天使と奏でるシンフォニー(TOX2)
DREAM
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぎゃあああ!!」
優姫、ただいま機械に追われております。
09.行方不明追加
壁に背を預け、機械が通り過ぎるのを息を整えながら待つ。
途中何度も遭遇して、さすがに十五回目となると体力切れである。自慢じゃないが私は体力無しだ。
(どうしよう…とりあえず建物に入ったけど…ここが開発棟じゃなかったらまた降りないと…なにこれバイハザ?!)
敵に遭遇しないように動かないといけない緊張感、出てきた時の心臓が止まるような驚き、まさにバイハザ。ゾンビゲーはあまり得意ではないが、そう思えばやれないこともない?
よし、と意を決して、どこかに研究室から飛び出したら、屋上らしき場所に出た。
「あれ?ここってたしか…前にヴォルトがいたとこ?」
「…?その声…まさか、ユウキちゃん…?」
「え?」
振り返ると、そこにはバランさんが銃を手に立っていた。
「うおおおおバランさんいたああ!!無事でした?!怪我してないですか?!ていうかここどこですか?!」
「落ち着いて落ち着いて。いやー、最初見た時アルクノアかと思ったけど雰囲気違うしあれー?っと思ったら、まさかユウキちゃんだったとは。髪下ろしてるとまるで別人だねー」
あ、忘れてた。
そういえば今の私は変装、というかただ髪を下ろしただけだが、ばれないようにしているんだった。指名手配されてしまっているからその対策をしたんだったというのに、すっかり忘れていた。それもこれも、アルヴィンもエリーも普通だったから…。
「っと、話してる余裕はないね…ユウキちゃん、こっち」
「は、はい!」
バランさんに促されるままついて行った先は、なんと屋上の屋上だった。ちょうどいい壁もあって、おそらくアルクノアも気づかないだろう。まずここに登ってこないだろうし。
「ふう…助かりましたバランさん…」
「アルフレド達と一緒じゃないのかい?」
「それがはぐれちゃって…ああ疲れたー」
床にぺたりと座り込んだら、バランさんがん?とこちらを見る。
「膝、血が出てる。アルクノアにやられた?」
「え、あ…こ、転んだんです…」
「えーと、絆創膏ならあるから一応貼っておくといいよ。ジュードが戻ったら彼に治してもらえば…っと、そうだ。ユウキちゃん、ユリウスと知り合いだったの?」
へ?と言うも、すぐに思い出す。そうだ、今の私は犯罪者。冤罪だけど。
ルドガーはビズリーさんの力でなんとかなっているが、おそらくあの人は言った通り私のことは何一つ対処していないだろう。
つまり、ユリウスさんと一緒にテロ首謀者として公表されたのだ。
「うう…違います…私もユリウスさんも何もしてないんです…あとユリウスさんとは列車で助けてもらいました」
「だろうね。あいつはそんなタイプじゃないし、もちろん君も」
「バランさんんん!!良い人おおおお!!」
ガバッと抱きついたら、バランさんは「これでジュードをからかおう」と良い笑顔をしていた。これってどれだろう。
それにしても、と私はバランさんから離れる。
「ユリウスさんと親しいってマジだったんですね」
「まあ付き合いは長い方だね。といっても、ここ半年は全く会ってないけど」
半年、ということは今回の件は本当に知らないようだ。
ユリウスさんは、一体何をしているんだろう?
バランさんと話し込んで数十分後。きぃ、と扉が開いてジュードくん達が屋上に出てきた。
「誰もいない…」
「いや、さっきから気持ち悪い視線を感じる。おいバラン、出てこいよ」
「よくわかったね、アルフレド」
「ガキの頃から隠れ場所変わらなすぎ。あとユウキは少しは気配消せるようになろうぜ」
「がぁん!!別にジュードくんとルドガー可愛いぺろぺろとかしてないんだからね!」
アルヴィンにべーっと舌を出して顔を出したら、ジュードくんがほっとしたように私を見ていた。どうやらまた私だけいなかったから心配させてしまったようだ。
バランさんと二人で屋上に降りると、ジュードくんとエリーとエルが私に駆け寄る。
「ユウキどこ行ってたんですか!探したんですよっ!」
「またユウキだけいなくなってて…すごく心配した」
「いきなりいなくなるの禁止!次やったらルドガーのご飯抜きだからね!」
「なん…だと…おおう…気をつける…でもえへへ、心配してくれてありがとねーもがっ!」
ティポにわんわん言われながら噛みつかれ、それを引きはがすために苦戦している横でジュードくんの声が聞こえた。
「バランさん、無事でよかったです…。ところで聞きたいんですが、源霊匣ヴォルトをどうして作ったんですか?僕は何も聞いてません」
「ええ?源霊匣ヴォルトなんて作ってないし、作る準備もしてないってば。そもそも源霊匣自体の制御がうまくいってないのに、大精霊クラスなんて無茶すぎだろ」
「…じゃあ、あれは…」
「でもルドガー、びりびりここにいたよね?」
ああ、とルドガーがエルの言葉に頷いている。私とバランさんは何が何やらさっぱりで。
首を傾げていたら、ルドガーがところで、とバランさんに話を切り出した。
「ユリウスの居場所に心当たりはないか」
「ユリウス?なに、君警察?」
「あ、彼はユリウスさんの弟なんです」
「へえ、弟がいたなんて初耳だな…」
なんだと!あの人絶対にブラコンなのに話をしてないとかあり得ない!
…もしかして、話さないようにしてた、とか?なーんてそれはシリアスすぎるか。
「めがねのおじさんのこと、何か知ってる?」
「あいつが超トマト好きだとか?」
「バラン」
「はいはい、って言っても、俺ももう半年は会ってないんだよ。ニュース見て驚いたし」
「行き先に心当たりありませんか?」
「カナンの地とか?」
そうエルが聞いたら、バランさんはああと思い出すような仕草をする。
「カナン…そんなこと言ってたような。なんだか知らないけど」
「カナンの地は、魂を浄化し循環させる聖地よ」
突如聞こえた声。
この声がたしか、ミュゼだ。
「ミュゼ?!わー久しぶりー!」
「うふふ、みんなそろってるのね。ところで、ここにミラはいないかしら?」
「え、ミラ?見てないけど…どうかしたの?」
「いなくなっちゃったの…」
ミラが、いなくなった?
ミュゼの声が少し焦っているように感じた。隣の方でジュードくん達がルドガーにミュゼが大精霊だという話をしているのを聞きながら、私はミュゼにもう一度聞く。
「なんでミラがいなくなったの?!」
「さあ…魂の浄化に問題が起きたと言ってたわ。精霊界を飛び出した後、連絡がつかなくなっちゃって…でもこの様子だとみんなと会っていないのね。捜さなきゃ…」
言うや否、ミュゼが飛び立つ気配がした。おそらく探しにいってしまったのだろう。
それにしても、ミラがいなくなった…なんだかこれは一大事のような気がする。
「さて、これからおたくらはどうするんだ?」
緊迫した空気の中、アルヴィンがそう話しを切り出してくれた。空の読める男アルヴィン、よろしくぅ!
「たしかマクスバードだったね」
「ああ」
「私も行きます!」
「おいおい…間違いなく、やっかいごとだぜ?学校に戻った方がいいんじゃないか?」
「でも、ミラがいなくなったなんて普通の危なさじゃないと思います。私も、できることをしたいんです」
エリー良い子!ほんと良い子!!
「仕方ねえか…俺も手伝うよ。仕事の合間になるけど」
ルドガーはアルヴィンとエリーを仲間にした!とはいえ、アルヴィンは呼び出して同行する形になるけども。社会人は大変だ。
「ルドガー!早くマクスバードいこう!ルルも!」
「ナァ~!」
「私も行くよ!ところでティポはいつになったら離れてくれるんですかね?!あとみんなすっごく綺麗にスルーしてたよね?!あっちょっ音でわかるよどっか行こうとしてるでしょ誰か助けてええええええ!!」
ジュードくんとルドガーが二人がかりで助けてくれました。