天使と奏でるシンフォニー(TOX2)
DREAM
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「よっこいしょー!!」
「ユウキ…女の子がよっこいしょはどうかと思うよ」
05.知らないことだらけ
まずはルドガーの家があるというトリグラフに行くことになった私達。
移動制限には何とか引っかからずドヴォール駅からトリグラフ駅まで到着して、思わずそう言ったらジュードくんに呆れられた。解せぬ!
「いいの!疲れた時は何かかけ声を言うのが一番いいの!はい!ルドガーとエルも一緒に!」
「よっこいしょー」
「よっこいしょー!」
「ふ、二人がユウキに洗脳されてる…」
「洗脳とは失礼な!ジュードくんはアルヴィンに洗脳されてるんですよねそこから始まるラブ!をぜひ教えてください!」
「ルドガーはマンション暮らしなの?」
「スルー!!」
ルドガーを連れてさっさと先に行ってしまうジュードくん。冷たい…だがそこに痺れる憧れるぅ!
「ユウキってヘンタイなの?」
「ごふぅっ!変態じゃないよ仮に変態だったとしても変態という名の紳士だよ!」
「ユウキー、小さい子に変なこと教えないようにね」
私とエルの会話を聞いていたらしいジュードくんから釘を刺され、うぐうと唸る。ほんとジュードくんこの一年でたくましく成長しましたね!私この先ぺろぺろとか言ってたら奥義でぶっ飛ばされるんじゃないかな?!
エルの隣を歩くでぶ猫、もといルドガーの飼い猫のルルを抱えて、その愛らしいほっぺたにすり寄って癒やしを得ることにした。
「ルルはかわいいねえ~!ほっぺぶにぶに~」
「ナァ~!」
「エルも抱っこする!」
「ほい。そういえば、エルはどこ行くって言ってたっけ?」
「カナンの地だよ!エルのパパが言ってたの!何でもお願いを叶えてくれる場所だって!」
「ああそうそうカナンの地!…やっぱり聞いたことないなあ」
エクシリア知識、と言っても私は一回クリアしただけで全部を把握しているわけではないが、カナンの地、なんてすごそうな場所は聞き覚えがない。加えて言うなら骸殻とか分史世界とか、その辺もさっぱりだ。クルスニク、というのが創世の賢者の名前だということしかわからない。クルスニクの鍵はゲーム中何度も聞いた言葉だしね。
(兄貴の声も、あれっきり聞こえないしなあ)
ドヴォールからトリグラフに来るまで、私はエルがカナンの地という場所に行くとパパと約束していることを聞いた。それから、ジュードくん達が分史世界とやらに行っていたこと。
そこは揺れないはずの列車が揺れていて、ノヴァさんが社長秘書をしていて、社長も違う人だったとか、そんな不思議世界だったらしい。先頭車両まで到着したら、そこにはユリウスさんがいて、何やらまがまがしいオーラと共に襲いかかってきたのだとか。ルドガーが変身して、いつの間にか持っていた槍でユリウスさんを刺したら、心臓ではないものを刺していて、それで気がついたら酒場だったという。
それを聞いて、もしやその世界のユリウスさんとやらがタイムファクターなるものだったのではと思った。
で、こっちもそういう話をユリウスさんから聞いたとジュードくん達に話したら、ルドガーはなんだか悲しそうだった。それもそうだ。兄に何も話してもらえなかったのだと思ったら、すごく悲しい。私も兄に隠し事されたら多分悲しく思うだろうし。
「着いたぞ」
と、考え事をしている間にルドガーがユリウスさんと暮らすマンションに着いたようだ。三階の部屋の前で、ふうとルドガーが一息吐いた。
「ルドガー大丈夫?って、大丈夫なわけないよね…五百万ガルド…うう私のお金が足りていればあああ」
ぬぐおおおおっと悶えていたら、ルドガーはふるふると首を横に振った。
「むしろ、ユウキには感謝してるんだ。五百万に抑えられたのはユウキのおかげだ。ありがとう」
「うううルドガーかわいいいいいい!!ジュードくんとユニット組んで売りだそう!!アイドルやって金を稼げばいいんだよ!そうと決まれば衣装を…ぎゃんっ!」
「ユウキ、他の人もいるんだから静かにね」
拝啓、リーゼ・マクシアの王様、ジュードくんが鬼嫁になりました。
ジュードくんに拳を下ろされて、違う意味で悶えていたら、ルドガーは自分の家の扉を見てまたふうとため息を吐いた。
「ここまで長かったな…」
これからさらに長くなることを、このときは誰も知らなかった。