For paradise -楽園を求めて-
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「・・・と訳で、あんた達に来て貰った訳」
「成る程な・・・」
あれから数日後、リタ達はアスラとフキに言われた通りユーリやリア達に協力を頼んだ
リア達はリタ達の頼みだから、と快く協力をしてくれ、改めて日程を決めフィエルティア号に乗ってザウデ不落宮に向かっていた
「しっかし、楽園なんて言うのがホントにあったとはねぇ~」
「ホントだよね」
「あの本に載っていた十六夜の庭、ですよね」
「のじゃ」
「それにしても、フレンもエステルも良く来れたよな」
パティ達の話しを横目にセイはフレンとエステルに話しを振る
確かに現騎士団長のフレン、そして皇族補佐であるエステルは忙しい日々を送っている
「ザウデの調査を取り仕切ってるとは言っても、抜けてきて平気だったの?」
「はい。ヨーデルにこの話しをしたら、現地調査も必要だろうからと言ってくれて」
「それでエステリーゼ様の護衛も予て僕も一緒にと頼まれたんだよ」
「あの天然殿下も相変わらずだな」
ヨーデルの気遣いに感謝と苦笑をしているとザウデが見えてきた
「・・・此処に来るのも随分と久しぶりだね」
「ああ・・・」
見えてきたザウデを見てリアはぽつりと呟くと隣にいたユーリも小さく答えた
ザウデ不落宮、此処はリアやユーリ、そして此処にいる全員にとっても思い出のある場所だった
「・・・・」
「大丈夫か」
「うん。ちょっと思い出しちゃっただけだから」
リアはその時の事を思い出していたのかじっとザウデを見ていて、そんなリアに気が付きユーリが声を掛けるとリアは微笑んで答えた
フィエルティア号から降りてザウデの最深部に向けて歩いて行く
以前此処に来た時は通風孔から入ったが、今は何も障害がない為正面から入った
ザウデが停止していても海の中にある建物である事に変わりはないし魔物も多くいたが、それでも以前来た時に見た綺麗という感じはそのまま残っていた
「みんな戦力は落ちてないようだな」
「だね。と、そうだった」
アスラとフキはユーリ達の戦いを見て魔導器がなくてもやはり彼等は強いと思っているとアスラが何かを思い出し、リア達はアスラを見た
「これをみんなに渡しておかないとね」
「これは・・・」
「・・・勾玉?」
アスラとフキがユーリ達に渡したものは薄い翡翠色をした勾玉だった
「・・・何か力を感じる」
リアはユーリが持っている勾玉を見てそう言うとユーリ達もその勾玉から徐々にだが力を感じ始めた
「これは故郷で取れる石だな」
「ああ。持ち主に力を与える石だ」
「けど、どうしてこれを?」
「これから向かう場所は、何が待っているか解らない所だ」
「特にみんなは、魔導器があった時みたいな戦いが今出来ないでしょ」
「確かにね。まだこの辺りの魔物ならなんとかなるけど」
「凶暴な魔物が相手だったら今のボク達じゃ勝てないよね・・・」
魔導器があった頃はそう言った戦闘も苦なくこなしていたが、今はそうはいかない
魔導器が無くてもユーリ達は他の人達と比べると確かに強い
ユーリもフレンも子供の頃から剣の稽古をし、騎士団の入団試験や入団し立ての頃は魔導器を持っていなかったが、騎士団に入れる腕がありその後も自身の力と強さで戦った
勿論元騎士団の隊長だったレイヴンも、そしてギルドに所属しているカロルや元海精の牙の首領のパティも、魔導器を手に入れる前までは自身の力と強さで戦っていた
「そこでこの勾玉の出番なんだよ。もうみんなも感じてると思うけど、この勾玉は力を与えてくれて、人の潜在能力を引き出す事が出来るんだ」
「それ、魔導器に似てる・・・」
「けど違うのは一時的なものだ。この石は力を発揮するのは持ち主が手にした時のみ」
「持ち主に力を与えればこの石は何の力もなくなる」
「成る程ね。これがあればあの先に行けるって訳ね」
「そう言う事だ」
「けど、リアとセイとエステルは持っていないようだけれど」
ジュディスの言う通り、勾玉はリアとセイとエステル以外のみんなに手渡されたのだった
魔導器を使わずに戦えると言う意味では元から魔導器を使っていなかったジュディスも同じはず
「リア達にはこっちの勾玉を持っててもらう」
言ってフキが出したものは濃い翡翠色の勾玉だった
「綺麗ですね」
「ええ。けど、これって故郷で取れるものとは・・・」
違う気がする、と言い掛けたリアの言葉をアスラは小さく笑って制した
「ま、とにかくこれで化け物が相手でも平気って事だろ?」
「ああ。解ってると思うが、無くしたら効果はなくなるからな」
「落とさないようにしっかり持っててね」
「ええ」
リア達がそれぞれネックレスのように首に掛けたのを見るとアスラとフキは踵を返してユーリ達の間を抜け手を翳すと透明な壁が音を立てて崩れ、ザウデの最深部の床に転送術式が浮かび上がっているのが見えた
「見当たらんと思っとったら隠しておったのじゃな」
「念の為、な」
パティはそのまま走って行きリタも近くまで走って行ってザウデのモニターを開き操作し初め、ユーリ達はゆっくりとその術式の傍に向かった
「出来たわ。これで下に行けるわ」
リタの声を聞き皆それぞれ転送術式の上に乗るとそれが合図だったかのように術式が発動し、そのままゆっくりと下降して行った
「・・・着いた?」
「みたいだな・・・」
これ以上下降しないと思いリアがそう呟くとセイもぽつりとだが声を発した
「此処は・・・ザウデの下か?」
「そのようね」
が、辺りは薄暗く辛うじて多少の松明があるお陰でみんなの姿が見る事が出来た
「早く、早く行くのじゃ!」
「あ、待って! パティ!」
言うや否パティはそのまま駆け出しその後をエステルを先頭にユーリ達も続いて行った
大きな扉を抜けると吹き抜けになりいくつもの似た層になっているものが見えた
「ふわあ・・・でっかい石像。誰なんだろう」
カロルの言う通り、吹き抜けになっている丁度真ん中に一際大きな石像があった
「なんなんだよ、此処は・・・」
「楽園と言うよりは・・・何かの遺跡みたいね・・・」
「おいおい・・・ザウデの下にこんなもんがあったってのかよ?」
「世紀の大発見なのじゃ! きっとこの下にお宝が眠っているのじゃ!」
「あそこに何かある。なんだろう?」
フレンの言う方を見れば確かに何か文字が書かれている石盤のようなものがあった
「何か書いてあるの。 ・・・むむぅ、読めんのじゃ」
「古代ゲライオス文字ね」
「ええと・・・災厄に抗すべく力と命とを捧げし満月の子ら此処に眠る。かくて罪は贖われたり。その眠り安らかなるべし・・・」
「え・・?」
その言葉を聞きリアは目を瞠ってしまう
「確かザウデは満月の子の命で動いていたとデュークが言ってたな」
「ザウデは災厄、星喰みに対抗する為のものだった。て事は・・・」
「此処はその為に死んだ満月の子達のお墓って事?」
「此処が・・・」
「そうか、さっきからあの壁みたいな所、気になってた。何だろうって。あれ、お墓だったのね」
リタの言う方を見れば、確かに至る所に同じ模様をした壁があった
「此処の壁面、ずっと全部お墓みたいね」
「「「「「・・・・」」」」」
その言葉にリア、セイ、アスラ、フキ、エステルは少しだけ表情を変えていた
「で? 楽園ってのは何処に行ったのよ?」
「うーん・・・何処行っちゃったんだろ?」
「グランカレイは本当に此処を楽園だと言ったのかしら?」
「きっともっともっと下にあるのじゃ」
「ま、それも行ってみりゃ解るだろ」
「ワン」
「そうだね。行ってみよう」
言ってカロル達は辺りを見ながら歩き出した
「・・リア?」
が、ずっと黙って立ち止まっているリアを見てユーリとフレンは足を止めた
「どうしたんだ?」
「・・・・」
ゆっくりと顔を上げたリアは何処か切なそうな顔をしていた
「ユーリ、フレン、兄さん、アスラ、フキ、・・・あのね・・」
この場に残っているユーリ達の名を呼びリアはゆっくりと視線を前へと移し、ゆっくりと告げた
「・・私、この場所の事、知ってるの」
「「「「「!?」」」」」
意外な言葉にユーリ達は目を瞠ってリアを見た
「どういう、事だい?」
「ザウデで気を失った後、私、夢と精神世界で過去の記憶を見たの。ザウデの最深部と頂上で言霊使いと始祖の隷長、満月の子が話しをしてる所を」
「「!」」
その言葉を聞きアスラとフキが少しだけ目を瞠ったがリアはその事に気付かずそのまま目の前に見えるお墓に目を向けた
「この場所はその記憶で見た一部に出て来たの。多分、私が見た人達も・・・、此処に眠ってるんだよね・・・」
「・・そうだろうな」
セイの言葉を聞くとリアは目を閉じて何か考えた後セイとアスラとフキを見た
「ねえ兄さん、アスラ、フキ、」
リアは敢えてその先の言葉を言わなかったが、セイもアスラもフキもその先の言葉を解っていた
それを見てリアも微笑んでセイ達に答えユーリとフレンを見た
「ごめんね、ユーリ、フレン、待たせちゃって」
「いや。平気かい?」
「うん」
「じゃ、そろそろ行くか。あんま遅いとパティが先に行っちまうしな」
「うん」
言うとリア達は微笑んでそのまま歩き出した
「・・・フキ、アスラ、この場所は言霊使いの事も関係してるのか?」
リア達が少し離れたのを見るとセイは横目で二人を見て声を掛けた
「・・・多少は、な」
「ユーリ達とは別に渡した勾玉も関係あるって見て良いんだな」
「・・・まあね」
セイの言葉にアスラもフキも何かを思いながら答える
「・・・そうか」
アスラとフキの様子を見てセイはそう言うと行くぞと合図を出しリア達の後を追った
For paradise -楽園を求めて-(二話)
続く
あとがき
やっと望鏡の墓所に到着ー!!
そしてアスラとフキが渡した二種類の勾玉も気になる所ww
まあ魔導器ない状態であそこに乗り込もうって言う方がまず無理ですよねι
なので魔導器に近い勾玉を渡しました
この辺りも今後かなw
後はリアちゃんもちょっと思い出しちゃった事とかもありましたね~
此処は本編でちょっと書けなかった所なので、これも踏まえつつ今後色々と書きたいと思います
後はやっぱりセイ兄ちゃんは誰よりも早く何かに気付いてますね~!
此処の事はセイ兄ちゃんも知らないから気になる事は色々とあるんだろうけど
さて、次から色々と頑張って書かないとねι
2011.10.11
「成る程な・・・」
あれから数日後、リタ達はアスラとフキに言われた通りユーリやリア達に協力を頼んだ
リア達はリタ達の頼みだから、と快く協力をしてくれ、改めて日程を決めフィエルティア号に乗ってザウデ不落宮に向かっていた
「しっかし、楽園なんて言うのがホントにあったとはねぇ~」
「ホントだよね」
「あの本に載っていた十六夜の庭、ですよね」
「のじゃ」
「それにしても、フレンもエステルも良く来れたよな」
パティ達の話しを横目にセイはフレンとエステルに話しを振る
確かに現騎士団長のフレン、そして皇族補佐であるエステルは忙しい日々を送っている
「ザウデの調査を取り仕切ってるとは言っても、抜けてきて平気だったの?」
「はい。ヨーデルにこの話しをしたら、現地調査も必要だろうからと言ってくれて」
「それでエステリーゼ様の護衛も予て僕も一緒にと頼まれたんだよ」
「あの天然殿下も相変わらずだな」
ヨーデルの気遣いに感謝と苦笑をしているとザウデが見えてきた
「・・・此処に来るのも随分と久しぶりだね」
「ああ・・・」
見えてきたザウデを見てリアはぽつりと呟くと隣にいたユーリも小さく答えた
ザウデ不落宮、此処はリアやユーリ、そして此処にいる全員にとっても思い出のある場所だった
「・・・・」
「大丈夫か」
「うん。ちょっと思い出しちゃっただけだから」
リアはその時の事を思い出していたのかじっとザウデを見ていて、そんなリアに気が付きユーリが声を掛けるとリアは微笑んで答えた
フィエルティア号から降りてザウデの最深部に向けて歩いて行く
以前此処に来た時は通風孔から入ったが、今は何も障害がない為正面から入った
ザウデが停止していても海の中にある建物である事に変わりはないし魔物も多くいたが、それでも以前来た時に見た綺麗という感じはそのまま残っていた
「みんな戦力は落ちてないようだな」
「だね。と、そうだった」
アスラとフキはユーリ達の戦いを見て魔導器がなくてもやはり彼等は強いと思っているとアスラが何かを思い出し、リア達はアスラを見た
「これをみんなに渡しておかないとね」
「これは・・・」
「・・・勾玉?」
アスラとフキがユーリ達に渡したものは薄い翡翠色をした勾玉だった
「・・・何か力を感じる」
リアはユーリが持っている勾玉を見てそう言うとユーリ達もその勾玉から徐々にだが力を感じ始めた
「これは故郷で取れる石だな」
「ああ。持ち主に力を与える石だ」
「けど、どうしてこれを?」
「これから向かう場所は、何が待っているか解らない所だ」
「特にみんなは、魔導器があった時みたいな戦いが今出来ないでしょ」
「確かにね。まだこの辺りの魔物ならなんとかなるけど」
「凶暴な魔物が相手だったら今のボク達じゃ勝てないよね・・・」
魔導器があった頃はそう言った戦闘も苦なくこなしていたが、今はそうはいかない
魔導器が無くてもユーリ達は他の人達と比べると確かに強い
ユーリもフレンも子供の頃から剣の稽古をし、騎士団の入団試験や入団し立ての頃は魔導器を持っていなかったが、騎士団に入れる腕がありその後も自身の力と強さで戦った
勿論元騎士団の隊長だったレイヴンも、そしてギルドに所属しているカロルや元海精の牙の首領のパティも、魔導器を手に入れる前までは自身の力と強さで戦っていた
「そこでこの勾玉の出番なんだよ。もうみんなも感じてると思うけど、この勾玉は力を与えてくれて、人の潜在能力を引き出す事が出来るんだ」
「それ、魔導器に似てる・・・」
「けど違うのは一時的なものだ。この石は力を発揮するのは持ち主が手にした時のみ」
「持ち主に力を与えればこの石は何の力もなくなる」
「成る程ね。これがあればあの先に行けるって訳ね」
「そう言う事だ」
「けど、リアとセイとエステルは持っていないようだけれど」
ジュディスの言う通り、勾玉はリアとセイとエステル以外のみんなに手渡されたのだった
魔導器を使わずに戦えると言う意味では元から魔導器を使っていなかったジュディスも同じはず
「リア達にはこっちの勾玉を持っててもらう」
言ってフキが出したものは濃い翡翠色の勾玉だった
「綺麗ですね」
「ええ。けど、これって故郷で取れるものとは・・・」
違う気がする、と言い掛けたリアの言葉をアスラは小さく笑って制した
「ま、とにかくこれで化け物が相手でも平気って事だろ?」
「ああ。解ってると思うが、無くしたら効果はなくなるからな」
「落とさないようにしっかり持っててね」
「ええ」
リア達がそれぞれネックレスのように首に掛けたのを見るとアスラとフキは踵を返してユーリ達の間を抜け手を翳すと透明な壁が音を立てて崩れ、ザウデの最深部の床に転送術式が浮かび上がっているのが見えた
「見当たらんと思っとったら隠しておったのじゃな」
「念の為、な」
パティはそのまま走って行きリタも近くまで走って行ってザウデのモニターを開き操作し初め、ユーリ達はゆっくりとその術式の傍に向かった
「出来たわ。これで下に行けるわ」
リタの声を聞き皆それぞれ転送術式の上に乗るとそれが合図だったかのように術式が発動し、そのままゆっくりと下降して行った
「・・・着いた?」
「みたいだな・・・」
これ以上下降しないと思いリアがそう呟くとセイもぽつりとだが声を発した
「此処は・・・ザウデの下か?」
「そのようね」
が、辺りは薄暗く辛うじて多少の松明があるお陰でみんなの姿が見る事が出来た
「早く、早く行くのじゃ!」
「あ、待って! パティ!」
言うや否パティはそのまま駆け出しその後をエステルを先頭にユーリ達も続いて行った
大きな扉を抜けると吹き抜けになりいくつもの似た層になっているものが見えた
「ふわあ・・・でっかい石像。誰なんだろう」
カロルの言う通り、吹き抜けになっている丁度真ん中に一際大きな石像があった
「なんなんだよ、此処は・・・」
「楽園と言うよりは・・・何かの遺跡みたいね・・・」
「おいおい・・・ザウデの下にこんなもんがあったってのかよ?」
「世紀の大発見なのじゃ! きっとこの下にお宝が眠っているのじゃ!」
「あそこに何かある。なんだろう?」
フレンの言う方を見れば確かに何か文字が書かれている石盤のようなものがあった
「何か書いてあるの。 ・・・むむぅ、読めんのじゃ」
「古代ゲライオス文字ね」
「ええと・・・災厄に抗すべく力と命とを捧げし満月の子ら此処に眠る。かくて罪は贖われたり。その眠り安らかなるべし・・・」
「え・・?」
その言葉を聞きリアは目を瞠ってしまう
「確かザウデは満月の子の命で動いていたとデュークが言ってたな」
「ザウデは災厄、星喰みに対抗する為のものだった。て事は・・・」
「此処はその為に死んだ満月の子達のお墓って事?」
「此処が・・・」
「そうか、さっきからあの壁みたいな所、気になってた。何だろうって。あれ、お墓だったのね」
リタの言う方を見れば、確かに至る所に同じ模様をした壁があった
「此処の壁面、ずっと全部お墓みたいね」
「「「「「・・・・」」」」」
その言葉にリア、セイ、アスラ、フキ、エステルは少しだけ表情を変えていた
「で? 楽園ってのは何処に行ったのよ?」
「うーん・・・何処行っちゃったんだろ?」
「グランカレイは本当に此処を楽園だと言ったのかしら?」
「きっともっともっと下にあるのじゃ」
「ま、それも行ってみりゃ解るだろ」
「ワン」
「そうだね。行ってみよう」
言ってカロル達は辺りを見ながら歩き出した
「・・リア?」
が、ずっと黙って立ち止まっているリアを見てユーリとフレンは足を止めた
「どうしたんだ?」
「・・・・」
ゆっくりと顔を上げたリアは何処か切なそうな顔をしていた
「ユーリ、フレン、兄さん、アスラ、フキ、・・・あのね・・」
この場に残っているユーリ達の名を呼びリアはゆっくりと視線を前へと移し、ゆっくりと告げた
「・・私、この場所の事、知ってるの」
「「「「「!?」」」」」
意外な言葉にユーリ達は目を瞠ってリアを見た
「どういう、事だい?」
「ザウデで気を失った後、私、夢と精神世界で過去の記憶を見たの。ザウデの最深部と頂上で言霊使いと始祖の隷長、満月の子が話しをしてる所を」
「「!」」
その言葉を聞きアスラとフキが少しだけ目を瞠ったがリアはその事に気付かずそのまま目の前に見えるお墓に目を向けた
「この場所はその記憶で見た一部に出て来たの。多分、私が見た人達も・・・、此処に眠ってるんだよね・・・」
「・・そうだろうな」
セイの言葉を聞くとリアは目を閉じて何か考えた後セイとアスラとフキを見た
「ねえ兄さん、アスラ、フキ、」
リアは敢えてその先の言葉を言わなかったが、セイもアスラもフキもその先の言葉を解っていた
それを見てリアも微笑んでセイ達に答えユーリとフレンを見た
「ごめんね、ユーリ、フレン、待たせちゃって」
「いや。平気かい?」
「うん」
「じゃ、そろそろ行くか。あんま遅いとパティが先に行っちまうしな」
「うん」
言うとリア達は微笑んでそのまま歩き出した
「・・・フキ、アスラ、この場所は言霊使いの事も関係してるのか?」
リア達が少し離れたのを見るとセイは横目で二人を見て声を掛けた
「・・・多少は、な」
「ユーリ達とは別に渡した勾玉も関係あるって見て良いんだな」
「・・・まあね」
セイの言葉にアスラもフキも何かを思いながら答える
「・・・そうか」
アスラとフキの様子を見てセイはそう言うと行くぞと合図を出しリア達の後を追った
For paradise -楽園を求めて-(二話)
続く
あとがき
やっと望鏡の墓所に到着ー!!
そしてアスラとフキが渡した二種類の勾玉も気になる所ww
まあ魔導器ない状態であそこに乗り込もうって言う方がまず無理ですよねι
なので魔導器に近い勾玉を渡しました
この辺りも今後かなw
後はリアちゃんもちょっと思い出しちゃった事とかもありましたね~
此処は本編でちょっと書けなかった所なので、これも踏まえつつ今後色々と書きたいと思います
後はやっぱりセイ兄ちゃんは誰よりも早く何かに気付いてますね~!
此処の事はセイ兄ちゃんも知らないから気になる事は色々とあるんだろうけど
さて、次から色々と頑張って書かないとねι
2011.10.11