★番外編
DREAM
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※名前有りモブ→赤司
※WCより前の話
※「君の幸せを誰より願っているんだ」続き
私、因幡永久には好きな人がいる。学校で知らない人はいない、あの赤司くんだ。
赤司くんは、私が先生に頼まれた提出用のノートを運んでいた時、女子には重いだろう、と半分持ってくれた。私は世間でいう根暗なタイプの人間だったから、そんな風に手伝ってくれる友達もいなくて、初めてだった。嬉しかった。と、同時に、赤司くんは誰にでも優しい人なんだ、とも思った。そして、この恋は、叶わないのだとも。
だって赤司くんは、水瓶さんと付き合っているらしいのだ。
双子の兄曰く『いや、あれ赤司に聞いたら噂って言ってたぜ』とのことだが、そもそも人相の悪いあの兄が赤司くんと話したことがあるなんてとても嘘くさいので、信じてはいない。
(どうして水瓶さんなんだろう)
正直に言えば、私は水瓶さんのようなタイプはすごく苦手だった。だって、誰とでもあの高いテンションで話すし、ものすごくオーバーリアクションだし、正直ちょっとうるさいと思う時もある。廊下に張り出される成績を見ても、私より下の順位にいるし、なにより、水瓶さんより可愛い子なんてたくさんいるし。
(赤司くんは、水瓶さんのどこが好きなんだろう)
「ふへへ~」
朝、登校してきた私の耳に、水瓶さんの笑い声が入ってくる。最悪だ、もう赤司くんの隣に座ってるから、通りすがりにおはようと声もかけられない。
私の席は赤司くんから前に二つ進んだところにある。水瓶さんは赤司くんの隣の席だ。ちなみに窓際なので、必然的に赤司くんの隣は水瓶さんだけとなり、それが一部の女子にブーイングを受けていたりする。
「よし、いける。いっつも学食だったし、それより先に出せば、きっといける」
「何がいけるんだ?」
「ほぎゃあ?!あ、赤司には関係ございませんー!今日もかっこうぃーねー!」
「最近、海常の涼太からバックブリーカーというものの存在を教えてもらったんだが…」
「だがなに?!まさか実践させろとか言わないよね?!」
話してる内容はよく聞こえないが、やはり親しげだ。あの赤司くんが雑談を交わす相手なんて、バスケ部の先輩方くらいし見たことがない。
(いいなあ、水瓶さん。私も、いっそアレくらいおバカなキャラになれたら赤司くんに話しかけられたのかなあ)
「そ、そういや今日のお昼、バスケ部はまたみんなで学食?」
「その予定だが、千尋だけ財布と相談すると言っていたね」
「そ、そっか…!よし、いける」
その時私は見てしまった。水瓶さんが確認するように開いた鞄の中に、お弁当が二つあったのを。
(バスケ部の予定を聞いてた。ということは、あのお弁当は赤司くんに渡すつもりなんだ…!)
その瞬間、私の中にどす黒い感情が芽生えた。
アレを、赤司くんに渡したくない。食べさせたくない。それなら。
ーーー今日は、体育の授業があるから。
「つっかれたー!もう長距離走はこりごりだー!」
またいつものごとく、水瓶さんは騒ぎながら席に着いた。その横に、赤司くんもいる。また二人で何か話してる。羨ましい。妬ましい。…胸が、痛い。
でも、きっとこれから少しだけスカッとするはずだ。その時を待って、私はお昼ご飯の用意を始める。
「…あれ?」
きた。
反応しないように、耳だけすませて水瓶さんの反応を聞く。ガサガサ、と大きな音を立てて、何かを探しているようだ。
「ない。お弁当、なくなってる」
「どうした、優姫?」
「赤司…あはは、私ドジすぎワロタ!お弁当どっかでなくしたみたい!ちょっと探してくるっス!!」
な、何を言ってるの彼女は。なくした?ドジ?そんなわけないでしょう。
だって体育の授業の前まで、お弁当がそこにあったの確認してたじゃない。なのに、授業終わってなくなってたら、誰かが盗ったって思うでしょう、普通は。なのになんで、自分が悪いって探し出すの?意味がわからない。そんなにバカだったの?
廊下に飛び出した水瓶さんを、唖然と見つめていたら、いつの間にか私の席に誰かが来ていた。落とされた影に、顔を上げると、そこにいたのは。
「昼休憩にすまない。少しいいかな?」
赤司くんが、ニコリと微笑んだ。
好きなはずの赤司くんの笑顔が、恐ろしく冷たいものに見えた。
「赤司くん…、どこに、行くの?」
教室から連れ出されて、廊下を歩いている。けど、赤司くんは無言だ。耐え切れなくて、おそるおそる聞いてみた。
チラリと横目で私を見て、赤司くんはすぐに前を向く。
「おそらく、そろそろ屋上にいる頃だろう」
「え?」
「静かに、ね」
屋上へと続く階段を、音を立てないように登る。赤司くんが、屋上の様子を覗くくらいの隙間を作って扉を開いた。
そこにいたのは、膝を抱えてる水瓶さんだった。
「どこでなくしたんだろ…結構力作だったのに…」
探し疲れて、ここで凹んでいたのか。
いい気味だ、と少し思いかけた瞬間、思いもよらぬ人の言葉に呆然としてしまった。
「…たく、それなら朝俺のところに持ってきとけよ」
あれは、バスケ部の黛先輩だ。
よく見れば、水瓶さんの隣に黛先輩が座っていた。
「だって、お昼にびっくりさせたくて…」
「まあある意味びっくりしたけどな」
「ううー!まゆゆが意地悪だー!!でもそこに痺れる憧れるゥ!」
「で、弁当は?」
「へ?」
「学食食いそびれたし、腹は減っている」
ハッとした水瓶さんは、手に持っていた自分用のお弁当を黛先輩に差し出した。
「まゆゆ!お弁当どーぞ!!」
「ん、じゃあ、代わりにこの木曜限定パンやるよ」
「!ありがとうまゆゆっ!」
とても、とても嬉しそうに笑っていた。
そしてすぐに気づく、水瓶さんの好きな人は、黛先輩なのだと。
なら、私は、私がしたことは。
「僕と優姫は付き合っていない、と君のお兄さんにも教えたはずだったんだけど」
赤司くんが、屋上の二人を見ながら言う。そうだ、兄はそう言っていた。それを、信じなかった。だから、赤司くんは見せてわからせようとしたのだ。
「仮に付き合っていたとしても、他者の度が過ぎる行為は害悪でしかない。そうは思わないか?」
赤司くんはもう、最初からわかっていたのだ。
私が赤司くんを好きなこと、水瓶さんが苦手なこと、お弁当を、隠して捨てたこと、全部。
「…ごめんなさい…っ」
「それは僕に言うべき言葉じゃない」
「わかって、る。けど、赤司くんにも、多分嫌な思いさせたから、ごめんなさい」
「それもわかってるならいい。恋人と噂されるのは癪だが、あの破天荒な友人が泣くのを我慢する姿は好きじゃないからね」
そう言って、赤司くんは扉を閉める。閉じる瞬間見えたのは、嬉しそうに笑ってパンを齧る水瓶さんの姿。
目元が少しだけ赤かったから、ここにくるまでに泣いていたのだろうかと、最初とは違う意味で胸が痛くなった。
「水瓶さん」
「ほい?どしたの因幡さん」
放課後、部活に行く前の水瓶さんを呼び止めた私は、鞄から体育の授業の時、隠して捨てたお弁当を出した。少し汚れてしまったけど、ゴミはきちんと払いおとしたから、持つ分には大丈夫なはず。
水瓶さんは私の出したお弁当を見て、目を見開く。なんて言うだろうか、ひどいと怒るだろうか。それでも、謝らなくては。私がしたことは、最低なことだったのだから。
「水瓶さん、本当にごめんなさ」
「ありがと因幡さんー!!それ探してたんだよー!!」
「えっ?」
私からお弁当を受け取り、嬉しそうに鞄に入れてから、もう一度「ありがとう」と水瓶さんは満面の笑みを浮かべた。
大変だ、彼女、本当にわかっていないんだ。私が嫌がらせをした、って本当に気付かないで、私が拾って親切にしてくれたと、本気で思っている。
途端に、私はなんて醜い人間なんだろうと胸が張り裂けそうだった。私のことを疑いもせず信用してくれている。そんな人に、私はなんて酷いことを。
「ごめんなさい、水瓶さん、ごめんなさい…っ」
「えっ?!え、えぇ?!ど、どしたの因幡さんー!あっお昼終わってるから?!いやいやお弁当見つかって嬉しいし、気にしなくていいよ?!ていうかほんとありがとね!!わああ因幡さん泣かないでえええ!!」
クラスメイトが何事かと騒ぎ出す中、赤司くんだけが満足そうに笑っていたことは誰も知らなかった。
それから数年後のとある休日。
「そいや赤司知ってる?!因幡兄妹の話!」
「ああ、結婚するんだろう?式の招待ハガキが来ていたよ」
「二人とも良い人と出会ったんだね~!おめでとうって電話したら二人とも幸せそうな声だったし!」
「出会ったんだろうね」
「えっもしや、赤司、相手知ってんの?!どんな人?!」
「それは秘密だ」
(優姫、俺はお前と会えて本当に良かった。お前のおかげで、俺は何かを諦めることをやめられた。だから)
(水瓶さん、私はあなたと会えて本当に良かった。あなたのおかげで、私は汚い自分と向き合えた。だから)
「結婚するときは呼べよな!」
「もちろん相手は黛先輩だよね!」
ひえええ?!と叫んで、きっと顔を真っ赤にしてるだろう彼女を思い浮かべた兄妹は、とても幸せそうに笑うのだった。
※WCより前の話
※「君の幸せを誰より願っているんだ」続き
私、因幡永久には好きな人がいる。学校で知らない人はいない、あの赤司くんだ。
赤司くんは、私が先生に頼まれた提出用のノートを運んでいた時、女子には重いだろう、と半分持ってくれた。私は世間でいう根暗なタイプの人間だったから、そんな風に手伝ってくれる友達もいなくて、初めてだった。嬉しかった。と、同時に、赤司くんは誰にでも優しい人なんだ、とも思った。そして、この恋は、叶わないのだとも。
だって赤司くんは、水瓶さんと付き合っているらしいのだ。
双子の兄曰く『いや、あれ赤司に聞いたら噂って言ってたぜ』とのことだが、そもそも人相の悪いあの兄が赤司くんと話したことがあるなんてとても嘘くさいので、信じてはいない。
(どうして水瓶さんなんだろう)
正直に言えば、私は水瓶さんのようなタイプはすごく苦手だった。だって、誰とでもあの高いテンションで話すし、ものすごくオーバーリアクションだし、正直ちょっとうるさいと思う時もある。廊下に張り出される成績を見ても、私より下の順位にいるし、なにより、水瓶さんより可愛い子なんてたくさんいるし。
(赤司くんは、水瓶さんのどこが好きなんだろう)
「ふへへ~」
朝、登校してきた私の耳に、水瓶さんの笑い声が入ってくる。最悪だ、もう赤司くんの隣に座ってるから、通りすがりにおはようと声もかけられない。
私の席は赤司くんから前に二つ進んだところにある。水瓶さんは赤司くんの隣の席だ。ちなみに窓際なので、必然的に赤司くんの隣は水瓶さんだけとなり、それが一部の女子にブーイングを受けていたりする。
「よし、いける。いっつも学食だったし、それより先に出せば、きっといける」
「何がいけるんだ?」
「ほぎゃあ?!あ、赤司には関係ございませんー!今日もかっこうぃーねー!」
「最近、海常の涼太からバックブリーカーというものの存在を教えてもらったんだが…」
「だがなに?!まさか実践させろとか言わないよね?!」
話してる内容はよく聞こえないが、やはり親しげだ。あの赤司くんが雑談を交わす相手なんて、バスケ部の先輩方くらいし見たことがない。
(いいなあ、水瓶さん。私も、いっそアレくらいおバカなキャラになれたら赤司くんに話しかけられたのかなあ)
「そ、そういや今日のお昼、バスケ部はまたみんなで学食?」
「その予定だが、千尋だけ財布と相談すると言っていたね」
「そ、そっか…!よし、いける」
その時私は見てしまった。水瓶さんが確認するように開いた鞄の中に、お弁当が二つあったのを。
(バスケ部の予定を聞いてた。ということは、あのお弁当は赤司くんに渡すつもりなんだ…!)
その瞬間、私の中にどす黒い感情が芽生えた。
アレを、赤司くんに渡したくない。食べさせたくない。それなら。
ーーー今日は、体育の授業があるから。
「つっかれたー!もう長距離走はこりごりだー!」
またいつものごとく、水瓶さんは騒ぎながら席に着いた。その横に、赤司くんもいる。また二人で何か話してる。羨ましい。妬ましい。…胸が、痛い。
でも、きっとこれから少しだけスカッとするはずだ。その時を待って、私はお昼ご飯の用意を始める。
「…あれ?」
きた。
反応しないように、耳だけすませて水瓶さんの反応を聞く。ガサガサ、と大きな音を立てて、何かを探しているようだ。
「ない。お弁当、なくなってる」
「どうした、優姫?」
「赤司…あはは、私ドジすぎワロタ!お弁当どっかでなくしたみたい!ちょっと探してくるっス!!」
な、何を言ってるの彼女は。なくした?ドジ?そんなわけないでしょう。
だって体育の授業の前まで、お弁当がそこにあったの確認してたじゃない。なのに、授業終わってなくなってたら、誰かが盗ったって思うでしょう、普通は。なのになんで、自分が悪いって探し出すの?意味がわからない。そんなにバカだったの?
廊下に飛び出した水瓶さんを、唖然と見つめていたら、いつの間にか私の席に誰かが来ていた。落とされた影に、顔を上げると、そこにいたのは。
「昼休憩にすまない。少しいいかな?」
赤司くんが、ニコリと微笑んだ。
好きなはずの赤司くんの笑顔が、恐ろしく冷たいものに見えた。
「赤司くん…、どこに、行くの?」
教室から連れ出されて、廊下を歩いている。けど、赤司くんは無言だ。耐え切れなくて、おそるおそる聞いてみた。
チラリと横目で私を見て、赤司くんはすぐに前を向く。
「おそらく、そろそろ屋上にいる頃だろう」
「え?」
「静かに、ね」
屋上へと続く階段を、音を立てないように登る。赤司くんが、屋上の様子を覗くくらいの隙間を作って扉を開いた。
そこにいたのは、膝を抱えてる水瓶さんだった。
「どこでなくしたんだろ…結構力作だったのに…」
探し疲れて、ここで凹んでいたのか。
いい気味だ、と少し思いかけた瞬間、思いもよらぬ人の言葉に呆然としてしまった。
「…たく、それなら朝俺のところに持ってきとけよ」
あれは、バスケ部の黛先輩だ。
よく見れば、水瓶さんの隣に黛先輩が座っていた。
「だって、お昼にびっくりさせたくて…」
「まあある意味びっくりしたけどな」
「ううー!まゆゆが意地悪だー!!でもそこに痺れる憧れるゥ!」
「で、弁当は?」
「へ?」
「学食食いそびれたし、腹は減っている」
ハッとした水瓶さんは、手に持っていた自分用のお弁当を黛先輩に差し出した。
「まゆゆ!お弁当どーぞ!!」
「ん、じゃあ、代わりにこの木曜限定パンやるよ」
「!ありがとうまゆゆっ!」
とても、とても嬉しそうに笑っていた。
そしてすぐに気づく、水瓶さんの好きな人は、黛先輩なのだと。
なら、私は、私がしたことは。
「僕と優姫は付き合っていない、と君のお兄さんにも教えたはずだったんだけど」
赤司くんが、屋上の二人を見ながら言う。そうだ、兄はそう言っていた。それを、信じなかった。だから、赤司くんは見せてわからせようとしたのだ。
「仮に付き合っていたとしても、他者の度が過ぎる行為は害悪でしかない。そうは思わないか?」
赤司くんはもう、最初からわかっていたのだ。
私が赤司くんを好きなこと、水瓶さんが苦手なこと、お弁当を、隠して捨てたこと、全部。
「…ごめんなさい…っ」
「それは僕に言うべき言葉じゃない」
「わかって、る。けど、赤司くんにも、多分嫌な思いさせたから、ごめんなさい」
「それもわかってるならいい。恋人と噂されるのは癪だが、あの破天荒な友人が泣くのを我慢する姿は好きじゃないからね」
そう言って、赤司くんは扉を閉める。閉じる瞬間見えたのは、嬉しそうに笑ってパンを齧る水瓶さんの姿。
目元が少しだけ赤かったから、ここにくるまでに泣いていたのだろうかと、最初とは違う意味で胸が痛くなった。
「水瓶さん」
「ほい?どしたの因幡さん」
放課後、部活に行く前の水瓶さんを呼び止めた私は、鞄から体育の授業の時、隠して捨てたお弁当を出した。少し汚れてしまったけど、ゴミはきちんと払いおとしたから、持つ分には大丈夫なはず。
水瓶さんは私の出したお弁当を見て、目を見開く。なんて言うだろうか、ひどいと怒るだろうか。それでも、謝らなくては。私がしたことは、最低なことだったのだから。
「水瓶さん、本当にごめんなさ」
「ありがと因幡さんー!!それ探してたんだよー!!」
「えっ?」
私からお弁当を受け取り、嬉しそうに鞄に入れてから、もう一度「ありがとう」と水瓶さんは満面の笑みを浮かべた。
大変だ、彼女、本当にわかっていないんだ。私が嫌がらせをした、って本当に気付かないで、私が拾って親切にしてくれたと、本気で思っている。
途端に、私はなんて醜い人間なんだろうと胸が張り裂けそうだった。私のことを疑いもせず信用してくれている。そんな人に、私はなんて酷いことを。
「ごめんなさい、水瓶さん、ごめんなさい…っ」
「えっ?!え、えぇ?!ど、どしたの因幡さんー!あっお昼終わってるから?!いやいやお弁当見つかって嬉しいし、気にしなくていいよ?!ていうかほんとありがとね!!わああ因幡さん泣かないでえええ!!」
クラスメイトが何事かと騒ぎ出す中、赤司くんだけが満足そうに笑っていたことは誰も知らなかった。
それから数年後のとある休日。
「そいや赤司知ってる?!因幡兄妹の話!」
「ああ、結婚するんだろう?式の招待ハガキが来ていたよ」
「二人とも良い人と出会ったんだね~!おめでとうって電話したら二人とも幸せそうな声だったし!」
「出会ったんだろうね」
「えっもしや、赤司、相手知ってんの?!どんな人?!」
「それは秘密だ」
(優姫、俺はお前と会えて本当に良かった。お前のおかげで、俺は何かを諦めることをやめられた。だから)
(水瓶さん、私はあなたと会えて本当に良かった。あなたのおかげで、私は汚い自分と向き合えた。だから)
「結婚するときは呼べよな!」
「もちろん相手は黛先輩だよね!」
ひえええ?!と叫んで、きっと顔を真っ赤にしてるだろう彼女を思い浮かべた兄妹は、とても幸せそうに笑うのだった。