長短編
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「えーと、此処で良いんだよね?」
「手紙にはそう書かれてますね」
「でもどう見たってただの森の中じゃない」
カロル、エステル、リタの言葉に皆同じように辺りを見て手紙を確認していた
「リアとセイに限って、指定場所を間違えるとは思えないが・・・」
今手元にある手紙はリアとセイからの物で、今朝フィエルティア号の船内のテーブルの上に置かれていたものだった
その手紙には『故郷で用事が出来てしまったから少しだけ出掛けて来る。午後には戻れるけど、待ち合わせ場所は2枚目に書いてあるからそこで待ち合わせよう』と書かれていた
そして午後になりユーリ達は指定された森の中にやって来たのだが肝心のリアとセイとアスラはまだいなかった
「俺達の方が早く着いちゃったんじゃないの?」
「そうかもしれんのお」
言霊使いの故郷があるのは別次元だと以前リア達から聞いていた
この中で言霊使いの故郷に行った事があるのはユーリとフレンだけだが、二人もあれ以来故郷に行った事はないし、行った場所も限られていた
「ならもう少し待ってみても良いんじゃないかしら」
「そうだな。この辺りに魔物はいないみたいだしな」
そう言ってある事を思い出す
以前言霊使いの故郷に向かう時も同じように森の中で待ち合わせていたが魔物がいなかった
「ワン!」
そう思っているとラピードが一点を見て一声鳴き同じようにその場所を見ると空間が揺れ二人の男女の姿が現れた
「みんな。ごめんね、遅くなっちゃって」
リアはユーリ達の姿を見ると少しだけ申し訳ない顔をして謝った
「いや、そんなに待ってないぜ」
「ああ。僕達も今着た所だよ」
ユーリとフレンの言葉を聞きリアは安堵しにこりと微笑んだ
「そっか。良かった」
「ま、ちょっと遅くなったのは事実だけどな」
「うん。ちょっと準備が遅れちゃったからね」
「? 準備?」
リアとセイを見ると袋を持っていてその中には食材が入っていた
「準備って買い出しでもして来たの?」
「うん、これも必要だし」
「あれ? そういえば、アスラは?」
これも、と言う言葉が引っかかったが、カロルがアスラがいない事に気付く
「そう言えばいないわね」
「一緒じゃなかったんです?」
普段ならリアの側にいるのに今は見当たらない
「フキと一緒にもうすぐ来ると思うんだけど・・・」
「お、来たみたいだな」
ふと気配を感じちらりと後ろを見ると元の姿に戻っているアスラとフキがいた
「リア、セイ、お待たせ」
「例のもの、持って来たぜ」
アスラが持っている箱の中を見るとそこには綺麗な色紙、更に変わったものや見た事もないものが入っていた
「・・・これ、なに?」
「色とりどりの紙にカラーテープと、モール・・・?」
「これは星の形をしたものね」
「これはなんじゃ?」
「これは吹流しと提灯だよ」
「・・・?」
聞き慣れない言葉に疑問を持ち、更にフキが持っているモノに目をやる
「・・で、それなんなんだ?」
「これは葉竹だよ」
「葉竹・・・?」
「簡単に言うと笹だな」
「それって・・・」
その言葉を聞き、ふとある事を思い出す
そう、それは去年の今頃、リア達言霊使いの故郷の行事の七夕の話しを聞き、短冊に願い事を書いていた
「みんなも察しが付いてると思うが、これは全部七夕祭りの道具だよ」
「え、七夕祭り? って、こっちでも出来るの?」
「その準備の為にリアとセイは故郷に戻ってたんだよ」
事情を聞いてみると、七夕が近くなりリアが去年の七夕の事と、みんな実物を見られなくて残念がっていた事を思い出し、なら今年はみんなで七夕をやろうと言ったそうだ
その提案にセイもアスラも同意し、フキや故郷にいるイサキと他の神将達に必要な物を揃えて貰っていたのだった
「だから今朝故郷に戻っていたのね」
「ええ」
「笹も良いやつ選んで持って来たからな」
「実物はもっとデカイがこのくらいなら運べるし、この人数の短冊を飾るには良いサイズだからな」
「食材は七夕祭りの時に食べる料理の材料だよ」
「今年はみんなにも七夕祭りを楽しんで欲しかったから。だから」
「リア、ありがとうございます!」
思っている事を更に伝えようとしていたが、リアの気持ちが伝わり嬉しくなったエステルはリアに抱きつきそんなエステルを見てリアも微笑み、皆、感謝の気持ちを込めて微笑みあった
それからリアとセイ、アスラとフキに七夕祭りで使う飾り付けや料理を教えて貰いながらみんなで作っていった
笹に飾り付けをしたり、色紙を切って星形にしたりそれを繋いで飾り付けを作ったりして、更に色紙で小さな笹の形をしたものを作りそれにも飾りをした
料理も野菜を星形にしたりと七夕を思わせる工夫をしていき、綺麗に出来上がった
「後はこの短冊を笹に飾り付けるだけだね」
「ちゃんと願い事書いてから飾れよ」
「うん!」
元気良く答えるとカロルは直ぐに願い事を書き始め、他のみんなも願い事を書き始めていた
「嬉しそうだな」
その様子を見て微笑んでいるとユーリとフレンがリアの隣に並んだ
「うん。みんな、七夕祭りを楽しんでくれてるから」
飾り付けも料理も完成した頃には丁度夜になっていた
この日は去年と同じく綺麗な星空が広がっていて正に七夕にピッタリだった
「星空も綺麗に広がってて本当に七夕みたいだなって思って」
「故郷でもこんな感じなのかい」
「うん。みんな集まって楽しんでたよ」
今頃故郷でも七夕祭りが行われている頃だろうと思いながら微笑む
「でもね」
ユーリもフレンも仲間達の様子を見ているとふと間にいるリアの声が聞こえ視線を戻すと、
「嬉しいのは願いが叶ったからなんだ」
「え?」
「・・・去年みんなといる時に私が一枚だけ書いた短冊の事覚えてる?」
そう言われ短冊を故郷に持って行く前の事と、次の日リアが戻って来た時にリアが短冊に書いた事を訪ねた事を思い出す
「ああ、覚えてるぜ」
「・・あれね、『来年も、みんなと一緒にすごせますように。そして、一緒に七夕をすごせますように』って書いたの」
リアの言葉を聞きユーリとフレンは一瞬驚き目を瞠り、リアを見るとリアは本当に嬉しそうな顔をしていた
「願い事、叶って良かったね」
「うん」
「じゃ、リアの今年の願い事も決まったな」
「え?」
嬉しそうに返事を返したが、直ぐにユーリの言葉に疑問を持ってユーリを見ると短冊を持っていてそのままリアに渡した
「またやるんだろ、七夕祭り」
ニッと笑うユーリを見て今度はリアが驚いた顔をするとフレンもユーリの言いたい事が解ったのか微笑んでリアを見ていた
「うん。また、みんなで七夕祭りやろうね」
「「ああ」」
二人の言葉を聞き、リアは満面の笑みでそう答えた
来年も、またみんなと一緒に七夕をすごせますように。一緒に七夕祭りが出来ますように ――
七夕祭り ~続・星に願いを~
end.
あとがき
久々のヴェスペリアメンバーとの話、そしてまさかの『星に願いを』の続編です!w
時期も時期だし、某ゲームも七夕イベントやってたのでせっかくだしあの続きっぽいものを書いてみるかと思って書いてみました(・・・余談ですが、一時間ちょっとで仕上げた作品ですww)
あの時リアちゃんが書いた願い事、やっと解りましたね!
かなりの人達台詞少ねえよww って言うツッコミも聞こえて着そうですが・・・ι 若干リハビリなのでそこは多めに見てやって下さいι
それでも久々のユーリやフレン、リアちゃんやセイ兄ちゃん達を堪能して頂けていれば満足です♪
今年は一部の地域は見事に雨ですがι、これを読んで少しでも七夕だなぁ~って感じて頂けていれば嬉しいです 。o@(^-^)@o。ニコッ♪
2012.07.07
「手紙にはそう書かれてますね」
「でもどう見たってただの森の中じゃない」
カロル、エステル、リタの言葉に皆同じように辺りを見て手紙を確認していた
「リアとセイに限って、指定場所を間違えるとは思えないが・・・」
今手元にある手紙はリアとセイからの物で、今朝フィエルティア号の船内のテーブルの上に置かれていたものだった
その手紙には『故郷で用事が出来てしまったから少しだけ出掛けて来る。午後には戻れるけど、待ち合わせ場所は2枚目に書いてあるからそこで待ち合わせよう』と書かれていた
そして午後になりユーリ達は指定された森の中にやって来たのだが肝心のリアとセイとアスラはまだいなかった
「俺達の方が早く着いちゃったんじゃないの?」
「そうかもしれんのお」
言霊使いの故郷があるのは別次元だと以前リア達から聞いていた
この中で言霊使いの故郷に行った事があるのはユーリとフレンだけだが、二人もあれ以来故郷に行った事はないし、行った場所も限られていた
「ならもう少し待ってみても良いんじゃないかしら」
「そうだな。この辺りに魔物はいないみたいだしな」
そう言ってある事を思い出す
以前言霊使いの故郷に向かう時も同じように森の中で待ち合わせていたが魔物がいなかった
「ワン!」
そう思っているとラピードが一点を見て一声鳴き同じようにその場所を見ると空間が揺れ二人の男女の姿が現れた
「みんな。ごめんね、遅くなっちゃって」
リアはユーリ達の姿を見ると少しだけ申し訳ない顔をして謝った
「いや、そんなに待ってないぜ」
「ああ。僕達も今着た所だよ」
ユーリとフレンの言葉を聞きリアは安堵しにこりと微笑んだ
「そっか。良かった」
「ま、ちょっと遅くなったのは事実だけどな」
「うん。ちょっと準備が遅れちゃったからね」
「? 準備?」
リアとセイを見ると袋を持っていてその中には食材が入っていた
「準備って買い出しでもして来たの?」
「うん、これも必要だし」
「あれ? そういえば、アスラは?」
これも、と言う言葉が引っかかったが、カロルがアスラがいない事に気付く
「そう言えばいないわね」
「一緒じゃなかったんです?」
普段ならリアの側にいるのに今は見当たらない
「フキと一緒にもうすぐ来ると思うんだけど・・・」
「お、来たみたいだな」
ふと気配を感じちらりと後ろを見ると元の姿に戻っているアスラとフキがいた
「リア、セイ、お待たせ」
「例のもの、持って来たぜ」
アスラが持っている箱の中を見るとそこには綺麗な色紙、更に変わったものや見た事もないものが入っていた
「・・・これ、なに?」
「色とりどりの紙にカラーテープと、モール・・・?」
「これは星の形をしたものね」
「これはなんじゃ?」
「これは吹流しと提灯だよ」
「・・・?」
聞き慣れない言葉に疑問を持ち、更にフキが持っているモノに目をやる
「・・で、それなんなんだ?」
「これは葉竹だよ」
「葉竹・・・?」
「簡単に言うと笹だな」
「それって・・・」
その言葉を聞き、ふとある事を思い出す
そう、それは去年の今頃、リア達言霊使いの故郷の行事の七夕の話しを聞き、短冊に願い事を書いていた
「みんなも察しが付いてると思うが、これは全部七夕祭りの道具だよ」
「え、七夕祭り? って、こっちでも出来るの?」
「その準備の為にリアとセイは故郷に戻ってたんだよ」
事情を聞いてみると、七夕が近くなりリアが去年の七夕の事と、みんな実物を見られなくて残念がっていた事を思い出し、なら今年はみんなで七夕をやろうと言ったそうだ
その提案にセイもアスラも同意し、フキや故郷にいるイサキと他の神将達に必要な物を揃えて貰っていたのだった
「だから今朝故郷に戻っていたのね」
「ええ」
「笹も良いやつ選んで持って来たからな」
「実物はもっとデカイがこのくらいなら運べるし、この人数の短冊を飾るには良いサイズだからな」
「食材は七夕祭りの時に食べる料理の材料だよ」
「今年はみんなにも七夕祭りを楽しんで欲しかったから。だから」
「リア、ありがとうございます!」
思っている事を更に伝えようとしていたが、リアの気持ちが伝わり嬉しくなったエステルはリアに抱きつきそんなエステルを見てリアも微笑み、皆、感謝の気持ちを込めて微笑みあった
それからリアとセイ、アスラとフキに七夕祭りで使う飾り付けや料理を教えて貰いながらみんなで作っていった
笹に飾り付けをしたり、色紙を切って星形にしたりそれを繋いで飾り付けを作ったりして、更に色紙で小さな笹の形をしたものを作りそれにも飾りをした
料理も野菜を星形にしたりと七夕を思わせる工夫をしていき、綺麗に出来上がった
「後はこの短冊を笹に飾り付けるだけだね」
「ちゃんと願い事書いてから飾れよ」
「うん!」
元気良く答えるとカロルは直ぐに願い事を書き始め、他のみんなも願い事を書き始めていた
「嬉しそうだな」
その様子を見て微笑んでいるとユーリとフレンがリアの隣に並んだ
「うん。みんな、七夕祭りを楽しんでくれてるから」
飾り付けも料理も完成した頃には丁度夜になっていた
この日は去年と同じく綺麗な星空が広がっていて正に七夕にピッタリだった
「星空も綺麗に広がってて本当に七夕みたいだなって思って」
「故郷でもこんな感じなのかい」
「うん。みんな集まって楽しんでたよ」
今頃故郷でも七夕祭りが行われている頃だろうと思いながら微笑む
「でもね」
ユーリもフレンも仲間達の様子を見ているとふと間にいるリアの声が聞こえ視線を戻すと、
「嬉しいのは願いが叶ったからなんだ」
「え?」
「・・・去年みんなといる時に私が一枚だけ書いた短冊の事覚えてる?」
そう言われ短冊を故郷に持って行く前の事と、次の日リアが戻って来た時にリアが短冊に書いた事を訪ねた事を思い出す
「ああ、覚えてるぜ」
「・・あれね、『来年も、みんなと一緒にすごせますように。そして、一緒に七夕をすごせますように』って書いたの」
リアの言葉を聞きユーリとフレンは一瞬驚き目を瞠り、リアを見るとリアは本当に嬉しそうな顔をしていた
「願い事、叶って良かったね」
「うん」
「じゃ、リアの今年の願い事も決まったな」
「え?」
嬉しそうに返事を返したが、直ぐにユーリの言葉に疑問を持ってユーリを見ると短冊を持っていてそのままリアに渡した
「またやるんだろ、七夕祭り」
ニッと笑うユーリを見て今度はリアが驚いた顔をするとフレンもユーリの言いたい事が解ったのか微笑んでリアを見ていた
「うん。また、みんなで七夕祭りやろうね」
「「ああ」」
二人の言葉を聞き、リアは満面の笑みでそう答えた
来年も、またみんなと一緒に七夕をすごせますように。一緒に七夕祭りが出来ますように ――
七夕祭り ~続・星に願いを~
end.
あとがき
久々のヴェスペリアメンバーとの話、そしてまさかの『星に願いを』の続編です!w
時期も時期だし、某ゲームも七夕イベントやってたのでせっかくだしあの続きっぽいものを書いてみるかと思って書いてみました(・・・余談ですが、一時間ちょっとで仕上げた作品ですww)
あの時リアちゃんが書いた願い事、やっと解りましたね!
かなりの人達台詞少ねえよww って言うツッコミも聞こえて着そうですが・・・ι 若干リハビリなのでそこは多めに見てやって下さいι
それでも久々のユーリやフレン、リアちゃんやセイ兄ちゃん達を堪能して頂けていれば満足です♪
今年は一部の地域は見事に雨ですがι、これを読んで少しでも七夕だなぁ~って感じて頂けていれば嬉しいです 。o@(^-^)@o。ニコッ♪
2012.07.07