星喰み編
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魔物を倒した後に床が抜け、安全な所に避難したリア達だったが、他の所にもその影響が出てしまいリア達がいた所も崩れ、リア達はそのまま下へと落ちて行ってしまった
93.Each thought
「ってえ・・・」
「大丈夫、ユーリ?」
「アスラか?」
ユーリはゆっくりと身体を起こして声の聞こえた方を見ると、アスラがいた
「みんなはどうした?」
「バラバラになっちゃったみたい」
辺りは薄暗くて近くにいるアスラしか見えず、遠くまでは見えないうえに、此処には自分達以外の気配を感じない
そして、リアもいなかった
落ちる前、みんな一番近い足場の安定した所にいた為、リアもエステル達ともバラバラになってしまったようだった
「アスラ、みんなの居場所解るか?」
「セイはフキが側にいるから解るけど、他のみんなは気配を追って探していくしかないみたい」
「そっか。まあ簡単に死ぬ連中じゃないから心配はねえだろうけど」
「あの高さから落ちたから多少は怪我はしてるだろうけどね」
「そうだな・・・」
だがやっぱり気がかりなのは、リアの事だった
此処に来てからというもの、何故かリアを一人にさせてはいけないと本能が伝えていたからだった
(・・・なるべく早く見つけねえとな・・・)
「? ユーリ、どうかした?」
「いや。とりあえず、近い奴から探しながら行くか」
「了解」
ユーリが考えているとアスラが少し首を傾げて聞いてきたので、ユーリは軽く返事を返し立ち上がって、アスラと一緒に歩き出した
「はい。これで大丈夫です」
「ありがとな」
場所は変わって、こちらはセイ&エステルサイド
どうやらセイとエステルは近くに落ちたようで、エステルがセイの怪我を治した所だった
「にしても、エステルがいて助かったぜ」
「わたしもセイも思ったより怪我がなくて良かったです」
「まあな。ただ、みんなとははぐれちまったみたいだけどな」
「・・・そうですね。みんな、無事でしょうか?」
「フキ、解るか?」
セイの呼び掛けに答え、フキはセイの隣に姿を現す
「アスラはユーリと一緒にいるらしい。他のみんなは分かんねえけど」
「・・・・」
「心配しなくても、あいつ等なら大丈夫だ」
「ああ、そう簡単にくたばる連中じゃねえだろ」
「ふふ、そうですね」
「とりあえず、近い連中から探してみようぜ」
「はい」
心配そうな顔をしているエステルに、セイとフキが安心させるように声を掛けるとエステルはくすっと笑い立ち上がって歩き出し、フキは他の仲間達を探しに行ったのだった
「ねえ、本当に道こっちで合ってるの?」
「知らないわよ」
「知らないって・・・ι」
変わってこちらはカロル&リタサイド
どうやらこの二人も近くに落ちたようで、今はみんなと合流する為に上に行けそうな通路を歩いていた
「たく、あの魔物の所為で余計な手間掛かってるじゃない・・・」
「うん。でも、みんな無事かなぁ?」
「そう簡単に死ぬ連中じゃないでしょ?」
「そうだけど・・・でも、その前にボク達、迷ってない?」
「う゛っ・・・」
先頭を歩いていたリタはカロルの言葉に少しだけ押し黙ってしまう
実際にこんな所に来るのは初めてだし、誰もこんな所に落ちるとは予想もしてなかった
「あっ!」
「どうしたのよ?」
「ワンワン!」
「少年と魔導少女発見~!」
リタが考え込んでいると突然カロルが前方を見て声を出し、リタが聞き返しているとその方向から犬の鳴き声と気の抜けたような男性の声が聞こえた
そして前方の闇の中から一匹の犬と二人の男女が出て来た
「ジュディス、レイヴン、ラピード!」
「リタ、カロル、無事で良かったわ」
「ジュディス達もね」
「あんた達、意外と近くに居たみたいね」
「そうでもないわよ。結構歩いて来たけど」
「ラピードが居てくれたお陰で早く見つけられたのよ」
「ワン!」
ジュディスの言葉に答えるようにラピードは返事を返し、お互いにあまり怪我がない事に安堵していた
「とりあえずユーリ達も探しましょう」
「うん。早く合流して、デュークの所に行かなきゃ」
「手遅れになる前にね」
「ええ。行きましょう」
「ワン」
*
「・・・うっ・・・」
ゆっくりと瞼を開いていくと、少しずつ眩い光が目に映る
そして徐々に周りの景色も目に映り出し、ゆっくりと身体を起こす
「っ・・・!」
が、突然身体に痛みが走った
「・・・そっか。私、床が抜けて落ちちゃったんだっけ・・・。でも・・・」
リアは気を失う前の事を思い出し、辺りを見渡した
今いる場所はどう見てもあの場所の下とは思えないほど綺麗な所で、あの床の破片すら残っていない、まるで別の場所だった
「・・・此処は・・?」
「気が付いたか」
声の聞こえた方を見ると、そこには銀髪の青年がいた
「! デューク!?」
リアは目の前から歩いてくるデュークの姿を見て驚いていた
「どうして此処に? ううん、それよりも・・・」
「此処はあの場所から離れた所だ」
リアの言いたい事が解ったのかデュークはリアが聞く前に答えた
「あの場所から離れた所って・・・でも、どうして私だけ此処に?」
「あそこは魔物の巣窟だったからな」
「!」
「それに私が辿り着いた所にお前がだけが倒れていた」
「・・・じゃあユーリ達が何処にいるか解らないのね」
「ああ」
(あの時、みんな別々に足場のある所に移動したからバラバラになっちゃったんだ。兄さんとエステルは近くにいたから一緒かと思ったけど・・・)
「だが、気配はしたから生きているだろう」
「そっか・・・」
リアは安心して安堵の息を吐き、小さく笑った
「ザウデの時も今回も助けてくれてありがとう」
「いや・・・」
そう言ってデュークは踵を返して立ち去ろうとしていた
「待って! 貴方に聞きたい事があるの!」
リアの必死の声にデュークは足を止め、ちらりとリアを見た
「貴方はどうして人類を犠牲にまでして、世界を守りたいの?」
「・・・友が愛したこの世界を、始祖の隷長達が守り続けてきた世界を私は守るだけだ」
「・・・エルシフルやフェロー達の事」
「・・・クロームから聞いたようだな」
「ええ。正確には転生したシルフから、だけど。・・・そして、貴方がいつも私を見る時に悲しい目で見ている理由も・・・」
リアはそこで言葉を切り、真剣な表情でデュークを見て告げた
「・・・私の中に眠る、貴方の友、エルシフルの魂を見ていたから、でしょ・・・」
「!」
デュークはその言葉に驚いて、リアを見た
「これは、ウンディーネ、イフリート、シルフが教えてくれた事だけど」
「そうか・・・」
デュークは少しだけ目を伏せて言葉を続ける
「エルシフルの魂はお前の中に眠る、言霊使いの稀な力の中にいる。そして、その力はあの星喰みを抑える力となっている」
「ええ」
「お前達はあの星喰みを倒すと言っていたが、同時にその力を解放すると言う事だ」
「知ってるわ」
「・・・・」
リアが静かに答えると、デュークは目を細めてリアを見据えた
「・・・エルシフルの力は、強力なものだ」
「ザウデの時に実感してるわ」
「・・・今度はそれ以上の力を使う事になる。下手をすれば命を落とす事になる」
デュークの言う通り、一歩間違えればリアは確実に命を落とす事になる
けど、それが唯一リアの星喰みを抑える力の解放でもあり、星喰みを倒す事にもなる
「・・・怖くないって言えば、嘘になる。けど、」
リアは一度目を瞑って、ゆっくりと顔を上げてデュークを見て答えた
「私には、心から信頼出来る人や仲間がいる。私も今まで旅して来た所も、私達が育った下町も含めて、この世界が好き。だから始祖の隷長や精霊達、みんなの思いを含めて私達は星喰みを倒すわ」
リアは真剣な表情でデュークを見て言うと、デュークは少しだけ黙った
「・・・成る程。そう言う事か・・・」
デュークは何か納得したように一度目を瞑ってリアをじっと見た
「? デュー・・・っ!」
リアはデュークが何も言わなくなった事に疑問を抱いていると、急にリアの前に移動してきて自分のものをリアの唇に重ねた
「お前の決意は良く解った。だが、私も決意を曲げる訳にはいかない」
「・・・・」
「・・・次に会う時は、敵同士だ」
デュークは触れるだけのキスをリアの唇に落とし、直ぐに踵を返しそう告げて歩いて行った
「・・・デューク」
リアはデュークが立ち去って行く姿を見て小さく呟き、暫くその方向をじっと見ていた
続く
あとがき
やっと書き終わりました・・・
とりあえず、落ちた後のメンバーの会話を書いてみようと思ってメンバー別けした結果、こうなりました
まあぶっちゃけると、絡みが書きやすいメンバーと回復が使える人で纏めたんですよ(笑)
そして最後はリアちゃんとデュークの会話
此処でエルシフルの事をバラして良いか悩んだけど、言う方にしました
あと、デュークがリアちゃんにキスしたけど・・・まあ、逆ハーですし!(笑)(笑って誤魔化す(笑))
でも、それも後々解ってきますからご安心をvv
次回はちょっとだけ力の話をして進むのかな?(自分でも解ってないようです(笑))
Each thought(それぞれの想い)
2009.08.26
93.Each thought
「ってえ・・・」
「大丈夫、ユーリ?」
「アスラか?」
ユーリはゆっくりと身体を起こして声の聞こえた方を見ると、アスラがいた
「みんなはどうした?」
「バラバラになっちゃったみたい」
辺りは薄暗くて近くにいるアスラしか見えず、遠くまでは見えないうえに、此処には自分達以外の気配を感じない
そして、リアもいなかった
落ちる前、みんな一番近い足場の安定した所にいた為、リアもエステル達ともバラバラになってしまったようだった
「アスラ、みんなの居場所解るか?」
「セイはフキが側にいるから解るけど、他のみんなは気配を追って探していくしかないみたい」
「そっか。まあ簡単に死ぬ連中じゃないから心配はねえだろうけど」
「あの高さから落ちたから多少は怪我はしてるだろうけどね」
「そうだな・・・」
だがやっぱり気がかりなのは、リアの事だった
此処に来てからというもの、何故かリアを一人にさせてはいけないと本能が伝えていたからだった
(・・・なるべく早く見つけねえとな・・・)
「? ユーリ、どうかした?」
「いや。とりあえず、近い奴から探しながら行くか」
「了解」
ユーリが考えているとアスラが少し首を傾げて聞いてきたので、ユーリは軽く返事を返し立ち上がって、アスラと一緒に歩き出した
「はい。これで大丈夫です」
「ありがとな」
場所は変わって、こちらはセイ&エステルサイド
どうやらセイとエステルは近くに落ちたようで、エステルがセイの怪我を治した所だった
「にしても、エステルがいて助かったぜ」
「わたしもセイも思ったより怪我がなくて良かったです」
「まあな。ただ、みんなとははぐれちまったみたいだけどな」
「・・・そうですね。みんな、無事でしょうか?」
「フキ、解るか?」
セイの呼び掛けに答え、フキはセイの隣に姿を現す
「アスラはユーリと一緒にいるらしい。他のみんなは分かんねえけど」
「・・・・」
「心配しなくても、あいつ等なら大丈夫だ」
「ああ、そう簡単にくたばる連中じゃねえだろ」
「ふふ、そうですね」
「とりあえず、近い連中から探してみようぜ」
「はい」
心配そうな顔をしているエステルに、セイとフキが安心させるように声を掛けるとエステルはくすっと笑い立ち上がって歩き出し、フキは他の仲間達を探しに行ったのだった
「ねえ、本当に道こっちで合ってるの?」
「知らないわよ」
「知らないって・・・ι」
変わってこちらはカロル&リタサイド
どうやらこの二人も近くに落ちたようで、今はみんなと合流する為に上に行けそうな通路を歩いていた
「たく、あの魔物の所為で余計な手間掛かってるじゃない・・・」
「うん。でも、みんな無事かなぁ?」
「そう簡単に死ぬ連中じゃないでしょ?」
「そうだけど・・・でも、その前にボク達、迷ってない?」
「う゛っ・・・」
先頭を歩いていたリタはカロルの言葉に少しだけ押し黙ってしまう
実際にこんな所に来るのは初めてだし、誰もこんな所に落ちるとは予想もしてなかった
「あっ!」
「どうしたのよ?」
「ワンワン!」
「少年と魔導少女発見~!」
リタが考え込んでいると突然カロルが前方を見て声を出し、リタが聞き返しているとその方向から犬の鳴き声と気の抜けたような男性の声が聞こえた
そして前方の闇の中から一匹の犬と二人の男女が出て来た
「ジュディス、レイヴン、ラピード!」
「リタ、カロル、無事で良かったわ」
「ジュディス達もね」
「あんた達、意外と近くに居たみたいね」
「そうでもないわよ。結構歩いて来たけど」
「ラピードが居てくれたお陰で早く見つけられたのよ」
「ワン!」
ジュディスの言葉に答えるようにラピードは返事を返し、お互いにあまり怪我がない事に安堵していた
「とりあえずユーリ達も探しましょう」
「うん。早く合流して、デュークの所に行かなきゃ」
「手遅れになる前にね」
「ええ。行きましょう」
「ワン」
*
「・・・うっ・・・」
ゆっくりと瞼を開いていくと、少しずつ眩い光が目に映る
そして徐々に周りの景色も目に映り出し、ゆっくりと身体を起こす
「っ・・・!」
が、突然身体に痛みが走った
「・・・そっか。私、床が抜けて落ちちゃったんだっけ・・・。でも・・・」
リアは気を失う前の事を思い出し、辺りを見渡した
今いる場所はどう見てもあの場所の下とは思えないほど綺麗な所で、あの床の破片すら残っていない、まるで別の場所だった
「・・・此処は・・?」
「気が付いたか」
声の聞こえた方を見ると、そこには銀髪の青年がいた
「! デューク!?」
リアは目の前から歩いてくるデュークの姿を見て驚いていた
「どうして此処に? ううん、それよりも・・・」
「此処はあの場所から離れた所だ」
リアの言いたい事が解ったのかデュークはリアが聞く前に答えた
「あの場所から離れた所って・・・でも、どうして私だけ此処に?」
「あそこは魔物の巣窟だったからな」
「!」
「それに私が辿り着いた所にお前がだけが倒れていた」
「・・・じゃあユーリ達が何処にいるか解らないのね」
「ああ」
(あの時、みんな別々に足場のある所に移動したからバラバラになっちゃったんだ。兄さんとエステルは近くにいたから一緒かと思ったけど・・・)
「だが、気配はしたから生きているだろう」
「そっか・・・」
リアは安心して安堵の息を吐き、小さく笑った
「ザウデの時も今回も助けてくれてありがとう」
「いや・・・」
そう言ってデュークは踵を返して立ち去ろうとしていた
「待って! 貴方に聞きたい事があるの!」
リアの必死の声にデュークは足を止め、ちらりとリアを見た
「貴方はどうして人類を犠牲にまでして、世界を守りたいの?」
「・・・友が愛したこの世界を、始祖の隷長達が守り続けてきた世界を私は守るだけだ」
「・・・エルシフルやフェロー達の事」
「・・・クロームから聞いたようだな」
「ええ。正確には転生したシルフから、だけど。・・・そして、貴方がいつも私を見る時に悲しい目で見ている理由も・・・」
リアはそこで言葉を切り、真剣な表情でデュークを見て告げた
「・・・私の中に眠る、貴方の友、エルシフルの魂を見ていたから、でしょ・・・」
「!」
デュークはその言葉に驚いて、リアを見た
「これは、ウンディーネ、イフリート、シルフが教えてくれた事だけど」
「そうか・・・」
デュークは少しだけ目を伏せて言葉を続ける
「エルシフルの魂はお前の中に眠る、言霊使いの稀な力の中にいる。そして、その力はあの星喰みを抑える力となっている」
「ええ」
「お前達はあの星喰みを倒すと言っていたが、同時にその力を解放すると言う事だ」
「知ってるわ」
「・・・・」
リアが静かに答えると、デュークは目を細めてリアを見据えた
「・・・エルシフルの力は、強力なものだ」
「ザウデの時に実感してるわ」
「・・・今度はそれ以上の力を使う事になる。下手をすれば命を落とす事になる」
デュークの言う通り、一歩間違えればリアは確実に命を落とす事になる
けど、それが唯一リアの星喰みを抑える力の解放でもあり、星喰みを倒す事にもなる
「・・・怖くないって言えば、嘘になる。けど、」
リアは一度目を瞑って、ゆっくりと顔を上げてデュークを見て答えた
「私には、心から信頼出来る人や仲間がいる。私も今まで旅して来た所も、私達が育った下町も含めて、この世界が好き。だから始祖の隷長や精霊達、みんなの思いを含めて私達は星喰みを倒すわ」
リアは真剣な表情でデュークを見て言うと、デュークは少しだけ黙った
「・・・成る程。そう言う事か・・・」
デュークは何か納得したように一度目を瞑ってリアをじっと見た
「? デュー・・・っ!」
リアはデュークが何も言わなくなった事に疑問を抱いていると、急にリアの前に移動してきて自分のものをリアの唇に重ねた
「お前の決意は良く解った。だが、私も決意を曲げる訳にはいかない」
「・・・・」
「・・・次に会う時は、敵同士だ」
デュークは触れるだけのキスをリアの唇に落とし、直ぐに踵を返しそう告げて歩いて行った
「・・・デューク」
リアはデュークが立ち去って行く姿を見て小さく呟き、暫くその方向をじっと見ていた
続く
あとがき
やっと書き終わりました・・・
とりあえず、落ちた後のメンバーの会話を書いてみようと思ってメンバー別けした結果、こうなりました
まあぶっちゃけると、絡みが書きやすいメンバーと回復が使える人で纏めたんですよ(笑)
そして最後はリアちゃんとデュークの会話
此処でエルシフルの事をバラして良いか悩んだけど、言う方にしました
あと、デュークがリアちゃんにキスしたけど・・・まあ、逆ハーですし!(笑)(笑って誤魔化す(笑))
でも、それも後々解ってきますからご安心をvv
次回はちょっとだけ力の話をして進むのかな?(自分でも解ってないようです(笑))
Each thought(それぞれの想い)
2009.08.26