってね」
「ああ」
「後、私も仕事でまた暫く留守にするから、今まで通り、手紙頂戴ね?」
「解ってるよ。じゃあな」
「うん・・・」
ユーリは笑って返事を返し、リアも同じように返事を返すとユーリは歩いて行き扉を閉めた
ユーリを見送った後、リアはチェストの引き出しから一枚の手紙を取り出した
「・・・フレン、ユーリも騎士団に入るみたいだよ」
その手紙はフレンから届いたものだった
フレンが引っ越す時にリアがお互いの状況を知っていたい、と言うとフレンも同じ事を言ってずっと手紙のやり取りをしていた
ユーリはフレンと手紙のやり取りをしていないようだが、リアにはちゃんと送っていた
リアが今持っている手紙は数時間前に届いたものだった
その手紙の一文に
『僕は騎士団に入るよ。』
と書かれていた
ユーリが来る前に手紙に目を通していたから、フレンが騎士団に入る事を知っていたが、敢えて言わなかった
リアはその手紙を引き出しに戻し、窓際に移動した
「・・・再会、出来ると良いね」
青い空に流れる雲を見つめ、リアは微笑みながらそう呟いたのだった
続く
あとがき
劇場版連載開始!
内容はめちゃくちゃ覚えてるけど、まだ口調が掴めてない人多いから観に行く!
とりあえず第一話は基本的な事と、ユーリが騎士団に入る事をリアちゃんに伝える話でした
まぁ、入りはこんな感じだろうな、と思ってこうしてみました
次回からは映画本編の方に入って行きますよぉ
2009.10.11
「ああ。けど、まさかこんな所で会うとは思ってなかったな」
「昔とあんま変わってなかった気もするけどな」
「ラピードも久しぶりに会えて良かったな」
「ワン!」
「此処まで大きくなった事には驚いてたけどね」
私とユーリとフレンと兄さんとアスラは笑いながら歩いていて、その隣をラピードが歩いていた
此処はノール港、たまたま買い出しで立ち寄った先で懐かしい人達と再会した
ヒスカ・アイヒープ、シャスティル・アイヒープ
彼女達はユーリとフレンが騎士団に入りたての頃に二人の面倒を見ていた先輩騎士
双子で顔立ちも似ていて瓜二つで、見分けが難しいほどだった(隊の人達は何処かで見分けていたらしいけど・・・)
私は前を歩くユーリとフレンとラピード、そして、ユーリが着けている武醒魔導器とラピードが咥えているキセルを見て兄さんとアスラを見てゆっくりと空を眺めた
「・・・あれから、三年、か」
私は空を眺めて、そう呟いた
三年前、
それは此処に居る私、ユーリ、フレン、兄さん、アスラ、ラピード、
そしてさっき会ったヒスカさんとシャスティルさんにとって大きな出来事が遭った
そう、忘れられない、
とてもとても哀しい出来事が・・・
01.騎士団へ
三年と数ヶ月前、
「リア、いるか?」
「ユーリ? 開いてるよー」
此処は帝都ザーフィアスの下町の宿屋の2階、此処には二人の兄妹が住んでいる
その部屋には水色の髪の女性、リア・ルーティアがいた
そして扉を開けて入って来たのはリアの幼馴染みで黒髪の青年、ユーリ・ローウェルだった
「ん? セイとアスラはどうしたんだ?」
「兄さんもアスラも用事があるって言って何処か行っちゃったよ」
セイと言うのはリアの兄でリアと5歳離れ、ユーリとは4歳離れている
アスラと言うのはリアの相棒で犬のような猫のような狐のような姿をした生き物で、人の言葉を話す事が出来る特殊な生き物だ
「・・・気ぃ遣わせちまったか?」
「え?」
「あー、いや・・・」
ユーリの言葉にリアは疑問符を出したがユーリはそれを受け流して椅子に座った
「・・・・」
ユーリはキッチンで作業をしているリアを見て、一呼吸置いて口を開く
「なあ、リア、今ちょっといいか?」
「うん・・・」
リアはキッチンからクッキーの入った皿とティーセットを持ってきた
「ミルクと砂糖多め?」
「ああ・・・」
リアはいつもより歯切れが悪いユーリを見て疑問符を浮かべて向かいに座った
「「・・・・」」
ユーリとリアはミルクティーを一口飲むと黙ってしまう
「ユーリ、どう「リア、オレ、騎士団に入るわ」え?」
リアはユーリの言葉を聞いて驚いて目を見開いた
「騎士団・・に?」
「ああ。 ・・・フレンの親父さんの事、覚えてるか?」
「・・・うん、覚えてるよ」
フレンと言うのはリアとユーリとセイの幼馴染みで、ユーリと同い年だ
この四人はこの下町で子供の頃に出会い、家と年齢が近いからか、物心つく前からずっと一緒に居た
仲が良く、いつも一緒にいた為、下町の人達にも仲が良いね、と言われていた
フレンの父親、ファイナス・シーフォは下町出身で騎士団の隊長まで登り詰めた人だ
下町の人々も彼に憧れる人が多く、騎士団の中にも彼に憧れている人も多かったそうだ
だが、リア達が今よりまだ小さい頃に、彼は下町を護る為に命を落としたのだった
「オレ、フレンの親父さんに憧れてたんだ・・・」
ユーリは物心つく前に家族を亡くしていた為、フレンの父親に憧れを抱いていた
彼のようになりたい、と言うのはフレンも同じで、良く一緒に剣の稽古をしていて、時々リアやセイにも剣を教えてくれていた
「だから、オレも騎士団に入ってこの下町を守る」
「・・・・」
フレンの父親が亡くなった後、フレンは直ぐに引っ越してしまったが、ユーリはその思いを持ち続けてずっと剣の稽古をしていた
「兄さんは、その事知ってるの?」
「ああ。色々と相談に乗ってもらった」
ずっとユーリの面倒を見ているセイにしてみれば、その事に気付くのは早かっただろう
「だから、暫くは下町には戻って来れないと思う・・・」
少しだけバツが悪そうな顔をして言うユーリを見てリアは小さく笑った
「そんな顔しないでよ。せっかく騎士団に入れる歳になったんだから、ユーリの夢、叶えなきゃ」
「リア・・・」
リアはそう言ってニッコリと笑い、ユーリは思ってもみない言葉に驚いていた
「それに、暫く下町に戻れないって言うなら、私や兄さんはしょっちゅうじゃない・・・」
リアとセイは情報屋の仕事をしている
だが、これは表向きの仕事、本業は知る人しか知らない為、表向きは情報屋の仕事をしている
帝国にもギルドにも所属していないフリーの情報屋で、一見や信頼出来ない相手には絶対に情報を売らない、相手を見極めてから情報を売る、と言うものだ
「そうだな」
ユーリはリアの言葉を聞いて苦笑していたが、リアにこの事を話したお陰なのか、リアに応援されたお陰なのか、胸に溜っていた重たいものが無くなった
ユーリは残っていたミルクティーを一気に飲み干し、立ち上がった
「さてと、じゃあオレそろそろ行くわ」
「ユーリ」
「ん?」
「頑張ってね」
「ああ」
「後、私も仕事でまた暫く留守にするから、今まで通り、手紙頂戴ね?」
「解ってるよ。じゃあな」
「うん・・・」
ユーリは笑って返事を返し、リアも同じように返事を返すとユーリは歩いて行き扉を閉めた
ユーリを見送った後、リアはチェストの引き出しから一枚の手紙を取り出した
「・・・フレン、ユーリも騎士団に入るみたいだよ」
その手紙はフレンから届いたものだった
フレンが引っ越す時にリアがお互いの状況を知っていたい、と言うとフレンも同じ事を言ってずっと手紙のやり取りをしていた
ユーリはフレンと手紙のやり取りをしていないようだが、リアにはちゃんと送っていた
リアが今持っている手紙は数時間前に届いたものだった
その手紙の一文に
『僕は騎士団に入るよ。』
と書かれていた
ユーリが来る前に手紙に目を通していたから、フレンが騎士団に入る事を知っていたが、敢えて言わなかった
リアはその手紙を引き出しに戻し、窓際に移動した
「・・・再会、出来ると良いね」
青い空に流れる雲を見つめ、リアは微笑みながらそう呟いたのだった
続く
あとがき
劇場版連載開始!
内容はめちゃくちゃ覚えてるけど、まだ口調が掴めてない人多いから観に行く!
とりあえず第一話は基本的な事と、ユーリが騎士団に入る事をリアちゃんに伝える話でした
まぁ、入りはこんな感じだろうな、と思ってこうしてみました
次回からは映画本編の方に入って行きますよぉ
2009.10.11
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