救出編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヘラクレスが囮だと解ったオレ達は直ぐに帝都に向かった
だが、帝都に着いて目に入ったのは結界がなくなっていた事だった
アレクセイの野郎、またエステルの力使いやがって・・・
そう思っていると、城の頂上にエステルとアレクセイの姿を見つけ、バウルにその場所に近付いてもらった
67.Never forget this.
「ぅ・・・」
目が覚めた私は身体を起こして辺りの景色を見た
またこの白い世界だ
ゆっくりと起き上がってその世界を歩き出した
この白い世界は私が見ている夢の中
だけど、それは現実と繋がっている
そしてこれから起こる未来の事、又は過去、現在の事を見る事が出来る
それは言霊使い特有の力でもあった
そしてこの白い世界に来ると必ずと言って良い程、途中で違う世界の破片を見つける
それは過去、現在、未来、どれかの破片だ
「・・・あった」
私は少し先にある小さな光を手に取ると、それは光だし、その世界の光景を映した
「・・・此処は・・・」
私は周りの景色を見る
此処は凄く見覚えのある街だった
「帝都・・・?」
だけど、この帝都にはいつも頭上にある結界がなくなっていた
「結界がない? ・・・それにこの力は・・・」
この帝都に漂っている力、それはエステルの・・・満月の子の力だった
その力の元を辿って行くと、ザーフィアス城の最上階に術式結界の中に捕らえられているエステルと聖核を片手に持ったアレクセイの姿を見つける
「! エステル!」
私はエステルの近くに寄ろうとしていると、空からまた違う気配を感じた
「あれはバウル。 ! ユーリ!」
バウルはこちらに向かって徐々に近付いて来る
そしてフィエルティア号の先端の飾りの上にユーリが掴まって立っている姿が見えた
必死にユーリ達がエステルの名前を叫んでいる
だけど、エステルは力を引き出されそれに答える事が出来ない
「っ! エステル!!」
思わず私も叫んでしまうが、その声は届かない
「いや! 力が抑えられない! 怖い!!」
エステルは涙を流しながら自分の身体を押さえて力を抑えようとしている
「弱気になるな! エステル! 今助けてやる!」
そう言うとユーリはそのまま勢いを付けて飛び、エステルはユーリのその姿を目にすると自然と手を伸ばして、ユーリもエステルの手を掴むように手を伸ばした
もう少しでお互いの手が届く、そう思った時だった
「っ! ユーリ! エステル!」
途端、アレクセイが不敵に笑ったのが見え、私は二人の名前を叫んだ
アレクセイは聖核でエステルを囲んでいる結界に力を与え、ユーリはそのまま吹き飛ばされた
「うわあああああああ!!」
「ユーリ!!」
何とかフィエルティア号の帆の近くにある綱に掴まって無事だった
ほっと安堵の息を吐いているとエステルが小さく呟いている声が聞こえ、視線をエステルに戻す
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
エステルは大粒の涙を流しながらユーリ達に聞こえるか聞こえないような声で言い、そしてエステルはこう告げた
「殺して」
「「!」」
その言葉を聞いて私は固まってしまった
(・・・今、何て言ったの?)
「殺して」
エステルが言った言葉がまた耳に響く
「エス、テル・・・」
信じられない言葉が出て来た事に私は本当にショックを受けた
そしてまたエステルは力を引き出され、大きな悲鳴を上げる
エステルの声に応えるかのように、エアルが乱れていき、突風のようなものが吹いた
それに耐えきれなくなったバウルは体制を崩してフィエルティア号共々吹き飛ばされた
「ユーリーーー!!」
私はユーリの名を大声で叫ぶと、眩い光が発し、その世界はそこで終わった
*
「ん・・生きてる・・・」
帝都から吹っ飛ばされたオレ達、何処かの平原に投げ出されていた
オレはゆっくりと起き上がろうとしていると、急に身体のあちこちに痛みが走った
「っ! ってぇ・・・」
「大丈夫?」
隣を見るとアスラが心配そうな顔をしてオレを見ていた
「・・・何とかな。アスラは平気か?」
「うん。ただ、エアルの乱れを浴びすぎてるから本領発揮出来ないと思う・・・」
「そっか・・・」
そういや前に言ってたっけ
リアやセイ、言霊使いもアスラ達式神も満月の子の力やエアルの乱れを浴びすぎると力の安定が効かないって
「・・みんな生きてるか?」
オレはそう言ってみんなを見ると、ジュディとおっさんとラピードとトクナガが身体を起こしたが、カロルとリタはまだ衝撃が残っているのか起き上がれないでいた
「私はなんとか」
「クゥー・・・ン」
「生きてるっちゃ生きてるけど、無事かと言われると微妙よ。何本か骨いっちゃったっぽいわ」
「ユーリ・・痛いよ・・・」
「あの衝撃を受けたんだから、無理もないよ」
「エステルのあれ、宙の戒典と似てた。多分、幾つもの聖核集めて同じ事やろうと・・・」
「無理に喋るな。二人共、直ぐ医者見つけてやっからな。ちょっとだけ辛抱してくれ」
リタはオレの言葉を聞くと座り、荒くなっている息を整えだした
バウルを見るとかなり怪我を負っていた
「暫く運んで貰うのは無理そうだな」
「ええ。傷が癒えるまで、何処かで休んでもらうわ」
「無理させちまったな。ゆっくり休んでくれ」
バウルは俺達の言葉を聞くとゆっくりと浮上して行った
「・・・エステルは?」
「そうよ! 急がないと」
「・・・・」
エステル
その名にオレは一瞬黙ってしまった
「殺して」
それは、船が吹き飛ばされる前にエステルが口にした言葉だった
オレはみんなに聞こえないように息を吐きカロルとリタを見た
「エステルの心配より自分の心配しろ」
「・・・此処はカプワ・ノールの近くのようね。とにかくノール港へ行きましょ。きっとお医者さんもいるはず」
「ああ」
「いやな空だね。エアルが雲みたく渦巻いてやがる。・・・災厄・・・か」
「・・・・・・」
災厄、か
確かに今のこの空を見るとその言葉につきる
あれ以上、エステルの力を使わせないようにしなきゃいけねぇが・・・無理だろうな
そういやあん時、
「ユーリーーー!!」
一瞬だけ何処からかリアの声が聞こえたような気がした・・・
「ユーリ、どうしたの難しい顔して?」
「なあアスラ。船が吹っ飛ばされてる時、リアの声が聞こえなかったか?」
「リアの?」
相棒のアスラなら解るかと思って聞いてみたが、アスラはうーんと呻って考え出した
(やっぱ、オレの気のせいか?)
そう思っているとアスラがオレをじっと見ていた
「どうした?」
「ユーリにはリアの声、聞こえたんだよね?」
「ああ・・・」
オレがそう答えるとアスラは一旦目を閉じてオレを見た
「なら、それを信じて」
「信じるって、リアの声が聞こえた事をか?」
「うん」
「でもあそこにリアはいなかったぜ」
「・・・ボクの考えがあってるなら、ユーリにはそう思ってて欲しいんだ」
言うとアスラはそのまま先に進んで行った
(・・・ボクの考えが合ってるなら、ユーリにはそう思ってて欲しい。それはエステルを助けるのもリアを助ける事にも関わって来るし、何よりリアの事大事に思ってるんだったら尚更信じて欲しい)
「・・・じゃないとリアの事、助けられないと思うから・・・」
アスラは空にあるエアルの雲を見てそう呟いた
その言葉は誰に聞こえる事もなく虚空へと消えた
続く
あとがき
意味深な所で終わりましたね
そして全体的にかなりシリアスです!!
エステルの言葉、かなり切ないよ・・・
それに最後のアスラの言葉も気になるし・・・
気になる事ばっかですね
さ、次からはやっとプロットで書いてたやつに戻れる!!
これで話数足りると良いな!
頑張って書くぞ!!
んでわぁ!
Never forget this.(これだけは覚えていてください)
2009.08.04
だが、帝都に着いて目に入ったのは結界がなくなっていた事だった
アレクセイの野郎、またエステルの力使いやがって・・・
そう思っていると、城の頂上にエステルとアレクセイの姿を見つけ、バウルにその場所に近付いてもらった
67.Never forget this.
「ぅ・・・」
目が覚めた私は身体を起こして辺りの景色を見た
またこの白い世界だ
ゆっくりと起き上がってその世界を歩き出した
この白い世界は私が見ている夢の中
だけど、それは現実と繋がっている
そしてこれから起こる未来の事、又は過去、現在の事を見る事が出来る
それは言霊使い特有の力でもあった
そしてこの白い世界に来ると必ずと言って良い程、途中で違う世界の破片を見つける
それは過去、現在、未来、どれかの破片だ
「・・・あった」
私は少し先にある小さな光を手に取ると、それは光だし、その世界の光景を映した
「・・・此処は・・・」
私は周りの景色を見る
此処は凄く見覚えのある街だった
「帝都・・・?」
だけど、この帝都にはいつも頭上にある結界がなくなっていた
「結界がない? ・・・それにこの力は・・・」
この帝都に漂っている力、それはエステルの・・・満月の子の力だった
その力の元を辿って行くと、ザーフィアス城の最上階に術式結界の中に捕らえられているエステルと聖核を片手に持ったアレクセイの姿を見つける
「! エステル!」
私はエステルの近くに寄ろうとしていると、空からまた違う気配を感じた
「あれはバウル。 ! ユーリ!」
バウルはこちらに向かって徐々に近付いて来る
そしてフィエルティア号の先端の飾りの上にユーリが掴まって立っている姿が見えた
必死にユーリ達がエステルの名前を叫んでいる
だけど、エステルは力を引き出されそれに答える事が出来ない
「っ! エステル!!」
思わず私も叫んでしまうが、その声は届かない
「いや! 力が抑えられない! 怖い!!」
エステルは涙を流しながら自分の身体を押さえて力を抑えようとしている
「弱気になるな! エステル! 今助けてやる!」
そう言うとユーリはそのまま勢いを付けて飛び、エステルはユーリのその姿を目にすると自然と手を伸ばして、ユーリもエステルの手を掴むように手を伸ばした
もう少しでお互いの手が届く、そう思った時だった
「っ! ユーリ! エステル!」
途端、アレクセイが不敵に笑ったのが見え、私は二人の名前を叫んだ
アレクセイは聖核でエステルを囲んでいる結界に力を与え、ユーリはそのまま吹き飛ばされた
「うわあああああああ!!」
「ユーリ!!」
何とかフィエルティア号の帆の近くにある綱に掴まって無事だった
ほっと安堵の息を吐いているとエステルが小さく呟いている声が聞こえ、視線をエステルに戻す
「これ以上・・・誰かを傷つける前に・・・お願い・・・」
エステルは大粒の涙を流しながらユーリ達に聞こえるか聞こえないような声で言い、そしてエステルはこう告げた
「殺して」
「「!」」
その言葉を聞いて私は固まってしまった
(・・・今、何て言ったの?)
「殺して」
エステルが言った言葉がまた耳に響く
「エス、テル・・・」
信じられない言葉が出て来た事に私は本当にショックを受けた
そしてまたエステルは力を引き出され、大きな悲鳴を上げる
エステルの声に応えるかのように、エアルが乱れていき、突風のようなものが吹いた
それに耐えきれなくなったバウルは体制を崩してフィエルティア号共々吹き飛ばされた
「ユーリーーー!!」
私はユーリの名を大声で叫ぶと、眩い光が発し、その世界はそこで終わった
*
「ん・・生きてる・・・」
帝都から吹っ飛ばされたオレ達、何処かの平原に投げ出されていた
オレはゆっくりと起き上がろうとしていると、急に身体のあちこちに痛みが走った
「っ! ってぇ・・・」
「大丈夫?」
隣を見るとアスラが心配そうな顔をしてオレを見ていた
「・・・何とかな。アスラは平気か?」
「うん。ただ、エアルの乱れを浴びすぎてるから本領発揮出来ないと思う・・・」
「そっか・・・」
そういや前に言ってたっけ
リアやセイ、言霊使いもアスラ達式神も満月の子の力やエアルの乱れを浴びすぎると力の安定が効かないって
「・・みんな生きてるか?」
オレはそう言ってみんなを見ると、ジュディとおっさんとラピードとトクナガが身体を起こしたが、カロルとリタはまだ衝撃が残っているのか起き上がれないでいた
「私はなんとか」
「クゥー・・・ン」
「生きてるっちゃ生きてるけど、無事かと言われると微妙よ。何本か骨いっちゃったっぽいわ」
「ユーリ・・痛いよ・・・」
「あの衝撃を受けたんだから、無理もないよ」
「エステルのあれ、宙の戒典と似てた。多分、幾つもの聖核集めて同じ事やろうと・・・」
「無理に喋るな。二人共、直ぐ医者見つけてやっからな。ちょっとだけ辛抱してくれ」
リタはオレの言葉を聞くと座り、荒くなっている息を整えだした
バウルを見るとかなり怪我を負っていた
「暫く運んで貰うのは無理そうだな」
「ええ。傷が癒えるまで、何処かで休んでもらうわ」
「無理させちまったな。ゆっくり休んでくれ」
バウルは俺達の言葉を聞くとゆっくりと浮上して行った
「・・・エステルは?」
「そうよ! 急がないと」
「・・・・」
エステル
その名にオレは一瞬黙ってしまった
「殺して」
それは、船が吹き飛ばされる前にエステルが口にした言葉だった
オレはみんなに聞こえないように息を吐きカロルとリタを見た
「エステルの心配より自分の心配しろ」
「・・・此処はカプワ・ノールの近くのようね。とにかくノール港へ行きましょ。きっとお医者さんもいるはず」
「ああ」
「いやな空だね。エアルが雲みたく渦巻いてやがる。・・・災厄・・・か」
「・・・・・・」
災厄、か
確かに今のこの空を見るとその言葉につきる
あれ以上、エステルの力を使わせないようにしなきゃいけねぇが・・・無理だろうな
そういやあん時、
「ユーリーーー!!」
一瞬だけ何処からかリアの声が聞こえたような気がした・・・
「ユーリ、どうしたの難しい顔して?」
「なあアスラ。船が吹っ飛ばされてる時、リアの声が聞こえなかったか?」
「リアの?」
相棒のアスラなら解るかと思って聞いてみたが、アスラはうーんと呻って考え出した
(やっぱ、オレの気のせいか?)
そう思っているとアスラがオレをじっと見ていた
「どうした?」
「ユーリにはリアの声、聞こえたんだよね?」
「ああ・・・」
オレがそう答えるとアスラは一旦目を閉じてオレを見た
「なら、それを信じて」
「信じるって、リアの声が聞こえた事をか?」
「うん」
「でもあそこにリアはいなかったぜ」
「・・・ボクの考えがあってるなら、ユーリにはそう思ってて欲しいんだ」
言うとアスラはそのまま先に進んで行った
(・・・ボクの考えが合ってるなら、ユーリにはそう思ってて欲しい。それはエステルを助けるのもリアを助ける事にも関わって来るし、何よりリアの事大事に思ってるんだったら尚更信じて欲しい)
「・・・じゃないとリアの事、助けられないと思うから・・・」
アスラは空にあるエアルの雲を見てそう呟いた
その言葉は誰に聞こえる事もなく虚空へと消えた
続く
あとがき
意味深な所で終わりましたね
そして全体的にかなりシリアスです!!
エステルの言葉、かなり切ないよ・・・
それに最後のアスラの言葉も気になるし・・・
気になる事ばっかですね
さ、次からはやっとプロットで書いてたやつに戻れる!!
これで話数足りると良いな!
頑張って書くぞ!!
んでわぁ!
Never forget this.(これだけは覚えていてください)
2009.08.04