★番外編
DREAM
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今だってそんなに、自信はないよ。踏み出せない時もあるよ。
「ユウキ?」
歌声が聞こえて、ベランダに出たら隣のベランダで歌を歌っている仲間の姿があった。
初めて会ったときは髪を束ねて、ポニーテールにしていた彼女はお尋ね者になってしまい、変装と称して髪を下ろした。それだけで本当に別人のようになってしまうのだから、人って不思議だ。
長い髪を風に揺らせながら、えっとこちらを振り向くユウキ。その顔はみるみるうちに赤くなっていき、ぼふっなんて音が聞こえてきそうだ。
「る、ルドガー聞いてたの?!ていうかひいいもしかしてみんなに聞こえてる?!」
「いや、ジュードもアルヴィンも、ローエンももう寝てる。俺はちょっと目が覚めてたから」
「よ、よかったー…今度は外出て歌おう、うん」
「今の、なんて歌なんだ?」
「え?」
なんとなく聞いてみたのだが、ユウキは目に見えて困った顔をした。
「実は、わかんないんだよね」
「?」
「最近、何か頭に浮かんでくるというか…聞いたことないはずなのに、いざ口に出してみればちゃんと歌えるっていうか…あっ別に電波とかじゃないからね?!」
あわあわと今度は慌て始めた。ユウキは仲間の中でエル以上に感情表現が激しく、はっきりしている。
仲間のために怒って、泣いて、笑って。裏表のないその性格に、気づいたら惹かれていた。
羨ましい、と思った。
「俺の兄さんも、よく歌ってた。歌詞はなくてメロディだけだったけど、それを聞くとすごく安心した」
「へえ!ユリウスさんのハミングとか超聞きたい!今度会ったら私にも聞かせてくれるかな?!」
「俺からも頼んでみるよ。久しぶりに聞きたいし」
といっても、気がついたら歌っているので頼んだら恥ずかしがるかもしれない。そんな兄を見るのもいいかも、と笑ったら、ユウキも笑っていた。
「ルドガーはお兄さんのことほんとに好きなんだね」
「ああ。自慢の兄だ」
「いいなあ!あっでも私の兄貴も自慢の兄貴だからね!小さい頃からの憧れなんだよ」
そう言って、空を見上げた。
夜空には星が瞬いていて、とても綺麗だった。この空を、兄さんもどこかで見ているのだろうか。
「星、綺麗だな」
「そうだね。月も綺麗だよ」
空だって、飛べる気がする。ただ一人、君のためなら。
ユウキはそう歌って、それからまた空を見上げた。
fin
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星が綺麗ですね「あなたはきっと、この思いを知らないのでしょうね」