満月の子編
夢主名変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
突然霧の中から現れた謎の船、アーセルム号
かなり古い型のこの船はどう見ても幽霊船と言える程の外見だった
この船とフィエルティア号が衝突し、駆動魔導器が突然動かなくなった
原因はこのアーセルム号かもしれないと思い、私、アスラ、ユーリ、ラピード、ジュディスは原因を調べる為アーセルム号の中へ入って行った
37.アーセルム号
「外見も外見なら船内も船内だな」
「まさに幽霊船ね」
ギシギシ、という音を立てながら私達は船内を探索していた
「しかも変わった作りだよね。一面鏡張りだなんて」
「いかにも出そうだよな」
この船の中はどうやら全て鏡張りになっているようで、階段は途中途切れていたり、床は所々抜けていた
天上にランプがぶら下がっているというのに明かりもなく、気味の悪さ最高潮だった
「探索に来たのが私達で良かったね」
兄さん以外はみんなこういうのニガテそうだし(苦笑)
「何か変わった所あったか?」
「得にはないわね」
「あれ・・・?」
「どうした?」
鏡張りの廊下を歩いているとふと一枚の鏡から不思議な力を感じ、私はその鏡の前で止まった
途端、鏡の向こうにお化けのような魔物が現れた
「「!」」
「リア、左二枚先!」
ユーリとジュディスは魔物の姿が消え驚いているとアスラが魔物の居場所を教えてくれ、直ぐさまその鏡に短剣を突き刺すと、魔物は悲鳴を上げて消えていった
「・・・倒したのか?」
「ええ。けど、普通の武器じゃあの魔物は倒せないと思う」
「リアとアスラを連れて来て正解だったわね」
「ああ。またあいつ等が出て来た時は頼むぜ」
「「了解」」
一方、こちらは見張り組
見張り、と言う割に船を隅々まで見ているのはセイだけだった
「・・・はぁ・・・。こいつ等、見張りの意味解ってんのかね・・・」
俺はカロル達の様子を見て思わず溜息を吐いてしまう
カロルはビクビクしながらユーリ達の帰りを待っていて、リタはうろうろしながら駆動魔導器見ているが若干不安そうな顔をしている
エステルもリタ同様うろうろしてアーセルム号を見ていて、レイヴンは胡座をかいて辺りの様子を見ているがレイヴンもこの雰囲気が嫌なのか嫌そうな顔をしていた
全員の様子を一通り見てまたアーセルム号の調査をしようとしていると不意に不思議な力を感じた
(・・・今の、リアとアスラか?)
俺は手を止めてアーセルム号を見る
そんなに大きな力を感じないが、こういう場所は必ずと言って良いほど奴等はいる
だからユーリも人選選びの時に俺とリアとアスラに声を掛けた
あいつは俺達の仕事の事を知ってるからな
ジュディスも俺達の事は知ってるからリアもアスラも作業はしやすいだろうしな
俺はそう思って小さく笑うとまた調査を始めた
戻って、こちらは探索組
あのお化けのような魔物の相手はリアとアスラが担当し、他の魔物はオレとジュディ、ラピードが担当しながら船の調査を進めていた
「不満そうな顔してるわね」
「ん?」
不意に声を掛けられジュディを見ると何処か楽しそうな顔してオレを見ていた
「リアが「いやぁ~、恐い~!」って言って抱きついて来てくれないからかしら?」
「リアはこの手の専門家だろ。んなのねーて」
「じゃあエステルやリタを連れてくれば良かったんじゃない?」
「恐がりがいたら調査になんねえだろ」
「やっぱりそう言うのは好きな子限定かしら?」
「さてな・・・」
「でも何かの拍子で船が揺れてリアが体勢を崩すかもしれないわよ?」
「具体的すぎだな・・・」
「うふふ、そうなったら面白いと思っただけよ」
ジュディはそう言って歩いて行き、先頭を歩いていたリアと並び話を始めた
「・・・何か微妙だな」
「ワフ・・・」
オレの言葉にラピードも少し呆れたような感じで返事をした
またまた戻ってこちらは見張り組
俺は船をうろうろしながら外からアーセルム号の調査をしていた
「・・・ユーリ達、遅いね」
「そうですね・・・」
この雰囲気に耐えきれなくなったのかカロルとエステルは口を開く
「・・・」
リタはトクナガと一緒に駆動魔導器を調べているが、やはり心配そうな顔をしている
「青年達なら大丈夫でしょーよ」
「そう、ですね・・・」
そんなエステル達を見かねておっさんが声を掛ける
こういう時に安心させようと気遣いが出来るのが流石年長者だよな
そう思って俺はまた調査を始めようとしていると急に変な音が聞こえた
ミシっ
「ん? 何の音?」
「!! あれ見て・・・!」
急に変な音が聞こえカロルがマストを指差すとマストが折れ掛かっていた
「ちょっと! あれ、折れそうよ!?」
途端マストは折れて船の上に落ち、両方の船にもの凄い振動が響いた
アーセルム号も大半の所は回っただろうと思っていると急に大きな振動が響き、船が大きく揺れた
「きゃあぁぁ!!」
「と。大丈夫か?」
オレは体制を壊したリアを受け止め、揺れが収まったのを確認するとリアを立たせてやった
「ユーリ、有り難う」
「ああ」
リアは数歩歩きジュディと並んだ
「大丈夫?」
「うん、ユーリが受け止めてくれたから」
「なら良かったわ」
ジュディはそう言ってオレを見るとニッコリと微笑んでいた
その笑みは「ホントになって良かったわね」と言った笑みだった
オレは小さく息を吐き何が起こったのか確認すると今歩いて来た道を塞ぐ様に鉄格子が降りていた
「ダメだ、開かない」
「先に進むしかないみたいね」
「此処にいても仕方がないからね」
「だな、進んでみようぜ。残ってる奴等に何か遭ったのか・・・?」
「連絡取ってみる?」
「そうね。アスラ、お願い」
リアの返事を聞くとアスラはセイと連絡を取り始めた
振動が収まり、体制を崩して倒れていたカロル達はゆっくりと起き上がった
「皆さん、大丈夫ですか?」
「ボク達は平気だけど、ユーリ達は・・・」
「今の衝撃で無事とは言い切れないわね」
「いや、何とか無事らしいぜ」
俺の言った事に驚いてみんな俺を見た
「どうして解るんです?」
「前に言ったろ、アスラと連絡取れるって」
「あ、そっか。ダングレストの時もそうだったね」
カロルはダングレストの時の様子を思い出すと、エステルとリタもその時の事を思い出したようだった
「ただ、来た道が塞がれたみたいで今出口を探してるらしい」
「ちょっと、それマズいんじゃないの?」
俺の言葉にリタは驚きの声を上げエステルとカロルも心配そうな顔をした
「ああ、だから俺達が別の道を見つけた方が良いだろうな」
「ちょっと、船の護衛はどうするの」
「その点なら問題ない、フキ!」
俺がそう言うと俺の前にエルフやクリティア族のような耳をした黒髪の男が現れた
「うわぁ! こ、この人、誰?」
「俺の式神 だ」
「つ、ツレ、ですか?」
「・・・成る程ね。これがセイの式神、ね」
この中で唯一式神の事を知っているリタはじっとフキを見ていた
「俺が船の護衛に着く。だから安心してくれ」
「まあ、セイのツレなら安心だわな」
「・・・そうね。腕も立ちそうだし、これなら安心出来るわ」
「じゃあ俺達はリア達を助けに行ってくる。ほら、行くぞ」
「ちょ、ちょっと、離しなさいよ!」
「ボクまで引っ張らないでよぉ~!」
「あ、待って下さい!」
「いってらっしゃ~い」
「おっさんも来る!」
「・・・やっぱ俺様も行くのね」
俺はリタとカロルの服を引っ張りながらアーセルム号に向かいだし、その後にエステルが続き、一人涼しげな顔をしていたレイヴンにも声を掛け歩き出した
「・・・と言う訳で、セイ達もこっちに向かってる」
アスラは兄さんと連絡を取った時の事を話してくれた
「成る程な。まあ、護衛が残ってるなら問題ないか」
「そうね。あの人達も安心でしょうし」
「とりあえず合流出来そうな所まで行こう」
「そうだな」
それから私達は兄さん達と合流する為、歩き出した
続く
あとがき
今回はリアちゃん視点、セイ兄視点、ユーリ視点で色々書けたから面白かったし書いてて楽しかったなw
そしてちょっと本業の仕事をやりましたね
ま、この二人は本業の事知ってるからね
そして、夢小説では初登場、フキ(普輝)!!
フキもまさか此処で登場とは思いませんでした(笑)
でもこういう力があるんだから使わないと損でしょ!
なんで、フキを出してみました
下書き:2008.12.13
完成:2009.07.05
かなり古い型のこの船はどう見ても幽霊船と言える程の外見だった
この船とフィエルティア号が衝突し、駆動魔導器が突然動かなくなった
原因はこのアーセルム号かもしれないと思い、私、アスラ、ユーリ、ラピード、ジュディスは原因を調べる為アーセルム号の中へ入って行った
37.アーセルム号
「外見も外見なら船内も船内だな」
「まさに幽霊船ね」
ギシギシ、という音を立てながら私達は船内を探索していた
「しかも変わった作りだよね。一面鏡張りだなんて」
「いかにも出そうだよな」
この船の中はどうやら全て鏡張りになっているようで、階段は途中途切れていたり、床は所々抜けていた
天上にランプがぶら下がっているというのに明かりもなく、気味の悪さ最高潮だった
「探索に来たのが私達で良かったね」
兄さん以外はみんなこういうのニガテそうだし(苦笑)
「何か変わった所あったか?」
「得にはないわね」
「あれ・・・?」
「どうした?」
鏡張りの廊下を歩いているとふと一枚の鏡から不思議な力を感じ、私はその鏡の前で止まった
途端、鏡の向こうにお化けのような魔物が現れた
「「!」」
「リア、左二枚先!」
ユーリとジュディスは魔物の姿が消え驚いているとアスラが魔物の居場所を教えてくれ、直ぐさまその鏡に短剣を突き刺すと、魔物は悲鳴を上げて消えていった
「・・・倒したのか?」
「ええ。けど、普通の武器じゃあの魔物は倒せないと思う」
「リアとアスラを連れて来て正解だったわね」
「ああ。またあいつ等が出て来た時は頼むぜ」
「「了解」」
一方、こちらは見張り組
見張り、と言う割に船を隅々まで見ているのはセイだけだった
「・・・はぁ・・・。こいつ等、見張りの意味解ってんのかね・・・」
俺はカロル達の様子を見て思わず溜息を吐いてしまう
カロルはビクビクしながらユーリ達の帰りを待っていて、リタはうろうろしながら駆動魔導器見ているが若干不安そうな顔をしている
エステルもリタ同様うろうろしてアーセルム号を見ていて、レイヴンは胡座をかいて辺りの様子を見ているがレイヴンもこの雰囲気が嫌なのか嫌そうな顔をしていた
全員の様子を一通り見てまたアーセルム号の調査をしようとしていると不意に不思議な力を感じた
(・・・今の、リアとアスラか?)
俺は手を止めてアーセルム号を見る
そんなに大きな力を感じないが、こういう場所は必ずと言って良いほど奴等はいる
だからユーリも人選選びの時に俺とリアとアスラに声を掛けた
あいつは俺達の仕事の事を知ってるからな
ジュディスも俺達の事は知ってるからリアもアスラも作業はしやすいだろうしな
俺はそう思って小さく笑うとまた調査を始めた
戻って、こちらは探索組
あのお化けのような魔物の相手はリアとアスラが担当し、他の魔物はオレとジュディ、ラピードが担当しながら船の調査を進めていた
「不満そうな顔してるわね」
「ん?」
不意に声を掛けられジュディを見ると何処か楽しそうな顔してオレを見ていた
「リアが「いやぁ~、恐い~!」って言って抱きついて来てくれないからかしら?」
「リアはこの手の専門家だろ。んなのねーて」
「じゃあエステルやリタを連れてくれば良かったんじゃない?」
「恐がりがいたら調査になんねえだろ」
「やっぱりそう言うのは好きな子限定かしら?」
「さてな・・・」
「でも何かの拍子で船が揺れてリアが体勢を崩すかもしれないわよ?」
「具体的すぎだな・・・」
「うふふ、そうなったら面白いと思っただけよ」
ジュディはそう言って歩いて行き、先頭を歩いていたリアと並び話を始めた
「・・・何か微妙だな」
「ワフ・・・」
オレの言葉にラピードも少し呆れたような感じで返事をした
またまた戻ってこちらは見張り組
俺は船をうろうろしながら外からアーセルム号の調査をしていた
「・・・ユーリ達、遅いね」
「そうですね・・・」
この雰囲気に耐えきれなくなったのかカロルとエステルは口を開く
「・・・」
リタはトクナガと一緒に駆動魔導器を調べているが、やはり心配そうな顔をしている
「青年達なら大丈夫でしょーよ」
「そう、ですね・・・」
そんなエステル達を見かねておっさんが声を掛ける
こういう時に安心させようと気遣いが出来るのが流石年長者だよな
そう思って俺はまた調査を始めようとしていると急に変な音が聞こえた
ミシっ
「ん? 何の音?」
「!! あれ見て・・・!」
急に変な音が聞こえカロルがマストを指差すとマストが折れ掛かっていた
「ちょっと! あれ、折れそうよ!?」
途端マストは折れて船の上に落ち、両方の船にもの凄い振動が響いた
アーセルム号も大半の所は回っただろうと思っていると急に大きな振動が響き、船が大きく揺れた
「きゃあぁぁ!!」
「と。大丈夫か?」
オレは体制を壊したリアを受け止め、揺れが収まったのを確認するとリアを立たせてやった
「ユーリ、有り難う」
「ああ」
リアは数歩歩きジュディと並んだ
「大丈夫?」
「うん、ユーリが受け止めてくれたから」
「なら良かったわ」
ジュディはそう言ってオレを見るとニッコリと微笑んでいた
その笑みは「ホントになって良かったわね」と言った笑みだった
オレは小さく息を吐き何が起こったのか確認すると今歩いて来た道を塞ぐ様に鉄格子が降りていた
「ダメだ、開かない」
「先に進むしかないみたいね」
「此処にいても仕方がないからね」
「だな、進んでみようぜ。残ってる奴等に何か遭ったのか・・・?」
「連絡取ってみる?」
「そうね。アスラ、お願い」
リアの返事を聞くとアスラはセイと連絡を取り始めた
振動が収まり、体制を崩して倒れていたカロル達はゆっくりと起き上がった
「皆さん、大丈夫ですか?」
「ボク達は平気だけど、ユーリ達は・・・」
「今の衝撃で無事とは言い切れないわね」
「いや、何とか無事らしいぜ」
俺の言った事に驚いてみんな俺を見た
「どうして解るんです?」
「前に言ったろ、アスラと連絡取れるって」
「あ、そっか。ダングレストの時もそうだったね」
カロルはダングレストの時の様子を思い出すと、エステルとリタもその時の事を思い出したようだった
「ただ、来た道が塞がれたみたいで今出口を探してるらしい」
「ちょっと、それマズいんじゃないの?」
俺の言葉にリタは驚きの声を上げエステルとカロルも心配そうな顔をした
「ああ、だから俺達が別の道を見つけた方が良いだろうな」
「ちょっと、船の護衛はどうするの」
「その点なら問題ない、フキ!」
俺がそう言うと俺の前にエルフやクリティア族のような耳をした黒髪の男が現れた
「うわぁ! こ、この人、誰?」
「俺の
「つ、ツレ、ですか?」
「・・・成る程ね。これがセイの式神、ね」
この中で唯一式神の事を知っているリタはじっとフキを見ていた
「俺が船の護衛に着く。だから安心してくれ」
「まあ、セイのツレなら安心だわな」
「・・・そうね。腕も立ちそうだし、これなら安心出来るわ」
「じゃあ俺達はリア達を助けに行ってくる。ほら、行くぞ」
「ちょ、ちょっと、離しなさいよ!」
「ボクまで引っ張らないでよぉ~!」
「あ、待って下さい!」
「いってらっしゃ~い」
「おっさんも来る!」
「・・・やっぱ俺様も行くのね」
俺はリタとカロルの服を引っ張りながらアーセルム号に向かいだし、その後にエステルが続き、一人涼しげな顔をしていたレイヴンにも声を掛け歩き出した
「・・・と言う訳で、セイ達もこっちに向かってる」
アスラは兄さんと連絡を取った時の事を話してくれた
「成る程な。まあ、護衛が残ってるなら問題ないか」
「そうね。あの人達も安心でしょうし」
「とりあえず合流出来そうな所まで行こう」
「そうだな」
それから私達は兄さん達と合流する為、歩き出した
続く
あとがき
今回はリアちゃん視点、セイ兄視点、ユーリ視点で色々書けたから面白かったし書いてて楽しかったなw
そしてちょっと本業の仕事をやりましたね
ま、この二人は本業の事知ってるからね
そして、夢小説では初登場、フキ(普輝)!!
フキもまさか此処で登場とは思いませんでした(笑)
でもこういう力があるんだから使わないと損でしょ!
なんで、フキを出してみました
下書き:2008.12.13
完成:2009.07.05