長短編
夢主名変更
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「・・・サンタ・・かあ・・」
「まさか俺達までやる事になるとはな・・・」
「けど、あっちの二人はやる気みたいだよ」
「・・良し、ラピードも準備OKだな」
「ワン!」
「ふふ、ラピードも良く似合っているよ」
今この場に下町幼馴染み組が揃っていた
が、何故か皆サンタ衣装を着ていた
何故サンタ衣装を着ているか、
事の始まりはほんの数十分前だった
トリム港に立ち寄っていたユーリ達はいつものように4人と2匹で買い出しに出ていた
「これで買う物は全部か?」
「・・・うん、私達の方は大丈夫だよ。ユーリとフレンの方は?」
「こっちも大丈夫だよ」
「けど思ったより時間が掛かっちまったな」
「まあこの時期だから込んでるのは仕方ないんじゃない?」
そう丁度今はクリスマスの時期だった
だからどの街や店に行っても人が多かったのだ
そう話していた時だった
「あら、そこにいるのはユーリくん達じゃない」
聞き覚えのある声が聞こえ振り返ると幸福の市場のカウフマンがこちらへと歩いて着ていた
「カウフマンさん、こんばんは」
「こんばんは、お久し振りです」
「こんばんは、久し振りね。貴方達丁度良いところにいたわね」
リアとフレンはカウフマンを見るなり丁寧に挨拶をしていたが、ユーリとセイはその言葉を聞いた途端何かを察したような顔をした
「また面倒毎か?」
「察しの良い子は好きよ。でも今回は面倒毎ではないわ」
「・・・今回は?」
「・・・で、俺達に用ってなんなんだ?」
アスラも疑問を抱きセイは敢えてそこに触れず本題を聞いた
「貴方達、サンタクロースは知っているわよね?」
「あ、はい。この時期になると色々な所でも見掛けますよね」
「そっちのサンタもサンタだけれど、夜に現れる方のサンタクロースよ」
夜に現れる方、つまり子供達へプレゼントを配るサンタクロースの方だった
「そのサンタがどうかしたのか?」
「毎年、この時期になるとギルドでもプレゼントを配るサンタクロースをやっているのよ」
「ああ、そういやそんな話しレイヴンやハリーから聞いた事があったな」
ザーフィアスがあるイリキア大陸には帝国軍がある為、そう言った事は親達がやる事が多いがギルドがあるこのトルビキア大陸にはそう言った事をギルドでやると言う事はリアもセイもレイヴンやハリーから聞いていたのでユーリとフレンは初耳だったようだ
「それで今、各ギルドの代表の何人かがサンタクロースになって各地にいるんだけど、まだ人手が足りなくて」
「・・・まさかとは思うけど、それを俺達にも手伝えと?」
「察しが良いわね。あ、先に言っておくけど、これは依頼じゃくてギルド同士の協力だから。勿論手伝ってくれるならギルドも帝国騎士団も関係はないけれど」
フレンを見てカウフマンはそう付け加え、リア達は顔を見合わせた
「・・・どうする?」
「つっても今は首領がいねえしなあ」
「けどこう言った話はカロルを参加させない方が良いと思うよ」
「・・・確かに、そうだね・・」
アスラの言う通り、カロルの年頃を考えるとまだサンタを信じている年だ
だからこういう事は大人達が担当をしている
それにカウフマンがユーリ達に声を掛けたのは知り合いでもあるし信頼していると言う点も大きいだろう
だが、ギルドの協力とはいえ首領がいないのに勝手に決めても良いものか、そう思っているのが伝わったのかカウフマンはニコリと笑ってリアを見て
「もし手伝ってくれるなら・・・この子にとびきり素敵なミニスカサンタ衣装を着せてあげるわよ」
「えっ!///」「「!」」
リアの肩に両手をおいてそう言うとリアは驚いてカウフマンを見て、ユーリとフレンは少しだけ言葉を詰まらせた
その後の反応は想像が付くと思うが、ユーリとフレンは即了承しセイは予想通りの展開に溜息を吐き、アスラは苦笑しラピードも仕方が無い・・と言うように小さくわふぅ・・と息を吐いたのだった
そしてその後はリア達が持っていた買い出しの荷物はアスラとフキがエステル達が泊まっている宿へ届け、ユーリ達は急用で帝都に向かったと言ってきたそうだ
皆、一緒にクリスマスを過ごせない事を残念がっていたが帝都と言う事は騎士団の方で何か急な事が遭ってユーリ達も一緒に行ったのかもしれないと話していたので深くまでは追求されなかったようだ
その間、ユーリ達は幸福の市場の本社の一室で男女に分かれてサンタ衣装に着替え合流したのだが
「「・・・・・」」
「どう、約束通りとびきり可愛くて素敵なミニスカサンタさんでしょう?」
合流するとニコリと笑ってカウフマンはサンタ衣装を着たリアを二人の前に見せたのだった
何気に『とびきり可愛くて素敵なミニスカサンタ』と若干最初と呼び方が変わっていたが、その名の通りで文句なしだった
それを見るとカウフマンはこれからやる事の説明を受け、それぞれがどの家にプレゼントを配るかの担当を決め準備の為、今に至るのだった
「ユーリもフレンもやる気十分よね」
「ん? まあ引き受けたからにはやらねえとだろ」
「そうだね。カロル達には申し訳ないけれど・・」
「・・・まあ、一番やる気になってるのはリアの格好もあるから、だろ」
「っ・・・///」
セイにそう言われリアは頬を染め少し視線を逸らした
「で、でも、・・この格好でプレゼント配るのは・・ちょっと恥ずかしい///」
「似合ってんだから気にすんなって」
「うん。凄く可愛いよ」
「・・・あ、ありがとう/// その・・ユーリもフレンも兄さんも・・似合ってるしカッコイイよ」
一瞬、リアの言葉に驚いて目を瞠ったが直ぐに微笑んでお礼を言った
「さてと、じゃあそろそろみんな仕事始めようか」
「ワン!」
4人が安心したのを見計らい、アスラはそう声を掛けラピードも同意するように言うとリア達は顔を見合わせ頷いて部屋を出た
それから各々各家に行き、子供達が準備している大きなくつしたの中にプレゼントを入れていったのだった
そして、
「みんな、揃った?」
「ああ」
プレゼントを配り終えリア達はある場所へと集まっていた
「んじゃ、最後は・・」
「あそこだな」
言うと皆、ある宿の一室へと目を向けた
気配を消しゆっくりと窓の外から中を見る
「・・・ふふ、みんなもうぐっすりと寝ちゃってる」
「・・・この様子だとはしゃぎ疲れたな」
「けど、楽しんだなら良いじゃないか」
「だな」
ぐっすりと寝ている面々を見てみんなその光景が浮かんだのか自然と微笑んでいた
リア達が見ていた部屋、其処はエステル達が泊まっている部屋だった
「さて、じゃあサクッと配っちまうか」
「うん。プレゼントは残り4つ」
「カロルとエステリーゼ様とリタとパティ、だね」
「・・・パティは・・」
「セイ、そこはツッコまない方向で・・・」
この部屋に来た理由、それはみんなの様子を見に来た事と、勿論プレゼントを配る為だった
ゆっくりと窓を開け気配を消して静かに部屋に入り各々プレゼントを枕元に置いたりくつしたの中に入れそれが終わると微笑み頷いた後、また気配を消して静かに窓から外に出た
「・・・無事に終わって良かったね」
「ああ」
あれから暫くしてカウフマンに無事に終わった事を伝え、リア達は幸福の市場の本社を後にし、街の中を歩いているとリアがそう言いユーリ達も頷いた
「エステル達、プレゼント喜んでくれると良いね」
「きっと大丈夫だよ」
先程エステル達の所に置いたプレゼント、それは此処に居る4人と2匹とジュディスとレイヴンが事前に決めたもので、数時間前にリア達が買い出しに行っていた時に買ったものだった
本当はプレゼントをパーティーの時かパーティーが終わって寝静まった頃に今のように置くつもりだった
「ま、結果的にあいつ等に渡せたんだから良いんじゃないか」
「それにジュディスやレイヴンならプレゼント見たら解ると思うけどね」
「ワンワン」
明日の朝の光景が目に浮かびまた微笑み合った
「・・・けど、本当にこれ貰って良かったのかな・・?」
「良いんじゃない、本人がクリスマスプレゼントだって言ってたんだし」
そう、報告を済ませ着替えようかと思っているとカウフマンからプレゼントがあると言って貰ったのはリア達が来ていたサンタ衣装の事だった
記念も兼ねて・・と言う事だろうし、断る理由もなかったので有り難く貰ったのだが「せっかくなのだから、今日はそれ着たままでいなさい」と言われた
確かにまだクリスマスなのだし、街にもサンタ衣装の人がいるのだから着ていても可笑しくはない・・と言う事で今も着ていた
「まあそれはさておき、・・・」
「? どうしたの?」
セイがそう言ってユーリとフレンを見ると何故か3人とも歩みを止めリアはラピードと共に3人を見た
「リアは何かプレゼント欲しい物ないのか?」
「え?」
ユーリにそう言われリアは首を傾げた
「みんなにプレゼントは渡したけど僕達はまだリアに何も渡してないだろう?」
「うん・・でもそれなら私も渡してないけど」
「リアの事だから俺達用に準備はしてたが宿に置いてたんだろうな」
「・・・流石セイ、良く解ってるね」
セイの言葉にアスラは苦笑した
確かに事前にリアはユーリとフレン、セイに渡すプレゼントを準備していた
さっき宿に戻った時に取って来る事も出来たがプレゼントを探しに行った時に誰かが起きて見つかる可能性もあり持って来なかったのだ
ユーリ達も事前に買って渡そうかと思ったがなかなかこれと言うものが見つからなかった
「だから今年は直接聞こうと思ってな」
「・・そうだったんだ」
その気持ちだけでも十分嬉しいがと思っていると
「・・・改めて聞いても良いかい?」
「リア、今年のクリスマスプレゼント」
「何が欲しいんだ?」
ユーリもフレンもセイも優しい笑みを向けてリアに聞く
「・・・じゃあ」
リアは3人を見た後、そう呟いて3人の前に移動し
「・・・このまま一緒に居たい」
「「「え?」」」
リアの言葉に一瞬きょとんとしてしまった
「私はこのままユーリとフレンと兄さんと一緒に過ごしたい」
「・・・それで良いのか?」
ニコリとして言うリアに聞き返すとまたニコリとして頷いた
「うん。それが私にとって一番嬉しくて幸せな事だから」
本当に嬉しそうにして言うリアを見てその言葉を聞き驚きもしたが、それはリアだけでなく自分達もそうかもしれないと思い納得したように微笑んだ
「そっか」
「リアらしいな」
「ああ。・・なら」
言うとユーリ達は頷いてリアを見た
「行こうぜ、リア」
「僕達だけの時間を過ごそう」
「何処でも好きなとこに連れてってやるよ」
「うん!」
ユーリ、フレン、セイにそう言われリアは先程よりも嬉しそうな顔をして頷いて3人の元へ駆け寄った
今年のクリスマスは今までとはまた違ったクリスマスを過ごせた
けど、ユーリとフレンと兄さんと一緒に過ごせて本当に嬉しかったし楽しかった
・・衣装は・・ちょっと恥ずかしかったけど、でもユーリもフレンも兄さんもサンタの格好だったから、本当にサンタさんからこの幸せな時間をプレゼントして貰えたみたいだった
ちょっと変わったクリスマスの過ごし方だったけど、特別なクリスマスを過ごせて良かったな
そう思っていると、丁度グラスが運ばれて来た
そして、
「「「「メリークリスマス!」」」」
そう声を掛けシャンパンの入ったグラスで乾杯をした
今年も、みんなが素敵で楽しいクリスマスを過ごせますように ―――
特別なクリスマス ~Special X'mas~
End.
あとがき
はい、と言う事で久々のヴェスペリア夢&季節ものネタ!
如何だったでしょうか?w
今回これを思い付いたのは季節もの書きたいなーって思ってた時に丁度リンクとアスタリアの方でユーリとフレンのサンタ衣装が発表され、更にリンクに載っていた漫画のネタも少し混ぜれば書けるんじゃ・・?って思ったからです
・・・本当は短編で書くつもりだったんだけど・・・やっぱこの人、短編書けないんだなーって改めて思ったよww←w
さてさて、本編の感想ですw
まさかな此処でカウフマンさんの登場ですよw
ギルド関連でーって考えたらやっぱ幸福の市場が妥当かなーって思ってw
結構良い仕事して下さいましたがねww
サンタ衣装はまあユーリとフレンはリンクとアスタリアのあの衣装でセイ兄ちゃんも妥当な感じだけどちょっとアレンジしてるっぽい感じで、リアちゃんのは・・シェリアが着てたようなやつイメージ・・かな?w
まあルーティア兄妹は皆さんのご想像にお任せします!w←
で、これ書く時にリアちゃんが言った「一緒に居たい、一緒に過ごしたい」って言葉が最初の方に浮かんだのでプレゼントは『幼馴染み組がクリスマスを一緒に過ごす時間をプレゼント』と言う形にしたかったのでそこに辿り着くように書きました
久々に書いたけどみんな安定で書けたからちょっと安心してますw←
あ、余談ですが、アスタリアでこのサンタ衣装のフレン見事に当てましたよ!! その前には持ってなかったユーリも(通常のだけど)!!
なのでその勢いと嬉しさもあって書いちゃったってものあるかもですねww
と言う事でw、久々の下町幼馴染み組ほのぼのを堪能して頂けたら嬉しいです!
またヴェスペリアの方も書けたら書いていきたいと思います!
それでは、今年も皆様が素敵なクリスマスを過ごせますように!
ではー!
2017.12.16
「まさか俺達までやる事になるとはな・・・」
「けど、あっちの二人はやる気みたいだよ」
「・・良し、ラピードも準備OKだな」
「ワン!」
「ふふ、ラピードも良く似合っているよ」
今この場に下町幼馴染み組が揃っていた
が、何故か皆サンタ衣装を着ていた
何故サンタ衣装を着ているか、
事の始まりはほんの数十分前だった
トリム港に立ち寄っていたユーリ達はいつものように4人と2匹で買い出しに出ていた
「これで買う物は全部か?」
「・・・うん、私達の方は大丈夫だよ。ユーリとフレンの方は?」
「こっちも大丈夫だよ」
「けど思ったより時間が掛かっちまったな」
「まあこの時期だから込んでるのは仕方ないんじゃない?」
そう丁度今はクリスマスの時期だった
だからどの街や店に行っても人が多かったのだ
そう話していた時だった
「あら、そこにいるのはユーリくん達じゃない」
聞き覚えのある声が聞こえ振り返ると幸福の市場のカウフマンがこちらへと歩いて着ていた
「カウフマンさん、こんばんは」
「こんばんは、お久し振りです」
「こんばんは、久し振りね。貴方達丁度良いところにいたわね」
リアとフレンはカウフマンを見るなり丁寧に挨拶をしていたが、ユーリとセイはその言葉を聞いた途端何かを察したような顔をした
「また面倒毎か?」
「察しの良い子は好きよ。でも今回は面倒毎ではないわ」
「・・・今回は?」
「・・・で、俺達に用ってなんなんだ?」
アスラも疑問を抱きセイは敢えてそこに触れず本題を聞いた
「貴方達、サンタクロースは知っているわよね?」
「あ、はい。この時期になると色々な所でも見掛けますよね」
「そっちのサンタもサンタだけれど、夜に現れる方のサンタクロースよ」
夜に現れる方、つまり子供達へプレゼントを配るサンタクロースの方だった
「そのサンタがどうかしたのか?」
「毎年、この時期になるとギルドでもプレゼントを配るサンタクロースをやっているのよ」
「ああ、そういやそんな話しレイヴンやハリーから聞いた事があったな」
ザーフィアスがあるイリキア大陸には帝国軍がある為、そう言った事は親達がやる事が多いがギルドがあるこのトルビキア大陸にはそう言った事をギルドでやると言う事はリアもセイもレイヴンやハリーから聞いていたのでユーリとフレンは初耳だったようだ
「それで今、各ギルドの代表の何人かがサンタクロースになって各地にいるんだけど、まだ人手が足りなくて」
「・・・まさかとは思うけど、それを俺達にも手伝えと?」
「察しが良いわね。あ、先に言っておくけど、これは依頼じゃくてギルド同士の協力だから。勿論手伝ってくれるならギルドも帝国騎士団も関係はないけれど」
フレンを見てカウフマンはそう付け加え、リア達は顔を見合わせた
「・・・どうする?」
「つっても今は首領がいねえしなあ」
「けどこう言った話はカロルを参加させない方が良いと思うよ」
「・・・確かに、そうだね・・」
アスラの言う通り、カロルの年頃を考えるとまだサンタを信じている年だ
だからこういう事は大人達が担当をしている
それにカウフマンがユーリ達に声を掛けたのは知り合いでもあるし信頼していると言う点も大きいだろう
だが、ギルドの協力とはいえ首領がいないのに勝手に決めても良いものか、そう思っているのが伝わったのかカウフマンはニコリと笑ってリアを見て
「もし手伝ってくれるなら・・・この子にとびきり素敵なミニスカサンタ衣装を着せてあげるわよ」
「えっ!///」「「!」」
リアの肩に両手をおいてそう言うとリアは驚いてカウフマンを見て、ユーリとフレンは少しだけ言葉を詰まらせた
その後の反応は想像が付くと思うが、ユーリとフレンは即了承しセイは予想通りの展開に溜息を吐き、アスラは苦笑しラピードも仕方が無い・・と言うように小さくわふぅ・・と息を吐いたのだった
そしてその後はリア達が持っていた買い出しの荷物はアスラとフキがエステル達が泊まっている宿へ届け、ユーリ達は急用で帝都に向かったと言ってきたそうだ
皆、一緒にクリスマスを過ごせない事を残念がっていたが帝都と言う事は騎士団の方で何か急な事が遭ってユーリ達も一緒に行ったのかもしれないと話していたので深くまでは追求されなかったようだ
その間、ユーリ達は幸福の市場の本社の一室で男女に分かれてサンタ衣装に着替え合流したのだが
「「・・・・・」」
「どう、約束通りとびきり可愛くて素敵なミニスカサンタさんでしょう?」
合流するとニコリと笑ってカウフマンはサンタ衣装を着たリアを二人の前に見せたのだった
何気に『とびきり可愛くて素敵なミニスカサンタ』と若干最初と呼び方が変わっていたが、その名の通りで文句なしだった
それを見るとカウフマンはこれからやる事の説明を受け、それぞれがどの家にプレゼントを配るかの担当を決め準備の為、今に至るのだった
「ユーリもフレンもやる気十分よね」
「ん? まあ引き受けたからにはやらねえとだろ」
「そうだね。カロル達には申し訳ないけれど・・」
「・・・まあ、一番やる気になってるのはリアの格好もあるから、だろ」
「っ・・・///」
セイにそう言われリアは頬を染め少し視線を逸らした
「で、でも、・・この格好でプレゼント配るのは・・ちょっと恥ずかしい///」
「似合ってんだから気にすんなって」
「うん。凄く可愛いよ」
「・・・あ、ありがとう/// その・・ユーリもフレンも兄さんも・・似合ってるしカッコイイよ」
一瞬、リアの言葉に驚いて目を瞠ったが直ぐに微笑んでお礼を言った
「さてと、じゃあそろそろみんな仕事始めようか」
「ワン!」
4人が安心したのを見計らい、アスラはそう声を掛けラピードも同意するように言うとリア達は顔を見合わせ頷いて部屋を出た
それから各々各家に行き、子供達が準備している大きなくつしたの中にプレゼントを入れていったのだった
そして、
「みんな、揃った?」
「ああ」
プレゼントを配り終えリア達はある場所へと集まっていた
「んじゃ、最後は・・」
「あそこだな」
言うと皆、ある宿の一室へと目を向けた
気配を消しゆっくりと窓の外から中を見る
「・・・ふふ、みんなもうぐっすりと寝ちゃってる」
「・・・この様子だとはしゃぎ疲れたな」
「けど、楽しんだなら良いじゃないか」
「だな」
ぐっすりと寝ている面々を見てみんなその光景が浮かんだのか自然と微笑んでいた
リア達が見ていた部屋、其処はエステル達が泊まっている部屋だった
「さて、じゃあサクッと配っちまうか」
「うん。プレゼントは残り4つ」
「カロルとエステリーゼ様とリタとパティ、だね」
「・・・パティは・・」
「セイ、そこはツッコまない方向で・・・」
この部屋に来た理由、それはみんなの様子を見に来た事と、勿論プレゼントを配る為だった
ゆっくりと窓を開け気配を消して静かに部屋に入り各々プレゼントを枕元に置いたりくつしたの中に入れそれが終わると微笑み頷いた後、また気配を消して静かに窓から外に出た
「・・・無事に終わって良かったね」
「ああ」
あれから暫くしてカウフマンに無事に終わった事を伝え、リア達は幸福の市場の本社を後にし、街の中を歩いているとリアがそう言いユーリ達も頷いた
「エステル達、プレゼント喜んでくれると良いね」
「きっと大丈夫だよ」
先程エステル達の所に置いたプレゼント、それは此処に居る4人と2匹とジュディスとレイヴンが事前に決めたもので、数時間前にリア達が買い出しに行っていた時に買ったものだった
本当はプレゼントをパーティーの時かパーティーが終わって寝静まった頃に今のように置くつもりだった
「ま、結果的にあいつ等に渡せたんだから良いんじゃないか」
「それにジュディスやレイヴンならプレゼント見たら解ると思うけどね」
「ワンワン」
明日の朝の光景が目に浮かびまた微笑み合った
「・・・けど、本当にこれ貰って良かったのかな・・?」
「良いんじゃない、本人がクリスマスプレゼントだって言ってたんだし」
そう、報告を済ませ着替えようかと思っているとカウフマンからプレゼントがあると言って貰ったのはリア達が来ていたサンタ衣装の事だった
記念も兼ねて・・と言う事だろうし、断る理由もなかったので有り難く貰ったのだが「せっかくなのだから、今日はそれ着たままでいなさい」と言われた
確かにまだクリスマスなのだし、街にもサンタ衣装の人がいるのだから着ていても可笑しくはない・・と言う事で今も着ていた
「まあそれはさておき、・・・」
「? どうしたの?」
セイがそう言ってユーリとフレンを見ると何故か3人とも歩みを止めリアはラピードと共に3人を見た
「リアは何かプレゼント欲しい物ないのか?」
「え?」
ユーリにそう言われリアは首を傾げた
「みんなにプレゼントは渡したけど僕達はまだリアに何も渡してないだろう?」
「うん・・でもそれなら私も渡してないけど」
「リアの事だから俺達用に準備はしてたが宿に置いてたんだろうな」
「・・・流石セイ、良く解ってるね」
セイの言葉にアスラは苦笑した
確かに事前にリアはユーリとフレン、セイに渡すプレゼントを準備していた
さっき宿に戻った時に取って来る事も出来たがプレゼントを探しに行った時に誰かが起きて見つかる可能性もあり持って来なかったのだ
ユーリ達も事前に買って渡そうかと思ったがなかなかこれと言うものが見つからなかった
「だから今年は直接聞こうと思ってな」
「・・そうだったんだ」
その気持ちだけでも十分嬉しいがと思っていると
「・・・改めて聞いても良いかい?」
「リア、今年のクリスマスプレゼント」
「何が欲しいんだ?」
ユーリもフレンもセイも優しい笑みを向けてリアに聞く
「・・・じゃあ」
リアは3人を見た後、そう呟いて3人の前に移動し
「・・・このまま一緒に居たい」
「「「え?」」」
リアの言葉に一瞬きょとんとしてしまった
「私はこのままユーリとフレンと兄さんと一緒に過ごしたい」
「・・・それで良いのか?」
ニコリとして言うリアに聞き返すとまたニコリとして頷いた
「うん。それが私にとって一番嬉しくて幸せな事だから」
本当に嬉しそうにして言うリアを見てその言葉を聞き驚きもしたが、それはリアだけでなく自分達もそうかもしれないと思い納得したように微笑んだ
「そっか」
「リアらしいな」
「ああ。・・なら」
言うとユーリ達は頷いてリアを見た
「行こうぜ、リア」
「僕達だけの時間を過ごそう」
「何処でも好きなとこに連れてってやるよ」
「うん!」
ユーリ、フレン、セイにそう言われリアは先程よりも嬉しそうな顔をして頷いて3人の元へ駆け寄った
今年のクリスマスは今までとはまた違ったクリスマスを過ごせた
けど、ユーリとフレンと兄さんと一緒に過ごせて本当に嬉しかったし楽しかった
・・衣装は・・ちょっと恥ずかしかったけど、でもユーリもフレンも兄さんもサンタの格好だったから、本当にサンタさんからこの幸せな時間をプレゼントして貰えたみたいだった
ちょっと変わったクリスマスの過ごし方だったけど、特別なクリスマスを過ごせて良かったな
そう思っていると、丁度グラスが運ばれて来た
そして、
「「「「メリークリスマス!」」」」
そう声を掛けシャンパンの入ったグラスで乾杯をした
今年も、みんなが素敵で楽しいクリスマスを過ごせますように ―――
特別なクリスマス ~Special X'mas~
End.
あとがき
はい、と言う事で久々のヴェスペリア夢&季節ものネタ!
如何だったでしょうか?w
今回これを思い付いたのは季節もの書きたいなーって思ってた時に丁度リンクとアスタリアの方でユーリとフレンのサンタ衣装が発表され、更にリンクに載っていた漫画のネタも少し混ぜれば書けるんじゃ・・?って思ったからです
・・・本当は短編で書くつもりだったんだけど・・・やっぱこの人、短編書けないんだなーって改めて思ったよww←w
さてさて、本編の感想ですw
まさかな此処でカウフマンさんの登場ですよw
ギルド関連でーって考えたらやっぱ幸福の市場が妥当かなーって思ってw
結構良い仕事して下さいましたがねww
サンタ衣装はまあユーリとフレンはリンクとアスタリアのあの衣装でセイ兄ちゃんも妥当な感じだけどちょっとアレンジしてるっぽい感じで、リアちゃんのは・・シェリアが着てたようなやつイメージ・・かな?w
まあルーティア兄妹は皆さんのご想像にお任せします!w←
で、これ書く時にリアちゃんが言った「一緒に居たい、一緒に過ごしたい」って言葉が最初の方に浮かんだのでプレゼントは『幼馴染み組がクリスマスを一緒に過ごす時間をプレゼント』と言う形にしたかったのでそこに辿り着くように書きました
久々に書いたけどみんな安定で書けたからちょっと安心してますw←
あ、余談ですが、アスタリアでこのサンタ衣装のフレン見事に当てましたよ!! その前には持ってなかったユーリも(通常のだけど)!!
なのでその勢いと嬉しさもあって書いちゃったってものあるかもですねww
と言う事でw、久々の下町幼馴染み組ほのぼのを堪能して頂けたら嬉しいです!
またヴェスペリアの方も書けたら書いていきたいと思います!
それでは、今年も皆様が素敵なクリスマスを過ごせますように!
ではー!
2017.12.16