救出編
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「もう行くのかい」
翌朝、ユーリは支度を調えラピードと城を出るとフレンが呼び止める声が聞こえ、足を止めた
「こっちはもう少し掛かりそうだ。ギルドの船を調達するつもりだったんだけど」
「なんかこじれてそうだったな」
「ドンがいないから、意見が纏まらないんだろ」
「「セイ!」」
「よぉ、おはよ」
「結局昨日は戻って来なかったな」
「まあな。色々調べてたからな」
「それで船の方は大丈夫なの?」
「なんとかね。また追い駆ける事になりそうだよ」
「どっちが先にアレクセイのとこ着いても恨みっこなしだぜ」
「そういやお前、もうエステルは取り返そうとしないのかよ? 今だってあいつお姫様にゃ違いないだろ。後あれだ、皇帝の跡継ぎってやつ」
「評議会はヨーデル殿下を指導者に選んだ。事実上、殿下を次期皇帝に推拳したも同然だよ」
「ふーん。だからもうエステルを追う必要もないってか」
「そこは違う」
フレンはそう言って首を横に振る
「僕の中で、彼女の選択を尊重する踏ん切りがついただけさ」
「随分融通が利くようになったな」
「ホント・・・」「だな・・・」
「からかわないでくれ。僕なりに悩んで出した答えなんだ」
「まああいつが聞いたら喜ぶと思うぜ」
「魔導器とエアルの事は、ヨーデル殿下にお伝えしてみる。殿下ならきっと何か手を打って下さるだろう。エステリーゼ様の事も・・・ユーリを信じるよ」
「よろしく頼むわ。色々押し付けて悪ぃな。それじゃ、行くわ。ザウデで会おうぜ」
そう言ってユーリとラピードは歩き出す
が、フレンはまだ何か言いたそうな顔をしていた
そして顔を上げてユーリに告げる
「・・・世間じゃ帝都解放は僕の功績だと思っている。いや今回に限った事じゃない。君の事は・・・いや、凛々の明星の事さえ誰も知らない。知ろうとしていない。本当にそれで良いのかい?」
ユーリは小さく息を吐いて手をひらひらとさせて歩いて行った
「あいつがそんな事気にしてる訳ないだろ」
「セイ、だが」
「ユーリはユーリらしくやってるんだから、それで良いじゃん」
「・・・そうだな」
セイとアスラに言われフレンは少し間を置いて小さく笑って答えた
「じゃ、俺等も行くわ。またな」
「ああ」
そう言ってセイはアスラと共に踵を返してユーリの後を追い駆けた
73.姫君と騎士 とロリス
アレクセイと共に風に包まれて来た所は、あの海から出て来た神殿、ザウデ不落宮と言う場所だった
中はとても神秘的で水の流れる音が響いている
シャイコス遺跡と同じくらいの技術で出来た建物だと思った
(・・・こんなものが海の底にあったなんて・・・)
色々と古い文献を読んだ事はあったけど、どの文献にもザウデの事は書かれていなかったと思う
そして何より、こんなに綺麗で神秘的なものが本当に魔導器なのか、少し疑問に思っていた
「見事だろう。これがゲライオス文明の集大成だ」
「これがゲライオス文明の集大成・・・」
本当にこれがそうなら魔導器だというこのザウデの威力がどれほどのものなのかが気になる
今、これだけエアルが乱れているのだから、もし、ザウデの力を使ったら本当に世界は壊れてしまうかもしれない
そう思っていると、アレクセイは目の前の大きな扉を開けた
そこはザウデの中央なのかかなり広くなっていて、かなりの数の親衛隊が綺麗に列を作ってアレクセイが来るのを待っていた
アレクセイはそのまま親衛隊の前に行き、数言話すと指示を与え、親衛隊はその指示を聞き、移動を始めた
その様子をじっと見ていると、ふとある人物に目が止まった
「っ! イエガー!?」
そこにいたのはあの海凶の爪の首領、イエガーだった
(何でイエガーがこんな所に? それにいつも一緒にいるあの子達がいない・・・)
イエガーの側には必ずと言って良いほど、ゴーシュとドロワットがいる
だけど、何故か此処にはいなかった
するとアレクセイがイエガーと共に私の前に来た
「では姫、参りましょう」
私にそう告げるとアレクセイは踵を返して歩き出しその後ろに私とイエガーが続き、その後ろに数名の親衛隊が並ぶ
「・・・イエガー、どうして貴方が此処にいるの?」
私はアレクセイと親衛隊に聞こえないよう小さな声で隣にいるイエガーに声を掛けた
「今の雇い主は騎士団長殿でーす」
「それは見て解るわ。でも此処には海凶の爪は貴方しかいないじゃない」
「ミー一人ですからね」
「じゃああの子達は?」
「・・・・」
私の言葉にイエガーは少しだけ表情を曇らせたような気がした
「ミー達の事より、自分の心配した方が良いんじゃないですか?」
「・・・・・」
イエガーの言葉に今度は私が黙ってしまう
確かに今は自分の方を心配するべきだろう
でも、それよりもユーリや兄さん達やエステルが無事なのか、そればかりが頭を過ぎる
「・・・満月の子とお仲間は無事でーす」
「え?」
さっきよりも声のトーンを落としてイエガーは私にそう言った
「今はユーを助けに此処に向かってまーす」
「イエガー・・・どうして」
その事を教えてくれたの? と訪ねようとしたが、それはアレクセイが開いた扉の音に掻き消された
その扉の向こうに広がっていたのは周りに水が流れ、四方にある柱の天辺に大きな魔刻がついている
そして中央にある足場でこの通路は終わっている
どうやら此処がザウデの最深部らしい
アレクセイはそのまま中央に進んで行き、解析システムやプログラムを立ち上げていく
それを見ていると、アレクセイが私をそのプログラムが動いている中央に呼び移動した
*
フェローがアレクセイ達の目を引いている間に、オレ達は低空でザウデに乗り込んだ
その間におっさんにアレクセイや親衛隊の事を聞いた
けど、まだ肝心な事聞いてねえ
そう思ってオレはセイとアスラを見た
「なあ、アレクセイがリアの事『鍵』って言ってたよな。あれってどういう意味なんだ?」
オレのその言葉にエステル達も先頭を歩くセイとアスラを見た
するとセイは足を止め、少しだけ黙り、アスラと合図を取ると口を開いた
「俺等が正統後継者で、リアはその中でも一の使い手だって事は前に話したよな」
「あ、ああ」
セイの声のトーンが少し低く、オレは少しどもった
「その力は良いように使えば何も問題ないんだけど、」
「変に力を使う事も出来る、か」
「満月の子みたいに・・・」
「ああ」
おっさんとジュディの言葉にセイとアスラは頷き、エステルは少し表情を曇らせた
同じ立場にいたから尚更気持ちが分かるんだろう
「でも何でリアだけ連れて行かれたの?」
「リアの力で何か干渉させるつもりじゃないかしら?」
「多分な・・・」
そう言うとセイは難しい顔をして考え出した
多分、セイもちゃんとした答えが出ていないんだろうな
ただ、もっと気になる事はバクティオン神殿でデュークが立ち去り際にアスラとセンキに告げた事だった
それが今リアがアレクセイに利用されてる事と関係してんのか解んねえけど、リアは返して貰わねえとな
「何者だ!」
そう思っていると前から親衛隊がオレ達を見つけ、武器を構え向かって来た
「っち、行くぜ!」
それを見てオレ達も直ぐに武器を構え、向かって行った
*
アレクセイに呼ばれ、システムの中央に座ってからだいぶ時間が経った時だった
「閣下!」
一人の親衛隊がアレクセイの元に駆け寄り、前に来て姿勢を正しアレクセイに何か伝えていた
私の位置じゃ何を言っているのか聞こえないが、アレクセイはちらりと私を見て面白そうに笑った
「?」
それに疑問を持っているとアレクセイはイエガーを呼んだ
そして何か伝えるとイエガーは一瞬黙ったが直ぐに返事を返した
するとアレクセイに見えないようちらりと私を見た
その途端、イエガーは口ぱくで
「グッバイです」
と告げた
「!」
その時のイエガーの目は覚悟を決めた眼だった
「っ! まっ!!」
待って! と叫ぼうとしたけど、彼の心情を理解してそれは出来なかった
彼の目は、死を覚悟した眼だったからだ
「・・・・」
私は黙ってイエガーが立ち去った後を見ていると、アレクセイはまた口角を上げて笑った
「どうやら君の騎士 が来たようだ」
「騎士・・・?」
アレクセイの言葉に疑問を持っているとまた面白そうに笑う
「ローウェル君とフレンだよ」
「!」
ユーリとフレンの名前に反応して目を見開いていると、アレクセイは目の前にある淡く光る術式のモニターを操作し始める
「やはり騎士は姫君を救いに来る、か。良い騎士を持ったものだね」
「ユーリとフレンは騎士じゃ・・・」
「君がそう思っていなくても彼等はそう思っているだろう」
「え?」
訳が解らずに疑問符を出しているとアレクセイは少し驚いた顔をして私を見た
「成る程、君は気付いていないようだな。彼等も可哀想に・・・」
アレクセイは一人で納得すると、首を小さく横に振った
「どういう意味?」
「いや、気付いていないのなら、それで良い」
私の質問はそのまま流されたが、アレクセイは口角を上げたまま笑っていた
*
イエガーを倒したオレ達は更に奥へと進んだ
だがイエガーは最期にオレにだけ聞こえるようにこう告げた
「ユーのプリンセスは・・まだ、無事でーす」
何でイエガーがオレだけに言ったのかは分かんねえ
けど、今までも何度かこうやってオレ達に教えてくれた事があったからオレはイエガーの言葉を信じて先に進んだ
その先にはやっぱりと言って良いほど親衛隊がいた
かなり厳重に警備されているという事はこの先にアレクセイがいやがんだな
「行くぜぇ!!」
前から向かって来る親衛隊に武器を構えオレ達は向かって行った
続く
あとがき
なんか色々とごめんなさいι
ちょっとだけスランプ入ったっぽい?
いや、ただの寝不足なだけかもしんないけどι
とりあえず、ザウデに入る前&入ってからのそれぞれ(姫君:リア、騎士:ユーリ&フレン、ロリス:アレクセイ、イエガー)を書いてみた
イエガーは本当にいい人で好きだったから書いてみた
ゲーム本編じゃ解んないけど、サブイベントやったらね・・・
彼は本当にいい人だよ・・・
そして最後のアレクセイの言葉、すっげー意味深なんですけど
・・・てかもしかして、次回で救出編終わったりする?
もしかしたら終わるかもι
えっととりあえず頑張って書きます!!
ロリス:道化師・ピエロ
2009.08.08
翌朝、ユーリは支度を調えラピードと城を出るとフレンが呼び止める声が聞こえ、足を止めた
「こっちはもう少し掛かりそうだ。ギルドの船を調達するつもりだったんだけど」
「なんかこじれてそうだったな」
「ドンがいないから、意見が纏まらないんだろ」
「「セイ!」」
「よぉ、おはよ」
「結局昨日は戻って来なかったな」
「まあな。色々調べてたからな」
「それで船の方は大丈夫なの?」
「なんとかね。また追い駆ける事になりそうだよ」
「どっちが先にアレクセイのとこ着いても恨みっこなしだぜ」
「そういやお前、もうエステルは取り返そうとしないのかよ? 今だってあいつお姫様にゃ違いないだろ。後あれだ、皇帝の跡継ぎってやつ」
「評議会はヨーデル殿下を指導者に選んだ。事実上、殿下を次期皇帝に推拳したも同然だよ」
「ふーん。だからもうエステルを追う必要もないってか」
「そこは違う」
フレンはそう言って首を横に振る
「僕の中で、彼女の選択を尊重する踏ん切りがついただけさ」
「随分融通が利くようになったな」
「ホント・・・」「だな・・・」
「からかわないでくれ。僕なりに悩んで出した答えなんだ」
「まああいつが聞いたら喜ぶと思うぜ」
「魔導器とエアルの事は、ヨーデル殿下にお伝えしてみる。殿下ならきっと何か手を打って下さるだろう。エステリーゼ様の事も・・・ユーリを信じるよ」
「よろしく頼むわ。色々押し付けて悪ぃな。それじゃ、行くわ。ザウデで会おうぜ」
そう言ってユーリとラピードは歩き出す
が、フレンはまだ何か言いたそうな顔をしていた
そして顔を上げてユーリに告げる
「・・・世間じゃ帝都解放は僕の功績だと思っている。いや今回に限った事じゃない。君の事は・・・いや、凛々の明星の事さえ誰も知らない。知ろうとしていない。本当にそれで良いのかい?」
ユーリは小さく息を吐いて手をひらひらとさせて歩いて行った
「あいつがそんな事気にしてる訳ないだろ」
「セイ、だが」
「ユーリはユーリらしくやってるんだから、それで良いじゃん」
「・・・そうだな」
セイとアスラに言われフレンは少し間を置いて小さく笑って答えた
「じゃ、俺等も行くわ。またな」
「ああ」
そう言ってセイはアスラと共に踵を返してユーリの後を追い駆けた
73.姫君と
アレクセイと共に風に包まれて来た所は、あの海から出て来た神殿、ザウデ不落宮と言う場所だった
中はとても神秘的で水の流れる音が響いている
シャイコス遺跡と同じくらいの技術で出来た建物だと思った
(・・・こんなものが海の底にあったなんて・・・)
色々と古い文献を読んだ事はあったけど、どの文献にもザウデの事は書かれていなかったと思う
そして何より、こんなに綺麗で神秘的なものが本当に魔導器なのか、少し疑問に思っていた
「見事だろう。これがゲライオス文明の集大成だ」
「これがゲライオス文明の集大成・・・」
本当にこれがそうなら魔導器だというこのザウデの威力がどれほどのものなのかが気になる
今、これだけエアルが乱れているのだから、もし、ザウデの力を使ったら本当に世界は壊れてしまうかもしれない
そう思っていると、アレクセイは目の前の大きな扉を開けた
そこはザウデの中央なのかかなり広くなっていて、かなりの数の親衛隊が綺麗に列を作ってアレクセイが来るのを待っていた
アレクセイはそのまま親衛隊の前に行き、数言話すと指示を与え、親衛隊はその指示を聞き、移動を始めた
その様子をじっと見ていると、ふとある人物に目が止まった
「っ! イエガー!?」
そこにいたのはあの海凶の爪の首領、イエガーだった
(何でイエガーがこんな所に? それにいつも一緒にいるあの子達がいない・・・)
イエガーの側には必ずと言って良いほど、ゴーシュとドロワットがいる
だけど、何故か此処にはいなかった
するとアレクセイがイエガーと共に私の前に来た
「では姫、参りましょう」
私にそう告げるとアレクセイは踵を返して歩き出しその後ろに私とイエガーが続き、その後ろに数名の親衛隊が並ぶ
「・・・イエガー、どうして貴方が此処にいるの?」
私はアレクセイと親衛隊に聞こえないよう小さな声で隣にいるイエガーに声を掛けた
「今の雇い主は騎士団長殿でーす」
「それは見て解るわ。でも此処には海凶の爪は貴方しかいないじゃない」
「ミー一人ですからね」
「じゃああの子達は?」
「・・・・」
私の言葉にイエガーは少しだけ表情を曇らせたような気がした
「ミー達の事より、自分の心配した方が良いんじゃないですか?」
「・・・・・」
イエガーの言葉に今度は私が黙ってしまう
確かに今は自分の方を心配するべきだろう
でも、それよりもユーリや兄さん達やエステルが無事なのか、そればかりが頭を過ぎる
「・・・満月の子とお仲間は無事でーす」
「え?」
さっきよりも声のトーンを落としてイエガーは私にそう言った
「今はユーを助けに此処に向かってまーす」
「イエガー・・・どうして」
その事を教えてくれたの? と訪ねようとしたが、それはアレクセイが開いた扉の音に掻き消された
その扉の向こうに広がっていたのは周りに水が流れ、四方にある柱の天辺に大きな魔刻がついている
そして中央にある足場でこの通路は終わっている
どうやら此処がザウデの最深部らしい
アレクセイはそのまま中央に進んで行き、解析システムやプログラムを立ち上げていく
それを見ていると、アレクセイが私をそのプログラムが動いている中央に呼び移動した
*
フェローがアレクセイ達の目を引いている間に、オレ達は低空でザウデに乗り込んだ
その間におっさんにアレクセイや親衛隊の事を聞いた
けど、まだ肝心な事聞いてねえ
そう思ってオレはセイとアスラを見た
「なあ、アレクセイがリアの事『鍵』って言ってたよな。あれってどういう意味なんだ?」
オレのその言葉にエステル達も先頭を歩くセイとアスラを見た
するとセイは足を止め、少しだけ黙り、アスラと合図を取ると口を開いた
「俺等が正統後継者で、リアはその中でも一の使い手だって事は前に話したよな」
「あ、ああ」
セイの声のトーンが少し低く、オレは少しどもった
「その力は良いように使えば何も問題ないんだけど、」
「変に力を使う事も出来る、か」
「満月の子みたいに・・・」
「ああ」
おっさんとジュディの言葉にセイとアスラは頷き、エステルは少し表情を曇らせた
同じ立場にいたから尚更気持ちが分かるんだろう
「でも何でリアだけ連れて行かれたの?」
「リアの力で何か干渉させるつもりじゃないかしら?」
「多分な・・・」
そう言うとセイは難しい顔をして考え出した
多分、セイもちゃんとした答えが出ていないんだろうな
ただ、もっと気になる事はバクティオン神殿でデュークが立ち去り際にアスラとセンキに告げた事だった
それが今リアがアレクセイに利用されてる事と関係してんのか解んねえけど、リアは返して貰わねえとな
「何者だ!」
そう思っていると前から親衛隊がオレ達を見つけ、武器を構え向かって来た
「っち、行くぜ!」
それを見てオレ達も直ぐに武器を構え、向かって行った
*
アレクセイに呼ばれ、システムの中央に座ってからだいぶ時間が経った時だった
「閣下!」
一人の親衛隊がアレクセイの元に駆け寄り、前に来て姿勢を正しアレクセイに何か伝えていた
私の位置じゃ何を言っているのか聞こえないが、アレクセイはちらりと私を見て面白そうに笑った
「?」
それに疑問を持っているとアレクセイはイエガーを呼んだ
そして何か伝えるとイエガーは一瞬黙ったが直ぐに返事を返した
するとアレクセイに見えないようちらりと私を見た
その途端、イエガーは口ぱくで
「グッバイです」
と告げた
「!」
その時のイエガーの目は覚悟を決めた眼だった
「っ! まっ!!」
待って! と叫ぼうとしたけど、彼の心情を理解してそれは出来なかった
彼の目は、死を覚悟した眼だったからだ
「・・・・」
私は黙ってイエガーが立ち去った後を見ていると、アレクセイはまた口角を上げて笑った
「どうやら君の
「騎士・・・?」
アレクセイの言葉に疑問を持っているとまた面白そうに笑う
「ローウェル君とフレンだよ」
「!」
ユーリとフレンの名前に反応して目を見開いていると、アレクセイは目の前にある淡く光る術式のモニターを操作し始める
「やはり騎士は姫君を救いに来る、か。良い騎士を持ったものだね」
「ユーリとフレンは騎士じゃ・・・」
「君がそう思っていなくても彼等はそう思っているだろう」
「え?」
訳が解らずに疑問符を出しているとアレクセイは少し驚いた顔をして私を見た
「成る程、君は気付いていないようだな。彼等も可哀想に・・・」
アレクセイは一人で納得すると、首を小さく横に振った
「どういう意味?」
「いや、気付いていないのなら、それで良い」
私の質問はそのまま流されたが、アレクセイは口角を上げたまま笑っていた
*
イエガーを倒したオレ達は更に奥へと進んだ
だがイエガーは最期にオレにだけ聞こえるようにこう告げた
「ユーのプリンセスは・・まだ、無事でーす」
何でイエガーがオレだけに言ったのかは分かんねえ
けど、今までも何度かこうやってオレ達に教えてくれた事があったからオレはイエガーの言葉を信じて先に進んだ
その先にはやっぱりと言って良いほど親衛隊がいた
かなり厳重に警備されているという事はこの先にアレクセイがいやがんだな
「行くぜぇ!!」
前から向かって来る親衛隊に武器を構えオレ達は向かって行った
続く
あとがき
なんか色々とごめんなさいι
ちょっとだけスランプ入ったっぽい?
いや、ただの寝不足なだけかもしんないけどι
とりあえず、ザウデに入る前&入ってからのそれぞれ(姫君:リア、騎士:ユーリ&フレン、ロリス:アレクセイ、イエガー)を書いてみた
イエガーは本当にいい人で好きだったから書いてみた
ゲーム本編じゃ解んないけど、サブイベントやったらね・・・
彼は本当にいい人だよ・・・
そして最後のアレクセイの言葉、すっげー意味深なんですけど
・・・てかもしかして、次回で救出編終わったりする?
もしかしたら終わるかもι
えっととりあえず頑張って書きます!!
ロリス:道化師・ピエロ
2009.08.08