救出編
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リアを『鍵』だと言ってアレクセイはリアを連れて立ち去ろうとしていた
「待てってんだ、アレクセイ!」
オレはそれを見てエステルの剣を払い除け、そのままリアとアレクセイの所へ走った
「リア!!」
「ユーリ!!」
オレの姿を見たリアは必死に手を伸ばし、オレもリアの手を掴もうとした
だが、リアはそのままアレクセイが起こした風に包まれてしまいその手を掴む事が出来なかった
「くそっ、リアーーー!!」
72.エステル救出
オレの叫び声が聞こえなくなり、その場は静けさを取り戻した
「くそっ!!」
握り拳を作り思いっきり握って、リアがいた場所を見ていると後ろから殺気を感じ、急いで剣を構え、振り下ろされた剣を受け止める
「っ! エステル!!」
「やめろ、エステル!!」
「! エステル・・・やめて・・・!」
向こうからカロル、セイ、リタがエステルに向かって叫んでいる声が聞こえる
オレはエステルが振り翳した剣を払い除け、体制を立て直すとエステルも体制を立て直しまた剣を振り翳す
「っ・・・だぁ!」
オレはその剣を受け止めると、ゆっくりとエステルの口が動いた
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
そしてエステルは
「殺して」
またあの言葉を呟いた
言うとエステルは勢い良くオレを弾き飛ばし、オレはセイ達がいる前まで押された
「今・・・楽にしてやる」
「「ユーリ・・・」」
「「ユーリ!」」
静かに告げた言葉にジュディ、アスラ、カロル、リタが反応する
「「・・・・」」
セイとおっさんはオレの様子を静かに見ていた
(こっからはオレ一人が戦る事だ・・・)
目を細めてエステルの構えを見て、同時に動いた
互いに剣を振り翳しては、はね除け、また振るう
「一体お前は何やってんだよ!」
「わたし・・・わ、たし・・・いやぁ・・もう・・・もう!!」
「こんな所で本当に死ぬつもりかよ! 死んでも良いのか!」
戦いながらオレは必死にエステルに訴え掛ける
まだオレの声は聞こえているみたいだ
「いやあああああああ」
だが、やっぱり力が制御出来ないのか剣を振るい続ける
「オレの目を見ろ! エステル!!」
「ぅ・・・あぅ・・・ああああ!!!」
「っ!!」
エステルは悲鳴を上げると、力が暴走してオレは飛ばされる
「目ぇ覚ませ! エステル!!」
「やあああああぁ!!」
更に力を発し、その力はオレ達に当たり、その隙を狙ってエステルは剣を振り翳した
「っ!!」
何とかその剣を受け止めていると、さっきまでリアがいた所で何かがキラリと光った
(何だ?)
気のせいかと思ったがそれは見間違いじゃなかった
「・・・はあっ!!」
「っ!」
オレは剣を押しつけ今度はエステルの剣を払い除け、エステルの上を飛び越えその光が放っている所へ移動した
それを拾って見ると、それはピンクの花の形をしたブローチのような物だった
「・・・ブローチ?」
「! それ!!」
いつの間にかオレの肩の所にアスラが来ていた
「アスラ、これ知ってんのか?」
「それ、エステルがセイに報酬だって言って渡した物だよ」
「セイに? でも何で此処に?」
「セイがリアに預けたんだよ。多分、さっき風に包まれた時に落としたんだよ・・・そっか、使える」
アスラはオレの手の中にあるブローチを見て何か思い付いたようだった
「ユーリ、このブローチをエステルに見せて」
「?」
オレは意味が解らず聞き返すとアスラは真剣な表情のまま言葉を続ける
「このブローチ、エステルにとって凄く大切な物なんだ。だから」
「成る程な」
アスラの言いたい事が分かり、オレはそのブローチを持って数歩進んだ
「エステル!」
エステルの名前を呼び、そのブローチを大きく掲げた
「・・・っ!!」
途端、エステルの反応が変わった
思った通り、か
「・・それ、は・・・」
エステルはそのブローチを見て、構えていた剣と盾を降ろした
「っ・・止まった?」
後ろでオレ達の様子を見ていたカロルが小さく呟いた
「けど、これでまだ終わりじゃないぜ」
セイの言う通りだ
止めるなら、今しかねえ
オレはエステルの前に移動して、ゆっくりとエステルを見て言葉を発した
「帰って来い、エステル!」
「!?」
「お前はそのまま、道具として死ぬつもりか!?」
オレの言葉にエステルは反応して震えだし、持っている剣にもその振動が伝わる
「ハァ・・ッ・・ァ・・」
カラン
何度か反応を見せていると、エステルの手から剣が滑り落ち肩をふるふると震わせる
剣が落ちたのを見てセイ達は揃って目を少しだけ見開いた
そしてエステルの体が光に包まれていく
「わた・・・」
徐々にエステルの目に涙が浮かび上がる
「わたしは・・・」
目を閉じると同時に涙が頬を伝って落ち、エステルの目に光が宿り、エステルの頭上に光の粒子が飛び散った
そして、
「わたしはまだ、人として生きていたい!!」
エステルは叫ぶと、集まっていた光の粒子は空に勢いよく舞い上がり、帝都全体に広がる
その光の粒子は次第にエアルの暴走を抑え、紫色に染まっていた空はだんだんと元の色へと変化していった
「はぁ・・・はぁ・・・」
「は・・・く・・・」
エステルは力を使い過ぎたのか、そのままその場に座り込み、オレもセイ達も互いに息を吐いた
「やった、エステル、目が覚めたんだね!」
「待って、システムが!?」
喜んでるのも束の間、エステルの周囲にオレンジ色の球体が現れ、それがエステルを包み込んだ
「アレクセイの剣が要だったんだわ。このままでは・・・!」
「うう・・・ああ!!」
エステルが叫んだ途端、今度はオレンジの光が放たれる
「うわぁ!」
「ぐぅぅっ!」
「駄目・・もう止まらない・・。みんな逃げて・・!!」
「大丈夫だ、仲間を信じろ!!」
「リタ、あれを」
ジュディが言うとリタは頷き、エステルが閉じ込められている球体のプログラムを開いた
「すごい・・。エステルとの同調も完璧。干渉術式不活性化調整データ、余剰エアル隔離術式も揃ってる・・! でも、肝心の聖核の代わりをどうしたら・・」
「この剣使ったらどうだ!? アレクセイが使ってたヤツの本物だろ!?」
「宙の戒典なら十分聖核の代わりになる」
「やってみる価値は十分にあるな」
「ええ、やってみる!」
「手伝うわ。流れを読み取るから」
「ボクも!」
「くぅ、融通の利かない体だぜ・・・」
「手ぇ貸すぜ」
「悪いね・・・」
おっさんはセイの手を借りて立ち上がり、肩を借りてリタ達の所に行った
「みんな、もう・・」
その様子を横目で見ていると、エステルが苦しそうに言うのが聞こえオレはエステルの前に移動する
「言ったろ。信じろって。凛々の明星はやるときゃやる。そんな顔するなって」
「・・・・はい!」
エステルはゆっくりとオレに顔を向けると、にこりと笑って答えた
「こっからは俺とアスラ、リタが指示を出す。それに従ってくれ」
セイ達の指示に従って、それぞれ球体の周りに集まり、オレはエステルの前に立った
「リタ、こっちの準備は良いぞ」
「こっちも良いよ!」
セイとアスラの声を聞き、リタは頷くと武器を構えオレ達の足元に光の術式を作った
「ユーリ! 剣を!」
「っしゃあ!」
リタの合図でオレは宙の戒典を使い、エステルを閉じ込めている球体を攻撃する
だが、徐々に身体が重くなっていくような感じがした
「「光霊!」」
セイとアスラの声が聞こえると光が発し、その光が宙の戒典と反応し、エステルを閉じ込めている球体に当たった
そしてエステルを閉じ込めていた球体はなくなり、エステルはそのままゆっくりと倒れ込み、エステルを支えるように抱きしめその場に座り込んだ
そしてオレはゆっくりと言葉を継げた
「・・・・おかえり」
「・・・ただいま」
オレの言葉に答えるとエステルはぎゅっとオレの服を掴んだ
*
「・・・ザウデ不落宮」
「そう言ってた。知ってるか?」
あの後、オレ達はフレンと合流して今日は城で休む事になった
そして各々自分のやる事をやっていて、オレはフレンの所に来ていた
「いや、初めて聞いた。どういうものなんだろう」
「さあな。けど、アスラもザウデ不落宮の名前を知ってた」
「ならアスラはザウデ不落宮がどういうものなのか知っているのか?」
「多分な」
「その感じじゃまだ聞けてないんだな」
「ああ。ずっとセイに着きっぱなしだからな」
セイとアスラは今、リアの行方を追っていたフキや他の式神達の話しを聞きに行っている
現状、式神達に指示を渡せるのがセイだけしかいないからアスラもセイと一緒に居る
「にしてもだ、」
「全世界の支配・・・本当に出来ると思うかい?」
「出来ると思ったんだろ、ヤツは」
「騎士団はずっと後手に回りっぱなしだ。ユーリ達がいなかったら僕達は帝都に近寄る事も出来なかった。魔導器が世界を危険にさらしていると言う事すら・・・」
「ヘラクレスから帝都守ったの騎士団じゃねえか」
「エステリーゼ様の事だって・・・」
「あれはエステルが自分で帰って来たんだ」
オレはそこで言葉を切り、表情を変えて言葉を続ける
「アレクセイには色々と貸しができすぎた。世界にとっても、オレ達自身にとってもだ」
「・・・リア、か」
「ああ・・・」
フレンはオレの言葉を深く理解して、リアの名前を出した
「・・・アレクセイは、リアを鍵だと言っていたんだろ?」
「ああ。エステルより重要みたいだったけどな」
「セイ達がいたらその事を聞けたんだろうけど」
「生憎と今は出払ってるしな・・・ま、その辺は戻って来てから聞くとしてだ、」
壁に寄り掛かっていたのを止め、フレンの前に立った
「アレクセイはオレ達にとって一番大事なもんに手ぇ出しやがった」
「ああ・・・」
オレの言葉にフレンも表情を変えて頷いた
オレ達にとって大事なもの、
それは、リアだ
それはオレもフレンもセイもアスラ達式神にとってもだ
「・・・その罪は重いぜ」
「ああ。きっちりと返して貰わないとな」
オレの意見にフレンも同意する
この場にセイとアスラがいたら同じ事言うだろうけどな
「だからケリを付ける。明日、ザウデ不落宮に乗り込む」
アレクセイの言い方からして、多分リアもザウデ不落宮にいるのだろう
「君の仲間も、セイもアスラも行くんだね」
「ああ。今は明日の為にそれぞれ好きに休んでるから、今日はお咎め無しで頼むわ」
「解った」
続く
あとがき
ごめん!! この後会話あるけどはしょる!!
書きたい所は書いたから!!
とりあえず、
エステルお帰り!!
此処は切なかった・・・でも無事に帰って来て良かった!
でもフルボッコ(笑)
ヴェスペリアくらいですよね、主人公&ヒロイン、パーティメンバーフルボッコって(笑)
そして最後はユーリとフレンの会話!!
やっぱこの二人は良いね
此処じゃはしょってるけど、この後フレンは団長代行になりました!
んでリアちゃんが一番大事だ、って言わせたくて書きました(オイι)
そして次回は遂にリアちゃんがいると思われるザウデ不落宮に乗り込みます!
何処まで書けるか分かんないけど、頑張って書くぞ~!
2009.08.06
「待てってんだ、アレクセイ!」
オレはそれを見てエステルの剣を払い除け、そのままリアとアレクセイの所へ走った
「リア!!」
「ユーリ!!」
オレの姿を見たリアは必死に手を伸ばし、オレもリアの手を掴もうとした
だが、リアはそのままアレクセイが起こした風に包まれてしまいその手を掴む事が出来なかった
「くそっ、リアーーー!!」
72.エステル救出
オレの叫び声が聞こえなくなり、その場は静けさを取り戻した
「くそっ!!」
握り拳を作り思いっきり握って、リアがいた場所を見ていると後ろから殺気を感じ、急いで剣を構え、振り下ろされた剣を受け止める
「っ! エステル!!」
「やめろ、エステル!!」
「! エステル・・・やめて・・・!」
向こうからカロル、セイ、リタがエステルに向かって叫んでいる声が聞こえる
オレはエステルが振り翳した剣を払い除け、体制を立て直すとエステルも体制を立て直しまた剣を振り翳す
「っ・・・だぁ!」
オレはその剣を受け止めると、ゆっくりとエステルの口が動いた
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
そしてエステルは
「殺して」
またあの言葉を呟いた
言うとエステルは勢い良くオレを弾き飛ばし、オレはセイ達がいる前まで押された
「今・・・楽にしてやる」
「「ユーリ・・・」」
「「ユーリ!」」
静かに告げた言葉にジュディ、アスラ、カロル、リタが反応する
「「・・・・」」
セイとおっさんはオレの様子を静かに見ていた
(こっからはオレ一人が戦る事だ・・・)
目を細めてエステルの構えを見て、同時に動いた
互いに剣を振り翳しては、はね除け、また振るう
「一体お前は何やってんだよ!」
「わたし・・・わ、たし・・・いやぁ・・もう・・・もう!!」
「こんな所で本当に死ぬつもりかよ! 死んでも良いのか!」
戦いながらオレは必死にエステルに訴え掛ける
まだオレの声は聞こえているみたいだ
「いやあああああああ」
だが、やっぱり力が制御出来ないのか剣を振るい続ける
「オレの目を見ろ! エステル!!」
「ぅ・・・あぅ・・・ああああ!!!」
「っ!!」
エステルは悲鳴を上げると、力が暴走してオレは飛ばされる
「目ぇ覚ませ! エステル!!」
「やあああああぁ!!」
更に力を発し、その力はオレ達に当たり、その隙を狙ってエステルは剣を振り翳した
「っ!!」
何とかその剣を受け止めていると、さっきまでリアがいた所で何かがキラリと光った
(何だ?)
気のせいかと思ったがそれは見間違いじゃなかった
「・・・はあっ!!」
「っ!」
オレは剣を押しつけ今度はエステルの剣を払い除け、エステルの上を飛び越えその光が放っている所へ移動した
それを拾って見ると、それはピンクの花の形をしたブローチのような物だった
「・・・ブローチ?」
「! それ!!」
いつの間にかオレの肩の所にアスラが来ていた
「アスラ、これ知ってんのか?」
「それ、エステルがセイに報酬だって言って渡した物だよ」
「セイに? でも何で此処に?」
「セイがリアに預けたんだよ。多分、さっき風に包まれた時に落としたんだよ・・・そっか、使える」
アスラはオレの手の中にあるブローチを見て何か思い付いたようだった
「ユーリ、このブローチをエステルに見せて」
「?」
オレは意味が解らず聞き返すとアスラは真剣な表情のまま言葉を続ける
「このブローチ、エステルにとって凄く大切な物なんだ。だから」
「成る程な」
アスラの言いたい事が分かり、オレはそのブローチを持って数歩進んだ
「エステル!」
エステルの名前を呼び、そのブローチを大きく掲げた
「・・・っ!!」
途端、エステルの反応が変わった
思った通り、か
「・・それ、は・・・」
エステルはそのブローチを見て、構えていた剣と盾を降ろした
「っ・・止まった?」
後ろでオレ達の様子を見ていたカロルが小さく呟いた
「けど、これでまだ終わりじゃないぜ」
セイの言う通りだ
止めるなら、今しかねえ
オレはエステルの前に移動して、ゆっくりとエステルを見て言葉を発した
「帰って来い、エステル!」
「!?」
「お前はそのまま、道具として死ぬつもりか!?」
オレの言葉にエステルは反応して震えだし、持っている剣にもその振動が伝わる
「ハァ・・ッ・・ァ・・」
カラン
何度か反応を見せていると、エステルの手から剣が滑り落ち肩をふるふると震わせる
剣が落ちたのを見てセイ達は揃って目を少しだけ見開いた
そしてエステルの体が光に包まれていく
「わた・・・」
徐々にエステルの目に涙が浮かび上がる
「わたしは・・・」
目を閉じると同時に涙が頬を伝って落ち、エステルの目に光が宿り、エステルの頭上に光の粒子が飛び散った
そして、
「わたしはまだ、人として生きていたい!!」
エステルは叫ぶと、集まっていた光の粒子は空に勢いよく舞い上がり、帝都全体に広がる
その光の粒子は次第にエアルの暴走を抑え、紫色に染まっていた空はだんだんと元の色へと変化していった
「はぁ・・・はぁ・・・」
「は・・・く・・・」
エステルは力を使い過ぎたのか、そのままその場に座り込み、オレもセイ達も互いに息を吐いた
「やった、エステル、目が覚めたんだね!」
「待って、システムが!?」
喜んでるのも束の間、エステルの周囲にオレンジ色の球体が現れ、それがエステルを包み込んだ
「アレクセイの剣が要だったんだわ。このままでは・・・!」
「うう・・・ああ!!」
エステルが叫んだ途端、今度はオレンジの光が放たれる
「うわぁ!」
「ぐぅぅっ!」
「駄目・・もう止まらない・・。みんな逃げて・・!!」
「大丈夫だ、仲間を信じろ!!」
「リタ、あれを」
ジュディが言うとリタは頷き、エステルが閉じ込められている球体のプログラムを開いた
「すごい・・。エステルとの同調も完璧。干渉術式不活性化調整データ、余剰エアル隔離術式も揃ってる・・! でも、肝心の聖核の代わりをどうしたら・・」
「この剣使ったらどうだ!? アレクセイが使ってたヤツの本物だろ!?」
「宙の戒典なら十分聖核の代わりになる」
「やってみる価値は十分にあるな」
「ええ、やってみる!」
「手伝うわ。流れを読み取るから」
「ボクも!」
「くぅ、融通の利かない体だぜ・・・」
「手ぇ貸すぜ」
「悪いね・・・」
おっさんはセイの手を借りて立ち上がり、肩を借りてリタ達の所に行った
「みんな、もう・・」
その様子を横目で見ていると、エステルが苦しそうに言うのが聞こえオレはエステルの前に移動する
「言ったろ。信じろって。凛々の明星はやるときゃやる。そんな顔するなって」
「・・・・はい!」
エステルはゆっくりとオレに顔を向けると、にこりと笑って答えた
「こっからは俺とアスラ、リタが指示を出す。それに従ってくれ」
セイ達の指示に従って、それぞれ球体の周りに集まり、オレはエステルの前に立った
「リタ、こっちの準備は良いぞ」
「こっちも良いよ!」
セイとアスラの声を聞き、リタは頷くと武器を構えオレ達の足元に光の術式を作った
「ユーリ! 剣を!」
「っしゃあ!」
リタの合図でオレは宙の戒典を使い、エステルを閉じ込めている球体を攻撃する
だが、徐々に身体が重くなっていくような感じがした
「「光霊!」」
セイとアスラの声が聞こえると光が発し、その光が宙の戒典と反応し、エステルを閉じ込めている球体に当たった
そしてエステルを閉じ込めていた球体はなくなり、エステルはそのままゆっくりと倒れ込み、エステルを支えるように抱きしめその場に座り込んだ
そしてオレはゆっくりと言葉を継げた
「・・・・おかえり」
「・・・ただいま」
オレの言葉に答えるとエステルはぎゅっとオレの服を掴んだ
*
「・・・ザウデ不落宮」
「そう言ってた。知ってるか?」
あの後、オレ達はフレンと合流して今日は城で休む事になった
そして各々自分のやる事をやっていて、オレはフレンの所に来ていた
「いや、初めて聞いた。どういうものなんだろう」
「さあな。けど、アスラもザウデ不落宮の名前を知ってた」
「ならアスラはザウデ不落宮がどういうものなのか知っているのか?」
「多分な」
「その感じじゃまだ聞けてないんだな」
「ああ。ずっとセイに着きっぱなしだからな」
セイとアスラは今、リアの行方を追っていたフキや他の式神達の話しを聞きに行っている
現状、式神達に指示を渡せるのがセイだけしかいないからアスラもセイと一緒に居る
「にしてもだ、」
「全世界の支配・・・本当に出来ると思うかい?」
「出来ると思ったんだろ、ヤツは」
「騎士団はずっと後手に回りっぱなしだ。ユーリ達がいなかったら僕達は帝都に近寄る事も出来なかった。魔導器が世界を危険にさらしていると言う事すら・・・」
「ヘラクレスから帝都守ったの騎士団じゃねえか」
「エステリーゼ様の事だって・・・」
「あれはエステルが自分で帰って来たんだ」
オレはそこで言葉を切り、表情を変えて言葉を続ける
「アレクセイには色々と貸しができすぎた。世界にとっても、オレ達自身にとってもだ」
「・・・リア、か」
「ああ・・・」
フレンはオレの言葉を深く理解して、リアの名前を出した
「・・・アレクセイは、リアを鍵だと言っていたんだろ?」
「ああ。エステルより重要みたいだったけどな」
「セイ達がいたらその事を聞けたんだろうけど」
「生憎と今は出払ってるしな・・・ま、その辺は戻って来てから聞くとしてだ、」
壁に寄り掛かっていたのを止め、フレンの前に立った
「アレクセイはオレ達にとって一番大事なもんに手ぇ出しやがった」
「ああ・・・」
オレの言葉にフレンも表情を変えて頷いた
オレ達にとって大事なもの、
それは、リアだ
それはオレもフレンもセイもアスラ達式神にとってもだ
「・・・その罪は重いぜ」
「ああ。きっちりと返して貰わないとな」
オレの意見にフレンも同意する
この場にセイとアスラがいたら同じ事言うだろうけどな
「だからケリを付ける。明日、ザウデ不落宮に乗り込む」
アレクセイの言い方からして、多分リアもザウデ不落宮にいるのだろう
「君の仲間も、セイもアスラも行くんだね」
「ああ。今は明日の為にそれぞれ好きに休んでるから、今日はお咎め無しで頼むわ」
「解った」
続く
あとがき
ごめん!! この後会話あるけどはしょる!!
書きたい所は書いたから!!
とりあえず、
エステルお帰り!!
此処は切なかった・・・でも無事に帰って来て良かった!
でもフルボッコ(笑)
ヴェスペリアくらいですよね、主人公&ヒロイン、パーティメンバーフルボッコって(笑)
そして最後はユーリとフレンの会話!!
やっぱこの二人は良いね
此処じゃはしょってるけど、この後フレンは団長代行になりました!
んでリアちゃんが一番大事だ、って言わせたくて書きました(オイι)
そして次回は遂にリアちゃんがいると思われるザウデ不落宮に乗り込みます!
何処まで書けるか分かんないけど、頑張って書くぞ~!
2009.08.06