水道魔導器奪還編
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カロルを探しながら外に出ると女の子と男の子が言い合っている声が聞こえ私達は足を止めた
18.エステルの正体
「何かあれば、直ぐにそう! いつも、いつも一人で逃げ出して!」
「ち、違うよ!」
「何が違うの!?」
その声はカロルとナンだった
どうやらナンは先程の魔物との戦闘の時にカロルが逃げ出した事を怒っているようだった
「だからハルルの時は・・・」
「今はハルルの事は言ってない! やましい事がないのなら、さっさと仲間の所に戻れば良いじゃない」
「だから、それは・・・・」
「あたしに説明しなくて良い。する相手は別にいるでしょ」
「え・・・?」
暫くその様子を見ているとナンが私達に気付き、カロルに私達の事を目線で教えカロルは振り返り私達を見ると私達はカロルに寄って行った
「みんな・・・」
「カロル、無事で良かったです」
「ホント、無事で良かった」
「心配しだんだよ」
「まったくよ。何処行ってたんだか。こっちは大変だったのに」
「ご、ごめんなさい・・・・」
「ま、ケガもないみたいで何よりだ」
ユーリはそう言ってカロルのポンと頭に手を置いた
「もう、行くから」
「あ、待って・・・」
ナンは居心地が悪くなったのか背を向け立ち去ろうとしたがカロルが止めた
「自分が何をしたのか、ちゃんと考えるのね。じゃないともう知らないから」
そう言い残しナンは走り去って行った
カロルはその後ろ姿をじっと見ているとユーリがカロルの頭を少し乱暴に撫でた
「わっ、ちょっと! や~め~て~よ!」
「行こうぜ、カロル。もう疲れた」
「ユーリ・・・」
ユーリはいつも以上に優しい声でカロルに声を掛け私もカロルに優しく微笑んだ
「リア・・・」
「しかしとんだ大ハズレね。紅の絆傭兵団なんていないし」
「ほんとに。やっぱあのおっさんの情報は次から注意しないとな」
「おっさん・・・って、まさか、あの・・・?」
「そう」
「みんなして、おっさんって・・・ι」
「あ、あ、あのおっさん、次は顔見た瞬間に焼いてやるっ!」
「穏便に、ね、穏便に行きましょうι」
エステルの言葉で何とかその場は収まり私達は出口に向かって歩き出した
*
「「「「「!」」」」」「グルルルル」
「?」
出口に着くと意外な人物が部下を連れて立っていた
「ようやく見つけたよ、愚民ども。そこで止まりな」
「キュモール」
「何でこんな所に・・・?」
「わざわざ海まで渡って、暇な下っ端共だな」
「くっ・・・。キミに下っ端呼ばわりされる筋合いはないね。さ、姫様、こ・ち・ら・へ」
キュモールはエステルに近付くがエステルは一歩後退る
「え、姫様って・・・誰?」
「姫様は姫様だろ。そこの目の前のな」
ユーリはそう言ってエステルを見る
「え・・・。ユ、ユーリ、どうして、それを・・・?」
「え・・・。エステルが・・・・姫様?」
「やっぱりね。そうじゃないかと思ってた」
「え、リタも・・・?」
「気付いてなかったのエステルとカロルだけだよ」
「アスラまで・・・。じゃあ、もしかしてリアも?」
「ええ。勿論兄さんも知ってるわよ」
「え、ええ!?」
「ちょ、ちょっとそんな・・・」
エステルは驚いて暫く私達を見ていたが急に表情を変え、キュモールに向き合い歩き出した
「・・・彼等をどうするのですか?」
「決まってます。姫様誘拐の罪で八つ裂きです」
「待って下さい、わたしは誘拐されたのではなくて・・・」
「あ~、五月蠅い姫様だね! こっちに来て下さいよっ!」
キュモールは痺れを切らすと控えていた騎士達が槍を向け、キュモールも剣を抜きエステルに突き付けるとユーリも剣を抜いた
「エステル・・・!」
「そっちのハエはそこで死んじゃえ!」
「ユーリ・ローウェルとその一味を罪人として捕縛せよ!」
キュモールが叫ぶと突然キュモールの後ろから別の声が聞こえ、見るとシュヴァーン隊のあの三人が現れた
「げっ・・・貴様等、シュヴァーン隊・・・! 待ちなよ! こいつは僕の見つけた獲物だ! むざむざ渡さんぞ!」
「獲物、ですか。任務を狩り気分でやられては困りますな」
「ぐっ・・・」
「それに先程、死ね、と聞こえたのですが・・・」
「そうだよ、犯罪者に死の咎を与えて何が悪い?」
「犯罪者は捕まえて法の下で裁くべきでは?」
いつもより迫力と威厳のあるルブランの姿に私達は少し驚いていた
「・・・何か格好良いじゃん」
「うん。なんだかこっちが騎士団らしい」
「・・・いつものあいつ等とは思えないな」
「うん・・・」
近くにいたユーリとカロルとアスラでルブラン達に聞こえない程の小声で話しているとキュモールは悔しそうな憎らしそうな顔をしてルブランを見た
「・・・ふん・・・。そんな小物、お前等にくれてやるよ」
そう言いキュモールは踵を返し歩きながら文句を言っていた
「シュヴァーンといい、フレンといい、貴族でもなく成り上がりのくせに偉そうに・・・。これと言うのも、あの騎士団長が・・・」
「・・・・・・」
「リア・・・」
キュモールの言葉を聞いて私はキュモールを少し睨み付けていた
フレンの事を悪く言われた事に腹を立てたのもあったが、何より貴族がどうと言う話しをユーリの前でしないで欲しい
それはユーリが嫌う言葉の一つだったから・・・
「・・・ごめん、大丈夫」
私は大丈夫、だが・・・ユーリが心配でちらりとユーリを見ると思った通りユーリは複雑な顔をしていた
エステル達が見たらいつもと変わらないと言うだろうが、付き合いの長い私が見ればユーリが複雑な表情をしているが一目瞭然だった
あまり見ていると逆にユーリが心配してしまうので私は目の前の光景に視線を戻すとルブランとボッコスがエステルの近くにいた
「リア・ルーティアも一緒だな」
「え? きゃっ! な、何!?」
いきなり自分の名前を呼ばれルブランを見ると私の腕を掴みエステルの方に連れて来た
「お前は姫様と一緒でこっちだ」
「え? え?」
訳が分からずにいるとルブランはアデコールとボッコスにユーリ達を捕らえろと命じていた
「ユーリ一味! 大人しくお縄を頂戴するであ~る!」
「一味って何よ! 何すんのよ! 離せ! あたしを誰だと・・・」
「ボ、ボクだって何もやってないのに!」
「彼等に乱暴しないで下さい! お願いです・・・!」
「エステル、心配しなくても良い」
「ユーリ・・・!」
「ユーリの言う通りだよ、エステル」
「此処は大人しくしておこう」
「アスラ・・・、リア・・・」
私達の言葉でエステルはルブラン達に訴えるのをやめた
「いいから、きりきり歩くのであ~る!」
「いてっ、ちょっと引っ張るなよ・・・!」
「シュヴァーン隊長、不届き者をヘリオードへ連行します」
ルブランは私達がいる場所とは別の場所を見て報告していた
その場所を見ようとしたが直ぐにルブランが出発の合図を出した
続く
あとがき
だぁ~~~、やっと終わったぁ~~~
此処もかなり苦戦しながら書きました
そして最後ですが何故かリアちゃんだけエステルと同じ所に連れて来られました
何で? と思ってるのはリアちゃんもユーリ達も同じです(笑)
でもそれは次回で明らかになりますのご安心を
2008.11.19
18.エステルの正体
「何かあれば、直ぐにそう! いつも、いつも一人で逃げ出して!」
「ち、違うよ!」
「何が違うの!?」
その声はカロルとナンだった
どうやらナンは先程の魔物との戦闘の時にカロルが逃げ出した事を怒っているようだった
「だからハルルの時は・・・」
「今はハルルの事は言ってない! やましい事がないのなら、さっさと仲間の所に戻れば良いじゃない」
「だから、それは・・・・」
「あたしに説明しなくて良い。する相手は別にいるでしょ」
「え・・・?」
暫くその様子を見ているとナンが私達に気付き、カロルに私達の事を目線で教えカロルは振り返り私達を見ると私達はカロルに寄って行った
「みんな・・・」
「カロル、無事で良かったです」
「ホント、無事で良かった」
「心配しだんだよ」
「まったくよ。何処行ってたんだか。こっちは大変だったのに」
「ご、ごめんなさい・・・・」
「ま、ケガもないみたいで何よりだ」
ユーリはそう言ってカロルのポンと頭に手を置いた
「もう、行くから」
「あ、待って・・・」
ナンは居心地が悪くなったのか背を向け立ち去ろうとしたがカロルが止めた
「自分が何をしたのか、ちゃんと考えるのね。じゃないともう知らないから」
そう言い残しナンは走り去って行った
カロルはその後ろ姿をじっと見ているとユーリがカロルの頭を少し乱暴に撫でた
「わっ、ちょっと! や~め~て~よ!」
「行こうぜ、カロル。もう疲れた」
「ユーリ・・・」
ユーリはいつも以上に優しい声でカロルに声を掛け私もカロルに優しく微笑んだ
「リア・・・」
「しかしとんだ大ハズレね。紅の絆傭兵団なんていないし」
「ほんとに。やっぱあのおっさんの情報は次から注意しないとな」
「おっさん・・・って、まさか、あの・・・?」
「そう」
「みんなして、おっさんって・・・ι」
「あ、あ、あのおっさん、次は顔見た瞬間に焼いてやるっ!」
「穏便に、ね、穏便に行きましょうι」
エステルの言葉で何とかその場は収まり私達は出口に向かって歩き出した
*
「「「「「!」」」」」「グルルルル」
「?」
出口に着くと意外な人物が部下を連れて立っていた
「ようやく見つけたよ、愚民ども。そこで止まりな」
「キュモール」
「何でこんな所に・・・?」
「わざわざ海まで渡って、暇な下っ端共だな」
「くっ・・・。キミに下っ端呼ばわりされる筋合いはないね。さ、姫様、こ・ち・ら・へ」
キュモールはエステルに近付くがエステルは一歩後退る
「え、姫様って・・・誰?」
「姫様は姫様だろ。そこの目の前のな」
ユーリはそう言ってエステルを見る
「え・・・。ユ、ユーリ、どうして、それを・・・?」
「え・・・。エステルが・・・・姫様?」
「やっぱりね。そうじゃないかと思ってた」
「え、リタも・・・?」
「気付いてなかったのエステルとカロルだけだよ」
「アスラまで・・・。じゃあ、もしかしてリアも?」
「ええ。勿論兄さんも知ってるわよ」
「え、ええ!?」
「ちょ、ちょっとそんな・・・」
エステルは驚いて暫く私達を見ていたが急に表情を変え、キュモールに向き合い歩き出した
「・・・彼等をどうするのですか?」
「決まってます。姫様誘拐の罪で八つ裂きです」
「待って下さい、わたしは誘拐されたのではなくて・・・」
「あ~、五月蠅い姫様だね! こっちに来て下さいよっ!」
キュモールは痺れを切らすと控えていた騎士達が槍を向け、キュモールも剣を抜きエステルに突き付けるとユーリも剣を抜いた
「エステル・・・!」
「そっちのハエはそこで死んじゃえ!」
「ユーリ・ローウェルとその一味を罪人として捕縛せよ!」
キュモールが叫ぶと突然キュモールの後ろから別の声が聞こえ、見るとシュヴァーン隊のあの三人が現れた
「げっ・・・貴様等、シュヴァーン隊・・・! 待ちなよ! こいつは僕の見つけた獲物だ! むざむざ渡さんぞ!」
「獲物、ですか。任務を狩り気分でやられては困りますな」
「ぐっ・・・」
「それに先程、死ね、と聞こえたのですが・・・」
「そうだよ、犯罪者に死の咎を与えて何が悪い?」
「犯罪者は捕まえて法の下で裁くべきでは?」
いつもより迫力と威厳のあるルブランの姿に私達は少し驚いていた
「・・・何か格好良いじゃん」
「うん。なんだかこっちが騎士団らしい」
「・・・いつものあいつ等とは思えないな」
「うん・・・」
近くにいたユーリとカロルとアスラでルブラン達に聞こえない程の小声で話しているとキュモールは悔しそうな憎らしそうな顔をしてルブランを見た
「・・・ふん・・・。そんな小物、お前等にくれてやるよ」
そう言いキュモールは踵を返し歩きながら文句を言っていた
「シュヴァーンといい、フレンといい、貴族でもなく成り上がりのくせに偉そうに・・・。これと言うのも、あの騎士団長が・・・」
「・・・・・・」
「リア・・・」
キュモールの言葉を聞いて私はキュモールを少し睨み付けていた
フレンの事を悪く言われた事に腹を立てたのもあったが、何より貴族がどうと言う話しをユーリの前でしないで欲しい
それはユーリが嫌う言葉の一つだったから・・・
「・・・ごめん、大丈夫」
私は大丈夫、だが・・・ユーリが心配でちらりとユーリを見ると思った通りユーリは複雑な顔をしていた
エステル達が見たらいつもと変わらないと言うだろうが、付き合いの長い私が見ればユーリが複雑な表情をしているが一目瞭然だった
あまり見ていると逆にユーリが心配してしまうので私は目の前の光景に視線を戻すとルブランとボッコスがエステルの近くにいた
「リア・ルーティアも一緒だな」
「え? きゃっ! な、何!?」
いきなり自分の名前を呼ばれルブランを見ると私の腕を掴みエステルの方に連れて来た
「お前は姫様と一緒でこっちだ」
「え? え?」
訳が分からずにいるとルブランはアデコールとボッコスにユーリ達を捕らえろと命じていた
「ユーリ一味! 大人しくお縄を頂戴するであ~る!」
「一味って何よ! 何すんのよ! 離せ! あたしを誰だと・・・」
「ボ、ボクだって何もやってないのに!」
「彼等に乱暴しないで下さい! お願いです・・・!」
「エステル、心配しなくても良い」
「ユーリ・・・!」
「ユーリの言う通りだよ、エステル」
「此処は大人しくしておこう」
「アスラ・・・、リア・・・」
私達の言葉でエステルはルブラン達に訴えるのをやめた
「いいから、きりきり歩くのであ~る!」
「いてっ、ちょっと引っ張るなよ・・・!」
「シュヴァーン隊長、不届き者をヘリオードへ連行します」
ルブランは私達がいる場所とは別の場所を見て報告していた
その場所を見ようとしたが直ぐにルブランが出発の合図を出した
続く
あとがき
だぁ~~~、やっと終わったぁ~~~
此処もかなり苦戦しながら書きました
そして最後ですが何故かリアちゃんだけエステルと同じ所に連れて来られました
何で? と思ってるのはリアちゃんもユーリ達も同じです(笑)
でもそれは次回で明らかになりますのご安心を
2008.11.19