天使と奏でるシンフォニー(TOX2)
DREAM
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「…結局暇じゃんか!!」
ソファにごろ寝して、私は一人ツッコミをした。
16.もどかしい距離で
ガイアスへのイタ電を終えて、ソファに寝転んだところで私は自分の状況を思い出して思わずツッコミをいれてしまった。もちろん誰も聞いていないのでリアクションはない。寂しい。
そういえば、ジュードくん達はどうしてるだろう。ルドガーのGHSに連絡してみようかな。
「邪魔になりませんように!邪魔になりませんように!」
もし戦闘中だったり、大事な話の最中だったら明らかな邪魔になる。そう思って、私は拝みながらコールすると、思いの外早くルドガーが出た。
「あ、ルドガー?えっと、時歪の因子見つかった?」
《…まだだ。今さっき、大精霊のアスカと会ったところ》
「マジでか!うおおおおアスカ超会いたかった!!どんなだった?!めっちゃ光ってた?!」
《すごくまぶしかった!》
「お、この声はエルたん!そっか、まぶしかったのかー!」
ルドガーの声は、どことなく弱々しいものだった。きっと何かあったんだろう。でも私にはわからないし、私まで暗いテンションでいくわけにはいかない。逆に心配をさせてしまうかもしれない。
そう思って、いつもより二割増し(当社比)で騒いでいたら、エルもいつもの通りにGHSに向かって話しかけてきたからホッと胸をなで下ろした。
《ジュードとレイアが髪の長い精霊を見たって情報を持って帰ってきたから、これから向かうつもりだ。ユウキはどうしてるんだ?》
「私は部屋の扉が壊れて開かなくなったから、あのまま部屋でふて寝してるとこー。でもそっか、まだまだかかりそうだね。気をつけてね?!ジュードくん達にもそう伝えといてね!!」
《ユウキー!アルヴィンがユウキと話したいって!》
《ばっかおま!俺は別にそんなことは…おいルドガーなんで無言で俺にGHS向ける?!あーもう!わーったよ!!》
エルとアルヴィンのそんなやりとりが聞こえて、首を傾げていたら、あーとかうーとか良いながらアルヴィンが出てきた。
「どしたのアルヴィン?何かあった?」
《…この世界は、どうやらジランドがリーゼ・マクシアに行ってない世界だったみたいだ》
「ジランドが?!」
それはつまり、アルヴィンもリーゼ・マクシアに行っていない、ということじゃないだろうか。
なるほど、そんなパラレルワールドもあるのか。
「その世界のアルヴィンはいたの?」
《いや、会わなかったけどスヴェントとして、アルフレドとして存在してるっぽかった》
「そうなんだ…アルヴィン、何かあった?ルドガーも少し変だったし…」
《気にすんな。…俺の知ってる叔父とは違ったが、やろうとしてたことは同じだった。それをこうして冷静に知ることができたのは、おたくのおかげだぜ》
「??どゆこと?」
《あー!今のは忘れろ!おいルドガーこれ切ってもいいよな?!ってちょジュードなんで怒ってぐほうっ!!》
《あ、ユウキ?ちゃんと良い子にしてる?僕達これから次元の裂け目のある丘に行ってくるから、少し連絡取れなくなるんだ。だからくれぐれも、くれぐれも!一人で出歩かないように、いいね?それじゃあまた後で》
「あっちょジュードく」
ぴ、と、無情な機械音が私の耳に届く。
用件だけ言われて切られたんだけどどういうことなの…なんでジュードくんちょっと怒ってんの…。
そういえば、アルヴィンの悲鳴が聞こえたけど、ジュードくん何したんだろう?もしやアルジュ?やっべ何で私その場にいないんだちくしょう。
しかし、ああ言われてはもう連絡待ちしか出来ない。これは先手を打たれたか。
(うう…暇すぎて死んじゃう…私も何かしたいよー!)
うがーっとソファに転がって悲鳴を上げて、だらだらと三十分が経過した頃、扉が開いた。
もう一度言おう。あの開かなかった扉が開いたのだ!
「そろそろ起きてもらおうか、お嬢ちゃん」
「げ、リドウだ。ヴェルさんとチェンジ!」
「おあいにく様、あの秘書は社長秘書なんでお前に構ってるほど暇じゃないんだと」
「があん!!フリーターなめんなちくしょおおおお!!」
それに、元の世界だったらまだ学生じゃあああ!!とは何とか喉の奥に引っ込めることが出来た。
きえーっと威嚇していたら、リドウははあとため息を吐きながら手を振る。それは合図だったようで、シュバッとどこからかイバルが現れたではないか。
「あ、イバルだ!ていうかそのグラサン似合わないな!」
「うるさいぞ偽物二号!お前にはこれからニ・アケリアに同行してもらう!」
「ニ・アケリア?」
どうしてニ・アケリアに?ていうか、ここでジュードくん達を待たないといけないんだけど?
「つべこべ言わずに来い偽物二号!」
「ぎゃあああ誘拐!誘拐だこれ!いやあああ助けてジュードくんんんん!!」
「二・アケリアで会える、って言ったらついてくるかい?」
「ついていきます!」
「相変わらずのジュードバカか貴様…」
「やれやれ……本当にこいつがそうなのか?」
「え?何か言ったリドウ?」
「うるさいガキだなって言ったんだよ」
「このやろおおお!!」
「ヴェル秘書の話だと、今あいつらは分史世界のニ・アケリア付近にいるらしい。戻ってくるならそこが高確率だと」
ニ・アケリアに向かう道中、イバルにそう説明してもらった。
マクスバードで断界殻の破片すげーと騒いだり、船に乗って海風きもちーと騒いだり、まあ主に騒いだりしながら海停を出て今街道を歩いている最中である。
「クランスピア社ってすごい技術だよねー。GHSも一気に普及したし」
「貴様俺の話を無視してるな?!」
「GHSはクラン社のクラウンエージェント様の成果だよ。ああ、ほんと憎たらしいぜまったく」
「クラウンエージェント様って?」
「ユリウスのことだよ」
ふん、とリドウは嫌そうな顔で教えてくれる。前から思ってたけど、もしかしてリドウってユリウスさんと仲が悪いのだろうか?
それにしても、このGHSがユリウスさんの成果、か。クラウン、なんてすごそうな肩書きがあるくらいだもんな。
それなら、あの時ユリウスさんはどうして自分の上司に当たる社長を殺そうとしたのだろう?ルドガーがいたから?それとも、最初からそうするつもりで?
「……うっ頭痛くなってきた…」
「なんだ、知恵熱か?」
「イバルお前の髪の毛全部死滅させっぞコルア!知恵熱言うなアホ!!」
「なんだと?!アホというほうがアホだろうが!!」
「ガキの喧嘩かよ…はーあ、これも全部ユリウスのせいだ…」