星喰み編
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ノール港に着くと街は閑散としていた
みんなあの空の所為やエフミドの丘が通れなくなったから他の街に移動したのかもしれない
リタとエステルはそのまま買い出しに行き、兄さんとアスラは情報収集に向かい、私達は先に宿屋に向かう事にした
部屋に付くとユーリは壁に寄り掛り、カロルがその前にいてその隣にラピード、そしてベッドの上にレイヴンが胡座を掻いて座り、私は隣のベッドに腰掛けユーリ達の話しを聞いていた
「ティグルさんちも避難したらしいよ」
「エフミドの丘が通れるようになったとしても頭の上があれじゃあな」
扉が開く音が聞こえ、エステルとリタが紙袋に荷物を沢山入れて抱えて戻って来た
「こんな時でも港町はやっぱり物があるわね。お陰でなんとかなりそうだわ」
「何買って来たんだ?」
「術式紋章ひと揃えと・・・筐体パーツです」
「何しようってのよ?」
「精霊の力を収束する為の装置を作ってるの。即席の宙の戒典をね」
「宙の戒典かぁ・・・。デューク、今頃何してるんだろうね」
「さぁな・・・あいつ、相当思い詰めてた感じだったが・・・」
「うん・・・」
別れ際に見たデュークの目は本当に寂しそうな目をしていた
でもその目はいつも以上に悲しみに満ちた目だった
「・・・・」
あの目は私になのか、それとも私達になのか、それとも・・・
そう思っていると、急に地響きが鳴った
「な、何!?」
私達は急いで立ち上がって外に向かいだし、リタとエステルも荷物を置いて私達の後を追った
外に出ると、そこには遠くの空を見つめている兄さんとアスラとジュディスがいた
「兄さん、アスラ、ジュディス!」
「何が遭った?」
「ちょっと! あっちってアスピオの方じゃない!」
兄さん達の視線の先を見ると確かにアスピオの方で何かが起き始めていた
「な、何が始まるの!?」
次第に地響きは強くなっていき、アスピオの周りの山は崩れ、そして大きな街のような建物の様な物が姿を現し、徐々に浮上していった
「・・・・」
私達はそれを見て言葉を無くした
「あれじゃ、アスピオは・・・」
「あの馬鹿でかいのは何よ!?」
「あれは・・・」
「タルカロン・・・」「タル・・・カロン・・・」
「え?」
そう答えたのはアスラとエステルだった
「あれはタルカロンの塔、精霊達がそう言うんです」
「・・・デュークだな。それしか考えられねぇ。あれで星喰みをどうにかしようってんだろ」
「だろうな・・・」
「どいた、どいてくれ!」
少し先の人混みの中から男性の声が聞こえ、その声の主は私達の前で止まった
「黒くて長い髪のあんたと水色の髪のあんた、ちょっと良いか!?」
「なんだよ」「はい?」
「あんた等みたいな風貌の人を見かけたら教えて欲しいって騎士団の人に言われててな。なんでも新しい騎士団長フレン殿について話したい事があるとか」
「なんだと?」
「人違いじゃなさそうか?」
「はい」
「なあ、オレ達を探してたヤツって猫みたいなつり目の姉さんとリンゴみたいな頭したガキか?」
「あ? ああ。そうだが」
「・・・・・」
「・・・ユーリ」
ユーリは少しだけ視線を逸らして浮かない顔をした
それは多分あの時の事を考えていたからだろう
ユーリは私の視線に気付くと直ぐに知らせに来てくれた男性に向き合った
「宿で待ってりゃ良いか?」
「ああ。それで良い。呼んでくる」
男性はそのまま踵を返して来た道を戻りだし、ユーリはそれを見届けるとゆっくりと宿へと向かい出した
「あ、ユー・・・」
カロルがユーリの名前を呼ぼうとしたけど、ユーリが纏っている空気を感じ言葉を止めた
その空気は少しだけ張り詰めたものだったからだ
「・・・・」
そして少し遅れて私も歩き出し、エステル達も宿へと向かい出した
87.The smart wound
部屋に戻るとユーリはドアの近くの壁に寄り掛り腕を組んだ
だが、その空気はいつも以上に張り詰めた空気を出していて、近寄りがたい空気だった
私はユーリの直ぐ近くにいたが、エステル達は少し距離を置いていた
それは兄さんの計らいもあるのだろうけど、この空気の中に入れない、と言うのが一番正しいかもしれない
そして暫くすると扉の向こうから走って来る音が聞こえたと思ったら扉が勢い良く開き、小柄な男の子が入って来た
「ようやく捕まえましたよ! 何処ほっつき歩いてたんですか」
「ユーリ・・・ローウェル・・・」
そしてその後ろからゆっくりとソディアさんが入って来た
が、彼女はユーリと私を見るとバツが悪そうに少し視線を逸らす
「・・・」
「・・・ソディア?」
ウィチル君はソディアさんの様子に疑問を持ったがユーリは気にした様子もなく話を振る
「んで、フレンがどうしたってんだよ」
「あ・・・はい、あの怪物が空を覆ってから、大勢この大陸から避難してるんです。でもギルドの船団で帝国の護衛を拒否するのがいて、隊長はそれを放っておけなくて。魔物に襲われた船団はヒピオニアに漂着、僕達は戦ったけど段々、追い詰められて・・・」
「私達だけが救援を求める為、脱出させられた・・・でも騎士団は各地に散っていて・・・」
「もう皆さんにお願いするしか方法はないんです」
「しかし・・・時が経ちすぎた・・・隊長はもう・・・」
「相変わらずつまんねぇ事しか言えないヤツだな」
「な、なに!」
ソディアさんは顔を俯けて言うと、ユーリは呆れながらソディアさんとウィチル君の前まで移動した
「諦めちまったのか? お前、何の為に今までやってきたんだよ?」
「私は! 私はあの方・・・フレン隊長の為に! あの時だって・・・」
「・・・・」
ソディアさんは最後の言葉は私とユーリにしか聞こえない程小さな声で言った
「ふん。めそめそしててめえの覚悟忘れて諦めちまうやつにフレンの為とか言わせねぇ」
ユーリのその言葉には少しだけ怒りが混じっていた
「覚悟・・・」
ソディアさんはまた顔を俯けてしまい、ユーリはウィチル君に向き合う
「リンゴ頭! ヒピオニアだったな」
「え、ええ」
「そう言う訳だ。ちょっと行ってくるわ。みんなはタルカロンに行く準備を・・・」
「ユーリ、一人で行くつもり?」
「わたし達も行きますよ?」
「そうだよ、悪いクセだよ、ユーリ」
「そう言うけどな、割とヤバそうな感じだぜ?」
「なら、尚更一緒に行かないとだろ」
「それにバウルが言う事聞かないと思うけど?」
「一人はギルドの為に、ギルドは一人の為に、なんでしょ」
「時間ないならちゃっちゃと行って片付けようじゃないの」
「だね」
「ったく付き合い良いな。そんじゃ行くか!」
「おー! 凛々の明星出撃ぃ!」
「ワン!」
私達の言葉を聞きユーリは小さく笑って歩き出し、私達もその後に続いた
「ユーリ・ローウェル!」
街から出ようとしていると後ろからソディアさんがユーリを呼ぶ声が聞こえ私は振り返った
「何故だ! どうしてあの時の事を咎めない? 私はお前を・・・」
「水に流したつもりはねぇ。けどな、オレは諦めちまったヤツに構ってる程暇じゃねぇんだよ」
「諦めてなど・・・」
「なら何で一人ででもフレンを助けに行かない? オレを消してでも守りたかったあいつの存在をどうして守りにいかねぇ!」
ユーリの鋭い言葉にソディアさんは少し肩を窄めてしまう
「私では・・・あの人を守れない・・・頼む・・・彼を・・・助けて・・・お願い・・・」
「言われるまでもねぇ」
「お願い・・・」
ソディアさんはそう言って悔しそうに両手を握り締めて顔を俯けた
「・・・・」
何も出来ない自分が悔しい、フレンの力になりたくても自分じゃどうにも出来ない、今のソディアさんはそれを露わにしていた
「ああ、あんたの言う事で一つだけ同意出来る事があるぜ」
「「?」」
ユーリはソディアさんを横目で見て、さっきと違う声でそう言うとその言葉に私もソディアさんも疑問符を出してユーリを見ると、ユーリは空を眺めながら言った
「オレは罪人。いつ斬られても可笑しくない。そしてフレンは騎士の鑑。今後の帝国騎士を導いていく男。その隣に罪人は相応しくない」
「・・・・・」
「・・・ユーリ」
そう言ったユーリの顔は何処か清々しくもあった
「オレはさしずめ、あいつに相応しいヤツが現れるまでの、ま、代役ってヤツさ」
「ユーリ・・・」
そしてユーリは歩き出しポンと私の肩を叩き歩いて行った
「リア・ルーティア・・・」
ソディアさんは私に気付くと、私の名前を小さい声で言った
「私や兄さんが言いたい事はユーリが全部言ってくれた。何も出来なくて悔しい気持ち、凄く解る・・・」
「・・・・」
私の言葉にソディアさんはまた黙ってしまう
どう答えれば良いのか迷っている、そんな目をしていた
「安心して下さい。私の大事な幼馴染みであり、貴女の上司であるフレンは必ず私達が助けますから」
そう言って私は踵を返しユーリの後を追った
「・・・代役か・・・。でも、フレンの隣はやっぱりユーリが一番似合ってるけどね」
ソディアさんからだいぶ離れた所に来ると、さっきのユーリの言葉を思い出しそう小さく呟き、笑って少し先を歩いているユーリの所に向かった
続く
あとがき
シルフから話しを聞いた後、更に事件に巻き込まれちゃいましたね
最後はまさかソディアとの絡み
ユーリもリアちゃんもホント大人ですよね・・・普通あんな事があったら許せませんけどね
そして、次回はいよいよフレンを助けに行きます!
頑張って書こう!
The smart wound “痛む傷”
下書き:2009.01.14
完成:2009.08.18
みんなあの空の所為やエフミドの丘が通れなくなったから他の街に移動したのかもしれない
リタとエステルはそのまま買い出しに行き、兄さんとアスラは情報収集に向かい、私達は先に宿屋に向かう事にした
部屋に付くとユーリは壁に寄り掛り、カロルがその前にいてその隣にラピード、そしてベッドの上にレイヴンが胡座を掻いて座り、私は隣のベッドに腰掛けユーリ達の話しを聞いていた
「ティグルさんちも避難したらしいよ」
「エフミドの丘が通れるようになったとしても頭の上があれじゃあな」
扉が開く音が聞こえ、エステルとリタが紙袋に荷物を沢山入れて抱えて戻って来た
「こんな時でも港町はやっぱり物があるわね。お陰でなんとかなりそうだわ」
「何買って来たんだ?」
「術式紋章ひと揃えと・・・筐体パーツです」
「何しようってのよ?」
「精霊の力を収束する為の装置を作ってるの。即席の宙の戒典をね」
「宙の戒典かぁ・・・。デューク、今頃何してるんだろうね」
「さぁな・・・あいつ、相当思い詰めてた感じだったが・・・」
「うん・・・」
別れ際に見たデュークの目は本当に寂しそうな目をしていた
でもその目はいつも以上に悲しみに満ちた目だった
「・・・・」
あの目は私になのか、それとも私達になのか、それとも・・・
そう思っていると、急に地響きが鳴った
「な、何!?」
私達は急いで立ち上がって外に向かいだし、リタとエステルも荷物を置いて私達の後を追った
外に出ると、そこには遠くの空を見つめている兄さんとアスラとジュディスがいた
「兄さん、アスラ、ジュディス!」
「何が遭った?」
「ちょっと! あっちってアスピオの方じゃない!」
兄さん達の視線の先を見ると確かにアスピオの方で何かが起き始めていた
「な、何が始まるの!?」
次第に地響きは強くなっていき、アスピオの周りの山は崩れ、そして大きな街のような建物の様な物が姿を現し、徐々に浮上していった
「・・・・」
私達はそれを見て言葉を無くした
「あれじゃ、アスピオは・・・」
「あの馬鹿でかいのは何よ!?」
「あれは・・・」
「タルカロン・・・」「タル・・・カロン・・・」
「え?」
そう答えたのはアスラとエステルだった
「あれはタルカロンの塔、精霊達がそう言うんです」
「・・・デュークだな。それしか考えられねぇ。あれで星喰みをどうにかしようってんだろ」
「だろうな・・・」
「どいた、どいてくれ!」
少し先の人混みの中から男性の声が聞こえ、その声の主は私達の前で止まった
「黒くて長い髪のあんたと水色の髪のあんた、ちょっと良いか!?」
「なんだよ」「はい?」
「あんた等みたいな風貌の人を見かけたら教えて欲しいって騎士団の人に言われててな。なんでも新しい騎士団長フレン殿について話したい事があるとか」
「なんだと?」
「人違いじゃなさそうか?」
「はい」
「なあ、オレ達を探してたヤツって猫みたいなつり目の姉さんとリンゴみたいな頭したガキか?」
「あ? ああ。そうだが」
「・・・・・」
「・・・ユーリ」
ユーリは少しだけ視線を逸らして浮かない顔をした
それは多分あの時の事を考えていたからだろう
ユーリは私の視線に気付くと直ぐに知らせに来てくれた男性に向き合った
「宿で待ってりゃ良いか?」
「ああ。それで良い。呼んでくる」
男性はそのまま踵を返して来た道を戻りだし、ユーリはそれを見届けるとゆっくりと宿へと向かい出した
「あ、ユー・・・」
カロルがユーリの名前を呼ぼうとしたけど、ユーリが纏っている空気を感じ言葉を止めた
その空気は少しだけ張り詰めたものだったからだ
「・・・・」
そして少し遅れて私も歩き出し、エステル達も宿へと向かい出した
87.The smart wound
部屋に戻るとユーリはドアの近くの壁に寄り掛り腕を組んだ
だが、その空気はいつも以上に張り詰めた空気を出していて、近寄りがたい空気だった
私はユーリの直ぐ近くにいたが、エステル達は少し距離を置いていた
それは兄さんの計らいもあるのだろうけど、この空気の中に入れない、と言うのが一番正しいかもしれない
そして暫くすると扉の向こうから走って来る音が聞こえたと思ったら扉が勢い良く開き、小柄な男の子が入って来た
「ようやく捕まえましたよ! 何処ほっつき歩いてたんですか」
「ユーリ・・・ローウェル・・・」
そしてその後ろからゆっくりとソディアさんが入って来た
が、彼女はユーリと私を見るとバツが悪そうに少し視線を逸らす
「・・・」
「・・・ソディア?」
ウィチル君はソディアさんの様子に疑問を持ったがユーリは気にした様子もなく話を振る
「んで、フレンがどうしたってんだよ」
「あ・・・はい、あの怪物が空を覆ってから、大勢この大陸から避難してるんです。でもギルドの船団で帝国の護衛を拒否するのがいて、隊長はそれを放っておけなくて。魔物に襲われた船団はヒピオニアに漂着、僕達は戦ったけど段々、追い詰められて・・・」
「私達だけが救援を求める為、脱出させられた・・・でも騎士団は各地に散っていて・・・」
「もう皆さんにお願いするしか方法はないんです」
「しかし・・・時が経ちすぎた・・・隊長はもう・・・」
「相変わらずつまんねぇ事しか言えないヤツだな」
「な、なに!」
ソディアさんは顔を俯けて言うと、ユーリは呆れながらソディアさんとウィチル君の前まで移動した
「諦めちまったのか? お前、何の為に今までやってきたんだよ?」
「私は! 私はあの方・・・フレン隊長の為に! あの時だって・・・」
「・・・・」
ソディアさんは最後の言葉は私とユーリにしか聞こえない程小さな声で言った
「ふん。めそめそしててめえの覚悟忘れて諦めちまうやつにフレンの為とか言わせねぇ」
ユーリのその言葉には少しだけ怒りが混じっていた
「覚悟・・・」
ソディアさんはまた顔を俯けてしまい、ユーリはウィチル君に向き合う
「リンゴ頭! ヒピオニアだったな」
「え、ええ」
「そう言う訳だ。ちょっと行ってくるわ。みんなはタルカロンに行く準備を・・・」
「ユーリ、一人で行くつもり?」
「わたし達も行きますよ?」
「そうだよ、悪いクセだよ、ユーリ」
「そう言うけどな、割とヤバそうな感じだぜ?」
「なら、尚更一緒に行かないとだろ」
「それにバウルが言う事聞かないと思うけど?」
「一人はギルドの為に、ギルドは一人の為に、なんでしょ」
「時間ないならちゃっちゃと行って片付けようじゃないの」
「だね」
「ったく付き合い良いな。そんじゃ行くか!」
「おー! 凛々の明星出撃ぃ!」
「ワン!」
私達の言葉を聞きユーリは小さく笑って歩き出し、私達もその後に続いた
「ユーリ・ローウェル!」
街から出ようとしていると後ろからソディアさんがユーリを呼ぶ声が聞こえ私は振り返った
「何故だ! どうしてあの時の事を咎めない? 私はお前を・・・」
「水に流したつもりはねぇ。けどな、オレは諦めちまったヤツに構ってる程暇じゃねぇんだよ」
「諦めてなど・・・」
「なら何で一人ででもフレンを助けに行かない? オレを消してでも守りたかったあいつの存在をどうして守りにいかねぇ!」
ユーリの鋭い言葉にソディアさんは少し肩を窄めてしまう
「私では・・・あの人を守れない・・・頼む・・・彼を・・・助けて・・・お願い・・・」
「言われるまでもねぇ」
「お願い・・・」
ソディアさんはそう言って悔しそうに両手を握り締めて顔を俯けた
「・・・・」
何も出来ない自分が悔しい、フレンの力になりたくても自分じゃどうにも出来ない、今のソディアさんはそれを露わにしていた
「ああ、あんたの言う事で一つだけ同意出来る事があるぜ」
「「?」」
ユーリはソディアさんを横目で見て、さっきと違う声でそう言うとその言葉に私もソディアさんも疑問符を出してユーリを見ると、ユーリは空を眺めながら言った
「オレは罪人。いつ斬られても可笑しくない。そしてフレンは騎士の鑑。今後の帝国騎士を導いていく男。その隣に罪人は相応しくない」
「・・・・・」
「・・・ユーリ」
そう言ったユーリの顔は何処か清々しくもあった
「オレはさしずめ、あいつに相応しいヤツが現れるまでの、ま、代役ってヤツさ」
「ユーリ・・・」
そしてユーリは歩き出しポンと私の肩を叩き歩いて行った
「リア・ルーティア・・・」
ソディアさんは私に気付くと、私の名前を小さい声で言った
「私や兄さんが言いたい事はユーリが全部言ってくれた。何も出来なくて悔しい気持ち、凄く解る・・・」
「・・・・」
私の言葉にソディアさんはまた黙ってしまう
どう答えれば良いのか迷っている、そんな目をしていた
「安心して下さい。私の大事な幼馴染みであり、貴女の上司であるフレンは必ず私達が助けますから」
そう言って私は踵を返しユーリの後を追った
「・・・代役か・・・。でも、フレンの隣はやっぱりユーリが一番似合ってるけどね」
ソディアさんからだいぶ離れた所に来ると、さっきのユーリの言葉を思い出しそう小さく呟き、笑って少し先を歩いているユーリの所に向かった
続く
あとがき
シルフから話しを聞いた後、更に事件に巻き込まれちゃいましたね
最後はまさかソディアとの絡み
ユーリもリアちゃんもホント大人ですよね・・・普通あんな事があったら許せませんけどね
そして、次回はいよいよフレンを助けに行きます!
頑張って書こう!
The smart wound “痛む傷”
下書き:2009.01.14
完成:2009.08.18