救出編
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帝都に辿り着いたオレ達だったが、帝都は結界には覆われていたが街の中には魔物が入り込んでいて植物も異常な程に伸びていてケーブ・モックん時みたいになっていた
オレは下町の様子が気になっていたが、リアとエステルを助け出す事を優先し、何とか城に着く事が出来た
城の中に入るとエアルがなかった
どうやらエステルの力をこんな事にまで使っているらしい
「セイ、リアとエステルの居場所分かるんだよな?」
「ああ。けど、城にはまだ親衛隊が残ってる。見つからないように行くぞ」
70.間奏曲
「・・・止まれ」
城に入りセイを先頭にして歩いているとある一室の前でセイが止まった
「え、な、何?」
すると、ドアの向こうから人の気配がしオレ達は警戒を強め、扉の両サイドに分かれた
「だあああああ!!」
「むっ!?」
そしてドアが開き出て来た連中は壁に激突した
「あだだだだだだだ!」
オレはその連中に視線を向けると、それはお馴染みのルブランとデコとボコだった
「なんだぁ・・・?」
「ユーリ!? ユーリか!」
オレ達は呆気に取られていると聞き覚えのある声が聞こえた
「!? ハンクスじいさん!?」
そしてその後に出て来たのは、ハンクスじいさんだった
とりあえず、此処にいると他の騎士に見つかる可能性もあるからオレ達は食堂の中へ入った
食堂の中に入ると、下町のみんながいた
「じいさん、みんな! 無事だったのか!」
「そりゃこっちのセリフじゃ」
「なんで城の中になんて居んだよ!?」
「ほんと、それにお前等まで」
レイヴンはルブラン達を見てそう言うと、ルブラン達は姿勢を正し、ルブランが口を開く
「はっ、それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その・・・ふと下町の住民の姿が見えない事に気が付きまして。命令にはなかったんでありますが、つまりその・・・」
「出口は崩れるわ、おかしな靄は迫るは、危ないとこじゃった。何とか騎士殿の助けで靄のない此処に逃げ込めた。命の恩人じゃよ」
「め、命令違反の罰は受けます!」
「我々も同罪なのであーる!」「我々も同罪なのだ!」
「罰も何も、俺ただのおっさんだからねぇ。それに市民を護るのは騎士の本分っしょ? ・・・良くやったな」
「・・・こっ光栄であります! シュヴァ・・・レイヴン隊長殿!」
「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」
「はっ! 失礼しました。ただのレイヴン殿ォ!」
ルブランはガキが泣くように手を目に上に乗せそう言うと、おっさんははあーと大きな溜息を吐いて頭に手を当てた
「尊敬されてるのね」
「ほんと、想像つかないわ」
「良かったね、ユーリ」
「フッ、しぶとい奴等だっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ。つか、セイ、お前知ってて止まったんだろ?」
「当たり前だろ。お前の心配事減らさねえとこれから困るだろ」
「確かに・・・。でもセイも心配だったんでしょ?」
「まあな。ちゃんと確かめてなかったからな」
「セイ? もしかしてお前さん、あのセイか?」
ハンクスじいさんの言葉にみんな一斉にセイを見る
「ああ。みんな久しぶりだな」
「セイ! 久しぶり!」
「元気だったか?」
「ああ」
「相変わらずふらついてんのか?」
「ふらついてるって・・・仕事だっての!」
「セイ、おかえりぃ~!」
「セイ、旅のお話聞かせてよぉ~」
「お! お前等、暫く見ない間にデカくなったな」
下町のみんなは久しぶりに会ったセイを見て、嬉しそうな顔をしてセイの周りに集まった
「こっちの青年も大人気ね」
「二年位帰ってなかったからね」
「久しぶりに会えて嬉しいのよ」
「うん、セイも下町の人達も嬉しそうな顔してる」
「あの感じじゃもうちょい時間掛りそうだな」
「でもゆっくりしてらんないわよ」
「解ってるって。けど、少し休もうぜ。まだカロルは病み上がりなんだしよ」
「そうね。それに戦闘が続いているから少し休みましょう」
「そそ、じゃないといざって時に本領発揮出来ないわよ」
「・・・解ったわよ」
オレ達に説得され、リタは渋々頷いた
そしてオレも近くにある椅子に座り、セイやみんなの様子を見ていた
*
アレクセイが出て行って暫くして私は静かに目を閉じて、ベッドの上に倒れ込んだ
「・・・まさかこんな事になるなんて・・・」
今更ながら後悔が寄せてきた
一つ一つちゃんとやって来たつもりだった
自分が知っている限りの事はちゃんとやったつもりだった
けど、それが何処かで歯車が途切れてしまった
いや、もしかしたら最初から歯車は途切れていたのかもしれない・・・
私は握り拳を作りぎゅっとシーツを握った
「はぁ・・・」
小さく溜息を吐くと、ふとデュークに言われた事が頭を過ぎった
『・・・気を付けろ』
会う度にデュークは私にこう言った
何に気を付けろと言ったのか尋ねようとするといつもデュークの姿はなかった
「・・・気を付けろって、この事だったのかもね・・・」
私は身体の向きを変え、天井を見つめた
デュークは私以上に何か知っている
多分、兄さんやアスラ達よりも知っている事があるのかもしれない
数回しか会った事がないし、話しもそんなにした事がない
初めて会った時から不思議な空気を纏っていた
けど、彼は私達が知らない事をずっと知っている感じだった
そしていつも何処か悲しい目をして私の事を見ていた
だけど立ち去り際には必ず「気を付けろ」と言ってくれていた
「・・・なんだか申し訳ないな・・・」
その言葉を無視した訳じゃないけど、今の自分の状況を考えたら自然とそう言葉が出た
「・・・エステル、無事かな・・・」
次に浮かんだ事はエステルの事だった
あの光景で見たエステルは本当にツラそうだった
そして、あの言葉・・・
忘れてはいけない、いや、忘れられない言葉・・・
今でもまだ耳に残っているあの言葉・・・
アレクセイが言うには、エステルは別の場所にいるらしい
つまりまだ無事だと言う事だ
だけどあの術式結界に捕らわれている限り、無事とは言えない
「・・・・」
ユーリ達が無事だったのはさっきのアレクセイとの会話で解った
けど、あれだけエアルが乱れているから万全の状態で此処に来ている訳じゃないはず
大きな回復が出来る私やエステルがいないし、これだけエアルが乱れているとハクスイやミズハを呼ぼうにも呼べないはずだし・・・
「・・・体力と気力の勝負になる、か・・・」
今頃ユーリ達は食堂から出て、私やエステルを探しているのだろう
出来る事なら今直ぐにでもユーリ達と合流してエステルを探しに行きたい
でも力を制御されていて、連絡を取る事も部屋から出る事も出来ない
そして先程の事を考えれば今は大人しくしているしかない
本拠地に乗り込んだ以上、これから厳しい戦いになる事は解っている
だけど、出来る事なら・・・
「出来る事なら、エステルだけでも救い出して・・・」
あの言葉を果たさない為にも・・・!!
*
戻ってこちらは食堂
「お前等、元団長閣下を見なかったか?」
おっさんはまだ泣きじゃくるルブラン達に訪ねるとルブラン達はまた姿勢を正した
「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、何やら御剣の階梯の事を」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるって事ね」
「問題は、御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね。仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す! 術式ならリタがいる。分からない事はセイとアスラとフキに聞けば、大丈夫だよ!」
「「ああ」」「うん」
カロルの言葉にセイ達が頷き、オレも返事を返してじいさんを見た
「だな。じいさん、あんた等はこのまま此処で隠れててくれ。行くぜ!」
そう言ってオレは勢い良く扉を開けた
続く
あとがき
だあぁぁぁ! やっと書き終わった!
ユーリサイドもリアちゃんサイドも直ぐに書けたんだけど、あまりにも短すぎたので頑張って両サイド付け足し付け足しで何とかページ数埋まりました・・・
短くてもまた次から長くなるし・・・(オイι)
あと、今回一番タイトル付け時間かかりましたι
さて、救出編も架橋に入ってきました
次回は更にシリアスで急展開です!!
力の限り、頑張って書きたいと思います!!
ではでは!!
下書き:2008.12.27
完成:2009.08.05
オレは下町の様子が気になっていたが、リアとエステルを助け出す事を優先し、何とか城に着く事が出来た
城の中に入るとエアルがなかった
どうやらエステルの力をこんな事にまで使っているらしい
「セイ、リアとエステルの居場所分かるんだよな?」
「ああ。けど、城にはまだ親衛隊が残ってる。見つからないように行くぞ」
70.
「・・・止まれ」
城に入りセイを先頭にして歩いているとある一室の前でセイが止まった
「え、な、何?」
すると、ドアの向こうから人の気配がしオレ達は警戒を強め、扉の両サイドに分かれた
「だあああああ!!」
「むっ!?」
そしてドアが開き出て来た連中は壁に激突した
「あだだだだだだだ!」
オレはその連中に視線を向けると、それはお馴染みのルブランとデコとボコだった
「なんだぁ・・・?」
「ユーリ!? ユーリか!」
オレ達は呆気に取られていると聞き覚えのある声が聞こえた
「!? ハンクスじいさん!?」
そしてその後に出て来たのは、ハンクスじいさんだった
とりあえず、此処にいると他の騎士に見つかる可能性もあるからオレ達は食堂の中へ入った
食堂の中に入ると、下町のみんながいた
「じいさん、みんな! 無事だったのか!」
「そりゃこっちのセリフじゃ」
「なんで城の中になんて居んだよ!?」
「ほんと、それにお前等まで」
レイヴンはルブラン達を見てそう言うと、ルブラン達は姿勢を正し、ルブランが口を開く
「はっ、それがその、フレン殿の命令で市民の避難を誘導していたのでありますが、その・・・ふと下町の住民の姿が見えない事に気が付きまして。命令にはなかったんでありますが、つまりその・・・」
「出口は崩れるわ、おかしな靄は迫るは、危ないとこじゃった。何とか騎士殿の助けで靄のない此処に逃げ込めた。命の恩人じゃよ」
「め、命令違反の罰は受けます!」
「我々も同罪なのであーる!」「我々も同罪なのだ!」
「罰も何も、俺ただのおっさんだからねぇ。それに市民を護るのは騎士の本分っしょ? ・・・良くやったな」
「・・・こっ光栄であります! シュヴァ・・・レイヴン隊長殿!」
「隊長ゆーな。俺様はただのレイヴンよ」
「はっ! 失礼しました。ただのレイヴン殿ォ!」
ルブランはガキが泣くように手を目に上に乗せそう言うと、おっさんははあーと大きな溜息を吐いて頭に手を当てた
「尊敬されてるのね」
「ほんと、想像つかないわ」
「良かったね、ユーリ」
「フッ、しぶとい奴等だっての忘れてた。心配するだけ無駄だったわ。つか、セイ、お前知ってて止まったんだろ?」
「当たり前だろ。お前の心配事減らさねえとこれから困るだろ」
「確かに・・・。でもセイも心配だったんでしょ?」
「まあな。ちゃんと確かめてなかったからな」
「セイ? もしかしてお前さん、あのセイか?」
ハンクスじいさんの言葉にみんな一斉にセイを見る
「ああ。みんな久しぶりだな」
「セイ! 久しぶり!」
「元気だったか?」
「ああ」
「相変わらずふらついてんのか?」
「ふらついてるって・・・仕事だっての!」
「セイ、おかえりぃ~!」
「セイ、旅のお話聞かせてよぉ~」
「お! お前等、暫く見ない間にデカくなったな」
下町のみんなは久しぶりに会ったセイを見て、嬉しそうな顔をしてセイの周りに集まった
「こっちの青年も大人気ね」
「二年位帰ってなかったからね」
「久しぶりに会えて嬉しいのよ」
「うん、セイも下町の人達も嬉しそうな顔してる」
「あの感じじゃもうちょい時間掛りそうだな」
「でもゆっくりしてらんないわよ」
「解ってるって。けど、少し休もうぜ。まだカロルは病み上がりなんだしよ」
「そうね。それに戦闘が続いているから少し休みましょう」
「そそ、じゃないといざって時に本領発揮出来ないわよ」
「・・・解ったわよ」
オレ達に説得され、リタは渋々頷いた
そしてオレも近くにある椅子に座り、セイやみんなの様子を見ていた
*
アレクセイが出て行って暫くして私は静かに目を閉じて、ベッドの上に倒れ込んだ
「・・・まさかこんな事になるなんて・・・」
今更ながら後悔が寄せてきた
一つ一つちゃんとやって来たつもりだった
自分が知っている限りの事はちゃんとやったつもりだった
けど、それが何処かで歯車が途切れてしまった
いや、もしかしたら最初から歯車は途切れていたのかもしれない・・・
私は握り拳を作りぎゅっとシーツを握った
「はぁ・・・」
小さく溜息を吐くと、ふとデュークに言われた事が頭を過ぎった
『・・・気を付けろ』
会う度にデュークは私にこう言った
何に気を付けろと言ったのか尋ねようとするといつもデュークの姿はなかった
「・・・気を付けろって、この事だったのかもね・・・」
私は身体の向きを変え、天井を見つめた
デュークは私以上に何か知っている
多分、兄さんやアスラ達よりも知っている事があるのかもしれない
数回しか会った事がないし、話しもそんなにした事がない
初めて会った時から不思議な空気を纏っていた
けど、彼は私達が知らない事をずっと知っている感じだった
そしていつも何処か悲しい目をして私の事を見ていた
だけど立ち去り際には必ず「気を付けろ」と言ってくれていた
「・・・なんだか申し訳ないな・・・」
その言葉を無視した訳じゃないけど、今の自分の状況を考えたら自然とそう言葉が出た
「・・・エステル、無事かな・・・」
次に浮かんだ事はエステルの事だった
あの光景で見たエステルは本当にツラそうだった
そして、あの言葉・・・
忘れてはいけない、いや、忘れられない言葉・・・
今でもまだ耳に残っているあの言葉・・・
アレクセイが言うには、エステルは別の場所にいるらしい
つまりまだ無事だと言う事だ
だけどあの術式結界に捕らわれている限り、無事とは言えない
「・・・・」
ユーリ達が無事だったのはさっきのアレクセイとの会話で解った
けど、あれだけエアルが乱れているから万全の状態で此処に来ている訳じゃないはず
大きな回復が出来る私やエステルがいないし、これだけエアルが乱れているとハクスイやミズハを呼ぼうにも呼べないはずだし・・・
「・・・体力と気力の勝負になる、か・・・」
今頃ユーリ達は食堂から出て、私やエステルを探しているのだろう
出来る事なら今直ぐにでもユーリ達と合流してエステルを探しに行きたい
でも力を制御されていて、連絡を取る事も部屋から出る事も出来ない
そして先程の事を考えれば今は大人しくしているしかない
本拠地に乗り込んだ以上、これから厳しい戦いになる事は解っている
だけど、出来る事なら・・・
「出来る事なら、エステルだけでも救い出して・・・」
あの言葉を果たさない為にも・・・!!
*
戻ってこちらは食堂
「お前等、元団長閣下を見なかったか?」
おっさんはまだ泣きじゃくるルブラン達に訪ねるとルブラン達はまた姿勢を正した
「はっ、いえ我々は見ておりません。ただ外で親衛隊の話し声で、何やら御剣の階梯の事を」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるって事ね」
「問題は、御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね。仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す! 術式ならリタがいる。分からない事はセイとアスラとフキに聞けば、大丈夫だよ!」
「「ああ」」「うん」
カロルの言葉にセイ達が頷き、オレも返事を返してじいさんを見た
「だな。じいさん、あんた等はこのまま此処で隠れててくれ。行くぜ!」
そう言ってオレは勢い良く扉を開けた
続く
あとがき
だあぁぁぁ! やっと書き終わった!
ユーリサイドもリアちゃんサイドも直ぐに書けたんだけど、あまりにも短すぎたので頑張って両サイド付け足し付け足しで何とかページ数埋まりました・・・
短くてもまた次から長くなるし・・・(オイι)
あと、今回一番タイトル付け時間かかりましたι
さて、救出編も架橋に入ってきました
次回は更にシリアスで急展開です!!
力の限り、頑張って書きたいと思います!!
ではでは!!
下書き:2008.12.27
完成:2009.08.05