水道魔導器奪還編
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ハルルの樹がある場所から下った所でリタとアスラと合流し、エステル達と合流する為にハルルの入り口に行くとエステルの周りを三人の騎士が取り囲んでいた
09.狙われる者達
「ユーリ、あれって・・・」
「あいつ等もこんな所までご苦労さんなこった」
そこにいたのはお馴染みのシュバーン隊のあの三人だった
ユーリはそのままラピードと一緒に歩いて行き私もリタもその後に続いた
「此処で会ったが百年目、ユーリ・ローウェル! そこになお~れぇ~!」
「うっわ、在り来たりな負け台詞~ι」
「負け台詞まで言うι」
「あれは負け台詞でしょ」
ルブランはユーリの方を見てまるで歌舞伎役者のような口上を述べ、ルブランは腰に付けていた剣を抜いた
そんなルブランの台詞に思わずツッコミを入れているとアデコールとボッコスの凸凹コンビがようやく私に気付いた
「ぬっ!! お前はリア・ルーティア!!」
「な、何故此処にいるのであ~る!」
「気付くの遅っ!」
「何、あんたも知り合い?」
「まあ一応・・・」
「今回はバカにしつこいな」
「昔からのよしみとはいえ、今日こそは容赦せんぞ!」
「昔からのよしみ、ねえ・・・」
ユーリと一番付き合いの長い私とアスラは苦笑してしているとエステルが一歩前に出た
「ユーリは悪くありません。わたしが連れ出すように頼んだのです!」
「ええい、おのれ、ユーリ! エステリーゼ様を脅迫しているのだな!」
「違います! これはわたしの意志です! 必ず戻りますから、後少し自由にさせて下さい!」
「それはなりませんぞ! 我々とお戻り下さい!」
「戻れません。解って下さい!」
エステルが一歩も引かないと解ると、ルブランは難しい顔をして唸った
「此処は致し方ない。どうせ罪人も捕らえるのだから・・・」
ルブランが合図すると、控えていたアデコールとボッコスがユーリに槍を向けた
が、これもいつもの事なので私は加勢しようとしていたカロル達の前に腕を出して止めた
「え? リア」
「直ぐ終わるから」
「ほら・・・」
カロル達はユーリの方を見るとアデコールとボッコスはユーリの剣の柄で殴り倒されていた
「ええいっ! 情けなーいっ!」
倒れた二人にルブランが怒鳴ると、二人はよろよろと立ち上がり、今度はルブランがユーリに向かって剣を構えようとしていたがそれより早くリタが魔術を発動させる体制に入った
「え、ちょ、リタ・・・」
カロルが声を掛けると同時に魔術が発動し見事三人に当たり、三人は地面に倒れた
「戻らないって言ってんだから、さっさと消えなさいよ!」
「!」
リタがキレたと思っていると一点から観察されている視線を感じた
振り返るとそこには以前ハルルの街を出る時に見た黒服の赤眼の男達がいた
私の行動に気が付いたのかエステルも私が見ている方を見てユーリ達に知らせた
「あいつ等・・・」
「フレンの手紙に書いてあった例の暗殺者でしょうね・・・」
「やっぱオレ等も狙われてんだな」
「みたいだね」
「今度は何っ!」
「ど、どういう事?」
「話は後だ! カロル、ノール港ってのはどっちだっけ?」
「こっち、着いて来て!」
混乱するカロルとリタに声を掛け私はそのまま街の外へと走り出したがエステルだけは何故かその場に留まったまま、私達とルブラン達を見比べていた
来るか否か、まだ迷っているのだろうか
そう思っているとじれったくなったリタが苛々しながらエステルを急かしたが、エステルは中々走り出そうとはせず、イライラが頂点に達したリタは殆ど怒鳴るように訊ねた
「・・・あ~っ!! 決めなさい! 本当にしたいのはどっち? 旅を続けるのか、帰るのか!」
エステルは少し考え、そして静かに答えた
「・・・今は、旅を続けます」
「賢明な選択ね。あの手の大人は懇願したって解ってくれないのよ」
「エステル、リタ!」
「はい、今行きます!」
ユーリはルブラン達の元へ行ったがユーリにはユーリの考えがあるのだろうと思い私はエステル達を連れて先に街の外で待つ事にした
*
ハルルを出た私達は無事にエフミドの丘まで辿り着く事が出来た
「此処がエフミドの丘」
見る限りずっとなだらかな傾斜の続く坂道
散歩道にもなりそうな程平和な景観
「此処を越えればノール港に着くんだけど・・・」
そこで言葉を切るとリアは辺りを見渡しカロルも同じ事をして首を傾げていた
「どうかしたんです?」
「可笑しいんだ・・・結界がなくなってる」
「此処に結界があったのか?」
「うん、来る時にはあったよ」
「人の住んでないとこに結界とは贅沢な話だな」
「あんたの思い違いでしょ。結界の設置場所は、あたしも把握してるけど、知らないわよ」
「私も戻って来る時に見たけど」
「あんたまで・・・」
リタが呆れているとカロルは少しムッとしながら答えた
「リタが知らないだけだよ。最近設置されたってナンが言ってたし」
「ナンって誰ですか?」
「え・・・? え、えっと・・・ほ、ほら、ギルドの仲間だよ」
そうエステルが小首を傾げて尋ねるとカロルはしまったと言う顔をした
・・・恐らくそのナンという子がカロルの想い人なのだろう
皆それに気が付いたのかなんともいえない顔でカロルを見つめていると
「ボ、ボク、その辺で情報を集めて来る!!」
居心地が悪くなったのか、カロルは慌てて走って行っていきリタもすたすたと行ってしまった
「ったく、自分勝手な連中だな。迷子になっても知らねえぞ」
「でもしっかりしているから大丈夫なんじゃないです?」
「しっかりしててもまだ子供だしね」
「だな」
そんなユーリとリアを見てエステルは何を思ったのかニコニコしながら言った
「なんだかユーリとリアって保護者みたいですね」
「は?」「え?」
まあ年齢的にエステル達よりかは上だが・・・と思い顔を見合わせる二人
「まあ、間違っちゃないがな・・・」
「うん・・・」
だが何故か複雑な表情をする二人だった
「三人共、聞いて!」
すると情報収集に行っていたカロルが物凄い勢いでがリア達の元へ戻って来た
「それが一瞬だったらしいよ! 槍でガツン! 魔導器をドカンで! 空にピューって飛んで行ってね!」
「・・・えーと」
「・・・誰が何をどうしたって?」
カロルの効果音混じりの良く解らない説明を聞き皆頭に疑問符を出すと解りやすく説明してくれた
「竜に乗った奴が結界魔導器を槍で壊して飛び去ったんだってさ!」
「竜に乗った人・・・?」
「・・・それって、もしかして・・・」
カロルのその言葉を聞き、リアとアスラは顔を見合わせた
「・・・まさか、ね・・・」
「ちょっと放しなさいよ! 何すんの!?」
そう思っていると壊れた魔導器を見に行ったリタの叫ぶ声が聞こえた
何事かと思いリタがいる方を見ると騎士達がリタを取り囲んでいた
「何か騒ぎ起こしてるよ」
「この魔導器の術式は絶対可笑しい!」
「可笑しくなんかありません。貴女の言っている事の方が可笑しいんじゃ・・・」
「あたしを誰だと思ってるのよ!」
「存じています。噂の天才魔導士でしょ。でも、貴女にだって知らない術式の一つくらいありますよ!」
「こんな変な術式の使い方して、魔導器が可哀想でしょ!」
「ちょっと! 見てないで捕まえるの手伝って下さい!」
リタの抗議に対し、男と騎士は困り果てていたがどちらも退く気はない様子
「火事だぁっ! 山火事だぁっ!」
「何だあのガキ」
「山火事? 音も匂いもしないが?」
「こらっ! 嘘つき小僧!」
「やばっ・・・もうばれたの?」
助け船を出したカロルだったが直ぐに嘘だとばれてしまいカロルはそのまま走って行き騎士達はカロルを追い駆けたが一人の騎士がユーリ達の前で止まった
「お前達、さっきのガキと一緒にいたようだが・・・ん? お前、確か手配書の・・・」
ユーリはリタの元へ行き騎士を気絶させるとリタと一緒に走って戻って来ていたが騎士もその後を追い駆けようとするがラピードに足止めされてしまう
「ごめんなさい」
「エステルこっち」
ユーリはそのまま茂みの中へ逃げ込みリアはエステルの手を引いてユーリの後を追った
茂みの中に逃げ込み向こうから見えない所まで行くとようやく立ち止まった
「振り切ったか?」
「大丈夫みたいだよ」
「二人共、大丈夫?」
エステルとリタを見ると二人は思いっきり息を切らせていた
「は、はい・・・なんとか。リタって、もっと考えて行動する人だと思っていました」
「・・・あの結界魔導器、完璧可笑しかったから、つい・・・」
「可笑しかったって・・・?」
「厄介事か?」
「厄介事なんて可愛い言葉で片付けば良いけど・・・」
「ユーリ・ローウェ~~ル! 何処に逃げよったあっ!」
そう話しているとユーリの名を大きな声で呼ぶ声が聞きこえ草陰からそっと覗いてみると、銀色の甲冑を身に着け苛立った様子で辺りを手当たり次第に探すルブランの姿があった
「呼ばれてるわよ? 有名人」
「またかよ。仕事熱心なのも考えもんだな」
「エステリーゼ様~! 出て来て下さいであ~る!」
次に通りかかったのはアデコールだった
それを見たリタは溜め息を吐き呆れたようにユーリとエステルを見た
「・・・あんた等、問題多いわね。一体何者よ」
「えと、わたしは・・・」
エステルが困っていると次に意外な名前が呼ばれた
「リア・ルーティアも出て来るのだ~!」
それには此処にいた誰もが驚き等の本人も驚いていた
「・・・あんたまで」
「何故リアまで・・・?」
「さ、さあ?」
「とりあえず、逃げた方が良いんじゃない?」
すると急にラピードが茂みに向かって唸りだし皆一瞬身構えた
「うわあああっ! 待って待って! ボクだよ!」
カロルの姿を確認すると一斉に気を抜きカロルの元へと向かった
「カロル・・・吃驚させないで下さい」
「カロルも戻って来た事だし、面倒になる前にさっさとノール港まで行くぞ」
だが、行く手は見る限り延々獣道しか続いていなさそうだが此処でじっとしていて捕まるよりも断然マシだという事になりリア達はこの獣道を進む事にした
続く
あとがき
とりあえず、エフミドの丘に入った所までです
何故か最後はリアちゃんの名前も呼ばれていました
それは後に解ってくる事です
次はまたまた好きなシーンです
頑張って書きます
では!!
2008.11.06
09.狙われる者達
「ユーリ、あれって・・・」
「あいつ等もこんな所までご苦労さんなこった」
そこにいたのはお馴染みのシュバーン隊のあの三人だった
ユーリはそのままラピードと一緒に歩いて行き私もリタもその後に続いた
「此処で会ったが百年目、ユーリ・ローウェル! そこになお~れぇ~!」
「うっわ、在り来たりな負け台詞~ι」
「負け台詞まで言うι」
「あれは負け台詞でしょ」
ルブランはユーリの方を見てまるで歌舞伎役者のような口上を述べ、ルブランは腰に付けていた剣を抜いた
そんなルブランの台詞に思わずツッコミを入れているとアデコールとボッコスの凸凹コンビがようやく私に気付いた
「ぬっ!! お前はリア・ルーティア!!」
「な、何故此処にいるのであ~る!」
「気付くの遅っ!」
「何、あんたも知り合い?」
「まあ一応・・・」
「今回はバカにしつこいな」
「昔からのよしみとはいえ、今日こそは容赦せんぞ!」
「昔からのよしみ、ねえ・・・」
ユーリと一番付き合いの長い私とアスラは苦笑してしているとエステルが一歩前に出た
「ユーリは悪くありません。わたしが連れ出すように頼んだのです!」
「ええい、おのれ、ユーリ! エステリーゼ様を脅迫しているのだな!」
「違います! これはわたしの意志です! 必ず戻りますから、後少し自由にさせて下さい!」
「それはなりませんぞ! 我々とお戻り下さい!」
「戻れません。解って下さい!」
エステルが一歩も引かないと解ると、ルブランは難しい顔をして唸った
「此処は致し方ない。どうせ罪人も捕らえるのだから・・・」
ルブランが合図すると、控えていたアデコールとボッコスがユーリに槍を向けた
が、これもいつもの事なので私は加勢しようとしていたカロル達の前に腕を出して止めた
「え? リア」
「直ぐ終わるから」
「ほら・・・」
カロル達はユーリの方を見るとアデコールとボッコスはユーリの剣の柄で殴り倒されていた
「ええいっ! 情けなーいっ!」
倒れた二人にルブランが怒鳴ると、二人はよろよろと立ち上がり、今度はルブランがユーリに向かって剣を構えようとしていたがそれより早くリタが魔術を発動させる体制に入った
「え、ちょ、リタ・・・」
カロルが声を掛けると同時に魔術が発動し見事三人に当たり、三人は地面に倒れた
「戻らないって言ってんだから、さっさと消えなさいよ!」
「!」
リタがキレたと思っていると一点から観察されている視線を感じた
振り返るとそこには以前ハルルの街を出る時に見た黒服の赤眼の男達がいた
私の行動に気が付いたのかエステルも私が見ている方を見てユーリ達に知らせた
「あいつ等・・・」
「フレンの手紙に書いてあった例の暗殺者でしょうね・・・」
「やっぱオレ等も狙われてんだな」
「みたいだね」
「今度は何っ!」
「ど、どういう事?」
「話は後だ! カロル、ノール港ってのはどっちだっけ?」
「こっち、着いて来て!」
混乱するカロルとリタに声を掛け私はそのまま街の外へと走り出したがエステルだけは何故かその場に留まったまま、私達とルブラン達を見比べていた
来るか否か、まだ迷っているのだろうか
そう思っているとじれったくなったリタが苛々しながらエステルを急かしたが、エステルは中々走り出そうとはせず、イライラが頂点に達したリタは殆ど怒鳴るように訊ねた
「・・・あ~っ!! 決めなさい! 本当にしたいのはどっち? 旅を続けるのか、帰るのか!」
エステルは少し考え、そして静かに答えた
「・・・今は、旅を続けます」
「賢明な選択ね。あの手の大人は懇願したって解ってくれないのよ」
「エステル、リタ!」
「はい、今行きます!」
ユーリはルブラン達の元へ行ったがユーリにはユーリの考えがあるのだろうと思い私はエステル達を連れて先に街の外で待つ事にした
*
ハルルを出た私達は無事にエフミドの丘まで辿り着く事が出来た
「此処がエフミドの丘」
見る限りずっとなだらかな傾斜の続く坂道
散歩道にもなりそうな程平和な景観
「此処を越えればノール港に着くんだけど・・・」
そこで言葉を切るとリアは辺りを見渡しカロルも同じ事をして首を傾げていた
「どうかしたんです?」
「可笑しいんだ・・・結界がなくなってる」
「此処に結界があったのか?」
「うん、来る時にはあったよ」
「人の住んでないとこに結界とは贅沢な話だな」
「あんたの思い違いでしょ。結界の設置場所は、あたしも把握してるけど、知らないわよ」
「私も戻って来る時に見たけど」
「あんたまで・・・」
リタが呆れているとカロルは少しムッとしながら答えた
「リタが知らないだけだよ。最近設置されたってナンが言ってたし」
「ナンって誰ですか?」
「え・・・? え、えっと・・・ほ、ほら、ギルドの仲間だよ」
そうエステルが小首を傾げて尋ねるとカロルはしまったと言う顔をした
・・・恐らくそのナンという子がカロルの想い人なのだろう
皆それに気が付いたのかなんともいえない顔でカロルを見つめていると
「ボ、ボク、その辺で情報を集めて来る!!」
居心地が悪くなったのか、カロルは慌てて走って行っていきリタもすたすたと行ってしまった
「ったく、自分勝手な連中だな。迷子になっても知らねえぞ」
「でもしっかりしているから大丈夫なんじゃないです?」
「しっかりしててもまだ子供だしね」
「だな」
そんなユーリとリアを見てエステルは何を思ったのかニコニコしながら言った
「なんだかユーリとリアって保護者みたいですね」
「は?」「え?」
まあ年齢的にエステル達よりかは上だが・・・と思い顔を見合わせる二人
「まあ、間違っちゃないがな・・・」
「うん・・・」
だが何故か複雑な表情をする二人だった
「三人共、聞いて!」
すると情報収集に行っていたカロルが物凄い勢いでがリア達の元へ戻って来た
「それが一瞬だったらしいよ! 槍でガツン! 魔導器をドカンで! 空にピューって飛んで行ってね!」
「・・・えーと」
「・・・誰が何をどうしたって?」
カロルの効果音混じりの良く解らない説明を聞き皆頭に疑問符を出すと解りやすく説明してくれた
「竜に乗った奴が結界魔導器を槍で壊して飛び去ったんだってさ!」
「竜に乗った人・・・?」
「・・・それって、もしかして・・・」
カロルのその言葉を聞き、リアとアスラは顔を見合わせた
「・・・まさか、ね・・・」
「ちょっと放しなさいよ! 何すんの!?」
そう思っていると壊れた魔導器を見に行ったリタの叫ぶ声が聞こえた
何事かと思いリタがいる方を見ると騎士達がリタを取り囲んでいた
「何か騒ぎ起こしてるよ」
「この魔導器の術式は絶対可笑しい!」
「可笑しくなんかありません。貴女の言っている事の方が可笑しいんじゃ・・・」
「あたしを誰だと思ってるのよ!」
「存じています。噂の天才魔導士でしょ。でも、貴女にだって知らない術式の一つくらいありますよ!」
「こんな変な術式の使い方して、魔導器が可哀想でしょ!」
「ちょっと! 見てないで捕まえるの手伝って下さい!」
リタの抗議に対し、男と騎士は困り果てていたがどちらも退く気はない様子
「火事だぁっ! 山火事だぁっ!」
「何だあのガキ」
「山火事? 音も匂いもしないが?」
「こらっ! 嘘つき小僧!」
「やばっ・・・もうばれたの?」
助け船を出したカロルだったが直ぐに嘘だとばれてしまいカロルはそのまま走って行き騎士達はカロルを追い駆けたが一人の騎士がユーリ達の前で止まった
「お前達、さっきのガキと一緒にいたようだが・・・ん? お前、確か手配書の・・・」
ユーリはリタの元へ行き騎士を気絶させるとリタと一緒に走って戻って来ていたが騎士もその後を追い駆けようとするがラピードに足止めされてしまう
「ごめんなさい」
「エステルこっち」
ユーリはそのまま茂みの中へ逃げ込みリアはエステルの手を引いてユーリの後を追った
茂みの中に逃げ込み向こうから見えない所まで行くとようやく立ち止まった
「振り切ったか?」
「大丈夫みたいだよ」
「二人共、大丈夫?」
エステルとリタを見ると二人は思いっきり息を切らせていた
「は、はい・・・なんとか。リタって、もっと考えて行動する人だと思っていました」
「・・・あの結界魔導器、完璧可笑しかったから、つい・・・」
「可笑しかったって・・・?」
「厄介事か?」
「厄介事なんて可愛い言葉で片付けば良いけど・・・」
「ユーリ・ローウェ~~ル! 何処に逃げよったあっ!」
そう話しているとユーリの名を大きな声で呼ぶ声が聞きこえ草陰からそっと覗いてみると、銀色の甲冑を身に着け苛立った様子で辺りを手当たり次第に探すルブランの姿があった
「呼ばれてるわよ? 有名人」
「またかよ。仕事熱心なのも考えもんだな」
「エステリーゼ様~! 出て来て下さいであ~る!」
次に通りかかったのはアデコールだった
それを見たリタは溜め息を吐き呆れたようにユーリとエステルを見た
「・・・あんた等、問題多いわね。一体何者よ」
「えと、わたしは・・・」
エステルが困っていると次に意外な名前が呼ばれた
「リア・ルーティアも出て来るのだ~!」
それには此処にいた誰もが驚き等の本人も驚いていた
「・・・あんたまで」
「何故リアまで・・・?」
「さ、さあ?」
「とりあえず、逃げた方が良いんじゃない?」
すると急にラピードが茂みに向かって唸りだし皆一瞬身構えた
「うわあああっ! 待って待って! ボクだよ!」
カロルの姿を確認すると一斉に気を抜きカロルの元へと向かった
「カロル・・・吃驚させないで下さい」
「カロルも戻って来た事だし、面倒になる前にさっさとノール港まで行くぞ」
だが、行く手は見る限り延々獣道しか続いていなさそうだが此処でじっとしていて捕まるよりも断然マシだという事になりリア達はこの獣道を進む事にした
続く
あとがき
とりあえず、エフミドの丘に入った所までです
何故か最後はリアちゃんの名前も呼ばれていました
それは後に解ってくる事です
次はまたまた好きなシーンです
頑張って書きます
では!!
2008.11.06