星喰み編
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翌朝、私達は魔導器のオブジェが飾ってある前に集まった
この街は最初に来た頃と比べると立派な街になったから、名前を付ける事になり、雪解けの光、という意味の『オルニオン』となった
街の名前が決まると同時にフレンとヨーデル様が私達の所やって来た
「いよいよだね」
「ああ、今度こそ本当の本当に最後の決戦だ」
「ウィチルとソディアはもう出発した。必ず間に合わせるそうだ」
「アテにしてるぜ」
「こっちもいつでも行ける。な? みんな」
「「うん」」「ああ」「うん!」「当然よ」「ワン!」
「バウルも待機してるわ」
「あとは飛んでくだけね」
「はい!」
それぞれ返事を返し、またヨーデル様とフレンに視線を戻す
「魔導器と精霊の件は、私達指導者は納得し、その後の方策を話し合いましたが全ての人々がこの変化を受け入れるのには時間が掛かると思います」
「そうですね・・・。戸惑う人は大勢いるでしょう」
「ですが、受け入れなければ新しい世界を生きていく事は出来ません」
「ああ。その通りだ」
「まずは此処にいる人達から話してみます。ただの野原から、このオルニオンという素晴らしい街を生み出した彼等なら・・・」
「ええ。きっと受け入れてくれるでしょう」
「頼むぜ、オレが言ったって誰も聞きゃしないからな」
「そんなことないです」
「エステリーゼ、それに皆さんも気を付けて」
エステルも私も兄さんも頷き、ユーリはそれを見て歩き出し私達もその後に続いた
「みんな、忙しい所すまない! ほんの一時、手を止め、ヨーデル殿下の話を聞いて欲しい」
「皆さん、今から大事な話をさせてもらいます。これは帝国にもギルドにも、この世界で生きる全ての人に関係ある事なんです・・・」
街の入り口まで来て少しだけヨーデル様達の様子を伺っていると、ヨーデル様とフレンの周りに街にいた人達が集まり、全員揃ったのを確認するとヨーデル様は話を始めた
「大丈夫かしら」
「あいつ等はオレ達を信じて送り出した。オレ達も信じようぜ」
「うん、そうだね」
「さぁ、オレ達はオレ達の仕事をこなさなきゃな。カロル、締めろ」
「うん」
ユーリの言葉にカロルは頷き、私達は全員カロルに向き合った
「みんな! 絶対成功させるよ! 凛々の明星、出発!」
「「おう」」「「ええ」」「はい!」「ほいさ」「「了解」」「ワン!」
カロルの言葉に私達は一斉に頷いて返事を返し、タルカロンを目指して行った
92.古代塔市 タルカロン
タルカロンに到着した私達は足場のある所に船をつけ、そして少し広くなっている所に降りて辺りを見渡した
「すげぇ、でかさだな」
「まさに天まで届けって感じだね」
「こんなのがアスピオの側に眠ってたなんて、色んな意味でショックだわ」
「あの周りに展開してるのが、生命力を吸収する術式です?」
エステルの言う方を見れば、このタルカロンを覆っているように描かれた術式があった
「・・・そうみたいね。まずいわ、結構早く組み上がってきてる」
「あまり時間は残されてないってか」
「ねえ、ボク等もやばいんじゃないの?」
「確かに全ての人間という事なら影響があっても可笑しくないけれど」
「それは心配ないよ」
「精霊の力が・・・わたし達を包んでくれています」
「あの術式の力より精霊の力が勝っている間は大丈夫なようね」
「バウルに乗ってビューって天辺に行く訳にいかないの?」
「バウルに影響がないとしても私達が耐えられ無いと思うわ」
「あんた、塔登るのが嫌なんでしょ」
「あったりめえよ、俺様を誰だと思ってんの」
「おっさんには悪いが歩きで登るしかねぇな」
「とほほ・・・」
「何が待ってるかわからねぇ。油断するなよ」
「うん」
私達は唯一の入り口と思われる目の前にある入り口へと向かった
中に入るとかなりの広さがあり、何処までも続く階段が幾つもあり、辺りには幾つもの魔刻が術式に覆われていて、更に中央にはザウデで見たものより遥かに巨大な魔刻があった
「うわぁ・・・」
「すげえな、これが全部、今まで土の下に埋まってたってのかよ」
「古代ゲライオス文明・・・本に書いてあったものよりずっと凄いです」
「なんだか変な感じね。星喰みに使うってくらいだから、これは兵器なんだろうけど、外からの眺めは都市みたいだった。都市を改造して兵器にしたのかな」
「これだけの規模ならさぞ大勢の人が暮らしていた事でしょうね」
「それが今じゃ、たった一人の男が全人類滅ぼす為に立て籠もってるだけってか」
「デュークか・・・出来ればやり合いたくないねえ。やっこさん、人魔戦争の時、既に大した英雄だった。今となっちゃどれほどの力を身に付けてる事やら」
「なぁに。デュークとケンカする前に星喰みを倒しちまえば良いんだよ」
「そうすればデュークだって人間を犠牲にする理由はなくなるもんね」
「そうだと良いけどねえ・・・」
そう言うものの、やっぱりレイヴンは浮かない顔をしている
確かにデュークとは戦った事がないし、そんな話を聞けば戦いたくないというのは解る
でもデュークの纏っているあの不思議な空気からして、彼が強いというのも解る
私も出来れば戦いたくはないけど、戦う事になるんだろうな・・・
*
タルカロン内部に入ってから数十分、だいぶ歩いて来たけど最上階に着くまでまだ道のりは長そうだ
今は外から見えていたあの都市らしき場所に来ていた
「高ーい。これ何処まで続いてるんだろう」
「バウルでも登った事ない高さね」
「落ちたらヤバイわね、これ」
「なら落ちてみるか?」
「ちょっと、セイ。洒落になってないわよぉ!」
「もっと上の方に行って落ちる方が危ないと思います」
「そうね。慎重に行かないとね」
やっと長い階段を登り追え、目の前に大きな扉が見え、ユーリと兄さんはその扉を開けた
そこは円上になった広場だったが、所々崩れていて足場が悪かった
「足場、最悪ね・・・」
「こんなんで敵さんと遭遇、ってのはやめてほしいわね」
「そんな事言ってると本当になっちまうぜ?」
壊れている足場を安全そうな所を見つけ、各々登っていると急に魔物の声が聞こえた
「・・・本当になっちゃったみたいだね」
声の聞こえた方を見ると、三体の魔物が私達目掛けて来ていた
私達は急いで武器を構え、それぞれ一番近い敵に向かって行った
ただ、足場が安全ではないので大技が使えないのが難点だ
「ちょっとツラいわね」
「大技出せないからね」
「でも、大技出したら足場が崩れかねないわ」
「地道に削ってくしかねえな」
「リア、エステル、回復頼んだ!」
「うん!」「はい!」
大技が使えなくて地道に削っていくとなると流石にエステル一人じゃ回復はキツイと判断し、兄さんは私にも声を掛けそのまま敵に向かって行く
ユーリとカロルに目を向けると一体を倒し、ジュディスとラピードの方も倒したようだった
この調子なら思ったより早く終わりそうだと思っていると、少しだけ足場が崩れた
ユーリ達もそれを感じ足を止めていると、魔物が雄叫びを上げて私達目掛けて来ていた
「ちょっ、この状況で来られたら!!」
「とりあえず安全な所に避難しろ!」
リタと兄さんの言葉に私達はそれぞれ安全そうな足場に移動する
そしてさっきまで私達がいた所に魔物が到着すると同時に床が抜け落ち、魔物はそのまま落ちていった
「・・・ふぅ、これで一安し・・」
ガラッ
「え?」
カロルが大きく息を吐き、私達も安堵の息を吐いていると何かが崩れる音が聞こえ、
「「「「きゃあぁぁっ」」」」「「うわぁっ」」「「うわあぁぁぁぁ」」「おわわわっ」「わうぅぅっ」
そしてあの魔物がいた所の床が抜けた所為で、他の所にもその影響があたり私達が避難した所も崩れ、私達もそのまま下へと落ちて行ってしまった
続く
あとがき
遂にラスダンに突入しました!
が、なにやらとんでもない展開に(笑)
目標100話まで行きたいからちょっとオリジナル含めようと思ったのでι
にしてもだ・・・うーん、やっぱスランプ入ったかなぁ?
上手く書けない・・・ι
次回は落ちたそれぞれの話になると思います
では
下書き:2009.07.28
完成:2009.08.22
この街は最初に来た頃と比べると立派な街になったから、名前を付ける事になり、雪解けの光、という意味の『オルニオン』となった
街の名前が決まると同時にフレンとヨーデル様が私達の所やって来た
「いよいよだね」
「ああ、今度こそ本当の本当に最後の決戦だ」
「ウィチルとソディアはもう出発した。必ず間に合わせるそうだ」
「アテにしてるぜ」
「こっちもいつでも行ける。な? みんな」
「「うん」」「ああ」「うん!」「当然よ」「ワン!」
「バウルも待機してるわ」
「あとは飛んでくだけね」
「はい!」
それぞれ返事を返し、またヨーデル様とフレンに視線を戻す
「魔導器と精霊の件は、私達指導者は納得し、その後の方策を話し合いましたが全ての人々がこの変化を受け入れるのには時間が掛かると思います」
「そうですね・・・。戸惑う人は大勢いるでしょう」
「ですが、受け入れなければ新しい世界を生きていく事は出来ません」
「ああ。その通りだ」
「まずは此処にいる人達から話してみます。ただの野原から、このオルニオンという素晴らしい街を生み出した彼等なら・・・」
「ええ。きっと受け入れてくれるでしょう」
「頼むぜ、オレが言ったって誰も聞きゃしないからな」
「そんなことないです」
「エステリーゼ、それに皆さんも気を付けて」
エステルも私も兄さんも頷き、ユーリはそれを見て歩き出し私達もその後に続いた
「みんな、忙しい所すまない! ほんの一時、手を止め、ヨーデル殿下の話を聞いて欲しい」
「皆さん、今から大事な話をさせてもらいます。これは帝国にもギルドにも、この世界で生きる全ての人に関係ある事なんです・・・」
街の入り口まで来て少しだけヨーデル様達の様子を伺っていると、ヨーデル様とフレンの周りに街にいた人達が集まり、全員揃ったのを確認するとヨーデル様は話を始めた
「大丈夫かしら」
「あいつ等はオレ達を信じて送り出した。オレ達も信じようぜ」
「うん、そうだね」
「さぁ、オレ達はオレ達の仕事をこなさなきゃな。カロル、締めろ」
「うん」
ユーリの言葉にカロルは頷き、私達は全員カロルに向き合った
「みんな! 絶対成功させるよ! 凛々の明星、出発!」
「「おう」」「「ええ」」「はい!」「ほいさ」「「了解」」「ワン!」
カロルの言葉に私達は一斉に頷いて返事を返し、タルカロンを目指して行った
92.古代塔市 タルカロン
タルカロンに到着した私達は足場のある所に船をつけ、そして少し広くなっている所に降りて辺りを見渡した
「すげぇ、でかさだな」
「まさに天まで届けって感じだね」
「こんなのがアスピオの側に眠ってたなんて、色んな意味でショックだわ」
「あの周りに展開してるのが、生命力を吸収する術式です?」
エステルの言う方を見れば、このタルカロンを覆っているように描かれた術式があった
「・・・そうみたいね。まずいわ、結構早く組み上がってきてる」
「あまり時間は残されてないってか」
「ねえ、ボク等もやばいんじゃないの?」
「確かに全ての人間という事なら影響があっても可笑しくないけれど」
「それは心配ないよ」
「精霊の力が・・・わたし達を包んでくれています」
「あの術式の力より精霊の力が勝っている間は大丈夫なようね」
「バウルに乗ってビューって天辺に行く訳にいかないの?」
「バウルに影響がないとしても私達が耐えられ無いと思うわ」
「あんた、塔登るのが嫌なんでしょ」
「あったりめえよ、俺様を誰だと思ってんの」
「おっさんには悪いが歩きで登るしかねぇな」
「とほほ・・・」
「何が待ってるかわからねぇ。油断するなよ」
「うん」
私達は唯一の入り口と思われる目の前にある入り口へと向かった
中に入るとかなりの広さがあり、何処までも続く階段が幾つもあり、辺りには幾つもの魔刻が術式に覆われていて、更に中央にはザウデで見たものより遥かに巨大な魔刻があった
「うわぁ・・・」
「すげえな、これが全部、今まで土の下に埋まってたってのかよ」
「古代ゲライオス文明・・・本に書いてあったものよりずっと凄いです」
「なんだか変な感じね。星喰みに使うってくらいだから、これは兵器なんだろうけど、外からの眺めは都市みたいだった。都市を改造して兵器にしたのかな」
「これだけの規模ならさぞ大勢の人が暮らしていた事でしょうね」
「それが今じゃ、たった一人の男が全人類滅ぼす為に立て籠もってるだけってか」
「デュークか・・・出来ればやり合いたくないねえ。やっこさん、人魔戦争の時、既に大した英雄だった。今となっちゃどれほどの力を身に付けてる事やら」
「なぁに。デュークとケンカする前に星喰みを倒しちまえば良いんだよ」
「そうすればデュークだって人間を犠牲にする理由はなくなるもんね」
「そうだと良いけどねえ・・・」
そう言うものの、やっぱりレイヴンは浮かない顔をしている
確かにデュークとは戦った事がないし、そんな話を聞けば戦いたくないというのは解る
でもデュークの纏っているあの不思議な空気からして、彼が強いというのも解る
私も出来れば戦いたくはないけど、戦う事になるんだろうな・・・
*
タルカロン内部に入ってから数十分、だいぶ歩いて来たけど最上階に着くまでまだ道のりは長そうだ
今は外から見えていたあの都市らしき場所に来ていた
「高ーい。これ何処まで続いてるんだろう」
「バウルでも登った事ない高さね」
「落ちたらヤバイわね、これ」
「なら落ちてみるか?」
「ちょっと、セイ。洒落になってないわよぉ!」
「もっと上の方に行って落ちる方が危ないと思います」
「そうね。慎重に行かないとね」
やっと長い階段を登り追え、目の前に大きな扉が見え、ユーリと兄さんはその扉を開けた
そこは円上になった広場だったが、所々崩れていて足場が悪かった
「足場、最悪ね・・・」
「こんなんで敵さんと遭遇、ってのはやめてほしいわね」
「そんな事言ってると本当になっちまうぜ?」
壊れている足場を安全そうな所を見つけ、各々登っていると急に魔物の声が聞こえた
「・・・本当になっちゃったみたいだね」
声の聞こえた方を見ると、三体の魔物が私達目掛けて来ていた
私達は急いで武器を構え、それぞれ一番近い敵に向かって行った
ただ、足場が安全ではないので大技が使えないのが難点だ
「ちょっとツラいわね」
「大技出せないからね」
「でも、大技出したら足場が崩れかねないわ」
「地道に削ってくしかねえな」
「リア、エステル、回復頼んだ!」
「うん!」「はい!」
大技が使えなくて地道に削っていくとなると流石にエステル一人じゃ回復はキツイと判断し、兄さんは私にも声を掛けそのまま敵に向かって行く
ユーリとカロルに目を向けると一体を倒し、ジュディスとラピードの方も倒したようだった
この調子なら思ったより早く終わりそうだと思っていると、少しだけ足場が崩れた
ユーリ達もそれを感じ足を止めていると、魔物が雄叫びを上げて私達目掛けて来ていた
「ちょっ、この状況で来られたら!!」
「とりあえず安全な所に避難しろ!」
リタと兄さんの言葉に私達はそれぞれ安全そうな足場に移動する
そしてさっきまで私達がいた所に魔物が到着すると同時に床が抜け落ち、魔物はそのまま落ちていった
「・・・ふぅ、これで一安し・・」
ガラッ
「え?」
カロルが大きく息を吐き、私達も安堵の息を吐いていると何かが崩れる音が聞こえ、
「「「「きゃあぁぁっ」」」」「「うわぁっ」」「「うわあぁぁぁぁ」」「おわわわっ」「わうぅぅっ」
そしてあの魔物がいた所の床が抜けた所為で、他の所にもその影響があたり私達が避難した所も崩れ、私達もそのまま下へと落ちて行ってしまった
続く
あとがき
遂にラスダンに突入しました!
が、なにやらとんでもない展開に(笑)
目標100話まで行きたいからちょっとオリジナル含めようと思ったのでι
にしてもだ・・・うーん、やっぱスランプ入ったかなぁ?
上手く書けない・・・ι
次回は落ちたそれぞれの話になると思います
では
下書き:2009.07.28
完成:2009.08.22