水道魔導器奪還編
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「・・・懐かしい」
久しぶりに見る町並みを見て思わず笑みが零れてしまう
「1年振りだね」
「うん」
1年でも懐かしいと感じるのはやっぱり自分が育った場所でありこの町が好きだという証拠だろう
「帰る前に食料の買い足ししたいから露店街の方に寄るね」
「りょーかい」
その返事を聞くと街の中へ入っていった
01.旅立ちの鐘
此処は帝都ザーフィアス
平和の礎、帝都ザーフィアスとも呼ばれている
帝都というだけあって様々な人がいて街中が賑わっている
その中でも此処、露店街は一際賑わっている
世界中から色々な食べ物、洋服、宝石などが集まり賑わっていた
「これで全部?」
「うん、大体買い終わったよ」
荷物を確認して買い漏らしがないと確認して家に帰ろうとした時だった
「そこの脱獄者待つのであ~る!」
「此処が年貢の納め時なのだ!」
「ばっかも~ん! 能書きはいいから、さっさと取り押さえるのだ!」
この賑やかな場所には似つかわしくない程大きな声と言葉が聞こえた
賑わっていた人達もその声を聞き立ち止まり声の主達を見た
「・・・この声」
「・・・間違いないね」
私とアスラは顔を見合わせ人並みを抜け、広場に出た
広場に出るとそこには声の主であるシュバーン隊のルブランとアデコールとボッコスの3人がいた
「やっぱりあいつ等か・・・。って事は・・・」
「またユーリ・・・ね」
私とアスラは呆れ混りの溜息を吐き、三人の視線の先を見ると予想通りの人物、私の幼馴染みの一人、ユーリ・ローウェルがいた
だが今回はユーリ一人ではなかった
ユーリと一緒にいたのはピンクの髪をした品の良さそうな女の子だった
「あの子誰だろう? 下町の子じゃないよね」
「うん、見た事ない・・・」
そんな事を話しているとユーリと女の子は下町へと逃げて行った
「待て、ユーリ・ロ~ウェル!!」
ユーリを追い駆けるルブランを目で追い暫くすると街は徐々にいつもの賑わいを戻し始めた
「帰って着てそうそう騒がしいね」
「いつもの事でしょ(苦笑)」
「まぁそうだけど。で、追い駆けるんでしょ」
「そりゃね。じゃあ近道するわよ」
「りょーかい」
私は荷物を鞄に入れ下町へと続く坂から少し離れた小さな小道に入り町並みを抜け小さな十字路に出ると、聞き覚えのある鳴き声が聞こえた
「ワン!」
その声の方を見ると青い毛並みでキセルを咥えた犬が走って来た
「ラピード!!」
「ワンワン」
ラピードは私の足元に来てゴロゴロと懐いて来た
「ラピード久しぶり。元気だった」
「ワン!」
中腰になりラピードを撫でてあげるとラピードは気持ちよさそうに目を細めた
「ラピードもユーリを追い駆けてるの?」
「ワン」
「そっか。じゃあ一緒に行こう」
「ワン!」
ラピードの返事を聞くと立ち上がり、また小さな小道を駆けて行った
その頃ユーリは先程の女の子と一緒に下町の出口へ向かおうとして、次々にやって来る下町の人達の波に呑まれ何かを言われながら選別を貰ったりという状態から無事に抜ける事が出来た
「ユーリさんは皆さんにとても愛されてるんですね」
「冗談言うなよ、厄介払いが出来て嬉しいだけだろ?」
苦笑混じりに言って一歩進もうとするとユーリが持っている袋からチャリン、というお金の音がした
「ちょ、おい・・・! 誰だよ、金まで入れたの! こんなの受け取れるか」
「ええ~い! 待て~!」
ユーリは来た道を戻ろうとするがルブランの声が聞こえ、一旦貰っておくという事になり走っていると、後ろでガシャンと音が聞こえ横目で見るとルブランが転んでいた
「な、何事だ!」
ルブランが事態を把握しようとしていると目の前をいつもユーリが連れている相犬、ラピードが平然とした顔をしてスタスタとユーリの元へと歩いて行った
「ラピード・・・狙ってたろ。おいしいやつだな」
「犬?」
そんな疑問を浮かべているとラピードは出口の方に視線を向け一声鳴き、二人を導くように走り出した
「ワン」
「着いて来いってさ。行くぞ」
「は、はい」
ラピードの後を追いもう少しで出口と言う所でラピードはワン! と一声鳴き結界とギリギリの所で止まった
「ワンワン!」
「ラピードお帰り」
リアは戻って来たラピードを撫でてあげていると追い着いて来たユーリが驚いた顔をした
「リア!?」
「久しぶりユーリ」
「相変わらず騎士団と揉めてるんだね」
「アスラも・・・。お前等いつ帰って着たんだ?」
「ちょっと前よ。それより逃げなきゃ追い着かれるわよ」
「そうだな。んじゃこのまま街の外まで逃げるぞ」
「貴女もそれで良い?」
「え! あ、はい」
女の子の返事を聞くとリア達はそのまま結界の外へと駆けて行った
そして今私達は帝都からだいぶ離れた小さな木陰に居た
「此処まで来れば大丈夫だろ」
「そうだね。ルブランも追っ駆けて来てないみたいだし」
「周りに魔物もいないし、ちょっと休憩しましょうか。走りっぱなしで疲れたでしょう?」
「い、いえ。わたしは平気です」
女の子は遠慮がちに言うが少しだけ疲れた顔をしていた
「少し休もうぜ。それに色々と話さなきゃ・・・だろ」
「ええ」「勿論」
ユーリの問に私とアスラは笑顔で頷き、その場に座り話しを始めた
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はリア・ルーティア。貴女は?」
「わたしはエステリーゼと言います」
(エステリーゼ・・・?)
ふとその名前に疑問を持ったがエステリーゼが手を出して来たのでお互いに握手をした
「あの、リアさんってもしかしてフレンのお友達の?」
「ええ。フレンと知り合いなの?」
「はい。良くお城で話し相手になってくれました」
エステリーゼは嬉しそうにフレンの事を話してくれた
「・・・お城?」
私がそう言うとエステリーゼは「ぁ・・・」と小さく言ったが直ぐにユーリがフォローした
「城に住んでる貴族のお嬢様だ」
「ああ、それで」
それでフレンと知り合いだったんだ、とアスラと納得した
帝都を離れてからなかなか会えていなかったもう一人の幼馴染み、フレン・シーフォ
フレンは帝国騎士団に所属している
昔はユーリも騎士団にいたんだけどね・・・
ユーリが騎士団を辞めた後もフレンは騎士団に残り今では小隊長の隊長を任されている
さっきのエステリーゼの楽しそうな顔を見るとフレンが城で私達の事を話せる人が出来たんだと少し安心した
そしてエステリーゼはユーリの隣に座っている犬と私の隣に座っている犬のような猫のような生き物に目をやった
「あの、そちらの犬と猫は・・・?」
私達は一瞬驚いて顔を見合わせたが直ぐにラピードとアスラの紹介を始めた
「こいつは俺の相棒のラピードだ」
「ワン!」
ユーリの言葉にラピードは一つ吠えエステリーゼは急に、小さくお辞儀をした
「あ、こちらこそ宜しくお願いします」
ユーリと私とアスラは小さく首を傾げた
「こちらこそって、ラピードが何言ったか解ったのか?」
「いえ、全然・・・」
「ま、そりゃそうだよな」
「で、こっちが私の相棒のアスラ」
「よろしく」
「喋るんですか!?」
エステリーゼはアスラが喋った事に驚きユーリはそりゃ驚くわなと苦笑していた
「詳しくは話せないんだけど、アスラは特殊だから話す事が出来るの」
「そうなんですか」
「それで、ユーリとエステリーゼは何で一緒にいるの?」
「ああ、実は・・・」
此処でやっとアスラが本題に戻し、ユーリとエステリーゼがこれまでの事を話してくれた
下町の水道魔導器 の魔核を盗んだ『モルディオ』の事
牢屋で出会った謎の胡散臭い男の事
脱獄した先でエステリーゼに会い、フレンの身に危険が迫っている事
そしてフレンの部屋でユーリをフレンと勘違いし、襲い掛かって来た男の事
1日で色々な事があり、二人は下町に戻って来た所で私と会ったという事だった
「成る程ね。何個か疑問に思う所はあるけど・・・」
アスラはそこで言葉を濁し、私に視線を送ると私は軽く頷きユーリとエステリーゼを見た
「それでユーリとエステリーゼはこれからどうするの?」
「オレはモルディオを追っ掛ける」「フレンを追い掛けます」
二人は迷う事なく答え、私とアスラは少し笑い二人を見た
「じゃあまずはデイドン砦に向かうんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、決まりね」
「決まりって何がだ?」
ユーリの疑問にエステリーゼも同じ事を思ったらしく首を傾げ私を見る
「何がってこの先の目的地よ」
「でもお前、帰って来たばっかだったんだろ」
ユーリの言葉にエステリーゼは下町の出口での会話を思い出し「ぁ・・・」と呟いた
「良いのよ。それに結界の外に慣れる人がいた方が安心でしょ?」
「・・・そうですけど」
エステリーゼは申し訳なさそうな顔をするが私とアスラは微笑みながら言葉を続ける
「それにボク達もデイドン砦に用があるんだ」
「デイドン砦に、ですか?」
「ええ」
その疑問に笑顔を崩さずにいるとユーリは理解したらしく軽く息を吐き私達を見た
「解ったよ。じゃあこれからよろしくな、エステル、リア、アスラ」
「ええ、よろしくね、ユーリ、エステル」
「よろしく、エステル」
「はい。 ・・・あれ? エステル? エス・・テル・・・?」
ユーリの「エステル」と言った言葉に疑問を持ち何度も口にしていたが納得すると笑顔で私達に挨拶をした
「こちらこそよろしくお願いします。ユーリ、リア、アスラ、ラピード」
「ワン!」
それぞれ挨拶を交わし終わりデイドン砦に向けて歩き出した
この時、何処からか鐘の鳴る音が聞こえた
―― その時、物語の鐘は鳴り始めたのだった ――
続く
あとがき
はいどうもお久しぶりです、遥嘩です!
やっとヴェスペリア書き終わりました
ここまで考えるのかんなり苦労したι
最後の方は考えついていたんですけど頭の方が全然浮かばなくて・・・
でも気づけば結構書いてた(笑)
最後の方ですが、ユーリはリアちゃんの仕事を知ってるからこそあえて言わないでいたんですよ
タイトルは悩んだけど、主題歌で『鐘』ってついてるし、結構キーワードになる言葉だから使ってみました
さて、次はデイドン砦の話しを書きます
んで、あの人と出会います!!
お楽しみに☆
でわでわまた次回~!(珍しく後書きが短い(笑))
2008.10.24
久しぶりに見る町並みを見て思わず笑みが零れてしまう
「1年振りだね」
「うん」
1年でも懐かしいと感じるのはやっぱり自分が育った場所でありこの町が好きだという証拠だろう
「帰る前に食料の買い足ししたいから露店街の方に寄るね」
「りょーかい」
その返事を聞くと街の中へ入っていった
01.旅立ちの鐘
此処は帝都ザーフィアス
平和の礎、帝都ザーフィアスとも呼ばれている
帝都というだけあって様々な人がいて街中が賑わっている
その中でも此処、露店街は一際賑わっている
世界中から色々な食べ物、洋服、宝石などが集まり賑わっていた
「これで全部?」
「うん、大体買い終わったよ」
荷物を確認して買い漏らしがないと確認して家に帰ろうとした時だった
「そこの脱獄者待つのであ~る!」
「此処が年貢の納め時なのだ!」
「ばっかも~ん! 能書きはいいから、さっさと取り押さえるのだ!」
この賑やかな場所には似つかわしくない程大きな声と言葉が聞こえた
賑わっていた人達もその声を聞き立ち止まり声の主達を見た
「・・・この声」
「・・・間違いないね」
私とアスラは顔を見合わせ人並みを抜け、広場に出た
広場に出るとそこには声の主であるシュバーン隊のルブランとアデコールとボッコスの3人がいた
「やっぱりあいつ等か・・・。って事は・・・」
「またユーリ・・・ね」
私とアスラは呆れ混りの溜息を吐き、三人の視線の先を見ると予想通りの人物、私の幼馴染みの一人、ユーリ・ローウェルがいた
だが今回はユーリ一人ではなかった
ユーリと一緒にいたのはピンクの髪をした品の良さそうな女の子だった
「あの子誰だろう? 下町の子じゃないよね」
「うん、見た事ない・・・」
そんな事を話しているとユーリと女の子は下町へと逃げて行った
「待て、ユーリ・ロ~ウェル!!」
ユーリを追い駆けるルブランを目で追い暫くすると街は徐々にいつもの賑わいを戻し始めた
「帰って着てそうそう騒がしいね」
「いつもの事でしょ(苦笑)」
「まぁそうだけど。で、追い駆けるんでしょ」
「そりゃね。じゃあ近道するわよ」
「りょーかい」
私は荷物を鞄に入れ下町へと続く坂から少し離れた小さな小道に入り町並みを抜け小さな十字路に出ると、聞き覚えのある鳴き声が聞こえた
「ワン!」
その声の方を見ると青い毛並みでキセルを咥えた犬が走って来た
「ラピード!!」
「ワンワン」
ラピードは私の足元に来てゴロゴロと懐いて来た
「ラピード久しぶり。元気だった」
「ワン!」
中腰になりラピードを撫でてあげるとラピードは気持ちよさそうに目を細めた
「ラピードもユーリを追い駆けてるの?」
「ワン」
「そっか。じゃあ一緒に行こう」
「ワン!」
ラピードの返事を聞くと立ち上がり、また小さな小道を駆けて行った
その頃ユーリは先程の女の子と一緒に下町の出口へ向かおうとして、次々にやって来る下町の人達の波に呑まれ何かを言われながら選別を貰ったりという状態から無事に抜ける事が出来た
「ユーリさんは皆さんにとても愛されてるんですね」
「冗談言うなよ、厄介払いが出来て嬉しいだけだろ?」
苦笑混じりに言って一歩進もうとするとユーリが持っている袋からチャリン、というお金の音がした
「ちょ、おい・・・! 誰だよ、金まで入れたの! こんなの受け取れるか」
「ええ~い! 待て~!」
ユーリは来た道を戻ろうとするがルブランの声が聞こえ、一旦貰っておくという事になり走っていると、後ろでガシャンと音が聞こえ横目で見るとルブランが転んでいた
「な、何事だ!」
ルブランが事態を把握しようとしていると目の前をいつもユーリが連れている相犬、ラピードが平然とした顔をしてスタスタとユーリの元へと歩いて行った
「ラピード・・・狙ってたろ。おいしいやつだな」
「犬?」
そんな疑問を浮かべているとラピードは出口の方に視線を向け一声鳴き、二人を導くように走り出した
「ワン」
「着いて来いってさ。行くぞ」
「は、はい」
ラピードの後を追いもう少しで出口と言う所でラピードはワン! と一声鳴き結界とギリギリの所で止まった
「ワンワン!」
「ラピードお帰り」
リアは戻って来たラピードを撫でてあげていると追い着いて来たユーリが驚いた顔をした
「リア!?」
「久しぶりユーリ」
「相変わらず騎士団と揉めてるんだね」
「アスラも・・・。お前等いつ帰って着たんだ?」
「ちょっと前よ。それより逃げなきゃ追い着かれるわよ」
「そうだな。んじゃこのまま街の外まで逃げるぞ」
「貴女もそれで良い?」
「え! あ、はい」
女の子の返事を聞くとリア達はそのまま結界の外へと駆けて行った
そして今私達は帝都からだいぶ離れた小さな木陰に居た
「此処まで来れば大丈夫だろ」
「そうだね。ルブランも追っ駆けて来てないみたいだし」
「周りに魔物もいないし、ちょっと休憩しましょうか。走りっぱなしで疲れたでしょう?」
「い、いえ。わたしは平気です」
女の子は遠慮がちに言うが少しだけ疲れた顔をしていた
「少し休もうぜ。それに色々と話さなきゃ・・・だろ」
「ええ」「勿論」
ユーリの問に私とアスラは笑顔で頷き、その場に座り話しを始めた
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私はリア・ルーティア。貴女は?」
「わたしはエステリーゼと言います」
(エステリーゼ・・・?)
ふとその名前に疑問を持ったがエステリーゼが手を出して来たのでお互いに握手をした
「あの、リアさんってもしかしてフレンのお友達の?」
「ええ。フレンと知り合いなの?」
「はい。良くお城で話し相手になってくれました」
エステリーゼは嬉しそうにフレンの事を話してくれた
「・・・お城?」
私がそう言うとエステリーゼは「ぁ・・・」と小さく言ったが直ぐにユーリがフォローした
「城に住んでる貴族のお嬢様だ」
「ああ、それで」
それでフレンと知り合いだったんだ、とアスラと納得した
帝都を離れてからなかなか会えていなかったもう一人の幼馴染み、フレン・シーフォ
フレンは帝国騎士団に所属している
昔はユーリも騎士団にいたんだけどね・・・
ユーリが騎士団を辞めた後もフレンは騎士団に残り今では小隊長の隊長を任されている
さっきのエステリーゼの楽しそうな顔を見るとフレンが城で私達の事を話せる人が出来たんだと少し安心した
そしてエステリーゼはユーリの隣に座っている犬と私の隣に座っている犬のような猫のような生き物に目をやった
「あの、そちらの犬と猫は・・・?」
私達は一瞬驚いて顔を見合わせたが直ぐにラピードとアスラの紹介を始めた
「こいつは俺の相棒のラピードだ」
「ワン!」
ユーリの言葉にラピードは一つ吠えエステリーゼは急に、小さくお辞儀をした
「あ、こちらこそ宜しくお願いします」
ユーリと私とアスラは小さく首を傾げた
「こちらこそって、ラピードが何言ったか解ったのか?」
「いえ、全然・・・」
「ま、そりゃそうだよな」
「で、こっちが私の相棒のアスラ」
「よろしく」
「喋るんですか!?」
エステリーゼはアスラが喋った事に驚きユーリはそりゃ驚くわなと苦笑していた
「詳しくは話せないんだけど、アスラは特殊だから話す事が出来るの」
「そうなんですか」
「それで、ユーリとエステリーゼは何で一緒にいるの?」
「ああ、実は・・・」
此処でやっとアスラが本題に戻し、ユーリとエステリーゼがこれまでの事を話してくれた
下町の
牢屋で出会った謎の胡散臭い男の事
脱獄した先でエステリーゼに会い、フレンの身に危険が迫っている事
そしてフレンの部屋でユーリをフレンと勘違いし、襲い掛かって来た男の事
1日で色々な事があり、二人は下町に戻って来た所で私と会ったという事だった
「成る程ね。何個か疑問に思う所はあるけど・・・」
アスラはそこで言葉を濁し、私に視線を送ると私は軽く頷きユーリとエステリーゼを見た
「それでユーリとエステリーゼはこれからどうするの?」
「オレはモルディオを追っ掛ける」「フレンを追い掛けます」
二人は迷う事なく答え、私とアスラは少し笑い二人を見た
「じゃあまずはデイドン砦に向かうんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、決まりね」
「決まりって何がだ?」
ユーリの疑問にエステリーゼも同じ事を思ったらしく首を傾げ私を見る
「何がってこの先の目的地よ」
「でもお前、帰って来たばっかだったんだろ」
ユーリの言葉にエステリーゼは下町の出口での会話を思い出し「ぁ・・・」と呟いた
「良いのよ。それに結界の外に慣れる人がいた方が安心でしょ?」
「・・・そうですけど」
エステリーゼは申し訳なさそうな顔をするが私とアスラは微笑みながら言葉を続ける
「それにボク達もデイドン砦に用があるんだ」
「デイドン砦に、ですか?」
「ええ」
その疑問に笑顔を崩さずにいるとユーリは理解したらしく軽く息を吐き私達を見た
「解ったよ。じゃあこれからよろしくな、エステル、リア、アスラ」
「ええ、よろしくね、ユーリ、エステル」
「よろしく、エステル」
「はい。 ・・・あれ? エステル? エス・・テル・・・?」
ユーリの「エステル」と言った言葉に疑問を持ち何度も口にしていたが納得すると笑顔で私達に挨拶をした
「こちらこそよろしくお願いします。ユーリ、リア、アスラ、ラピード」
「ワン!」
それぞれ挨拶を交わし終わりデイドン砦に向けて歩き出した
この時、何処からか鐘の鳴る音が聞こえた
―― その時、物語の鐘は鳴り始めたのだった ――
続く
あとがき
はいどうもお久しぶりです、遥嘩です!
やっとヴェスペリア書き終わりました
ここまで考えるのかんなり苦労したι
最後の方は考えついていたんですけど頭の方が全然浮かばなくて・・・
でも気づけば結構書いてた(笑)
最後の方ですが、ユーリはリアちゃんの仕事を知ってるからこそあえて言わないでいたんですよ
タイトルは悩んだけど、主題歌で『鐘』ってついてるし、結構キーワードになる言葉だから使ってみました
さて、次はデイドン砦の話しを書きます
んで、あの人と出会います!!
お楽しみに☆
でわでわまた次回~!(珍しく後書きが短い(笑))
2008.10.24