長短編
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此処は帝都ザーフィアスの下町の宿屋
旅の途中でたまたま寄ったのだけど、寄った時間も時間だった為、今日はこのまま私と兄さんとユーリの部屋に泊まる事となり男性陣はユーリの部屋、女性陣は私と兄さんの部屋に泊まっていた
夜もだいぶ深くなりみんな寝静まり私もそろそろ寝ようかと思っていると、誰かが部屋を抜ける音が聞こえちらりと見るとリタが外へと向かって行った
(散歩か気分転換かな?)
そう思っているとまた人影が見えリタの後に続くようにエステルが外へと向かった
この辺りは私達が育った場所だからこの時間に外に出ても危なくはないけど、なんとなく気になってしまい少しだけ窓を開けて外を見ると階段の方からエステルとリタの話し声が聞こえた
「星喰みを倒したらわたし達の旅は終わりですね」
私のいる部屋からは少し距離があるから全部は聞き取れないけど、二人は旅が終わった後どうするのかと言う話をしていた
「・・・わたしとずっと友達でいてくれます?」
「あんたがあたしの事を忘れない限りは」
「忘れません。これからもずっと友達です」
「・・ずっと友達、ね」
「なんだ、起きてたのか」
ぽつりと呟いた言葉だったが、その言葉は隣の部屋の住人であるユーリに聞こえていた
ユーリも私と一緒で窓からエステルとリタの様子を見ていたようだった
「そういうユーリこそ」
言って私は微笑んでエステルとリタを見た
「エステルもリタも、良い友達に巡り会えて良かったよね」
「そうだな」
ずっとお城暮らしだったエステル、ずっと魔導器研究をやっていたリタ、二人の周りには大人ばかりで同年代と言える相手がいなかった
居たとしても極力距離を置いていたり置かされていたりしていた二人だったが、この旅で出会い、一緒に旅をするうちに本当に大切な親友と言える存在になった
「何だかあの二人を見てると、初めてユーリとフレンと会った時の事や子供の頃を思い出しちゃうな」
ユーリとフレン、それに私と兄さん、
本当に出会えて良かったな、っていつも思う
大切だと言えるものは沢山ある
けど一番大切に思っているのはユーリとフレン、
そして
私達幼馴染み組の関係
Encounter of light and a dark, the sun and the moon ~光と影、太陽と月の邂逅~(前編)
「ていとザーフィアスの下町?」
「そう、そこに外でのリア達の家があるんだ」
天気の良い朝、言霊使いの故郷にある言霊使いの本家の一室でリアが朝食を摂っていると言霊使いの故郷の外界 へ出ると言う話しが出た
言霊使いの故郷で生まれた者達は幼い頃はあまり故郷や家の外に出る事がない
それは力の安定が出来ていないと他人に変に影響を与えてしまう可能性があるからだった
だから言霊使いの子供達は極力小さな頃からその力の安定をする為の修行をやっていた
それはリアも例外ではなかった
「リアももう外に出ても大丈夫な歳だし、力の制御も出来てるからね」
「今のうちに外の見学して徐々に慣れろって事だな」
「お兄ちゃんみたいに?」
「ああ」
セイはリアと5歳離れているからもう力の安定が出来ていて、言霊使いとしての仕事も始めていて故郷の外に出ていた
「勿論リア一人でって言う訳じゃないから。ちゃんとボクもセイも一緒に行くから大丈夫だよ」
「うん!」
アスラの言葉を聞きリアは安心したような嬉しそうな顔をしていた
セイやアスラ達から故郷の外の世界の話しを聞いていた為、少し楽しみではあったのだ
そして、午後
「リア、準備出来たか」
「うん」
「じゃあ、扉を開くよ」
支度を済ませ、セイとアスラと中庭に集まりアスラは言霊使いの故郷と外界へと通じる門を開いた
その途端、リアは少しだけ故郷と違う空気を感じた
「そうだ、念の為に言っておくぞ」
「?」
隣にいるセイの声が聞こえリアは首を傾げてセイを見た
「俺達が言霊使いって事は外では言うなよ」
それはずっと言われ続けてきた事だったが、改めて聞きリアも肝に銘じた
「うん」
「じゃ、行くぞ」
それを見てセイは小さく笑い、リアの手を取りアスラと扉を越えた
「リア、着いたよ」
アスラの声が聞こえゆっくりと目を開けた
「・・・うわあ・・」
「此処が故郷の外の世界だ」
リア達が着いた所は帝都の結界の外だった
だが外から見ても帝都は大きく、そして外に広がっている景色もリアには新しく見えていた
「驚くのはまだ早いよ。中に入ったらもっと凄いよ」
「ほんと?」
「ああ、故郷とはまた違った雰囲気だしな。とりあえず先に露店街に寄るか」
「そうだね。暫くはこっちにいる事になるしね」
「じゃ、行くぞ。はぐれるから手繋いでおけよ」
「うん」
セイの言葉を聞きリアはにっこりと笑ってセイと手を繋ぎ、そのままザーフィアスへと向かって行った
そして、
「・・・うわあぁ・・・」
露店街へと着くとリアは先程よりも驚いた顔をしていた
勿論それは帝都に入った時もそうだったが、その時よりも今は驚いた顔をしていた
「故郷とは随分違うだろ?」
「うん。人がいっぱいでおみせがぜんぜん見えない・・・」
「これからボク達もこの中に入るんだよ?」
「だから絶対に手放すなよ。迷子になったら探すのが大変だからな」
「う、うん・・・!」
言うとリアはセイの手をぎゅっと握り、そんなリアを見てセイもアスラも小さく笑っていた
*
「ごちそうさまでした」
あれから時間が過ぎリア達は下町にある家へとやってきた
「美味かったか」
「うん! しらない食べ物もあったけど、すごくおいしかった」
露店街で買い物をしている最中、リアは故郷では見られない食材や食べ物を見て何度か目をキラキラとさせていた
そして下町にある家へとやって来て少し遅めの昼食を済ませた所で食べた感想を述べていた
「暫くは此処で過ごす事になるから、まだ食べた事ない食べ物も食べられると思うよ」
「うん。こんどは私もおてつだいするね」
「じゃ、そん時は頼むぜ」
「うん」
故郷にいる時も簡単な手伝いをやっているからなのかリアはニコニコと楽しそうな顔をしていた
「ん~~っ・・・はぁ・・」
遅い昼食も終わり故郷から持って来ていた荷物を片付け終わり伸びをした後、窓際に移動した
「しばらくは、ここに住むんだよね・・・」
窓際に手を置いて少しだけ身を乗り出して空を眺め風を感じた後、街並みを見てぽつりとそう呟いた
「・・・・うん」
暫く外を眺めた後、何かを思い付いたような顔をして一つ頷いて一階へと下りていく
「リア、どうしたの?」
一階に行くと元の姿に戻っているアスラが部屋の片付けをしていた
「あれ? お兄ちゃんは?」
「セイならちょっと前に出掛けたよ」
「そっか・・・。アスラ、」
「ん?」
「ちょっとだけ、家のあたりをさんぽしてきていい?」
セイがいないと聞き少しだけ残念そうな顔をしたが直ぐに次の言葉を言うとアスラは少しだけ驚いた顔をした
「しばらくここに住むことになるなら、家のまわりの事も知っておきたいと思って」
「そっか、解った。けどあんまり遠くに行っちゃダメだよ」
「うん」
リアらしい答えを聞きアスラも納得し微笑むとリアは嬉しそうに頷いていってきますと元気な声で言って外に向かって行き、アスラはまた微笑んでいた
「たしか、こっちから来たんだったよね・・・」
外に出た後、来た道を思い返しその道の方へと歩き出した
「ていとの下町・・・。故郷とはまたちがったかんじだな・・・」
ふと言霊使いの故郷にある下町を思い出す
此処は故郷とはまったく違う雰囲気がある
それは此処に来るまでに見た結界の外の風景、帝都の街並みも含めてと言う意味だった
買い物を済ませ家に向かっている最中、セイの姿を見て下町の人達は沢山声を掛けてきた
勿論それはセイと一緒にいたリアにもだった
最初はリアの事を知っている事に首を傾げていたが、どうやらリアが今よりまだ小さかった頃、両親が下町に戻って来ている時に見た事があるようだった
「でも、あったかいところだな」
下町の人達の暖かさを感じ微笑みながら次の角を曲がった
が、
ドンッ
「きゃっ!」「うわっ!」
誰かとぶつかり、そのまま尻餅を着いてしまう
「ったた・・・」
「わりぃ、だいじょうぶか?」
「君、だいじょうぶ?」
「え?」
ふと上から幼い二つの声が聞こえ顔を上げると同年代位の黒髪の少年と金髪の少年が心配そうな顔をしてリアを見ていた
「立てるか?」
「え、あ、うん・・」
「ケガは・・してないみたいだね」
「うん、だいじょうぶ」
「ごめんな。オレ、よそ見してて」
「ううん、私の方こそ・・・」
リアはそのまま立ち上がって目の前にいる二人の少年を見た
(・・・私と同じ年くらいの子・・かな?)
「おまえ、このあたりじゃ見ないな? 越してきたのか?」
二人を見てそう思っていると、黒髪の少年がリアを見て少しだけ首を捻らせてそう聞いた
「あ、うん。ちょっと前に」
「? リア・・・?」
ふと聞き覚えのある声が聞こえ視線を先に向けると見知った人物がリアと二人の少年の方に向かって着ていた
「あ、お兄ちゃん」「「セイ」」
「「「え?」」」
が、セイの姿を見てリア達はそれぞれ呼んだ名前に驚いて顔を見合わせていた
「散歩でもしてたのか」
「うん。けど、途中でぶつかっちゃって・・・」
「セイ、その子は?」
簡単に説明をしてちらりと二人を見ると今度は金髪の少年がセイに疑問を振った
「そういや言ってなかったな。オレの妹のリアだ」
「はじめまして。私は、リア」
「オレは、ユーリだ」
「僕はフレン、よろしくね」
セイはリアの側に行き、ぽんと頭に手を置いて二人に紹介しリアはぺこりと頭を下げ、ユーリとフレンも名乗った
「けど妹がいたなんてはじめて聞いたぞ」
「そりゃ言ってなかったしな」
「お兄ちゃん、ユーリとフレンとしりあいだったの?」
「ああ、前に言ってただろ。帝都の下町で友達が出来たって」
数ヶ月前、セイは仕事の手伝いでこちらに着ていて、散歩をしている時にユーリとフレンと出会ったのだった
名前までは聞かされていなかったが、確かに少し前に帝都の下町で友達が出来たと言う話しは聞いていた
その二人が今目の前にいるユーリとフレンだった
そんな事を思いながら二人を見ているとリアの視線に気付いたのかリアの方を見て、セイはまたリアの頭に手を乗せて言葉を続けた
「ま、そういう事だから、妹とも仲良くしてやってくれ」
「あ、えと・・、よろしくね、ユーリ、フレン!」
「ああ、よろしくな、リア」「よろしくね、リア」
これが、私達の出逢いだった ―――――
続く
あとがき
下町幼馴染み組の出逢いやっと書けた~~~!!!!
毎回アンケートで「下町幼馴染み組の出逢いを読みたい!!」と多くの声を頂いていて、いつか公開しよう!と思って下書きを書き始めた頃・・・
例のあのHD死亡事件が起こってしまい、そのデータは見事に吹っ飛び・・・(;へ:)
見事に最初から書き直しと言う状態になってしまいました・・・・゚・(ノД`;)・゚・
けど、せっかく三年目迎えるんだから書き上げて公開しようと思って書いたのですが、まさか前後編に分かれてしまうとはww
後半の話しはとりあえず置いといて~w、まずは出会いを思い出させてくれるきっかけとなったエステルとリタ
この二人の親友って言うのは、発売されてる小説を読んでも解る通りですねw
それからちょっとだけ故郷での話しが入ってようやくリアちゃんが外の世界に出て、ユーリとフレンと出逢ったって言う流れでしたね
最初の方は兄妹ほのぼのを感じてくれたら嬉しいです(*´∇`*)
ユーリとフレンの出番ちょっとしかねえじゃんwって聞こえてきそうだけど、後編で出番増えるからご安心をww
後編はちょっと間を開けてアップする予定ですw
後編ではリアちゃん達が知らなかった事や、皆さんが気になっているあのシーンとかもあるかもですww
お楽しみに!
三周年記念に、下町幼馴染み組の出逢いが書けて本当に良かった
そして三周年、本当に嬉しいですw
サイトが出来た当初から、そしてヴェスペリアにハマってサイトに足を運んで下さって小説を読んで応援を送って下っている皆様のお陰でなんとか三周年を迎える事が出来ました!
本当に有り難う御座います!!
まだまだ未熟者ですが、今後もリアちゃんやユーリ達をサイトともども応援よろしくお願い致します!
それではまた後編でお会いしましょう
完成:2012.07.14
サイト三周年:2012.07.18
旅の途中でたまたま寄ったのだけど、寄った時間も時間だった為、今日はこのまま私と兄さんとユーリの部屋に泊まる事となり男性陣はユーリの部屋、女性陣は私と兄さんの部屋に泊まっていた
夜もだいぶ深くなりみんな寝静まり私もそろそろ寝ようかと思っていると、誰かが部屋を抜ける音が聞こえちらりと見るとリタが外へと向かって行った
(散歩か気分転換かな?)
そう思っているとまた人影が見えリタの後に続くようにエステルが外へと向かった
この辺りは私達が育った場所だからこの時間に外に出ても危なくはないけど、なんとなく気になってしまい少しだけ窓を開けて外を見ると階段の方からエステルとリタの話し声が聞こえた
「星喰みを倒したらわたし達の旅は終わりですね」
私のいる部屋からは少し距離があるから全部は聞き取れないけど、二人は旅が終わった後どうするのかと言う話をしていた
「・・・わたしとずっと友達でいてくれます?」
「あんたがあたしの事を忘れない限りは」
「忘れません。これからもずっと友達です」
「・・ずっと友達、ね」
「なんだ、起きてたのか」
ぽつりと呟いた言葉だったが、その言葉は隣の部屋の住人であるユーリに聞こえていた
ユーリも私と一緒で窓からエステルとリタの様子を見ていたようだった
「そういうユーリこそ」
言って私は微笑んでエステルとリタを見た
「エステルもリタも、良い友達に巡り会えて良かったよね」
「そうだな」
ずっとお城暮らしだったエステル、ずっと魔導器研究をやっていたリタ、二人の周りには大人ばかりで同年代と言える相手がいなかった
居たとしても極力距離を置いていたり置かされていたりしていた二人だったが、この旅で出会い、一緒に旅をするうちに本当に大切な親友と言える存在になった
「何だかあの二人を見てると、初めてユーリとフレンと会った時の事や子供の頃を思い出しちゃうな」
ユーリとフレン、それに私と兄さん、
本当に出会えて良かったな、っていつも思う
大切だと言えるものは沢山ある
けど一番大切に思っているのはユーリとフレン、
そして
私達幼馴染み組の
Encounter of light and a dark, the sun and the moon ~光と影、太陽と月の邂逅~(前編)
「ていとザーフィアスの下町?」
「そう、そこに外でのリア達の家があるんだ」
天気の良い朝、言霊使いの故郷にある言霊使いの本家の一室でリアが朝食を摂っていると言霊使いの故郷の
言霊使いの故郷で生まれた者達は幼い頃はあまり故郷や家の外に出る事がない
それは力の安定が出来ていないと他人に変に影響を与えてしまう可能性があるからだった
だから言霊使いの子供達は極力小さな頃からその力の安定をする為の修行をやっていた
それはリアも例外ではなかった
「リアももう外に出ても大丈夫な歳だし、力の制御も出来てるからね」
「今のうちに外の見学して徐々に慣れろって事だな」
「お兄ちゃんみたいに?」
「ああ」
セイはリアと5歳離れているからもう力の安定が出来ていて、言霊使いとしての仕事も始めていて故郷の外に出ていた
「勿論リア一人でって言う訳じゃないから。ちゃんとボクもセイも一緒に行くから大丈夫だよ」
「うん!」
アスラの言葉を聞きリアは安心したような嬉しそうな顔をしていた
セイやアスラ達から故郷の外の世界の話しを聞いていた為、少し楽しみではあったのだ
そして、午後
「リア、準備出来たか」
「うん」
「じゃあ、扉を開くよ」
支度を済ませ、セイとアスラと中庭に集まりアスラは言霊使いの故郷と外界へと通じる門を開いた
その途端、リアは少しだけ故郷と違う空気を感じた
「そうだ、念の為に言っておくぞ」
「?」
隣にいるセイの声が聞こえリアは首を傾げてセイを見た
「俺達が言霊使いって事は外では言うなよ」
それはずっと言われ続けてきた事だったが、改めて聞きリアも肝に銘じた
「うん」
「じゃ、行くぞ」
それを見てセイは小さく笑い、リアの手を取りアスラと扉を越えた
「リア、着いたよ」
アスラの声が聞こえゆっくりと目を開けた
「・・・うわあ・・」
「此処が故郷の外の世界だ」
リア達が着いた所は帝都の結界の外だった
だが外から見ても帝都は大きく、そして外に広がっている景色もリアには新しく見えていた
「驚くのはまだ早いよ。中に入ったらもっと凄いよ」
「ほんと?」
「ああ、故郷とはまた違った雰囲気だしな。とりあえず先に露店街に寄るか」
「そうだね。暫くはこっちにいる事になるしね」
「じゃ、行くぞ。はぐれるから手繋いでおけよ」
「うん」
セイの言葉を聞きリアはにっこりと笑ってセイと手を繋ぎ、そのままザーフィアスへと向かって行った
そして、
「・・・うわあぁ・・・」
露店街へと着くとリアは先程よりも驚いた顔をしていた
勿論それは帝都に入った時もそうだったが、その時よりも今は驚いた顔をしていた
「故郷とは随分違うだろ?」
「うん。人がいっぱいでおみせがぜんぜん見えない・・・」
「これからボク達もこの中に入るんだよ?」
「だから絶対に手放すなよ。迷子になったら探すのが大変だからな」
「う、うん・・・!」
言うとリアはセイの手をぎゅっと握り、そんなリアを見てセイもアスラも小さく笑っていた
*
「ごちそうさまでした」
あれから時間が過ぎリア達は下町にある家へとやってきた
「美味かったか」
「うん! しらない食べ物もあったけど、すごくおいしかった」
露店街で買い物をしている最中、リアは故郷では見られない食材や食べ物を見て何度か目をキラキラとさせていた
そして下町にある家へとやって来て少し遅めの昼食を済ませた所で食べた感想を述べていた
「暫くは此処で過ごす事になるから、まだ食べた事ない食べ物も食べられると思うよ」
「うん。こんどは私もおてつだいするね」
「じゃ、そん時は頼むぜ」
「うん」
故郷にいる時も簡単な手伝いをやっているからなのかリアはニコニコと楽しそうな顔をしていた
「ん~~っ・・・はぁ・・」
遅い昼食も終わり故郷から持って来ていた荷物を片付け終わり伸びをした後、窓際に移動した
「しばらくは、ここに住むんだよね・・・」
窓際に手を置いて少しだけ身を乗り出して空を眺め風を感じた後、街並みを見てぽつりとそう呟いた
「・・・・うん」
暫く外を眺めた後、何かを思い付いたような顔をして一つ頷いて一階へと下りていく
「リア、どうしたの?」
一階に行くと元の姿に戻っているアスラが部屋の片付けをしていた
「あれ? お兄ちゃんは?」
「セイならちょっと前に出掛けたよ」
「そっか・・・。アスラ、」
「ん?」
「ちょっとだけ、家のあたりをさんぽしてきていい?」
セイがいないと聞き少しだけ残念そうな顔をしたが直ぐに次の言葉を言うとアスラは少しだけ驚いた顔をした
「しばらくここに住むことになるなら、家のまわりの事も知っておきたいと思って」
「そっか、解った。けどあんまり遠くに行っちゃダメだよ」
「うん」
リアらしい答えを聞きアスラも納得し微笑むとリアは嬉しそうに頷いていってきますと元気な声で言って外に向かって行き、アスラはまた微笑んでいた
「たしか、こっちから来たんだったよね・・・」
外に出た後、来た道を思い返しその道の方へと歩き出した
「ていとの下町・・・。故郷とはまたちがったかんじだな・・・」
ふと言霊使いの故郷にある下町を思い出す
此処は故郷とはまったく違う雰囲気がある
それは此処に来るまでに見た結界の外の風景、帝都の街並みも含めてと言う意味だった
買い物を済ませ家に向かっている最中、セイの姿を見て下町の人達は沢山声を掛けてきた
勿論それはセイと一緒にいたリアにもだった
最初はリアの事を知っている事に首を傾げていたが、どうやらリアが今よりまだ小さかった頃、両親が下町に戻って来ている時に見た事があるようだった
「でも、あったかいところだな」
下町の人達の暖かさを感じ微笑みながら次の角を曲がった
が、
ドンッ
「きゃっ!」「うわっ!」
誰かとぶつかり、そのまま尻餅を着いてしまう
「ったた・・・」
「わりぃ、だいじょうぶか?」
「君、だいじょうぶ?」
「え?」
ふと上から幼い二つの声が聞こえ顔を上げると同年代位の黒髪の少年と金髪の少年が心配そうな顔をしてリアを見ていた
「立てるか?」
「え、あ、うん・・」
「ケガは・・してないみたいだね」
「うん、だいじょうぶ」
「ごめんな。オレ、よそ見してて」
「ううん、私の方こそ・・・」
リアはそのまま立ち上がって目の前にいる二人の少年を見た
(・・・私と同じ年くらいの子・・かな?)
「おまえ、このあたりじゃ見ないな? 越してきたのか?」
二人を見てそう思っていると、黒髪の少年がリアを見て少しだけ首を捻らせてそう聞いた
「あ、うん。ちょっと前に」
「? リア・・・?」
ふと聞き覚えのある声が聞こえ視線を先に向けると見知った人物がリアと二人の少年の方に向かって着ていた
「あ、お兄ちゃん」「「セイ」」
「「「え?」」」
が、セイの姿を見てリア達はそれぞれ呼んだ名前に驚いて顔を見合わせていた
「散歩でもしてたのか」
「うん。けど、途中でぶつかっちゃって・・・」
「セイ、その子は?」
簡単に説明をしてちらりと二人を見ると今度は金髪の少年がセイに疑問を振った
「そういや言ってなかったな。オレの妹のリアだ」
「はじめまして。私は、リア」
「オレは、ユーリだ」
「僕はフレン、よろしくね」
セイはリアの側に行き、ぽんと頭に手を置いて二人に紹介しリアはぺこりと頭を下げ、ユーリとフレンも名乗った
「けど妹がいたなんてはじめて聞いたぞ」
「そりゃ言ってなかったしな」
「お兄ちゃん、ユーリとフレンとしりあいだったの?」
「ああ、前に言ってただろ。帝都の下町で友達が出来たって」
数ヶ月前、セイは仕事の手伝いでこちらに着ていて、散歩をしている時にユーリとフレンと出会ったのだった
名前までは聞かされていなかったが、確かに少し前に帝都の下町で友達が出来たと言う話しは聞いていた
その二人が今目の前にいるユーリとフレンだった
そんな事を思いながら二人を見ているとリアの視線に気付いたのかリアの方を見て、セイはまたリアの頭に手を乗せて言葉を続けた
「ま、そういう事だから、妹とも仲良くしてやってくれ」
「あ、えと・・、よろしくね、ユーリ、フレン!」
「ああ、よろしくな、リア」「よろしくね、リア」
これが、私達の出逢いだった ―――――
続く
あとがき
下町幼馴染み組の出逢いやっと書けた~~~!!!!
毎回アンケートで「下町幼馴染み組の出逢いを読みたい!!」と多くの声を頂いていて、いつか公開しよう!と思って下書きを書き始めた頃・・・
例のあのHD死亡事件が起こってしまい、そのデータは見事に吹っ飛び・・・(;へ:)
見事に最初から書き直しと言う状態になってしまいました・・・・゚・(ノД`;)・゚・
けど、せっかく三年目迎えるんだから書き上げて公開しようと思って書いたのですが、まさか前後編に分かれてしまうとはww
後半の話しはとりあえず置いといて~w、まずは出会いを思い出させてくれるきっかけとなったエステルとリタ
この二人の親友って言うのは、発売されてる小説を読んでも解る通りですねw
それからちょっとだけ故郷での話しが入ってようやくリアちゃんが外の世界に出て、ユーリとフレンと出逢ったって言う流れでしたね
最初の方は兄妹ほのぼのを感じてくれたら嬉しいです(*´∇`*)
ユーリとフレンの出番ちょっとしかねえじゃんwって聞こえてきそうだけど、後編で出番増えるからご安心をww
後編はちょっと間を開けてアップする予定ですw
後編ではリアちゃん達が知らなかった事や、皆さんが気になっているあのシーンとかもあるかもですww
お楽しみに!
三周年記念に、下町幼馴染み組の出逢いが書けて本当に良かった
そして三周年、本当に嬉しいですw
サイトが出来た当初から、そしてヴェスペリアにハマってサイトに足を運んで下さって小説を読んで応援を送って下っている皆様のお陰でなんとか三周年を迎える事が出来ました!
本当に有り難う御座います!!
まだまだ未熟者ですが、今後もリアちゃんやユーリ達をサイトともども応援よろしくお願い致します!
それではまた後編でお会いしましょう
完成:2012.07.14
サイト三周年:2012.07.18