星喰み編
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あの後街に戻ると、リタとウィチル君が解決策を見つけたようだった
魔刻のネットワークの方はウィチル君が他のアスピオの人達と何とかする事になり、私達はデュークと星喰みの方を優先する事が出来るようになった
そして今日は明日の決戦に向けて、早く休む事になった
91.決戦前夜
夜、みんな明日の事を考えているのか眠れず各々好きな場所に行っていた
私もまだ気持ちが高まっていて眠れないのもあるけど、何より星喰みを抑えている力の事で話す事があると言われ、兄さんの部屋に来ていた
「・・・大方は話した通りだ。精霊化の時みたいに生命力を代用ってのはないが、それなりに負担は掛かる」
「ただ、一番の問題は、あの力を解放しなきゃいけないって事なんだよ」
「あの力を・・・」
あの力・・・私の中に眠る言霊使いの稀な力、ザウデや星喰みを抑えていたあの異常なまでに強い力を解放・・・
「その力を解放して、星喰みと精霊とボク達式神の力とセイの言霊使いの力を共鳴させる事で、力は消える」
「勿論神将全員の力が必要になるから、そん時は全員揃うが・・・」
「・・・お前が一番ツライのは解ってる。けど、これが星喰みを抑える力から解放される唯一の方法なんだ」
「・・・・・」
アスラとフキと兄さんの言葉に一瞬黙ってしまう
兄さん達もあの力の威力を十分に知っている
けど、それで星喰みも無くなり力も無くなるならやるしかない
「・・・怖いか?」
「・・・うん、あの力の威力はもう知ってるし、脳が使うな、って言ってるの」
「・・・」
「でもね、みんながいるから大丈夫。ユーリやフレン、エステルにカロル、リタ、ジュディス、レイヴン、ラピード」
私はそこで言葉を切って兄さん達に目を向ける
「それに兄さんにアスラ、フキ、イサキや式神達、下町や故郷のみんながいるから。だから、私は大丈夫」
私は決意の籠もった声で言い、ニコリと笑って答えると兄さん達はきょとんとして笑い出した
「はは、そうか」
「そうだよな、リアはそういう奴だったな」
「え? なに?」
「いや」
そう言って兄さんとフキは私の頭を撫で、私は疑問符を出しているとアスラが苦笑していた
「俺達の話しは此処までだ」
「後は寝るなり散歩してくるなり好きにしてきて良いぜ」
「ボク達はもう少し話してるから」
「うん、解った。じゃあお休みなさい」
「ああ」「「お休み」」
そう言って兄さんの部屋から出ると、そのまま外へ向かった
外に出ると気持ちの良い風が吹いていて空には綺麗な夜空が広がっていた
なんだか寝るにはまだ勿体ない気がして、街の外れにある小さな丘へと向かった
空には星喰みが漂っているにも関わらず、此処だけは綺麗に星が見えた
「・・・こんなに綺麗なものを壊しちゃうなんて・・・」
デュークの事を考えれば、確かに人を信用出来なくなるし、友が好きな世界を、守りぬいた世界を守ろうとするのも解る
だけど、人の命と引き替えに、というのはあまりにもヒドすぎる
アレクセイとはやり方が違うにしろ、黙って事を運んでいるのには変わりない
ただ、世界を壊そうとしているのは空に漂っている星喰みだ
「・・・星喰みは、始祖の隷長の成れの果て・・・」
世界を守ろうとしてエアルを体内に取り込み過ぎて、制御が効かなくなったモノ、それが星喰み
「なら、尚更彼等も救ってあげなきゃ・・・」
(姫・・・)
そう思っていると、ふと声が聞こえ不思議な力を感じた
そしてそれは私の前に姿を現した
「ウンディーネ、イフリート、それにシルフにノーム!」
私の前に現れたのは四大精霊達だった
「どうして此処に?」
「タルカロンに行く前に、話さなければならない事があります」
「話し?」
「とても大事な事です」
ウンディーネの言葉に私は息を飲んで精霊達を見た
「姫、ずっと気になっていた事はないか?」
「気になっている事・・・?」
そう言われ出てくる事は二つ、
「聖核を見た時に切なくなって胸が締め付けられる感じがしたり、変に心臓が脈打ったり・・・後は、エルシフルって言葉が妙に引っかかるの・・・」
私の言葉を聞くと精霊達は少しだけ黙ってゆっくりと口を開いた
「・・・それは全て繋がっている事なのです」
「繋がってる・・・?」
「姫の魂には、始祖の隷長の長エルシフルの魂が宿っているのです」
「!」
「人魔戦争の後、何処かで姫の魂とエルシフルの魂が一緒になってしまったのだろう」
「妾達もその事実を知った時は驚いた」
「・・・だから聖核を見た時に胸が締め付けられたのね」
「ええ。そして彼も、その事実を知った時は驚いていました」
「それって・・・デュークの事?」
「はい。デュークはずっと始祖の隷長に身を寄せていましたから」
これで納得がいった
デュークがいつも私を見る時、何処か悲しそうな寂しそうな目をしていたのは私の中に眠るエルシフルの魂を見ていたからだった
「そっか・・・でも、どうして・・・?」
「姫の中に眠るあの力には、エルシフルの力が交ざっている」
「! じゃあ、あの異常な力は・・・」
「言霊使いの稀な力だが、エルシフルの力が交ざっていて、とてつもない力を発揮する」
「それは既に体験済みでしょう?」
ザウデでアレクセイにその力を解放され、自分でも制御が効かなくなったのは今でも覚えている
「式神も言っておったが、あの力を解放するという事はまた姫に負担が掛かる」
「だから先に話しておきたかったのだ」
「・・・・」
一気に真実を知ってどう答えたら良いものか、と思っているとキュオォンと鳴いてノームが私にすり寄って来た
元気を出せ、というような顔をして私を見てまたすり寄った
「姫・・・」
「大丈夫よ。ウンディーネ、イフリート、シルフ、ちゃんと話してくれてありがとう」
ニコリと笑って答えると、ウンディーネ達は少し驚き、そして小さく笑った
「流石、エルシフルの魂を秘めし姫ですね」
「エルシフルが姫に宿ったのも解る気がする」
「え・・・?」
「こちらの話しだ」
さっき兄さん達と話した時と同じような光景になって、更に疑問符を出しているとノームが私の腕の中に飛び込んで来た
「どうやらノーム殿は姫の腕の中が気に入ったようじゃの」
「キュオォォン」
そうだ、と答えんばかりにノームは鳴き、私は小さく笑って精霊達を見た
「ウンディーネ、イフリート、シルフ、ノーム、明日は色々と迷惑掛けるかもしれないけど、よろしくね」
「「承知」」「はい」
その返事を聞くと、ウンディーネとイフリートとシルフは姿を消した
「キュォォン」
「ん? どうしたの?」
ノームに聞き返すと、さっきの返事を返すように鳴いた
「・・・うん、頑張ろうね」
「お姫様、発見」
そう声が聞こえ振り返ると、ユーリがこっちに向かって来ていた
「ユーリ。どうしたの?」
「いや、ちょっとふらつていてたらリアが見えて・・って、それノームか?」
「うん。あ、・・・寝ちゃってる」
腕の中にいるノームを見ると小さな寝息を立てて気持ち良さそうに眠っていた
「何でこんなとこにいんだ?」
「さっきまで精霊達と話してたから」
「精霊達と?」
「うん。明日の事とか色々ね」
そう言って私は地面に座るとユーリも隣に座った
「此処だけ星出てんだな」
「うん、綺麗だから見てたの」
夜空に星が出ていても、星喰みが漂っていてこんなに綺麗な星空は見れなかった
暫く星空を眺めて、私はゆっくりと口を開いた
「・・・なんだか不思議よね」
「ん?」
「最初は水道魔導器の魔刻を取り戻す事だったのに、それから色々と遭って・・・」
「ああ、正直世界まで絡んでくるとは思ってなかったけどな・・・。けど、オレは旅に出られて良かったと思うぜ。色んなもん見れて、色んな奴と出会えたしな」
「みんなとも出会えたしね」
「ああ」
みんなと出会って色々な事があって、出会った頃と比べると本当にみんな成長した
「ユーリもフレンも変わったよね」
「ん? そうか?」
「うん。でも光と影な所は変わらないけど」
「光と影?」
「フレンが光でユーリが影」
表で何でもやるフレン、それとは別にフレンが出来ない事をやるユーリ、二人は光と影だといつも思っていた
「ならリアとセイはオレ達を照らす太陽と月だな」
「え?」
「セイが太陽でリアが月だ」
「光と影、太陽に月・・・そうかもね」
その言葉の意味を考え納得して微笑んでいるとユーリがぽつりと呟いた
「そういや、力の方は大丈夫なのか?」
「うん、なんとかなりそう。だけどかなり負担は掛かるし、何よりあの力を解放しなきゃいけないんだって」
「あの力って・・・まさか!」
その言葉でユーリは直ぐにあの力の事だと気が付き、私は頷いた
「負担掛かってる上に更に負担掛けるってのか」
「うん。詳しくは明日兄さん達が話してくれるけど、あの力は周りにも私自身にも凄く強い力だから、使っちゃいけないものだと思うの」
「けど、使わねえと星喰みもそれを抑える力も消えねえ」
「うん」
ユーリの言葉に静かに答えて頷くと、ユーリは少しだけ黙って私を見た
「・・・えらい冷静だな。怖くないのか?」
「怖いよ。あの力は自分でも制御出来ない程だし。でも、ユーリや兄さん、信頼出来る仲間とアスラ達式神がいるし、私達の事を待ってくれるフレンやイサキ、下町や故郷のみんな、世界中の人達がいるから怖くないよ」
ニコリと笑って言うとユーリは驚いて目を見開らき、少し間を置いて小さく笑った
「ははははっ」
「え? 何で笑うの?」
「いや、リアらしいと思ってな」
ユーリは笑いながら私の頭に手を乗せた
「・・・兄さん達も同じ反応だったんだけど」
「そうだろうな」
そして満足そうに笑って私の頭を撫で、真剣な表情をして私を見た
「明日、全てにケリ付けようぜ」
「うん。決着付けようね」
そう、明日で全て決着が付く
世界の事も、デュークの事も、星喰みの事も、そして、私の力の事も・・・
「明日は、頑張ろうね」
「ああ」
続く
あとがき
全員は流石に無理だったので、肝心な人達との会話だけ書いてみました
精霊達との会話はすんなり書けたんだけど、何でかセイ兄達とユーリが書きづらかったι
でも重要な所は書けたし、リアちゃんの力の原因も解ったし、いっか!(開き直った(笑))
さて、星喰み編もいよいよ架橋です!
次回はいよいよラスダンであるタルカロンに乗り込みます!
此処、かなり広い所だから長い話しをいれてみようかな~とか思ってます
では!
下書き:2009.01.18
完成:2009.08.20
魔刻のネットワークの方はウィチル君が他のアスピオの人達と何とかする事になり、私達はデュークと星喰みの方を優先する事が出来るようになった
そして今日は明日の決戦に向けて、早く休む事になった
91.決戦前夜
夜、みんな明日の事を考えているのか眠れず各々好きな場所に行っていた
私もまだ気持ちが高まっていて眠れないのもあるけど、何より星喰みを抑えている力の事で話す事があると言われ、兄さんの部屋に来ていた
「・・・大方は話した通りだ。精霊化の時みたいに生命力を代用ってのはないが、それなりに負担は掛かる」
「ただ、一番の問題は、あの力を解放しなきゃいけないって事なんだよ」
「あの力を・・・」
あの力・・・私の中に眠る言霊使いの稀な力、ザウデや星喰みを抑えていたあの異常なまでに強い力を解放・・・
「その力を解放して、星喰みと精霊とボク達式神の力とセイの言霊使いの力を共鳴させる事で、力は消える」
「勿論神将全員の力が必要になるから、そん時は全員揃うが・・・」
「・・・お前が一番ツライのは解ってる。けど、これが星喰みを抑える力から解放される唯一の方法なんだ」
「・・・・・」
アスラとフキと兄さんの言葉に一瞬黙ってしまう
兄さん達もあの力の威力を十分に知っている
けど、それで星喰みも無くなり力も無くなるならやるしかない
「・・・怖いか?」
「・・・うん、あの力の威力はもう知ってるし、脳が使うな、って言ってるの」
「・・・」
「でもね、みんながいるから大丈夫。ユーリやフレン、エステルにカロル、リタ、ジュディス、レイヴン、ラピード」
私はそこで言葉を切って兄さん達に目を向ける
「それに兄さんにアスラ、フキ、イサキや式神達、下町や故郷のみんながいるから。だから、私は大丈夫」
私は決意の籠もった声で言い、ニコリと笑って答えると兄さん達はきょとんとして笑い出した
「はは、そうか」
「そうだよな、リアはそういう奴だったな」
「え? なに?」
「いや」
そう言って兄さんとフキは私の頭を撫で、私は疑問符を出しているとアスラが苦笑していた
「俺達の話しは此処までだ」
「後は寝るなり散歩してくるなり好きにしてきて良いぜ」
「ボク達はもう少し話してるから」
「うん、解った。じゃあお休みなさい」
「ああ」「「お休み」」
そう言って兄さんの部屋から出ると、そのまま外へ向かった
外に出ると気持ちの良い風が吹いていて空には綺麗な夜空が広がっていた
なんだか寝るにはまだ勿体ない気がして、街の外れにある小さな丘へと向かった
空には星喰みが漂っているにも関わらず、此処だけは綺麗に星が見えた
「・・・こんなに綺麗なものを壊しちゃうなんて・・・」
デュークの事を考えれば、確かに人を信用出来なくなるし、友が好きな世界を、守りぬいた世界を守ろうとするのも解る
だけど、人の命と引き替えに、というのはあまりにもヒドすぎる
アレクセイとはやり方が違うにしろ、黙って事を運んでいるのには変わりない
ただ、世界を壊そうとしているのは空に漂っている星喰みだ
「・・・星喰みは、始祖の隷長の成れの果て・・・」
世界を守ろうとしてエアルを体内に取り込み過ぎて、制御が効かなくなったモノ、それが星喰み
「なら、尚更彼等も救ってあげなきゃ・・・」
(姫・・・)
そう思っていると、ふと声が聞こえ不思議な力を感じた
そしてそれは私の前に姿を現した
「ウンディーネ、イフリート、それにシルフにノーム!」
私の前に現れたのは四大精霊達だった
「どうして此処に?」
「タルカロンに行く前に、話さなければならない事があります」
「話し?」
「とても大事な事です」
ウンディーネの言葉に私は息を飲んで精霊達を見た
「姫、ずっと気になっていた事はないか?」
「気になっている事・・・?」
そう言われ出てくる事は二つ、
「聖核を見た時に切なくなって胸が締め付けられる感じがしたり、変に心臓が脈打ったり・・・後は、エルシフルって言葉が妙に引っかかるの・・・」
私の言葉を聞くと精霊達は少しだけ黙ってゆっくりと口を開いた
「・・・それは全て繋がっている事なのです」
「繋がってる・・・?」
「姫の魂には、始祖の隷長の長エルシフルの魂が宿っているのです」
「!」
「人魔戦争の後、何処かで姫の魂とエルシフルの魂が一緒になってしまったのだろう」
「妾達もその事実を知った時は驚いた」
「・・・だから聖核を見た時に胸が締め付けられたのね」
「ええ。そして彼も、その事実を知った時は驚いていました」
「それって・・・デュークの事?」
「はい。デュークはずっと始祖の隷長に身を寄せていましたから」
これで納得がいった
デュークがいつも私を見る時、何処か悲しそうな寂しそうな目をしていたのは私の中に眠るエルシフルの魂を見ていたからだった
「そっか・・・でも、どうして・・・?」
「姫の中に眠るあの力には、エルシフルの力が交ざっている」
「! じゃあ、あの異常な力は・・・」
「言霊使いの稀な力だが、エルシフルの力が交ざっていて、とてつもない力を発揮する」
「それは既に体験済みでしょう?」
ザウデでアレクセイにその力を解放され、自分でも制御が効かなくなったのは今でも覚えている
「式神も言っておったが、あの力を解放するという事はまた姫に負担が掛かる」
「だから先に話しておきたかったのだ」
「・・・・」
一気に真実を知ってどう答えたら良いものか、と思っているとキュオォンと鳴いてノームが私にすり寄って来た
元気を出せ、というような顔をして私を見てまたすり寄った
「姫・・・」
「大丈夫よ。ウンディーネ、イフリート、シルフ、ちゃんと話してくれてありがとう」
ニコリと笑って答えると、ウンディーネ達は少し驚き、そして小さく笑った
「流石、エルシフルの魂を秘めし姫ですね」
「エルシフルが姫に宿ったのも解る気がする」
「え・・・?」
「こちらの話しだ」
さっき兄さん達と話した時と同じような光景になって、更に疑問符を出しているとノームが私の腕の中に飛び込んで来た
「どうやらノーム殿は姫の腕の中が気に入ったようじゃの」
「キュオォォン」
そうだ、と答えんばかりにノームは鳴き、私は小さく笑って精霊達を見た
「ウンディーネ、イフリート、シルフ、ノーム、明日は色々と迷惑掛けるかもしれないけど、よろしくね」
「「承知」」「はい」
その返事を聞くと、ウンディーネとイフリートとシルフは姿を消した
「キュォォン」
「ん? どうしたの?」
ノームに聞き返すと、さっきの返事を返すように鳴いた
「・・・うん、頑張ろうね」
「お姫様、発見」
そう声が聞こえ振り返ると、ユーリがこっちに向かって来ていた
「ユーリ。どうしたの?」
「いや、ちょっとふらつていてたらリアが見えて・・って、それノームか?」
「うん。あ、・・・寝ちゃってる」
腕の中にいるノームを見ると小さな寝息を立てて気持ち良さそうに眠っていた
「何でこんなとこにいんだ?」
「さっきまで精霊達と話してたから」
「精霊達と?」
「うん。明日の事とか色々ね」
そう言って私は地面に座るとユーリも隣に座った
「此処だけ星出てんだな」
「うん、綺麗だから見てたの」
夜空に星が出ていても、星喰みが漂っていてこんなに綺麗な星空は見れなかった
暫く星空を眺めて、私はゆっくりと口を開いた
「・・・なんだか不思議よね」
「ん?」
「最初は水道魔導器の魔刻を取り戻す事だったのに、それから色々と遭って・・・」
「ああ、正直世界まで絡んでくるとは思ってなかったけどな・・・。けど、オレは旅に出られて良かったと思うぜ。色んなもん見れて、色んな奴と出会えたしな」
「みんなとも出会えたしね」
「ああ」
みんなと出会って色々な事があって、出会った頃と比べると本当にみんな成長した
「ユーリもフレンも変わったよね」
「ん? そうか?」
「うん。でも光と影な所は変わらないけど」
「光と影?」
「フレンが光でユーリが影」
表で何でもやるフレン、それとは別にフレンが出来ない事をやるユーリ、二人は光と影だといつも思っていた
「ならリアとセイはオレ達を照らす太陽と月だな」
「え?」
「セイが太陽でリアが月だ」
「光と影、太陽に月・・・そうかもね」
その言葉の意味を考え納得して微笑んでいるとユーリがぽつりと呟いた
「そういや、力の方は大丈夫なのか?」
「うん、なんとかなりそう。だけどかなり負担は掛かるし、何よりあの力を解放しなきゃいけないんだって」
「あの力って・・・まさか!」
その言葉でユーリは直ぐにあの力の事だと気が付き、私は頷いた
「負担掛かってる上に更に負担掛けるってのか」
「うん。詳しくは明日兄さん達が話してくれるけど、あの力は周りにも私自身にも凄く強い力だから、使っちゃいけないものだと思うの」
「けど、使わねえと星喰みもそれを抑える力も消えねえ」
「うん」
ユーリの言葉に静かに答えて頷くと、ユーリは少しだけ黙って私を見た
「・・・えらい冷静だな。怖くないのか?」
「怖いよ。あの力は自分でも制御出来ない程だし。でも、ユーリや兄さん、信頼出来る仲間とアスラ達式神がいるし、私達の事を待ってくれるフレンやイサキ、下町や故郷のみんな、世界中の人達がいるから怖くないよ」
ニコリと笑って言うとユーリは驚いて目を見開らき、少し間を置いて小さく笑った
「ははははっ」
「え? 何で笑うの?」
「いや、リアらしいと思ってな」
ユーリは笑いながら私の頭に手を乗せた
「・・・兄さん達も同じ反応だったんだけど」
「そうだろうな」
そして満足そうに笑って私の頭を撫で、真剣な表情をして私を見た
「明日、全てにケリ付けようぜ」
「うん。決着付けようね」
そう、明日で全て決着が付く
世界の事も、デュークの事も、星喰みの事も、そして、私の力の事も・・・
「明日は、頑張ろうね」
「ああ」
続く
あとがき
全員は流石に無理だったので、肝心な人達との会話だけ書いてみました
精霊達との会話はすんなり書けたんだけど、何でかセイ兄達とユーリが書きづらかったι
でも重要な所は書けたし、リアちゃんの力の原因も解ったし、いっか!(開き直った(笑))
さて、星喰み編もいよいよ架橋です!
次回はいよいよラスダンであるタルカロンに乗り込みます!
此処、かなり広い所だから長い話しをいれてみようかな~とか思ってます
では!
下書き:2009.01.18
完成:2009.08.20