星喰み編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なんだかこうやって帝都で朝を迎えるのって久しぶり」
「そりゃ1年も離れてたからだろ」
翌朝、私とユーリは朝食の買い出しに出ていた
二人共まだ傷が治っていないから軽めの物しか買わず、小さな紙袋を持って路地を歩いていた
「そうだけど、やっぱり懐かしくて」
「オレも旅に出てたからそうかもな」
お互いに自分が育った町だもん
懐かしいと思うのは当然だよね
でも今はその懐かしさと共に新鮮さを感じる
それは多分、安心出来る人、ユーリが隣にいる事だろう
そう思って小さく微笑んでいると、突然「ワウ」と犬の鳴き声が聞こえた
「?」
その鳴き声は聞き覚えのある声だった
そして次に聞こえたのは女の子の声・・・
「どうしたんです? 一体・・・!」
「あの声・・・」
その声に私とユーリは気が付き、その場で足を止めると前方の階段の上でキセルを咥えた犬と、そしてピンクの髪の女の子が私達の姿を見て止まった
「ユー・・・リ? リア・・・?」
「エステル? ラピード・・・?」
「ユーリ! リア!!」「ワン! ワン!!」
エステルとラピードは私達の名前を叫ぶとそのまま走って来てエステルは私達に抱きついた
「あははっ」
「おわっ、ちょ、いてて」「エ、エステル、くるし」
「ユーリ、リア、本当にお二人ですよね、おばけじゃないですよね。ちゃんと影ありますよね」
「生きてる生きてる。だからちゃんと痛いってばよ」
「エステル、私達は無事だから・・・」
離してくれない? と言おうとしたが、エステルは安心した顔をして「本当に良かった・・・」と言い、私とユーリは顔を見合わせ苦笑した
77.前奏曲
「朝起きたらラピードが急に外に走り出したんです。そうしたら此処まで走って来て」
エステルはユーリの傷を癒しながら此処に来るまでの経緯を話してくれた
流石ラピード、直ぐに私達の事を見つけてくれた
「ありがと、ラピード」
「ワン!」
私は足下にいるラピードを撫でてあげると、ラピードは気持ちよさそうに目を細めた
「サンキュ、もう大丈夫だ」
「傷・・・やっぱりザウデから落ちた時のです?」
「ん? ああ、まあそんなとこだ」
ユーリは笑って誤魔化した
実際に落ちた事には代わりはないし・・・
「リアも落ちたんですよね? 大丈夫です?」
エステルは心配そうな顔をして私を見る
「大丈夫よ。心配かけてごめんね」
「心配かけたな」
「みんなも喜びます。早く伝えてあげたい」
エステルは私達が座っている階段に腰掛け安心した顔をした
「みんなはどうしてんだ?」
「リタはジュディスと一緒にザウデに行きました。古代の遺跡だから調べたい事が一杯あるんだって」
「リタらしいな」
「カロルとレイヴンはダングレストに戻ってます・・・帝国とギルドの関係がまた良くないみたいなんです」
「ったく。まだそんな事言ってんのか」
「ザウデの所為でしょ」
「はい。それでギルドの人がまた無茶しないようにって」
「ヘラクレスに続いてあんなもんが出てくりゃギルドでなくても警戒するのが当然か・・・」
「ヨーデルも悩んでるみたいです。フレンはフレンであちこち飛び回ってますし」
「そっか。セイとアスラとフキはどうした?」
「故郷 に戻って報告をした後、フレンと同じくあちこち飛び回ってるみたいです」
「・・・心配かけちゃったしね」
「みんな、頑張ってんだな」
「・・・セイとアスラとフキのお陰です」
エステルはそこで言葉を切って、少し俯いて私を見て口を開いた
「もし・・・もしも、リアがいなくなっていたらアスラは消えているはず、だったんですよね?」
「ええ。仕えている主の命が消えればその式神は一度元の世界に還っていた」
「でも、消えずにいたって事はリアが生きている証拠だろ」
「はい。だからユーリも・・・きっと、二人共生きてるから、ユーリやリアがいなくても自分達にやれる事をやろうって」
「・・・兄さん達らしい答えね」
「ああ」
「・・・フレンなんか・・・船で何度も何度も探して・・・セイはアスラとフキにユーリとリアの気配を探して貰って・・・わたし達も何度も探して・・・」
そこでエステルは泣きじゃくってしまった
「・・・心配かけたな。悪ぃ」
「ホントにごめんね」
私はエステルの頭を優しく撫でてあげるとエステルは嬉しそうな顔をした
「お陰さんで、傷も全然大丈夫だぜ」
エステルは頷き、私を見た
「でも、リアの傷は・・・」
「みんなに会いに行くんでしょ?」
「え?」
突然の私の言葉にエステルは疑問を抱き私をじっと見た
「今の話を聞く限り、一旦故郷に戻らないといけないみたいだから。兄さんやアスラやフキに会いに行く時に故郷に行けば、自然に治るから」
そう言って微笑みかけるとエステルは納得したのか立ち上がった
「解りました。でも無理はしないで下さいね」
「ええ」
「安心しろ。無茶しないように見ておくからさ」
「ユーリもですよ」
「ああ。承知しましたよ」
エステルの言葉に私は小さく笑って、ユーリは苦笑して答え私もユーリも立ち上がった
「じゃあ後で噴水前で会おうぜ」
「はい」
エステルは元気良く答えラピードと一緒に来た道を戻って行った
「じゃ、オレ達も戻るか」
「うん」
そうして私とユーリは荷物を持って家へと戻って行った
*
「それにしてもアレクセイの奴、とんでもねえもん解放してきやがったな。世界の解放が聞いて呆れるぜ」
昼前、私達は下町の噴水前に集まり空に空いている大きな穴とその近くを漂っている星喰みを見つめる
「星喰み・・・なんなんでしょう、あれ」
「エアルが関係しているのは間違いないと思うけど、今は詳しい事知ってる人がいないからね・・・」
「災厄ってくらいだ。ロクなもんじゃねえのは確かだろ。今度は随分とデカイ相手が来たもんだ」
「まあ。もうやっつける気でいるんです?」
「やらなきゃ普通に暮らせそうにもないからな」
「普通に暮らす・・・みんなで普通に暮らす。その為に戦うんですよね、わたし達」
「ああ。そして・・・」
そう言ってユーリは私を見た
「もうリアの、言霊使いの稀な力を使って星喰みを遠ざける封印の力を使わなくて良いようにな」
「はい!」
「ユーリ・・・エステル・・・」
「なんじゃ、聞き覚えのある声だと思ったら、やっぱりお前さんか」
「ハンクスじいさん、みんな」
「彼女疲れとるんじゃ。無理に連れ回すんじゃないぞ」
「ん? 疲れてるって・・・エステル、お前、力を・・・」
「戻って来た怪我人を片っ端から治療してくれておるんじゃ。大変世話になっておるよ」
「わたしに出来る事なら何でも言って下さいね」
「下町もすっかり元通りみたいだな」
ユーリは辺りを見渡し言う
ユーリの話しじゃあの時、下町にはエアルで暴走した植物が巨大化して下町を覆い尽くしていたそうだ
「これであの空さえなければ完璧なんじゃがの」
「心配すんなって、オレ達凛々の明星に任せときな」
「また大きく出おって。空の穴をどうやって塞ぐと言うんじゃ」
「いや、ユーリならやりかねないよ」
「そうそう、出来ない事は言わないもの」
「それにリアもいるんだ。安心だろ」
「ええ」
「おーっとそこまでだ」
みんなに言われ小さく微笑んでいると露店街に続く坂の方から聞き覚えのある声が聞こえ、私達は一斉に視線を向ける
やっぱりと言うかそこにいたのはあの三人だった
「今度はお前等か、何だ?」
「ふっふっふ、これを見るのであーる」
アデコールは私達の前に歩いて来て一枚の紙を手渡した
「ん? 手配書・・・ってオレ?」
「ユーリ・・・だけ?」
相変わらずあの下手くそな絵でユーリの似顔絵らしきものが描いてあったι
「無法者を取り締まるのが騎士の務めなのであーる」
「おいおい他は良くてオレだけ賞金首かよ」
「それはそれ、これはこれなのだ!」
「オホン、で物は相談なんだがな。どうだ、お前騎士団に戻らんか。そうすりゃこんなもんはポイだ」
「はあ?」
「要するにお前みたいなのが野放しなのを問題にしとるんだ、お偉い方は。だからな」
「手綱付けときゃ安心ってか?」
「そう言う事だ」
ルブラン達は一斉に頷いたけど、ユーリがそう簡単に納得する訳ない
それにユーリに手綱を付けたとしても扱えるのは私達幼馴染み組だけだと思うけどな・・・
「・・・・・」
ユーリは俯き何かを考え、大きく息を吸って顔を上げ生き生きとした声を出した
「よう、シュヴァーン」
「なぬ!? え? お!?」
シュヴァーンの名を聞き、ルブラン達は姿勢を正し、ユーリが見ていた方を向き敬礼をした
その隙に私達は露店街へ続く坂の方へ駆け出した
「あ、こら、待てぇ!」
「またな、みんな」
「行って来ます!」
「頑張れよ!」
ハンクスさんの声の後に町のみんなの頑張れ!と言う声が聞こえた
その声に私は微笑んでユーリ達と坂を駆け上って行った
「はあはあはあ。この坂一気はきついな」
「うん、・・流石にね・・・」
「騎士の人は凄いですね・・・」
「あの根性だけは見習いたいね」
「あら」
「え?」
露店街の入り口の方からとても聞き覚えのある声が聞こえ私達は一斉に振り向くと一人のクリティア族の女性が私達の方に歩いてきていた
「ジュディス!」
「エステル、迎えに来たわ」
「リタは一緒じゃないのです?」
「リタはアスピオで調べた事を纏めているわ。貴方達も行くでしょう?」
「勿論」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「さ、行きましょ」
ジュディスは私とユーリに聞き、その返事を聞くと踵を返した
「心配かけたな、ジュディ」
「心配かけてごめんね、ジュディス」
「ええ。心配で胸が張り裂けそうだったわ」
ジュディスは振り向かずに言う
「嘘くせえなぁ」
だが、ユーリのその言葉に振り返った
「可笑しいわね。本当なのに」
「むわぁてまてまてぇい!!」
そう話しているうちに、坂の方からルブランの大きな声が聞こえ私とユーリは苦笑した
「やれやれ、たまにはゆっくり出掛けたいもんだぜ」
「ホントに」
私達は出口へと走って行き、ジュディスがバウルを呼び、私達はフィエルティア号に乗り込みバウルがフィエルティア号の帆を加えて浮上しだした
「あばよ騎士団!」
ユーリはルブラン達にそう言うと私達はアスピオへ向かって行った
続く
あとがき
エステル、ラピード、ジュディスと再会!
てかエステル、いきなり抱きつきっすか!?(笑)
まあエステルらしいですけど(笑)
でも此処ゲームで見るとどう見ても兄妹にしか見えない・・・(笑)
ジュディスも顔には出てないけど心配してたと思いますよ
さて、次回はリタ達に会いに行きます!
これでみんなと合流かな?
では!
下書き:2008.12.29
完成:2009.08.13
「そりゃ1年も離れてたからだろ」
翌朝、私とユーリは朝食の買い出しに出ていた
二人共まだ傷が治っていないから軽めの物しか買わず、小さな紙袋を持って路地を歩いていた
「そうだけど、やっぱり懐かしくて」
「オレも旅に出てたからそうかもな」
お互いに自分が育った町だもん
懐かしいと思うのは当然だよね
でも今はその懐かしさと共に新鮮さを感じる
それは多分、安心出来る人、ユーリが隣にいる事だろう
そう思って小さく微笑んでいると、突然「ワウ」と犬の鳴き声が聞こえた
「?」
その鳴き声は聞き覚えのある声だった
そして次に聞こえたのは女の子の声・・・
「どうしたんです? 一体・・・!」
「あの声・・・」
その声に私とユーリは気が付き、その場で足を止めると前方の階段の上でキセルを咥えた犬と、そしてピンクの髪の女の子が私達の姿を見て止まった
「ユー・・・リ? リア・・・?」
「エステル? ラピード・・・?」
「ユーリ! リア!!」「ワン! ワン!!」
エステルとラピードは私達の名前を叫ぶとそのまま走って来てエステルは私達に抱きついた
「あははっ」
「おわっ、ちょ、いてて」「エ、エステル、くるし」
「ユーリ、リア、本当にお二人ですよね、おばけじゃないですよね。ちゃんと影ありますよね」
「生きてる生きてる。だからちゃんと痛いってばよ」
「エステル、私達は無事だから・・・」
離してくれない? と言おうとしたが、エステルは安心した顔をして「本当に良かった・・・」と言い、私とユーリは顔を見合わせ苦笑した
77.
「朝起きたらラピードが急に外に走り出したんです。そうしたら此処まで走って来て」
エステルはユーリの傷を癒しながら此処に来るまでの経緯を話してくれた
流石ラピード、直ぐに私達の事を見つけてくれた
「ありがと、ラピード」
「ワン!」
私は足下にいるラピードを撫でてあげると、ラピードは気持ちよさそうに目を細めた
「サンキュ、もう大丈夫だ」
「傷・・・やっぱりザウデから落ちた時のです?」
「ん? ああ、まあそんなとこだ」
ユーリは笑って誤魔化した
実際に落ちた事には代わりはないし・・・
「リアも落ちたんですよね? 大丈夫です?」
エステルは心配そうな顔をして私を見る
「大丈夫よ。心配かけてごめんね」
「心配かけたな」
「みんなも喜びます。早く伝えてあげたい」
エステルは私達が座っている階段に腰掛け安心した顔をした
「みんなはどうしてんだ?」
「リタはジュディスと一緒にザウデに行きました。古代の遺跡だから調べたい事が一杯あるんだって」
「リタらしいな」
「カロルとレイヴンはダングレストに戻ってます・・・帝国とギルドの関係がまた良くないみたいなんです」
「ったく。まだそんな事言ってんのか」
「ザウデの所為でしょ」
「はい。それでギルドの人がまた無茶しないようにって」
「ヘラクレスに続いてあんなもんが出てくりゃギルドでなくても警戒するのが当然か・・・」
「ヨーデルも悩んでるみたいです。フレンはフレンであちこち飛び回ってますし」
「そっか。セイとアスラとフキはどうした?」
「
「・・・心配かけちゃったしね」
「みんな、頑張ってんだな」
「・・・セイとアスラとフキのお陰です」
エステルはそこで言葉を切って、少し俯いて私を見て口を開いた
「もし・・・もしも、リアがいなくなっていたらアスラは消えているはず、だったんですよね?」
「ええ。仕えている主の命が消えればその式神は一度元の世界に還っていた」
「でも、消えずにいたって事はリアが生きている証拠だろ」
「はい。だからユーリも・・・きっと、二人共生きてるから、ユーリやリアがいなくても自分達にやれる事をやろうって」
「・・・兄さん達らしい答えね」
「ああ」
「・・・フレンなんか・・・船で何度も何度も探して・・・セイはアスラとフキにユーリとリアの気配を探して貰って・・・わたし達も何度も探して・・・」
そこでエステルは泣きじゃくってしまった
「・・・心配かけたな。悪ぃ」
「ホントにごめんね」
私はエステルの頭を優しく撫でてあげるとエステルは嬉しそうな顔をした
「お陰さんで、傷も全然大丈夫だぜ」
エステルは頷き、私を見た
「でも、リアの傷は・・・」
「みんなに会いに行くんでしょ?」
「え?」
突然の私の言葉にエステルは疑問を抱き私をじっと見た
「今の話を聞く限り、一旦故郷に戻らないといけないみたいだから。兄さんやアスラやフキに会いに行く時に故郷に行けば、自然に治るから」
そう言って微笑みかけるとエステルは納得したのか立ち上がった
「解りました。でも無理はしないで下さいね」
「ええ」
「安心しろ。無茶しないように見ておくからさ」
「ユーリもですよ」
「ああ。承知しましたよ」
エステルの言葉に私は小さく笑って、ユーリは苦笑して答え私もユーリも立ち上がった
「じゃあ後で噴水前で会おうぜ」
「はい」
エステルは元気良く答えラピードと一緒に来た道を戻って行った
「じゃ、オレ達も戻るか」
「うん」
そうして私とユーリは荷物を持って家へと戻って行った
*
「それにしてもアレクセイの奴、とんでもねえもん解放してきやがったな。世界の解放が聞いて呆れるぜ」
昼前、私達は下町の噴水前に集まり空に空いている大きな穴とその近くを漂っている星喰みを見つめる
「星喰み・・・なんなんでしょう、あれ」
「エアルが関係しているのは間違いないと思うけど、今は詳しい事知ってる人がいないからね・・・」
「災厄ってくらいだ。ロクなもんじゃねえのは確かだろ。今度は随分とデカイ相手が来たもんだ」
「まあ。もうやっつける気でいるんです?」
「やらなきゃ普通に暮らせそうにもないからな」
「普通に暮らす・・・みんなで普通に暮らす。その為に戦うんですよね、わたし達」
「ああ。そして・・・」
そう言ってユーリは私を見た
「もうリアの、言霊使いの稀な力を使って星喰みを遠ざける封印の力を使わなくて良いようにな」
「はい!」
「ユーリ・・・エステル・・・」
「なんじゃ、聞き覚えのある声だと思ったら、やっぱりお前さんか」
「ハンクスじいさん、みんな」
「彼女疲れとるんじゃ。無理に連れ回すんじゃないぞ」
「ん? 疲れてるって・・・エステル、お前、力を・・・」
「戻って来た怪我人を片っ端から治療してくれておるんじゃ。大変世話になっておるよ」
「わたしに出来る事なら何でも言って下さいね」
「下町もすっかり元通りみたいだな」
ユーリは辺りを見渡し言う
ユーリの話しじゃあの時、下町にはエアルで暴走した植物が巨大化して下町を覆い尽くしていたそうだ
「これであの空さえなければ完璧なんじゃがの」
「心配すんなって、オレ達凛々の明星に任せときな」
「また大きく出おって。空の穴をどうやって塞ぐと言うんじゃ」
「いや、ユーリならやりかねないよ」
「そうそう、出来ない事は言わないもの」
「それにリアもいるんだ。安心だろ」
「ええ」
「おーっとそこまでだ」
みんなに言われ小さく微笑んでいると露店街に続く坂の方から聞き覚えのある声が聞こえ、私達は一斉に視線を向ける
やっぱりと言うかそこにいたのはあの三人だった
「今度はお前等か、何だ?」
「ふっふっふ、これを見るのであーる」
アデコールは私達の前に歩いて来て一枚の紙を手渡した
「ん? 手配書・・・ってオレ?」
「ユーリ・・・だけ?」
相変わらずあの下手くそな絵でユーリの似顔絵らしきものが描いてあったι
「無法者を取り締まるのが騎士の務めなのであーる」
「おいおい他は良くてオレだけ賞金首かよ」
「それはそれ、これはこれなのだ!」
「オホン、で物は相談なんだがな。どうだ、お前騎士団に戻らんか。そうすりゃこんなもんはポイだ」
「はあ?」
「要するにお前みたいなのが野放しなのを問題にしとるんだ、お偉い方は。だからな」
「手綱付けときゃ安心ってか?」
「そう言う事だ」
ルブラン達は一斉に頷いたけど、ユーリがそう簡単に納得する訳ない
それにユーリに手綱を付けたとしても扱えるのは私達幼馴染み組だけだと思うけどな・・・
「・・・・・」
ユーリは俯き何かを考え、大きく息を吸って顔を上げ生き生きとした声を出した
「よう、シュヴァーン」
「なぬ!? え? お!?」
シュヴァーンの名を聞き、ルブラン達は姿勢を正し、ユーリが見ていた方を向き敬礼をした
その隙に私達は露店街へ続く坂の方へ駆け出した
「あ、こら、待てぇ!」
「またな、みんな」
「行って来ます!」
「頑張れよ!」
ハンクスさんの声の後に町のみんなの頑張れ!と言う声が聞こえた
その声に私は微笑んでユーリ達と坂を駆け上って行った
「はあはあはあ。この坂一気はきついな」
「うん、・・流石にね・・・」
「騎士の人は凄いですね・・・」
「あの根性だけは見習いたいね」
「あら」
「え?」
露店街の入り口の方からとても聞き覚えのある声が聞こえ私達は一斉に振り向くと一人のクリティア族の女性が私達の方に歩いてきていた
「ジュディス!」
「エステル、迎えに来たわ」
「リタは一緒じゃないのです?」
「リタはアスピオで調べた事を纏めているわ。貴方達も行くでしょう?」
「勿論」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「さ、行きましょ」
ジュディスは私とユーリに聞き、その返事を聞くと踵を返した
「心配かけたな、ジュディ」
「心配かけてごめんね、ジュディス」
「ええ。心配で胸が張り裂けそうだったわ」
ジュディスは振り向かずに言う
「嘘くせえなぁ」
だが、ユーリのその言葉に振り返った
「可笑しいわね。本当なのに」
「むわぁてまてまてぇい!!」
そう話しているうちに、坂の方からルブランの大きな声が聞こえ私とユーリは苦笑した
「やれやれ、たまにはゆっくり出掛けたいもんだぜ」
「ホントに」
私達は出口へと走って行き、ジュディスがバウルを呼び、私達はフィエルティア号に乗り込みバウルがフィエルティア号の帆を加えて浮上しだした
「あばよ騎士団!」
ユーリはルブラン達にそう言うと私達はアスピオへ向かって行った
続く
あとがき
エステル、ラピード、ジュディスと再会!
てかエステル、いきなり抱きつきっすか!?(笑)
まあエステルらしいですけど(笑)
でも此処ゲームで見るとどう見ても兄妹にしか見えない・・・(笑)
ジュディスも顔には出てないけど心配してたと思いますよ
さて、次回はリタ達に会いに行きます!
これでみんなと合流かな?
では!
下書き:2008.12.29
完成:2009.08.13