長短編
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ステージ脇に行くと、外からは人々のざわつく声が聞こえる
「うわぁ~、思ったより集まってるよぉ~」
「なんだか、緊張してきました・・・」
「あんた達、ちょっとは落ち着きなさいよ」
ステージ脇から外の様子を伺って少しだけ焦っているカロルとエステルを見てリタは少しだけ溜息を吐きながら言う
「リタっちは相変わらず冷静ねぇ~。そういえば、あっちの方はどうなの?」
「はい、ばっちりです♪」
「こっちもだよ」
「なら、後は上手く行くようにするだけね」
「はい」「うん」
レイヴンの質問にエステルは満面の笑みで答え、カロルとレイヴンも同じように返事を返す
「どうでも良いけど、そろそろ始まるわよ」
「みんな、準備良い?」
「あ、はい」
「じゃあ、」
リタの言葉でエステル達は舞台袖に引っ込み、アスラが確認を取り、ナセアに合図を出すと劇の開始を知らせる音が鳴り、幕が上がり初めると曲が流れ、客席から拍手が聞こえ、幕が上がったのを確認すると前半戦のナレーション担当のナセアがナレーションを読み始めた
Romantic Stage(後編)
『昔々、ある国に王様とお后様がおりました。仲の良い二人でしたが、子供がありません。二人は毎日毎日、神様にお願いしました。』
「神よ、どうか私達に子供をお授け下さい」
「どうか私達に元気な赤ちゃんをお授け下さい」
『王様の子を国中の人々も待ち望んでおりました。』
「精の付く物をお口になさった方がよろしいのでは?」
「ちゃんと基礎体温をお計りになって」
「王様の方に問題がないか、ちゃんと検査なさった方が」
「うわーーん、わーーん、わーーーん!!」
『神への祈りが通じたのか、国民への指摘が正しかったのか、お后様は美しい女の子を出産しました。お城では早速お姫様の誕生パーティーが行われました。お祝いに駆けつけた三人の魔女達がそれぞれの魔法を使って姫を祝福します』
「姫が世界一美しくなりますように」
「姫が優雅で上品な女性になりますように」
「姫が優しい天使のような女性になりますように」
「皆の者、祝福を有り難う。ほら、姫もこんなに喜んでおります」
『魔女達が魔法をかけ終わると、それは豪華な晩餐会が始まりました』
「さあ、祝いの宴を始めよう」
『大理石のテーブルの上には金と銀の食器が並べられ、テーブルからこぼれ落ちんばかりのご馳走で埋め尽くされておりました』
「これも皆、国の繁栄と神がもたらした恵みである。遠慮は無用であるぞ」
『そこへ、一人の魔女が遅れてやってきました』
「遅くなって申し訳ありません。あら、パーティーはもう始まっておりましたか」
『そう言って席に着こうとした魔女でしたが、彼女の席はありませんでした』
「よくも私をのけ者にしてくれたわね。仕返しにいつの日か姫が糸紬の針で死んでしまうように呪いをかけてやるわ!」
『魔女は姫に呪いの魔法をかけると、箒に乗って飛んでいきました』
魔女の演技を見て一部の客が小声で話す
「あの魔女、凄い演技だな」
「ええ」
女性は男性の言葉に頷き、また舞台へと目を戻す
「た、大変な事になった!」
「あぁ、貴方・・・」
「あの魔女の魔力はとても強いので呪いを解く事は出来ません」
「でも、せめて死なずにすむようにして差し上げましょう」
「そのような事が出来るのか?」
「その代わり100年間眠るのです。100年後に一人の王子が現れて呪いを解いてくれるでしょう」
「100年も!」
「100年か・・・。しかし、姫の命には代えられん」
『王は直ぐに国中の糸車を燃やすように命じました。それは姫が呪いを受けずに済むように出来たならと言う王の一塁の望みでした。あの悪い魔女からの呪いがいつかけられるか解らずに怯える王様とお后様。身も細る思いをしている二人の唯一の幸せは日に日に大きくなっていく姫の成長を見る事でした。そして、それはそれは美しいお姫様になりました』
大きく深呼吸をして、一歩前に出ると
「「おぉっ!!」」
会場から大きな声援が上がった
その歓声を聞きながら中央へと歩いて行く
「今日も良い天気ね。ふふっ、こんにちは小鳥さん。こんにちは、花壇のお花さん達」
カラカラ・・・
カラカラ・・・
「?」
『姫が小鳥や花壇の花達を見ていると、急にカラカラ・・・と言う音が聞こえて来ました』
「何の音かしら? 音は西の塔から聞こえて来るようだわ」
『姫が塔の一番上まで登って見ると、そこには一人のおばあさんがおりました』
「こんにちは、おばあさん。おばあさん、それはなあに? 何をしているの?」
『王様が国中の糸車を燃やしてしまった為に、姫はそれが何であるのか解りませんでした。お后様に』
「決して、糸車に触ってはいけませんよ」
『と言われていたのに、それが糸車だと解りませんでした』
「とっても面白そう。ねえ、私にもやらせて下さらない?」
「ええ、ええ、良いですよ。変わってあげますわ」
「ありがとう、おばあさん」
『席を譲って貰ったその時、糸紬の針が!』
「痛いっ!? あぁ、・・突然、目眩が・・・私、・・私、・・どうしたのかしら・・・」
姫はそのまま倒れてしまう
「うふふっ、上手く言ったわ」
『そうです。そのおばあさんは姫に呪いを掛けたあの時の魔女だったのです』
「これで私の気も晴れるというものだわ。私をのけ者にした愚かな王め、存分に悲しむと良いわ」
箒に乗って魔女は去って行く
『王もお后も城中が深い悲しみに包まれました』
「・・遂に、遂にあの魔女の呪いがかかってしまったか」
「うぅっ・・・」
「「「・・・・」」」
魔女達は口を紡ぐが一人の魔女が重たい口を開く
「しかし、私達がかけた魔法によって死は免れ、姫は100年の眠りに入られました」
「でも私達は100年も生きられません! 二度と生きている姫に会う事が叶わないなら、死に別れになるのと同じ事・・・あぁ、一体何処が違うと言うのでしょう・・・」
「そうおっしゃると思っておりました」
「目をお覚ましになられた時、独りぼっちでは姫様もお可哀想」
「それでは、何か良い方法があると申すのか?」
「はい」
魔女達は頷くと一斉に呪文を唱える
『優しく微笑んだ魔女達が呪文を唱えると、七色の光が城中を満たしていきました。すると、王様もお后様も兵隊もみんな眠ってしまいました。こうしてお城ごと、100年の眠りに付いたのです』
「・・・ふう」
「ナセア、前半戦ご苦労様」
「アスラ、後半のナレーション頼みましたよ」
「了解」
「ユーリ、セイ、レイヴン、ラピード、出番だぜ」
「「ああ」」「おう」「ワン」
前半が終わり暗転している間にナセアとアスラはナレーションの交代をし、ケンクは後半から出番のあるユーリ達に声を掛け、舞台袖に来たのを確認するとアスラはナレーションを読み始めた
『それから100年が過ぎたある日、隣国の王子様が城の近くを通りかかりました』
「・・ん? あの城・・やけに荒れ果ててるな」
『王子は近くにいた女性達にその事を訪ねてみました』
「あのお城には世界一美しい王女様が100年も眠り続けているのです」
「それは本当か?」
「はい・・・」
「可哀想に。此処を通ったのも何かの縁かもしれねえ。オレが助けに行ってやるよ」
「本当ですか。では、こちらの剣と盾をお持ち下さい」
「何が待ち受けているか解りませんので」
ユーリはリタとカロルから剣と盾を受け取ろうとするが、盾を持っているカロルの身長少しだけ届かない
「・・・カロル、もうちょっと伸ばせ」
「これ以上は無理だよぉ~」
小声で話しユーリは小さく息を吐き少しだけ屈んで盾を受け取り、演技を続ける
「サンキュ」
「お待ち下さい。どうかこちらもお持ち下さい」
言ってエステルは一歩前に出て綺麗な宝珠を渡す
「これは?」
「これは魔力が宿ったものです。危なくなった時に使って下さい。きっと役に立つでしょう」
「サンキュ」
「「「どうかお気を付けて」」」
「ああ」
『王子様は女性達から剣と盾と綺麗な宝珠を貰うと城内へ足を踏み入れて行きました。彼女達の正体は城全体を眠りに付かせたあの優しい魔女達でした。100年後に現れる王子様に剣と盾と珠を渡す為に此処でずっと待っていたのでした』
「・・・外見以上に痛んでるな。それにびっしりと絡み合ってる棘はどういう事だ?」
『殺したはずの姫が長い眠りに付いていると知った魔女は、誰にも眠りから覚まさすまいと城に侵入する者を拒む仕掛けを用意しておいたのです』
「ワンワンワン!」
『見張りの使い魔が悪い魔女の所へ知らせに行きました』
「大変だ。王子が姫を助けに来ました」
「何ですって? ふふっ、面白いじゃない。私の魔力で追い払ってやるわ」
「出て来いよ、魔女さんよぉ」
「あら、なかなか威勢の良い王子じゃない」
「・・・!(なっ!?)」
ユーリは目の前にいる人物を見て驚いた
そこにいるのは使い魔のラピードとレイヴン、そして
(なんでジュディがいんだよ?)
リアが演じているはずだった悪い魔女をジュディスが演 っていたのだった
「此処は俺達に任せて姫の方へ」
「そう。じゃあそうさせて貰うわね」
『魔女は身を翻して姫が眠っていると思われる場所へと向かっていきました』
「てな訳で、そこのお兄さんの相手は俺様達がやっちゃうよ」
「ワウゥーン、ワン!」
「っと!」
言うとラピードがユーリの方に向かって行き、ユーリはそれを避け更に向かって着ているレイヴンの剣を受け止める
「おいおいおっさん、なんでジュディが魔女やってんだよ。リアはどうしたんだよ」
「さーてね」
ユーリは客席に聞こえない声でレイヴンに訪ねるがレイヴンは涼しい顔をして受け流す
それを見て何か企んでいると察するユーリ
「ジュディが魔女やってんなら、姫は誰がやってんだよ」
「そりゃ・・・」
「・・・お二人とも、白熱してる所悪いですけど、そろそろセイの出番です」
姿を消して劇の進行を知らせる係になっているカムイは台本を見て二人にセイの出番だと言う事を知らせ、それを聞きお互いに剣を弾き距離を取る
その白熱した演技に客席からは歓声が上がっている
「っち、このままじゃこっちが不利か・・・ん? これは・・・」
『王子は剣と盾と一緒に貰った宝珠を見て、女性に言われた事を思い出しその宝珠を見ていると急にその宝珠が光り出し、光が修まったと同時に王子の前に一人の青年が立っていました』
「・・あ、んたは?」
「俺はこの宝珠に眠る者だ。俺を呼んだのはあんた、そして俺の主だ。此処は俺が何とかする、主は先に行け」
「良く分かんねえけど、そういう事なら頼んだぜ」
『王子は青年の言葉を聞くと悪い魔女の使い魔の横をすり抜けて行きます』
「行かせないわよ」
「っと。あんた達の相手は俺だぜ」
『使い魔達は王子を止めようとしますが、宝珠の中から現れた青年によって阻まれ、王子は上の階へと続く階段を駆け上って行きます。』
「ようやく王子様の到着のようね」
「待たせたみたいだな。で、噂のお姫さんってのは何処にいんだ?」
「此処よ」
『最上階に着くと悪い魔女が王子が来るのを待っていました。そして大きな棺の中に眠っているお姫様を見せました。』
(やっぱ姫やってんのはリアかよ)
ユーリはレイヴンと話している時の事を思い出し、小さく息を吐いた
「悪ぃけど、その呪いってヤツを解いて貰うぜ!」
「姫の呪いを解く薬は此処。やれるものならやってみなさい」
『王子は剣を構えると魔女に向かっていき、魔女は王子に向かって魔法を放ちます。』
「あの魔女強ぇなぁ」
「ああ、何かカッコイイよな!」
「王子様ぁ~、頑張って~~」
ユーリとジュディスの白熱した殺陣に客席からはどちらにも声援が上がっている
(やっぱりユーリとジュディスは凄いなぁ。代わって正解だったかも・・・)
リアは横目で殺陣をしている二人を見て劇が始まる前の事を思い出す
始まる寸前にジュディスから役を交代して欲しいと言われた
最初は疑問に思ったリアだったが、前回の劇では戦いのシーンの演出が凄かったのが好評だったから今回もそうしたいと皆に言われ、リアも納得し役を代わったのだった
(・・・そろそろ次に行かなきゃいけなんだけど・・・、二人とも、普通に戦いを楽しんじゃってるんだけどι)
(・・・仕方ないな)
リアの近くに控えているリンコウは軽く溜息を吐き、二人に呆れ混じりに言う
「お前達、そろそろ進行を戻せ。先に進まない」
その声でようやく劇の最中だと思い出し、演技に戻る
「そろそろ終わりにしましょうか」
「!」
『魔女は魔力を溜め、王子に向かって巨大な魔法を放ちました。王子は盾を構えようとしましたが、その魔法は直ぐに消えてしまいました』
「なっ!」
「流石、魔力が強いって噂の魔女だな」
「お前、」
「主、無事か」
『魔女の攻撃を防いだのは宝珠に宿っている青年でした』
セイが現れると同時に会場から黄色い声が上がった
(・・・また兄さんのファンが増えちゃった・・?)
「主、魔女の動きは俺が封じる。その間に魔女を倒して薬を手に入れるんだ」
「解った。行くぜぇ!」
『王子と青年はお互いに合図を出し魔女へと向かっていきます。魔女の動きを青年が封じその隙に王子は魔女へと攻撃をしました』
「くっ・・・。」
「「やったぁ!」」
「! あんた達」
『魔女を倒すと王子の側に王子が城に入る前に剣と盾と宝珠をくれた女性達が集まっていました。彼女達は王子に自分達がこの城に100年の眠りを掛け、王子が来るのを待っていた事を話しました。』
「さあ王子、姫を」
「ああ」
「待って下さい」
『王子は悪い魔女から手に入れた瓶を開けようとしましたが、一人の魔女が異変に気付き王子を呼び止めました』
「王子、それは偽物のようです」
「偽物?」
(・・・え、台本と違う・・・?)
エステルの言葉にユーリもリアも驚き、リアは客席に見えないように横目でエステルを見る
「偽物って・・。じゃあ姫は目を覚まさないって事か?」
「いいえ。一つだけ方法があります」
「その方法は?」
「それは・・・」
「・・・///」
そこまで言うとリタとカロルは何も言えなくなって少しだけ頬を染め視線を逸らした
その事に疑問を持っているとエステルが二人に代わって言う
「姫は、王子の口付けで目覚める事が出来ます」
「「!」」
その言葉にリアは驚いて思わず起き上がりそうになったが、何とかそれを押さえたがユーリと同じく驚いたままだった
(え、エステル? 今、なんて言っ・・た・・・?)
(口付け、と言ったな)
(リンコウ、冷静に言わないでよっ/// )
『王子は魔女達の言葉を聞き、お姫様の方へと歩いて行きます』
(て、・・・え?)
「・・・それしか方法はないのか?」
「はい」
「・・・・」
ユーリは目の前でニコニコと笑っているエステルを見て、レイヴンとジュディス、そして此処にいるエステル達が考えていた事が今ようやく理解出来たのだった
ユーリはそのままリアを見てリアの方へ歩いて行く
ナレーションを聞き、ユーリが近付いて来ているのを知り焦っていると、リンコウはそのまま姿を消した
「え、ちょっ、ちょっと、リンコウ! って・・・、」
小声でリンコウがいなくなった事に驚いているとユーリがリアの所までやってきた
「・・・あ、あの・・、ユー、リ・・・?」
リアはじっと自分を見つめているユーリへと視線を向ける
「・・・キス・・、本当に、しない・・よね?」
リアは少しだけ冷や汗を感じならユーリに尋ねると、少しだけ距離が縮まる
「ちょっ・・・ゆ、ユーリ・・・///!?」
その言葉が聞こえているのかいないのか、どんどん彼との距離が縮まり更に身動きが取れなくなる
そして、
「っ~~~////」
「「「「わあぁぁぁぁ~~~!!」」」」」「「「「うぉぉぉぉ~~~~!!!」」」」「「「「きゃあぁぁぁ~~~~」」」」
『王子様がお姫様に口付けをすると、眠り続けていたお姫様が目を覚まし、お城の魔法も解け、王子様とお姫様も幸せに暮らしました』
「っ~~~///」
幕が降り出したのは口付けをした後だった
その間、ユーリとリアはキスをしたままだった
そして幕が全部降りるとやっとユーリはリアの唇から離れた
「っっ、ゆ、ユーリ! いきなり何するのよっ////!!」
リアはそれを見て勢い良く体を起こし、赤い顔のままユーリに言う
「いきなりって、ちゃんとエステルが言ってた通りにしただけだろ」
「でもお客さんには見えないんだから、本当にしなくても///」
「ほらお前等、アンコール始まるからその辺にしとけ」
セイの言葉でリアは大人しくなり全員が揃った所で幕が上がる
そして会場中から大きな声援と拍手が聞こえ、一人一人にお礼の気持ちを込めた挨拶をし、リアとユーリの番になる
リアはまだ棺の中にいるのでそのまま出ようとしていると、ユーリがリアを抱き上げ驚いたがそのまま一緒に挨拶をし、全員が挨拶をし終わり、最後に皆一斉にお礼を言った
その途端また会場から大きな声援と拍手が上がる
(此処まで喜んで貰えたなら、やった甲斐があったな)
リアは客の反応を見て本当に嬉しそうに微笑んだ
そしてゆっくりと幕が降り出す
「リア」
「ん? っ///!!」
「「「きゃあ~~~///!!」」」
ユーリに呼ばれユーリの方に顔を向けた途端、ユーリはリアにキスをした
「「あら♡」」「「「「「あ、」」」」」「「あ~ぁ」」「「なぁっ!?」」「あらあら」「はあ・・・」「「「・・・・」」」
それを見て客席から黄色い声が上がりエステル達は不思議に思って客達が見ている方を見るとユーリとリアの姿が目に入り、各々違う反応を見せた
幕が完全に降りると、ユーリはゆっくりとリアの唇から離れる
「ちょっと、ユーリ!」
「あんた、あたし達のリアに何してんのよ!!」
直ぐにユーリに食ってかかったのは他の誰でもないユイカとタイリンだった
「バカぁ、何してくれるのよぉ///!」
そしてリアもユーリに文句を言うが恥ずかしさが増していてそれ以上は何も言えないようだった
「役得じゃない、青年」
「「ふふっ」」
そんなユーリとリアを見てレイヴンとエステルとジュディスは楽しそうな顔をしていた
「リア、大丈夫?」
「うわ~ん、イサキ~~」
「よしよし・・・」
イサキは苦笑しながらリアに声を掛けるとリアは少しだけ涙目になってイサキに抱きついた
「さてと、じゃあ俺達は片付けと報告に行くか」
「え、リアの事放っといて良いの?」
「あの状態だからな」
「暫くはイサキのから離れないと思うぞ」
セイとフキ達の言葉を聞くとカロル達も着替えやらショータイムの人への報告へと向かって行った
「私っ、もう表歩けない」
言うとリアは更にイサキに抱きつき、そんなリアを宥めるように頭を撫でてイサキは苦笑しながら言う
「愛されてるわね、リア」
「///」
そこまで言われリアは何も言えなくなって顔を赤くして俯いていた
愛されてなかったら、あそこまでやらない
リアもそれを解っているからこそ、ユーリにもイサキにもこれ以上は何も言わずに黙ったのだった
「ホント、いい人に巡り会えて良かったね、リア」
「・・・うん///」
そんなリアを見てイサキは小さく笑って言うと、リアは嬉しそうに微笑んで頷いた
end.
後書き
やっちゃいました、このネタww
多少オリジナルで書いた所とかあるけどねww
でもこれは結構前から考えてた話しなんですよね
ご存じの通りHD死亡でデータが吹っ飛んだのでまた書き直したんですけど、前はアスラとフキのみ神将達は登場だったんですけど、せっかくだったのでみんな出しました(名前は数人しか出してないけどι)
でも楽しんで読んで貰えたなら何よりですww
それでは♪
金色のコルダ2 火原 和樹 キャラクターソング Romantic Stage より
2010.07.18
「うわぁ~、思ったより集まってるよぉ~」
「なんだか、緊張してきました・・・」
「あんた達、ちょっとは落ち着きなさいよ」
ステージ脇から外の様子を伺って少しだけ焦っているカロルとエステルを見てリタは少しだけ溜息を吐きながら言う
「リタっちは相変わらず冷静ねぇ~。そういえば、あっちの方はどうなの?」
「はい、ばっちりです♪」
「こっちもだよ」
「なら、後は上手く行くようにするだけね」
「はい」「うん」
レイヴンの質問にエステルは満面の笑みで答え、カロルとレイヴンも同じように返事を返す
「どうでも良いけど、そろそろ始まるわよ」
「みんな、準備良い?」
「あ、はい」
「じゃあ、」
リタの言葉でエステル達は舞台袖に引っ込み、アスラが確認を取り、ナセアに合図を出すと劇の開始を知らせる音が鳴り、幕が上がり初めると曲が流れ、客席から拍手が聞こえ、幕が上がったのを確認すると前半戦のナレーション担当のナセアがナレーションを読み始めた
Romantic Stage(後編)
『昔々、ある国に王様とお后様がおりました。仲の良い二人でしたが、子供がありません。二人は毎日毎日、神様にお願いしました。』
「神よ、どうか私達に子供をお授け下さい」
「どうか私達に元気な赤ちゃんをお授け下さい」
『王様の子を国中の人々も待ち望んでおりました。』
「精の付く物をお口になさった方がよろしいのでは?」
「ちゃんと基礎体温をお計りになって」
「王様の方に問題がないか、ちゃんと検査なさった方が」
「うわーーん、わーーん、わーーーん!!」
『神への祈りが通じたのか、国民への指摘が正しかったのか、お后様は美しい女の子を出産しました。お城では早速お姫様の誕生パーティーが行われました。お祝いに駆けつけた三人の魔女達がそれぞれの魔法を使って姫を祝福します』
「姫が世界一美しくなりますように」
「姫が優雅で上品な女性になりますように」
「姫が優しい天使のような女性になりますように」
「皆の者、祝福を有り難う。ほら、姫もこんなに喜んでおります」
『魔女達が魔法をかけ終わると、それは豪華な晩餐会が始まりました』
「さあ、祝いの宴を始めよう」
『大理石のテーブルの上には金と銀の食器が並べられ、テーブルからこぼれ落ちんばかりのご馳走で埋め尽くされておりました』
「これも皆、国の繁栄と神がもたらした恵みである。遠慮は無用であるぞ」
『そこへ、一人の魔女が遅れてやってきました』
「遅くなって申し訳ありません。あら、パーティーはもう始まっておりましたか」
『そう言って席に着こうとした魔女でしたが、彼女の席はありませんでした』
「よくも私をのけ者にしてくれたわね。仕返しにいつの日か姫が糸紬の針で死んでしまうように呪いをかけてやるわ!」
『魔女は姫に呪いの魔法をかけると、箒に乗って飛んでいきました』
魔女の演技を見て一部の客が小声で話す
「あの魔女、凄い演技だな」
「ええ」
女性は男性の言葉に頷き、また舞台へと目を戻す
「た、大変な事になった!」
「あぁ、貴方・・・」
「あの魔女の魔力はとても強いので呪いを解く事は出来ません」
「でも、せめて死なずにすむようにして差し上げましょう」
「そのような事が出来るのか?」
「その代わり100年間眠るのです。100年後に一人の王子が現れて呪いを解いてくれるでしょう」
「100年も!」
「100年か・・・。しかし、姫の命には代えられん」
『王は直ぐに国中の糸車を燃やすように命じました。それは姫が呪いを受けずに済むように出来たならと言う王の一塁の望みでした。あの悪い魔女からの呪いがいつかけられるか解らずに怯える王様とお后様。身も細る思いをしている二人の唯一の幸せは日に日に大きくなっていく姫の成長を見る事でした。そして、それはそれは美しいお姫様になりました』
大きく深呼吸をして、一歩前に出ると
「「おぉっ!!」」
会場から大きな声援が上がった
その歓声を聞きながら中央へと歩いて行く
「今日も良い天気ね。ふふっ、こんにちは小鳥さん。こんにちは、花壇のお花さん達」
カラカラ・・・
カラカラ・・・
「?」
『姫が小鳥や花壇の花達を見ていると、急にカラカラ・・・と言う音が聞こえて来ました』
「何の音かしら? 音は西の塔から聞こえて来るようだわ」
『姫が塔の一番上まで登って見ると、そこには一人のおばあさんがおりました』
「こんにちは、おばあさん。おばあさん、それはなあに? 何をしているの?」
『王様が国中の糸車を燃やしてしまった為に、姫はそれが何であるのか解りませんでした。お后様に』
「決して、糸車に触ってはいけませんよ」
『と言われていたのに、それが糸車だと解りませんでした』
「とっても面白そう。ねえ、私にもやらせて下さらない?」
「ええ、ええ、良いですよ。変わってあげますわ」
「ありがとう、おばあさん」
『席を譲って貰ったその時、糸紬の針が!』
「痛いっ!? あぁ、・・突然、目眩が・・・私、・・私、・・どうしたのかしら・・・」
姫はそのまま倒れてしまう
「うふふっ、上手く言ったわ」
『そうです。そのおばあさんは姫に呪いを掛けたあの時の魔女だったのです』
「これで私の気も晴れるというものだわ。私をのけ者にした愚かな王め、存分に悲しむと良いわ」
箒に乗って魔女は去って行く
『王もお后も城中が深い悲しみに包まれました』
「・・遂に、遂にあの魔女の呪いがかかってしまったか」
「うぅっ・・・」
「「「・・・・」」」
魔女達は口を紡ぐが一人の魔女が重たい口を開く
「しかし、私達がかけた魔法によって死は免れ、姫は100年の眠りに入られました」
「でも私達は100年も生きられません! 二度と生きている姫に会う事が叶わないなら、死に別れになるのと同じ事・・・あぁ、一体何処が違うと言うのでしょう・・・」
「そうおっしゃると思っておりました」
「目をお覚ましになられた時、独りぼっちでは姫様もお可哀想」
「それでは、何か良い方法があると申すのか?」
「はい」
魔女達は頷くと一斉に呪文を唱える
『優しく微笑んだ魔女達が呪文を唱えると、七色の光が城中を満たしていきました。すると、王様もお后様も兵隊もみんな眠ってしまいました。こうしてお城ごと、100年の眠りに付いたのです』
「・・・ふう」
「ナセア、前半戦ご苦労様」
「アスラ、後半のナレーション頼みましたよ」
「了解」
「ユーリ、セイ、レイヴン、ラピード、出番だぜ」
「「ああ」」「おう」「ワン」
前半が終わり暗転している間にナセアとアスラはナレーションの交代をし、ケンクは後半から出番のあるユーリ達に声を掛け、舞台袖に来たのを確認するとアスラはナレーションを読み始めた
『それから100年が過ぎたある日、隣国の王子様が城の近くを通りかかりました』
「・・ん? あの城・・やけに荒れ果ててるな」
『王子は近くにいた女性達にその事を訪ねてみました』
「あのお城には世界一美しい王女様が100年も眠り続けているのです」
「それは本当か?」
「はい・・・」
「可哀想に。此処を通ったのも何かの縁かもしれねえ。オレが助けに行ってやるよ」
「本当ですか。では、こちらの剣と盾をお持ち下さい」
「何が待ち受けているか解りませんので」
ユーリはリタとカロルから剣と盾を受け取ろうとするが、盾を持っているカロルの身長少しだけ届かない
「・・・カロル、もうちょっと伸ばせ」
「これ以上は無理だよぉ~」
小声で話しユーリは小さく息を吐き少しだけ屈んで盾を受け取り、演技を続ける
「サンキュ」
「お待ち下さい。どうかこちらもお持ち下さい」
言ってエステルは一歩前に出て綺麗な宝珠を渡す
「これは?」
「これは魔力が宿ったものです。危なくなった時に使って下さい。きっと役に立つでしょう」
「サンキュ」
「「「どうかお気を付けて」」」
「ああ」
『王子様は女性達から剣と盾と綺麗な宝珠を貰うと城内へ足を踏み入れて行きました。彼女達の正体は城全体を眠りに付かせたあの優しい魔女達でした。100年後に現れる王子様に剣と盾と珠を渡す為に此処でずっと待っていたのでした』
「・・・外見以上に痛んでるな。それにびっしりと絡み合ってる棘はどういう事だ?」
『殺したはずの姫が長い眠りに付いていると知った魔女は、誰にも眠りから覚まさすまいと城に侵入する者を拒む仕掛けを用意しておいたのです』
「ワンワンワン!」
『見張りの使い魔が悪い魔女の所へ知らせに行きました』
「大変だ。王子が姫を助けに来ました」
「何ですって? ふふっ、面白いじゃない。私の魔力で追い払ってやるわ」
「出て来いよ、魔女さんよぉ」
「あら、なかなか威勢の良い王子じゃない」
「・・・!(なっ!?)」
ユーリは目の前にいる人物を見て驚いた
そこにいるのは使い魔のラピードとレイヴン、そして
(なんでジュディがいんだよ?)
リアが演じているはずだった悪い魔女をジュディスが
「此処は俺達に任せて姫の方へ」
「そう。じゃあそうさせて貰うわね」
『魔女は身を翻して姫が眠っていると思われる場所へと向かっていきました』
「てな訳で、そこのお兄さんの相手は俺様達がやっちゃうよ」
「ワウゥーン、ワン!」
「っと!」
言うとラピードがユーリの方に向かって行き、ユーリはそれを避け更に向かって着ているレイヴンの剣を受け止める
「おいおいおっさん、なんでジュディが魔女やってんだよ。リアはどうしたんだよ」
「さーてね」
ユーリは客席に聞こえない声でレイヴンに訪ねるがレイヴンは涼しい顔をして受け流す
それを見て何か企んでいると察するユーリ
「ジュディが魔女やってんなら、姫は誰がやってんだよ」
「そりゃ・・・」
「・・・お二人とも、白熱してる所悪いですけど、そろそろセイの出番です」
姿を消して劇の進行を知らせる係になっているカムイは台本を見て二人にセイの出番だと言う事を知らせ、それを聞きお互いに剣を弾き距離を取る
その白熱した演技に客席からは歓声が上がっている
「っち、このままじゃこっちが不利か・・・ん? これは・・・」
『王子は剣と盾と一緒に貰った宝珠を見て、女性に言われた事を思い出しその宝珠を見ていると急にその宝珠が光り出し、光が修まったと同時に王子の前に一人の青年が立っていました』
「・・あ、んたは?」
「俺はこの宝珠に眠る者だ。俺を呼んだのはあんた、そして俺の主だ。此処は俺が何とかする、主は先に行け」
「良く分かんねえけど、そういう事なら頼んだぜ」
『王子は青年の言葉を聞くと悪い魔女の使い魔の横をすり抜けて行きます』
「行かせないわよ」
「っと。あんた達の相手は俺だぜ」
『使い魔達は王子を止めようとしますが、宝珠の中から現れた青年によって阻まれ、王子は上の階へと続く階段を駆け上って行きます。』
「ようやく王子様の到着のようね」
「待たせたみたいだな。で、噂のお姫さんってのは何処にいんだ?」
「此処よ」
『最上階に着くと悪い魔女が王子が来るのを待っていました。そして大きな棺の中に眠っているお姫様を見せました。』
(やっぱ姫やってんのはリアかよ)
ユーリはレイヴンと話している時の事を思い出し、小さく息を吐いた
「悪ぃけど、その呪いってヤツを解いて貰うぜ!」
「姫の呪いを解く薬は此処。やれるものならやってみなさい」
『王子は剣を構えると魔女に向かっていき、魔女は王子に向かって魔法を放ちます。』
「あの魔女強ぇなぁ」
「ああ、何かカッコイイよな!」
「王子様ぁ~、頑張って~~」
ユーリとジュディスの白熱した殺陣に客席からはどちらにも声援が上がっている
(やっぱりユーリとジュディスは凄いなぁ。代わって正解だったかも・・・)
リアは横目で殺陣をしている二人を見て劇が始まる前の事を思い出す
始まる寸前にジュディスから役を交代して欲しいと言われた
最初は疑問に思ったリアだったが、前回の劇では戦いのシーンの演出が凄かったのが好評だったから今回もそうしたいと皆に言われ、リアも納得し役を代わったのだった
(・・・そろそろ次に行かなきゃいけなんだけど・・・、二人とも、普通に戦いを楽しんじゃってるんだけどι)
(・・・仕方ないな)
リアの近くに控えているリンコウは軽く溜息を吐き、二人に呆れ混じりに言う
「お前達、そろそろ進行を戻せ。先に進まない」
その声でようやく劇の最中だと思い出し、演技に戻る
「そろそろ終わりにしましょうか」
「!」
『魔女は魔力を溜め、王子に向かって巨大な魔法を放ちました。王子は盾を構えようとしましたが、その魔法は直ぐに消えてしまいました』
「なっ!」
「流石、魔力が強いって噂の魔女だな」
「お前、」
「主、無事か」
『魔女の攻撃を防いだのは宝珠に宿っている青年でした』
セイが現れると同時に会場から黄色い声が上がった
(・・・また兄さんのファンが増えちゃった・・?)
「主、魔女の動きは俺が封じる。その間に魔女を倒して薬を手に入れるんだ」
「解った。行くぜぇ!」
『王子と青年はお互いに合図を出し魔女へと向かっていきます。魔女の動きを青年が封じその隙に王子は魔女へと攻撃をしました』
「くっ・・・。」
「「やったぁ!」」
「! あんた達」
『魔女を倒すと王子の側に王子が城に入る前に剣と盾と宝珠をくれた女性達が集まっていました。彼女達は王子に自分達がこの城に100年の眠りを掛け、王子が来るのを待っていた事を話しました。』
「さあ王子、姫を」
「ああ」
「待って下さい」
『王子は悪い魔女から手に入れた瓶を開けようとしましたが、一人の魔女が異変に気付き王子を呼び止めました』
「王子、それは偽物のようです」
「偽物?」
(・・・え、台本と違う・・・?)
エステルの言葉にユーリもリアも驚き、リアは客席に見えないように横目でエステルを見る
「偽物って・・。じゃあ姫は目を覚まさないって事か?」
「いいえ。一つだけ方法があります」
「その方法は?」
「それは・・・」
「・・・///」
そこまで言うとリタとカロルは何も言えなくなって少しだけ頬を染め視線を逸らした
その事に疑問を持っているとエステルが二人に代わって言う
「姫は、王子の口付けで目覚める事が出来ます」
「「!」」
その言葉にリアは驚いて思わず起き上がりそうになったが、何とかそれを押さえたがユーリと同じく驚いたままだった
(え、エステル? 今、なんて言っ・・た・・・?)
(口付け、と言ったな)
(リンコウ、冷静に言わないでよっ/// )
『王子は魔女達の言葉を聞き、お姫様の方へと歩いて行きます』
(て、・・・え?)
「・・・それしか方法はないのか?」
「はい」
「・・・・」
ユーリは目の前でニコニコと笑っているエステルを見て、レイヴンとジュディス、そして此処にいるエステル達が考えていた事が今ようやく理解出来たのだった
ユーリはそのままリアを見てリアの方へ歩いて行く
ナレーションを聞き、ユーリが近付いて来ているのを知り焦っていると、リンコウはそのまま姿を消した
「え、ちょっ、ちょっと、リンコウ! って・・・、」
小声でリンコウがいなくなった事に驚いているとユーリがリアの所までやってきた
「・・・あ、あの・・、ユー、リ・・・?」
リアはじっと自分を見つめているユーリへと視線を向ける
「・・・キス・・、本当に、しない・・よね?」
リアは少しだけ冷や汗を感じならユーリに尋ねると、少しだけ距離が縮まる
「ちょっ・・・ゆ、ユーリ・・・///!?」
その言葉が聞こえているのかいないのか、どんどん彼との距離が縮まり更に身動きが取れなくなる
そして、
「っ~~~////」
「「「「わあぁぁぁぁ~~~!!」」」」」「「「「うぉぉぉぉ~~~~!!!」」」」「「「「きゃあぁぁぁ~~~~」」」」
『王子様がお姫様に口付けをすると、眠り続けていたお姫様が目を覚まし、お城の魔法も解け、王子様とお姫様も幸せに暮らしました』
「っ~~~///」
幕が降り出したのは口付けをした後だった
その間、ユーリとリアはキスをしたままだった
そして幕が全部降りるとやっとユーリはリアの唇から離れた
「っっ、ゆ、ユーリ! いきなり何するのよっ////!!」
リアはそれを見て勢い良く体を起こし、赤い顔のままユーリに言う
「いきなりって、ちゃんとエステルが言ってた通りにしただけだろ」
「でもお客さんには見えないんだから、本当にしなくても///」
「ほらお前等、アンコール始まるからその辺にしとけ」
セイの言葉でリアは大人しくなり全員が揃った所で幕が上がる
そして会場中から大きな声援と拍手が聞こえ、一人一人にお礼の気持ちを込めた挨拶をし、リアとユーリの番になる
リアはまだ棺の中にいるのでそのまま出ようとしていると、ユーリがリアを抱き上げ驚いたがそのまま一緒に挨拶をし、全員が挨拶をし終わり、最後に皆一斉にお礼を言った
その途端また会場から大きな声援と拍手が上がる
(此処まで喜んで貰えたなら、やった甲斐があったな)
リアは客の反応を見て本当に嬉しそうに微笑んだ
そしてゆっくりと幕が降り出す
「リア」
「ん? っ///!!」
「「「きゃあ~~~///!!」」」
ユーリに呼ばれユーリの方に顔を向けた途端、ユーリはリアにキスをした
「「あら♡」」「「「「「あ、」」」」」「「あ~ぁ」」「「なぁっ!?」」「あらあら」「はあ・・・」「「「・・・・」」」
それを見て客席から黄色い声が上がりエステル達は不思議に思って客達が見ている方を見るとユーリとリアの姿が目に入り、各々違う反応を見せた
幕が完全に降りると、ユーリはゆっくりとリアの唇から離れる
「ちょっと、ユーリ!」
「あんた、あたし達のリアに何してんのよ!!」
直ぐにユーリに食ってかかったのは他の誰でもないユイカとタイリンだった
「バカぁ、何してくれるのよぉ///!」
そしてリアもユーリに文句を言うが恥ずかしさが増していてそれ以上は何も言えないようだった
「役得じゃない、青年」
「「ふふっ」」
そんなユーリとリアを見てレイヴンとエステルとジュディスは楽しそうな顔をしていた
「リア、大丈夫?」
「うわ~ん、イサキ~~」
「よしよし・・・」
イサキは苦笑しながらリアに声を掛けるとリアは少しだけ涙目になってイサキに抱きついた
「さてと、じゃあ俺達は片付けと報告に行くか」
「え、リアの事放っといて良いの?」
「あの状態だからな」
「暫くはイサキのから離れないと思うぞ」
セイとフキ達の言葉を聞くとカロル達も着替えやらショータイムの人への報告へと向かって行った
「私っ、もう表歩けない」
言うとリアは更にイサキに抱きつき、そんなリアを宥めるように頭を撫でてイサキは苦笑しながら言う
「愛されてるわね、リア」
「///」
そこまで言われリアは何も言えなくなって顔を赤くして俯いていた
愛されてなかったら、あそこまでやらない
リアもそれを解っているからこそ、ユーリにもイサキにもこれ以上は何も言わずに黙ったのだった
「ホント、いい人に巡り会えて良かったね、リア」
「・・・うん///」
そんなリアを見てイサキは小さく笑って言うと、リアは嬉しそうに微笑んで頷いた
end.
後書き
やっちゃいました、このネタww
多少オリジナルで書いた所とかあるけどねww
でもこれは結構前から考えてた話しなんですよね
ご存じの通りHD死亡でデータが吹っ飛んだのでまた書き直したんですけど、前はアスラとフキのみ神将達は登場だったんですけど、せっかくだったのでみんな出しました(名前は数人しか出してないけどι)
でも楽しんで読んで貰えたなら何よりですww
それでは♪
金色のコルダ2 火原 和樹 キャラクターソング Romantic Stage より
2010.07.18