星喰み編
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みんなといつも以上に綺麗な連携が取れ、次々に技と術が決まっていく
そして兄さん、アスラ、フキと続き、私も続き、デュークの剣を抑えたまま私は叫んだ
「ユーリ!」
「任せろ! お終いにしようぜ! 貫け、鮮烈なる刃!!」
ユーリの大技が発動したと同時に私は瞬時にその場を離れた
「無辺の闇を鋭く斬り裂き、仇名す者を微塵に砕く!!」
そしてユーリは体制を崩したデュークを見て、そのまま飛び込む
「はああぁぁ、とどめだ!! 漸毅狼影陣ッ!!」
「ぐっっ!」
ユーリの大技が決まり、デュークはそのまま地面へと倒れた
99.Future‘s future
「すまぬ・・・エルシフル・・・約束・・・守れそうにない・・・」
「はあ・・はあ・・・」
ユーリは息を整えて、ゆっくりとデュークの元へと向かいだした
「エルシフルがどんな奴だったのかも知れねぇオレが言っても説得力ねぇけど、人魔戦争で人の為に戦ったエルシフルってヤツはダチのあんたに人間を否定して生きる事なんて望んじゃいないと思うぜ」
ユーリの言う通り、エルシフルも彼女もそんな事は望んでいない・・・
あの人達が望んでいるのは・・・
「世界を守り、行き年いける者、心ある者の安寧・・・」
「! それは・・・」
「貴方の友“達”が望んでいる事・・・でしょう」
私はユーリの隣まで移動すると、デュークに微笑みながらそう伝えた
そして私はそのまま空を覆っている星喰みを見た
「リア」
名前を呼ばれ視線を戻すとユーリが私を見ていた
そして私は決意を固めて深く頷いた
「大丈夫、ユーリやみんながいるから。神将 !」
私の呼び掛けに応え、私の周りに故郷で控えていた神将達が姿を現し、兄さんもアスラもフキも私の側にやって来た
「こっちは任せろ」
「ああ、頼んだぜ」
兄さんとユーリがお互いに決意を見届けると、ユーリはリタ達の方に向かって行き、私達も少しだけ離れ、神将達が私を中心に円陣を描くように周りを囲んだ
「リア、準備は良いか?」
「大丈夫。兄さん、みんな、お願い!」
私は目を閉じて意識を集中し始めると、呪文が聞こえだした
けどその呪文はザウデで力を解放された時とは少し違う感じにも思えた
「っ・・!」
だが、徐々に力が解放されていくのが分かり私は顔を歪める
呪文が脳に響き、身体全体に響き渡り、身体と心の奥深くに眠る力が解放されていく
「うっ・・・ああっ!」
なるべく声を出さないようにと、必死に身体を抱きしめ声を抑える
(・・・ダメ・・・ユーリ達に負担を掛けないようにしなきゃ・・・)
ユーリ達はユーリ達でやることをやっていて私達と同じように意識を集中させている
あの時みたいに声を上げていたら集中力が途絶えてしまう
私はゆっくりと深呼吸をして、意識を集中させ力の流れを読み取る
(・・・大丈夫・・。今は流れを読み取れてる・・・)
力は更に強くなっていき、さっきよりもツラく顔を歪めて身体を抑えている
「―――!!」
ドクンっ
「っ!?!? あああっっ!!」
兄さんが唱えた呪文に心臓が思いっきり跳ね、そして眩い光が放たれ、それは空を覆っている星喰みに当たり、更に星喰みの力が強くなった
そして私はそのまま倒れそうになったが、駆けつけた兄さんによって支えられる
「ユーリ! リタ!」
「おう!」「ええ!」
兄さんは私を支えながらユーリとリタに合図を送ると二人の返事が返ってきた
「大丈夫か」
「うん・・・あの時よりかはツラくない」
力の流れを読み取れたお陰なのか、それとも聞こえた呪文が少しだけ違ったからなのか、あの時よりも体力を使わずに済んだ
「なら、こっちも最終段階に入るぞ」
「うん・・・。みんな、行くよ!」
「「「了解!」」」
一斉に返事が返って来ると私と兄さんは立ち上がってまた意識を集中させた
それと同時にユーリ達の方からも新たな力を感じた
ユーリが明星壱号を起動させ精霊達の力を借りていたからだった
精霊の力、十二神将の力、そして私と兄さんの言霊使いの力
この力を利用して星喰みを倒す事、そして星喰みを抑える力を解放する事が出来る
ユーリ達と少しだけやっている事は違えども、想いは一緒
「だから、私達は、負けないっ!!」
そう叫ぶと同時に世界中の魔刻が光となって私達の頭上に集まってきていた
それは勿論、私と兄さんが着けていた魔導器の魔刻も同じように光となり、頭上に集まった
「本当に魔導器を捨てたと言うのか・・・」
デュークが身体を起こしてそう言っている声が聞こえた
「ぬううあぁぁ!!」「「はああぁぁっ!」」
私も兄さんもユーリも更に力を加えていく
そしてその光は空を覆っている星喰みに当たる
「っ、うぅっ!!」
だが、それは辺りを覆っている星喰みにしか効いていないような感じだった
「まさか効いてないの!?」
「そんな事ない! ただあと少し、あと少し足りない!」
「そんな、此処まできて!」
「なんとかならんのか!?」
「お願い!」
みんな、必死に願っている
私達も全力で力を注いで、アスラ達も今まで以上に力を使い、少しだけ顔を歪めている
「始祖の隷長・・・精霊・・・人間・・・言霊使い・・・式神・・・十二神将・・・」
デュークはゆっくりと立ち上がってユーリ達と精霊、そしてリアとセイと神将達を見てぽつりと呟いた
「エルシフルよ・・・世界は変われるのか!?」
(・・・変われるわ)
「!?」
突然何処からか女性の優しい声が聞こえた
そしてデュークの前に徐々に光が集まりだし、それは人の形をとりだした
「っ!? お前・・は・・・」
デュークは目の前に現れた人物を見て驚いて目を見開いていた
「・・・久しぶり、デューク」
「シエ・・ラ・・・?」
「久しぶりに呼んで貰ったな」
シエラと呼ばれた女性は懐かしむようにデュークを見た後、嬉しそうな顔をして微笑んだ
「何故、此処に・・・? お前は・・・」
「説明は後。デューク、貴方にお願いがあるの。姫様やセイ様、神将様達、そして、彼等に力を貸して欲しいの」
「あの娘達に・・・? !」
デュークは少しだけ迷っていると、シエラの身体が一瞬だけ消えかけた
「シエラ・・・お前・・・」
「・・・あんまり長くは滞在出来ないの。でも、貴方ならそうしてくれるって信じてるわ・・・」
「! シエラ!!」
言うとシエラの姿は消えてしまった
「・・・・」
デュークはシエラがいた所をじっと見て、自分が持っている宙の戒典を見た
「・・・信じている・・か・・・」
デュークはぽつりと呟いて歩みを始めた
「っ、だめか・・・」
そうユーリの声が聞こえると同時にまた新たな力を感じた
ふと、その力の流れを見ると、デュークが宙の戒典を掲げていた
「・・・デューク」
そして術式が展開して私達とユーリを囲む光と融合して、新たな力となってその光は星喰み当たった
さっきよりも星喰みに効いている
「今度こそ、いけるか!?」
「・・・いや、まだだ」
「あと少しだけ・・・力が足りない・・・」
「っ、どうすればっ!」
『姫!』
「! この声・・・」
私はその声に反応していると、直ぐに言葉が返ってきた
『姫、エルシフルの力を解放して下さい』
(解放って・・・どうすれば良いの?)
『他の皆さんに少しだけ負担が掛かってしまうんですが、意識をエルシフルの魂に向けて下さい。そうしたら必ず力は解放され、星喰みを倒す事が出来ます』
(エルシフルは始祖の隷長の長・・・確かにエルシフルの力を借りればなんとかなるかもしれない)
『私も此処から呼び掛けます。だから』
(解ったわ。やりましょう)
シエラさんと会話を終え、私は大きく息を吸って更に意識を集中させた
(エルシフル・・・お願い。私の声に応えて・・・)
数秒後、心臓がトクンと脈を打った
そして、身体に力が溢れていき私はその流れを読み取った
更に別の感覚が流れ込んで来た
どうやらシエラさんの呼び掛けにも応じたようだった
「はああああああぁぁ!!」
力の流れを捕らえ、私は腕を掲げてその力を空に放った
「っ! この力はっ!?」
その力にいち早く気付いたのはデュークだった
私はそれを横目で確認して小さく微笑んで意識を集中させ、力を融合させようとしていた
すると、ふと何かが頭の中に響いた
「?」
それは何か言葉のようだった
私はそれがはっきりと聞こえず眉を寄せ目を閉じてもう一度その言葉を聞いてみた
―― い・・・・に・・・
の・・・さを・・・かえ・・・
・・・と・・・・れ・・・♪~~ ――
(・・・歌?)
良く聞くとそれは歌のようだった
そして、次に聞こえたのは言葉だった
「・・・魂・・・鎮め・・・?」
私は聞こえた言葉をゆっくりと口にした
「魂に、鎮め・・・?」
その言葉の意味を考えているとある一点に辿り着いた
「!? まさか!?」
私は思いっきり顔を上げて、星喰みをじっと見た
「・・・・」
そして地上に視線を戻して、一人一人の顔を見ていく
ユーリ、デューク、エステル、リタ、カロル、レイヴン、ジュディス、ラピード、
兄さん、アスラ、フキ、ハクスイ、ナセア、センキ、カムイ、ミズハ、ユイカ、ケンク、ゲツレイ、リンコウ、タイリン、
ウンディーネ、イフリート、ノーム、シルフ
そして、私の中にいるエルシフルとシエラさん
私達を信じて待っているフレンや下町のみんな、世界中の人達に言霊使いの故郷にいるイサキや他の言霊使いと式神達、
(みんなの想いを含めて、私は自分に出来る事をやってみせる!)
私はゆっくりと息を吸うと目を閉じていつも以上に意識を集中させて歌い出した
―――終止符 と 告げる冷たい雨
私の歌が聞こえ出すと、みんなゆっくりと私に視線を向け始める
遠い日々へ馳せる思い
いつも以上に感情を乗せて歌っていると私は光に包まれ出し、光が強くなった所で光に包まれユーリとデュークがいる所に着いた
天上 を仰ぐ度 紡げない未来に
君が幸せであれと最期まで願う
唄も中盤に入ると更にその光は歌声に反応して輝きを増していく
地の果ての影に留まりながら
鉛の空を想うのだろう
その光はユーリとデュークの剣に応じ、巨大な羽のような形をした光の剣のようなものになった
夜を算 え 夢を観て 黎明の聖刻 を迎え
「うおおおおおっっっ!!」
「「「「「「いっけえぇ!!!」」」」」
限りある生命 よ 魂よ
「でりゃあああああぁぁぁっ!!」
そしてそれを見たユーリはその剣を大きく振るい、それを見ていた全員が同じ思いで叫んだ
永遠 に眠れ ―――
歌い終わると同時にユーリが振るった剣が星喰みを薙ぎ払い、二つに切り裂き、そこから光の粒子が舞い上がり、徐々に星喰みを消していった
「・・・っ」
「リアっ!!」
それを見ていると突然目眩がしてその場に倒れそうになったが、ユーリが駆けつけて私を抱き留めてくれた
「大丈夫か?」
「うん・・・なんとか」
そしてその光の粒子は眩い光を放ちだし新たな力を受け出した
「・・・この力・・・」
「精霊よ」
「「「!」」」
突然女性の聞こえ、私達は一斉に顔を向けるとそこにはシエラさんがいた
「あんた!」
「星喰みなっていた始祖の隷長がリア様の魂鎮めの唄によって星喰みとしての力を鎮められ、精霊に変わっているのよ」
シエラさんは驚いているユーリに優しく微笑むとそう答え、私を見た
「リア様、大丈夫ですか?」
「ええ。心配してくれありがとう。でも、私にはまだやる事がある・・・そうでしょう」
「はい・・・。ユーリさん、リア様をしっかりと支えていて下さいね」
「え? あ、ああ」
急に自分の名前を呼ばれてユーリは一瞬驚くが、私が起き上がろうとしていると支えて起こしてくれた
ユーリお礼を言って微笑んで私はシエラさんを見てお互いに頷いて目を閉じて意識を集中させた
数秒後、心臓がドクンと跳ねて光が集まりだした
「!」
ユーリはそれに驚くが私の身体が少し震えている事に気が付き私を支えている腕の力を強めた
そしてその光は段々と私とシエラさんの間に集まり、だいぶ大きくなった所で私とシエラさんは同時に目を開け言葉を発した
「「光霊!」」
その言葉と同時に光は眩い光を発し、私もシエラさんも倒れた
「っ! リア!」
「シエラっ!」
ユーリは私を抱き留め、倒れそうになったシエラさんをデュークが駆けつけて抱き留めた
「・・・成、功・・・?」
「ええ・・・」
私はゆっくりと目を開けてシエラさんに尋ねると、シエラさんは自分の手の中にある光を私に見せてくれた
「・・・良かった。じゃあ後は・・・」
「ええ・・・。デューク、私達はあっちに・・・」
シエラさんの視線の先を見たデュークはシエラさんを支えて立たせてやり、そのまま私達から少し離れた所に移動した
デューク達が移動したのを見るとユーリは私へと視線を戻した
「リア、さっきの・・・!」
私はユーリが言葉を続けるより先にユーリの胸に顔を埋めて背中に手を回した
「・・・今は何も聞かないで。このままでいさせて」
「・・・ああ、解った」
ユーリは一瞬驚いていたけど、何も言わなくなった私を見て小さく笑って抱きしめてくれた
(今は出来るだけ彼女に時間をあげたいから・・・)
数分後、
((姫、ありがとう―――))
そう二つの声が聞こえ私はゆっくりと目を開け顔を上げると、つられユーリも顔を上げ、私が見ている方を見た
「・・・デューク・・・」
視線の先には背を向けたデュークだけが立っていた
「・・・言霊使いの姫。色々と感謝する」
デュークはそう言って歩き出した
「デューク!」
私がデュークを呼び止めると、私とユーリは顔を見合わせ小さく笑ってデュークを見て同じ事を言った
「またな」「またね」
「・・・・」
私とユーリの言葉を聞くとデュークはそのまま無言で歩いて行った
「ユーリーー!!」「リアーー!!」
デュークが立ち去ったと同時に後ろからカロルと神将達の声が聞こえ、私とユーリは立ち上がってみんなの方を向くと、みんな私とユーリの方に向かって走って来ていた
私とユーリはみんなを見て小さく笑って、みんなが来るのを待っていた
続く
あとがき
遂に星喰み編&ゲーム本編終了~~~!!!!!!
そしてずっと謎だったリアちゃん似の子シエラちゃんの名前も解りました
シエラちゃん意外と書きやすい子だったし、オリキャラん中でも結構好きな方かもvv
まあその辺は語り出す&書き出すと長くなるのではしょりますがι
とりあえず、本編はこれで終了です!
でも、まだ続きます
次回はこの後の話し、エピローグ的なものを書こうと思ってます
まだ言ってない事とかもあるし、今回はやっぱデュークとシエラちゃんメインっぽい話しになったから(しょうがないけどねι)
あんまパーティメンバー出せなかったのでι 次回はパーティメンバーやその他関係してた人達を書ける所まで書いてみようと思います
それでは、本編お疲れ様でした
次回のエピローグ&後日談でお会いしましょう
Future‘s future(未来の行く末・将来の先)
2009.08.28
そして兄さん、アスラ、フキと続き、私も続き、デュークの剣を抑えたまま私は叫んだ
「ユーリ!」
「任せろ! お終いにしようぜ! 貫け、鮮烈なる刃!!」
ユーリの大技が発動したと同時に私は瞬時にその場を離れた
「無辺の闇を鋭く斬り裂き、仇名す者を微塵に砕く!!」
そしてユーリは体制を崩したデュークを見て、そのまま飛び込む
「はああぁぁ、とどめだ!! 漸毅狼影陣ッ!!」
「ぐっっ!」
ユーリの大技が決まり、デュークはそのまま地面へと倒れた
99.Future‘s future
「すまぬ・・・エルシフル・・・約束・・・守れそうにない・・・」
「はあ・・はあ・・・」
ユーリは息を整えて、ゆっくりとデュークの元へと向かいだした
「エルシフルがどんな奴だったのかも知れねぇオレが言っても説得力ねぇけど、人魔戦争で人の為に戦ったエルシフルってヤツはダチのあんたに人間を否定して生きる事なんて望んじゃいないと思うぜ」
ユーリの言う通り、エルシフルも彼女もそんな事は望んでいない・・・
あの人達が望んでいるのは・・・
「世界を守り、行き年いける者、心ある者の安寧・・・」
「! それは・・・」
「貴方の友“達”が望んでいる事・・・でしょう」
私はユーリの隣まで移動すると、デュークに微笑みながらそう伝えた
そして私はそのまま空を覆っている星喰みを見た
「リア」
名前を呼ばれ視線を戻すとユーリが私を見ていた
そして私は決意を固めて深く頷いた
「大丈夫、ユーリやみんながいるから。
私の呼び掛けに応え、私の周りに故郷で控えていた神将達が姿を現し、兄さんもアスラもフキも私の側にやって来た
「こっちは任せろ」
「ああ、頼んだぜ」
兄さんとユーリがお互いに決意を見届けると、ユーリはリタ達の方に向かって行き、私達も少しだけ離れ、神将達が私を中心に円陣を描くように周りを囲んだ
「リア、準備は良いか?」
「大丈夫。兄さん、みんな、お願い!」
私は目を閉じて意識を集中し始めると、呪文が聞こえだした
けどその呪文はザウデで力を解放された時とは少し違う感じにも思えた
「っ・・!」
だが、徐々に力が解放されていくのが分かり私は顔を歪める
呪文が脳に響き、身体全体に響き渡り、身体と心の奥深くに眠る力が解放されていく
「うっ・・・ああっ!」
なるべく声を出さないようにと、必死に身体を抱きしめ声を抑える
(・・・ダメ・・・ユーリ達に負担を掛けないようにしなきゃ・・・)
ユーリ達はユーリ達でやることをやっていて私達と同じように意識を集中させている
あの時みたいに声を上げていたら集中力が途絶えてしまう
私はゆっくりと深呼吸をして、意識を集中させ力の流れを読み取る
(・・・大丈夫・・。今は流れを読み取れてる・・・)
力は更に強くなっていき、さっきよりもツラく顔を歪めて身体を抑えている
「―――!!」
ドクンっ
「っ!?!? あああっっ!!」
兄さんが唱えた呪文に心臓が思いっきり跳ね、そして眩い光が放たれ、それは空を覆っている星喰みに当たり、更に星喰みの力が強くなった
そして私はそのまま倒れそうになったが、駆けつけた兄さんによって支えられる
「ユーリ! リタ!」
「おう!」「ええ!」
兄さんは私を支えながらユーリとリタに合図を送ると二人の返事が返ってきた
「大丈夫か」
「うん・・・あの時よりかはツラくない」
力の流れを読み取れたお陰なのか、それとも聞こえた呪文が少しだけ違ったからなのか、あの時よりも体力を使わずに済んだ
「なら、こっちも最終段階に入るぞ」
「うん・・・。みんな、行くよ!」
「「「了解!」」」
一斉に返事が返って来ると私と兄さんは立ち上がってまた意識を集中させた
それと同時にユーリ達の方からも新たな力を感じた
ユーリが明星壱号を起動させ精霊達の力を借りていたからだった
精霊の力、十二神将の力、そして私と兄さんの言霊使いの力
この力を利用して星喰みを倒す事、そして星喰みを抑える力を解放する事が出来る
ユーリ達と少しだけやっている事は違えども、想いは一緒
「だから、私達は、負けないっ!!」
そう叫ぶと同時に世界中の魔刻が光となって私達の頭上に集まってきていた
それは勿論、私と兄さんが着けていた魔導器の魔刻も同じように光となり、頭上に集まった
「本当に魔導器を捨てたと言うのか・・・」
デュークが身体を起こしてそう言っている声が聞こえた
「ぬううあぁぁ!!」「「はああぁぁっ!」」
私も兄さんもユーリも更に力を加えていく
そしてその光は空を覆っている星喰みに当たる
「っ、うぅっ!!」
だが、それは辺りを覆っている星喰みにしか効いていないような感じだった
「まさか効いてないの!?」
「そんな事ない! ただあと少し、あと少し足りない!」
「そんな、此処まできて!」
「なんとかならんのか!?」
「お願い!」
みんな、必死に願っている
私達も全力で力を注いで、アスラ達も今まで以上に力を使い、少しだけ顔を歪めている
「始祖の隷長・・・精霊・・・人間・・・言霊使い・・・式神・・・十二神将・・・」
デュークはゆっくりと立ち上がってユーリ達と精霊、そしてリアとセイと神将達を見てぽつりと呟いた
「エルシフルよ・・・世界は変われるのか!?」
(・・・変われるわ)
「!?」
突然何処からか女性の優しい声が聞こえた
そしてデュークの前に徐々に光が集まりだし、それは人の形をとりだした
「っ!? お前・・は・・・」
デュークは目の前に現れた人物を見て驚いて目を見開いていた
「・・・久しぶり、デューク」
「シエ・・ラ・・・?」
「久しぶりに呼んで貰ったな」
シエラと呼ばれた女性は懐かしむようにデュークを見た後、嬉しそうな顔をして微笑んだ
「何故、此処に・・・? お前は・・・」
「説明は後。デューク、貴方にお願いがあるの。姫様やセイ様、神将様達、そして、彼等に力を貸して欲しいの」
「あの娘達に・・・? !」
デュークは少しだけ迷っていると、シエラの身体が一瞬だけ消えかけた
「シエラ・・・お前・・・」
「・・・あんまり長くは滞在出来ないの。でも、貴方ならそうしてくれるって信じてるわ・・・」
「! シエラ!!」
言うとシエラの姿は消えてしまった
「・・・・」
デュークはシエラがいた所をじっと見て、自分が持っている宙の戒典を見た
「・・・信じている・・か・・・」
デュークはぽつりと呟いて歩みを始めた
「っ、だめか・・・」
そうユーリの声が聞こえると同時にまた新たな力を感じた
ふと、その力の流れを見ると、デュークが宙の戒典を掲げていた
「・・・デューク」
そして術式が展開して私達とユーリを囲む光と融合して、新たな力となってその光は星喰み当たった
さっきよりも星喰みに効いている
「今度こそ、いけるか!?」
「・・・いや、まだだ」
「あと少しだけ・・・力が足りない・・・」
「っ、どうすればっ!」
『姫!』
「! この声・・・」
私はその声に反応していると、直ぐに言葉が返ってきた
『姫、エルシフルの力を解放して下さい』
(解放って・・・どうすれば良いの?)
『他の皆さんに少しだけ負担が掛かってしまうんですが、意識をエルシフルの魂に向けて下さい。そうしたら必ず力は解放され、星喰みを倒す事が出来ます』
(エルシフルは始祖の隷長の長・・・確かにエルシフルの力を借りればなんとかなるかもしれない)
『私も此処から呼び掛けます。だから』
(解ったわ。やりましょう)
シエラさんと会話を終え、私は大きく息を吸って更に意識を集中させた
(エルシフル・・・お願い。私の声に応えて・・・)
数秒後、心臓がトクンと脈を打った
そして、身体に力が溢れていき私はその流れを読み取った
更に別の感覚が流れ込んで来た
どうやらシエラさんの呼び掛けにも応じたようだった
「はああああああぁぁ!!」
力の流れを捕らえ、私は腕を掲げてその力を空に放った
「っ! この力はっ!?」
その力にいち早く気付いたのはデュークだった
私はそれを横目で確認して小さく微笑んで意識を集中させ、力を融合させようとしていた
すると、ふと何かが頭の中に響いた
「?」
それは何か言葉のようだった
私はそれがはっきりと聞こえず眉を寄せ目を閉じてもう一度その言葉を聞いてみた
―― い・・・・に・・・
の・・・さを・・・かえ・・・
・・・と・・・・れ・・・♪~~ ――
(・・・歌?)
良く聞くとそれは歌のようだった
そして、次に聞こえたのは言葉だった
「・・・魂・・・鎮め・・・?」
私は聞こえた言葉をゆっくりと口にした
「魂に、鎮め・・・?」
その言葉の意味を考えているとある一点に辿り着いた
「!? まさか!?」
私は思いっきり顔を上げて、星喰みをじっと見た
「・・・・」
そして地上に視線を戻して、一人一人の顔を見ていく
ユーリ、デューク、エステル、リタ、カロル、レイヴン、ジュディス、ラピード、
兄さん、アスラ、フキ、ハクスイ、ナセア、センキ、カムイ、ミズハ、ユイカ、ケンク、ゲツレイ、リンコウ、タイリン、
ウンディーネ、イフリート、ノーム、シルフ
そして、私の中にいるエルシフルとシエラさん
私達を信じて待っているフレンや下町のみんな、世界中の人達に言霊使いの故郷にいるイサキや他の言霊使いと式神達、
(みんなの想いを含めて、私は自分に出来る事をやってみせる!)
私はゆっくりと息を吸うと目を閉じていつも以上に意識を集中させて歌い出した
―――
私の歌が聞こえ出すと、みんなゆっくりと私に視線を向け始める
遠い日々へ馳せる思い
いつも以上に感情を乗せて歌っていると私は光に包まれ出し、光が強くなった所で光に包まれユーリとデュークがいる所に着いた
君が幸せであれと最期まで願う
唄も中盤に入ると更にその光は歌声に反応して輝きを増していく
地の果ての影に留まりながら
鉛の空を想うのだろう
その光はユーリとデュークの剣に応じ、巨大な羽のような形をした光の剣のようなものになった
夜を
「うおおおおおっっっ!!」
「「「「「「いっけえぇ!!!」」」」」
限りある
「でりゃあああああぁぁぁっ!!」
そしてそれを見たユーリはその剣を大きく振るい、それを見ていた全員が同じ思いで叫んだ
歌い終わると同時にユーリが振るった剣が星喰みを薙ぎ払い、二つに切り裂き、そこから光の粒子が舞い上がり、徐々に星喰みを消していった
「・・・っ」
「リアっ!!」
それを見ていると突然目眩がしてその場に倒れそうになったが、ユーリが駆けつけて私を抱き留めてくれた
「大丈夫か?」
「うん・・・なんとか」
そしてその光の粒子は眩い光を放ちだし新たな力を受け出した
「・・・この力・・・」
「精霊よ」
「「「!」」」
突然女性の聞こえ、私達は一斉に顔を向けるとそこにはシエラさんがいた
「あんた!」
「星喰みなっていた始祖の隷長がリア様の魂鎮めの唄によって星喰みとしての力を鎮められ、精霊に変わっているのよ」
シエラさんは驚いているユーリに優しく微笑むとそう答え、私を見た
「リア様、大丈夫ですか?」
「ええ。心配してくれありがとう。でも、私にはまだやる事がある・・・そうでしょう」
「はい・・・。ユーリさん、リア様をしっかりと支えていて下さいね」
「え? あ、ああ」
急に自分の名前を呼ばれてユーリは一瞬驚くが、私が起き上がろうとしていると支えて起こしてくれた
ユーリお礼を言って微笑んで私はシエラさんを見てお互いに頷いて目を閉じて意識を集中させた
数秒後、心臓がドクンと跳ねて光が集まりだした
「!」
ユーリはそれに驚くが私の身体が少し震えている事に気が付き私を支えている腕の力を強めた
そしてその光は段々と私とシエラさんの間に集まり、だいぶ大きくなった所で私とシエラさんは同時に目を開け言葉を発した
「「光霊!」」
その言葉と同時に光は眩い光を発し、私もシエラさんも倒れた
「っ! リア!」
「シエラっ!」
ユーリは私を抱き留め、倒れそうになったシエラさんをデュークが駆けつけて抱き留めた
「・・・成、功・・・?」
「ええ・・・」
私はゆっくりと目を開けてシエラさんに尋ねると、シエラさんは自分の手の中にある光を私に見せてくれた
「・・・良かった。じゃあ後は・・・」
「ええ・・・。デューク、私達はあっちに・・・」
シエラさんの視線の先を見たデュークはシエラさんを支えて立たせてやり、そのまま私達から少し離れた所に移動した
デューク達が移動したのを見るとユーリは私へと視線を戻した
「リア、さっきの・・・!」
私はユーリが言葉を続けるより先にユーリの胸に顔を埋めて背中に手を回した
「・・・今は何も聞かないで。このままでいさせて」
「・・・ああ、解った」
ユーリは一瞬驚いていたけど、何も言わなくなった私を見て小さく笑って抱きしめてくれた
(今は出来るだけ彼女に時間をあげたいから・・・)
数分後、
((姫、ありがとう―――))
そう二つの声が聞こえ私はゆっくりと目を開け顔を上げると、つられユーリも顔を上げ、私が見ている方を見た
「・・・デューク・・・」
視線の先には背を向けたデュークだけが立っていた
「・・・言霊使いの姫。色々と感謝する」
デュークはそう言って歩き出した
「デューク!」
私がデュークを呼び止めると、私とユーリは顔を見合わせ小さく笑ってデュークを見て同じ事を言った
「またな」「またね」
「・・・・」
私とユーリの言葉を聞くとデュークはそのまま無言で歩いて行った
「ユーリーー!!」「リアーー!!」
デュークが立ち去ったと同時に後ろからカロルと神将達の声が聞こえ、私とユーリは立ち上がってみんなの方を向くと、みんな私とユーリの方に向かって走って来ていた
私とユーリはみんなを見て小さく笑って、みんなが来るのを待っていた
続く
あとがき
遂に星喰み編&ゲーム本編終了~~~!!!!!!
そしてずっと謎だったリアちゃん似の子シエラちゃんの名前も解りました
シエラちゃん意外と書きやすい子だったし、オリキャラん中でも結構好きな方かもvv
まあその辺は語り出す&書き出すと長くなるのではしょりますがι
とりあえず、本編はこれで終了です!
でも、まだ続きます
次回はこの後の話し、エピローグ的なものを書こうと思ってます
まだ言ってない事とかもあるし、今回はやっぱデュークとシエラちゃんメインっぽい話しになったから(しょうがないけどねι)
あんまパーティメンバー出せなかったのでι 次回はパーティメンバーやその他関係してた人達を書ける所まで書いてみようと思います
それでは、本編お疲れ様でした
次回のエピローグ&後日談でお会いしましょう
Future‘s future(未来の行く末・将来の先)
2009.08.28