天使と奏でるシンフォニー(TOX2)
DREAM
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※仲良しパーティが好きな方は注意
※ユウキの兄がマクスバードで姿を見せない選択をした結果
「…あ、でもやっとルドガー、ユリウスさんとちゃんと会えたね…」
「……」
「…?みんな、どうしたの?何かあったの…?」
ミラが、実はと口を開いた。
俺達が先程最終結論として口にした話を、ユウキに聞かせる。
橋をかけるには、クルスニク一族の命が必要で、俺か兄さんにしかかけられない。
違う方法を考えるけど、何も案が出てこない。
もう、時間がない。
ユウキの目が大きく見開かれるが、リドウはわかっていたと言わんばかりに冷たい目を向けてくる。
ミラの話が終わると、兄さんが俺の肩に手を置いた。
だからルドガー、と兄が言う。
俺を殺して、橋をかけろと。
「俺には…できないッ!!」
兄を、殺すなんてできるはずがなかった。
どうして殺せるんだ?兄さんは、俺の家族だ。ずっと傍にいてくれた。ずっと一緒にいてくれた。
それがたとえ俺を利用しようとしていたのだとしても、今俺のために苦しんでいる兄さんだって本当だった。
それを、殺せと?世界のために、兄さんには犠牲になれと?
俺の世界は、どうなってもいいと言うのか?
「…できるわけ、ないよ」
ぽつりと、そう呟いたのは、ユウキだった。
ユウキはリドウに治療をされながら、俺達を見てそう言った。
「世界のためだからって、家族を殺せるわけ、ないよ…!そんなことしたら、ビズリーと同じじゃんか…ユリウスさんが、今まで何のために頑張ってきてたと…思うの…!」
「ユウキ…」
「ジュードくん、私は世界を守ろうとする皆のこと、かっこいいって思う。すごいって、誇ってた。でも、これは違う!なんで時間がないって考えるの諦めちゃうの?!誰かを犠牲にしない救えない世界なんて、私はいらないよッ!!」
そう言って、泣いてくれた。拒絶してくれた。
その言葉が、涙が、どれだけ嬉しかったか。
「じゃあどうする気だ、ユウキ。さっきビズリーにほとんど魂使われたんだ、もうお前には力はないんだぜ?」
「…あるよ。あと一回なら、きっと橋をかけられる。リドウ、ルドガー達をお願い」
え、とジュード達の声が漏れる。
だがユウキは彼らを見ることなく、俺と兄さんの方を向いて、とても綺麗に微笑んだ。
「ルドガー。ユリウスさんとエル、絶対に助けてね。約束だよ」
あとね、とユウキは内緒話をするように、悪戯に笑って、そして。
橋はかかった。
ユウキの姿は、どこにもなかった。
「そんな…僕は、また…っ!!」
膝を崩して、ジュードが震えていた。ミラも、ガイアスも目を見開き、他の皆は青ざめていた。
「…だとよ、ルドガー君よぉ。さっさとカナンの地に行って、俺らを利用してたバカ社長をぶっ飛ばそうぜ」
「……ユウキ、は」
「ルドガー…彼女は…」
死んだ、と兄さんが言う。橋をかけるために、兄さんではなく自分の命を差し出したと。
ビズリーはユウキが特別な人間だと知っていて、その力を利用した。そして、もう残り少ない命の源であるそれを、俺達のために使ったのだ。そして、消滅した。
「こんなの…同じじゃないか…!皆が兄さんにさせようとしたことと、同じだ…ッ!!」
皆は残り少ない命の兄さんに、俺達はユウキに。
たとえユウキが自分からしたことだろうと、結果だけみれば同じことだ。
悔しくて唇を噛む俺に、兄さんは小さく首を横に振った。
「…ルドガー、だが彼女は、ユウキはお前に託したんだ。俺のこと、エルのこと、そしてお前自身のことを。行こうルドガー、カナンの地に」
「そうだぜ。あのバカ女の借り、返さなくていいのかよ?」
「…リドウ、お前」
「…違うからな、別にあいつの敵討ちに行くわけじゃねーぞユリウス!」
兄さんも、あのリドウも、ユウキの命を無駄にしないためにと橋へ向かう。
エリーゼとレイアは泣いていて、ローエンもアルヴィンも悔しそうに顔を歪めている。
ジュードは地面を拳で殴り、ミラはミュゼに抱きしめられていて、ガイアスはただ橋をじっと見つめている。
ああきっと。彼らは兄さんが死んだ時にはこんな風にはならないのだろう。
ユウキだったから、悲しんでいる。
「…ユウキ、俺はカナンの地に行く。絶対に、兄さんもエルも助けてみせるから」
もう会えない彼女に向けて、俺はそう呟いて仲間だった彼らに背を向けた。
さよならフェアリーテール
『あとね、ルドガー。私、ずっとルドガーの隣にいたかった。ずっと、隣でルドガーを見ていたかったよ』
BADEND
------------------
当サイトのBADEND。これも一つの選択。
※ユウキの兄がマクスバードで姿を見せない選択をした結果
「…あ、でもやっとルドガー、ユリウスさんとちゃんと会えたね…」
「……」
「…?みんな、どうしたの?何かあったの…?」
ミラが、実はと口を開いた。
俺達が先程最終結論として口にした話を、ユウキに聞かせる。
橋をかけるには、クルスニク一族の命が必要で、俺か兄さんにしかかけられない。
違う方法を考えるけど、何も案が出てこない。
もう、時間がない。
ユウキの目が大きく見開かれるが、リドウはわかっていたと言わんばかりに冷たい目を向けてくる。
ミラの話が終わると、兄さんが俺の肩に手を置いた。
だからルドガー、と兄が言う。
俺を殺して、橋をかけろと。
「俺には…できないッ!!」
兄を、殺すなんてできるはずがなかった。
どうして殺せるんだ?兄さんは、俺の家族だ。ずっと傍にいてくれた。ずっと一緒にいてくれた。
それがたとえ俺を利用しようとしていたのだとしても、今俺のために苦しんでいる兄さんだって本当だった。
それを、殺せと?世界のために、兄さんには犠牲になれと?
俺の世界は、どうなってもいいと言うのか?
「…できるわけ、ないよ」
ぽつりと、そう呟いたのは、ユウキだった。
ユウキはリドウに治療をされながら、俺達を見てそう言った。
「世界のためだからって、家族を殺せるわけ、ないよ…!そんなことしたら、ビズリーと同じじゃんか…ユリウスさんが、今まで何のために頑張ってきてたと…思うの…!」
「ユウキ…」
「ジュードくん、私は世界を守ろうとする皆のこと、かっこいいって思う。すごいって、誇ってた。でも、これは違う!なんで時間がないって考えるの諦めちゃうの?!誰かを犠牲にしない救えない世界なんて、私はいらないよッ!!」
そう言って、泣いてくれた。拒絶してくれた。
その言葉が、涙が、どれだけ嬉しかったか。
「じゃあどうする気だ、ユウキ。さっきビズリーにほとんど魂使われたんだ、もうお前には力はないんだぜ?」
「…あるよ。あと一回なら、きっと橋をかけられる。リドウ、ルドガー達をお願い」
え、とジュード達の声が漏れる。
だがユウキは彼らを見ることなく、俺と兄さんの方を向いて、とても綺麗に微笑んだ。
「ルドガー。ユリウスさんとエル、絶対に助けてね。約束だよ」
あとね、とユウキは内緒話をするように、悪戯に笑って、そして。
橋はかかった。
ユウキの姿は、どこにもなかった。
「そんな…僕は、また…っ!!」
膝を崩して、ジュードが震えていた。ミラも、ガイアスも目を見開き、他の皆は青ざめていた。
「…だとよ、ルドガー君よぉ。さっさとカナンの地に行って、俺らを利用してたバカ社長をぶっ飛ばそうぜ」
「……ユウキ、は」
「ルドガー…彼女は…」
死んだ、と兄さんが言う。橋をかけるために、兄さんではなく自分の命を差し出したと。
ビズリーはユウキが特別な人間だと知っていて、その力を利用した。そして、もう残り少ない命の源であるそれを、俺達のために使ったのだ。そして、消滅した。
「こんなの…同じじゃないか…!皆が兄さんにさせようとしたことと、同じだ…ッ!!」
皆は残り少ない命の兄さんに、俺達はユウキに。
たとえユウキが自分からしたことだろうと、結果だけみれば同じことだ。
悔しくて唇を噛む俺に、兄さんは小さく首を横に振った。
「…ルドガー、だが彼女は、ユウキはお前に託したんだ。俺のこと、エルのこと、そしてお前自身のことを。行こうルドガー、カナンの地に」
「そうだぜ。あのバカ女の借り、返さなくていいのかよ?」
「…リドウ、お前」
「…違うからな、別にあいつの敵討ちに行くわけじゃねーぞユリウス!」
兄さんも、あのリドウも、ユウキの命を無駄にしないためにと橋へ向かう。
エリーゼとレイアは泣いていて、ローエンもアルヴィンも悔しそうに顔を歪めている。
ジュードは地面を拳で殴り、ミラはミュゼに抱きしめられていて、ガイアスはただ橋をじっと見つめている。
ああきっと。彼らは兄さんが死んだ時にはこんな風にはならないのだろう。
ユウキだったから、悲しんでいる。
「…ユウキ、俺はカナンの地に行く。絶対に、兄さんもエルも助けてみせるから」
もう会えない彼女に向けて、俺はそう呟いて仲間だった彼らに背を向けた。
さよならフェアリーテール
『あとね、ルドガー。私、ずっとルドガーの隣にいたかった。ずっと、隣でルドガーを見ていたかったよ』
BADEND
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当サイトのBADEND。これも一つの選択。