chapter 04
DREAM
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「おはよう、よく眠れた?」
「優姫が寝坊するくらいぐっすり寝てたよ」
「ぎゃあレイア言わないで!」
ジュードくんに「もう」と苦笑されてしまった、泣きたい。
39.自分で考え、自分で選ぶ答え
「ジュード、ミラ、優姫。わたし一緒に行く。あっと、理由はいちいち言わないからね」
「私も行きます」
「もちろんぼくもねー!」
「私もご一緒しますよ」
「唯一のエレンピオス人としては、傍観決め込むわけにはいかないってね」
何か私がナチュラルに主人公側に入っててむず痒い。
えっと、私も何か言った方がいいのかな?!
「いいんだな?」
ミラが最終確認を取る。
それにみんなが頷いたのを見て、ジュードくんがポケットからミニエターナルソードを取り出して、私達に見せてくれた。
「昨晩、ガイアスがこれをもって現れた。ミュゼの力の一部だそうだ」
「これで裂け目を開けられるみたいなんだ」
「全く、計り知れない方ですね」
「俺達をナメてんだよ」
「そんなことないよ。あれでガイアスっていい人だもん」
「そーかぁ?」
はっ、ここはアルレイ仲直りシーンだったのに、アルヴィンが裏切ってないから何事もなく話が進んだ!
アルヴィンんんん…!頬っぺちゅーだけじゃ飽きたらずレイアを頬染めさせるシーンすら潰すとはぁぁぁ…!
いや、裏切ってないのが一番だけども!
「でもさー、見送りも何もないのが寂しいねー」
「別にいいんじゃないの?僕達らしいよ」
ティポの言葉にクスと笑うジュードくん。
「さ、ジュード。出発前のかけ声よろしく!」
「外すなよ?」
「頼むぜ」
「気合い入れてお願いします!」
「さぁ、大きな声で」
「ファイトだよジュードくん!」
みんなでジュードくんにかけ声を任せると、ジュードくんは頷いて拳を突き出す。
「みんな!絶対にやり遂げよう!」
おおーっとみんなで拳を突き出し、気合いを入れてかけ声を出す。
みんなの気持ちが一つになったみたいで凄く清々しい気分だ。
ますますやる気が出るね!
これが仲間って奴だ!
(あれ)
みんなの後ろ姿を見ていたら、一瞬、視界がぶれた感覚に襲われた。
もしかして、実はかなり時間がないんだろうか。
そういえば昨日医療ジンテクスを外して、足が動くか試したら動いた。
ミラの場合は精霊に変わっていっていたからだったけど、私の場合は……。
(消滅、なのかな)
ふるふる、とネガティブ思考を振り払い、私はみんなの後ろについていく。
あと少しだ。あと少しで、みんなが生活していける未来を創る第一歩を踏み出せる。
私にできること。なすべきこと。
それをやるまでは、ネバーギブアップだ私!
INウルスカーラ。
マクスウェルのいた空間は体験したが、この四角いブロックだらけの空間は初体験で少し興奮気味だ。
「落ちそうで落ちない!ウルスカーラぱねぇ!」
「はしゃいでないでいくよー?」
「おぅ!待ってレイア!うごっ?!」
見事に転び、ブロックが盛大に動く。
ブロックとブロックの間に隙間が出来て、下に道が見えた。
同時に、フォーブの姿も。
私のドジがミラクルな働きをするとは。
「あれは…ウィンガルさん?」
「プレザとアグリアもいるみたい」
「ということは、ガイアスはあの先だな。行くぞ」
ミラが先陣をきり、飛び降りる。
次々飛び降りていくみなさん、勇気ありすぎです。
ついていくけども!
「来たか」
飛び降りてきた私達に、ウィンガルは剣を抜きながら近付き、牽制してきた。
見ればプレザとアグリアも臨戦体勢だ。
ていうか、ていうか!
「あ、アグリアぁぁぁプレザぁぁぁ!!ほんと、生きてるぅぅぅ!!よかったぁぁぁ!!」
半泣きで二人にそう言ったら、アグリアはバツが悪そうに、プレザは苦笑してしまった。
「優姫、あなたのコピーに言われたわ。私達、本当なら霊山で死んでいたんですってね」
「ぐはっあのコピーどんだけ喋ってんの!」
「ウィンガルもここでやられるってよ。ざまぁねぇな」
喋りすぎだろアホコピー!!
あいつほんとに未来を狂わす気満々だな!
「けど、陛下の元へ行かせる気はないわ。あなたに助けられた命を使ってでも」
「あたしらは、陛下がいなけりゃ生きちゃいけねぇ。命があっても、陛下がいなけりゃ意味がねぇんだ!」
「陛下のもとにたどり着くのは諦めてもらおうか」
なんか、私達がガイアスを殺しに行くみたいに勘違いされてないかこれ…。
でも、なんか…三人とも、カッコイイ。
未来で死ぬと言われても、わからない未来でも、戦おうとしている。
未来を自分で選んで、生きている。
「そうはいかない。僕はガイアスを止めて、断界殻を解放するために来たんだ」
「陛下は、自らが目指す世界のため、お前達のような強き者を求めている。お前達が理想の脅威になろうと、陛下はお前達を殺さないだろう。ならば、陛下の重荷となる存在を排除するのが、私が成さねばならないことだ!」
ウィンガルがブースターを使う。
白くなった髪。そして敵意剥き出しの剣に私達も武器を構えた。
「だったら、僕はあなたと戦うだけだ!」
「(陛下のもとへは行かせん!!)」
ウィンガルがジュードくんを狙い飛び込んできた。
同時に唱え出すプレザにアルヴィンとエリーが妨害へ行き、炎を纏う剣を振り回すアグリアへはミラとレイアが応戦に向かう。
というわけで、一番めんどそうなウィンガルは私とジュードくんとローエンで囲うことにした。
「(もう負けるわけにはいかないんだよ!)」
「んなの知るかっての!つか、こっちも負けるわけにはいかないんだ!」
「優姫!」
「はいよっと!!」
ジュードくんの合図で後退し、代わりに飛び込むジュードくん。
前より強くなったはずなのに、相手も本気モードのせいかなかなか攻撃が当たらない。
ローエンが詠唱して精霊術を繰り出そうと、ウィンガルは軽々避けていく。
「なかなか、やりますねっ!」
「(ここを通すわけには…いかないからな!)」
「ぐぅ…っ?!」
「ローエン!そいやっ!!」
ウィンガルはジュードくんを跳ね退け、ローエンに剣を振り上げる。
それをローエンは剣で受け止めるが、苦しそうだ。慌てて蹴り飛ばそうとしたけども。
パシッ
「げっ?!」
「(ここは…通さん!貴様は特に、だ!)」
「うわっ!!」
放り投げられ、地面に倒れ込んだらウィンガルはすかさず飛び掛かってきた。
やべ…!これは避けられない…!
「優姫っ!!」
「(!ちぃっ!)」
横からウィンガルに蹴りを食らわせ、怯ませたのはジュードくんだ。
私の前に立ち、ジュードくんは目だけをこちらに向ける。
「大丈夫?!」
「ほ、ほ…惚れてまうやろーっ!!」
「え、えぇーっ?!」
ジュードくんのツッコミを堪能した私は痛む身体を起こし、ジュードくんの隣に立ちウィンガルに剣を向けてやった。
「てわけだ。私はジュードくんをガイアスのとこへ連れていく!私は誰も犠牲にしない未来推奨派だからね!」
「優姫さん、てわけ、とはどういうわけだったのでしょう?」
「えっまさかここでローエンにつっこまれるとは思わなかった!」
ガァンとウィンガルの後ろに立つローエンを向いたら、既に詠唱していた。
あ、わかった時間稼ぎだな!
「ジュードくん!」
「うん。いこう!」
ローエンに気付いていないウィンガルに、二人して突っ込み攻撃を休む間もなく繰り出せば、さすがのウィンガルも舌打ちをする。
「(相変わらずちょこまかと鬱陶しいやつめ!)」
「悪いけど、私だって負けられないわけよ!私にはまだ、やらなきゃいけないことが残ってる!」
「僕達は負けるわけにはいかないんだっ!」
「「今だローエン!」」
ウィンガルに蹴りとパンチを当ててからバックステップで距離を取ると、ウィンガルがしまったと顔を強張らせた。
「フェローチェ、荒々しく!グラツィオーソ、優雅に!……グランドフィナーレ!!」
縦に伸びた水流を氷結させ、粉砕させる。
砕けていく氷のカケラが煌めくなか、ウィンガルが膝をついた。
「イルベルト…」
ブースターが切れ、黒髪へ戻ったウィンガルがそう漏らすと同時に、プレザとアグリアが膝をついている姿も確認できた。
ウィンガルは剣で身体を支えながら、ローエンに向けて言う。
「陛下は、正しい…黒匣を破壊すれば、世界は変わる…」
「いいえ。自分で決めた道でなければ、世界は変えられない。私はやっとそれに気づいたのです」
「…今になって……最前列へ乗り出すか…まったく…恐れ入る…だが、私はまだ…!陛下の理想を…成し遂げなければっ!」
「ウィンガルさん。ガイアスさんが私達を手にかけないのと同じ理由で、あなたを傍においているのですね。でしたら、ここで死ぬことはガイアスさんの理想を……」
「イルベルト、それ以上は…!」
「うぉりゃぁっ!!」
私はブースターを使おうとしたウィンガルを蹴り飛ばし、剣を放り投げてやる。
みんなが驚いた顔をしていたが、プレザとアグリアは悟ったようだった。
「次ブースターを使ったら、ウィンガルは死ぬのね…」
「はっ、死なせりゃいいだろ…あたしら敵なんだぜ…」
「アホか!プレザとアグリアが生きてて私がどんだけ嬉しかったか知らないだろ!今ウィンガルを止めた瞬間、どんだけ足が震えてたか知らないだろ!!」
プレザもアグリアも、倒れているウィンガルも驚愕した表情で私の顔を見ている。
もしかしたらジュードくん達もそうかもしれないけど、私の位置からは見えない。
とにかく私はウィンガルの胸元を引っ張る。お説教をしてやらなきゃ気がすまない。
「死ぬことが良いなんて、思わない!そりゃ性根が腐った屑野郎なら悩むとこだけど、ウィンガル達は違うだろ!生きて、ガイアスの助けになってやれよバカ!アホ!略してバホーッ!!」
「………相変わらず語彙力のない娘だ」
「ほんとね」
「ほんとだな」
「あれぇ?!今シリアスだったよね、シリアスな展開だったよね?!」
フォーブに馬鹿にされ、涙目で振り返ったらジュードくん達はクスクス笑って「優姫らしい」と言っていた。
あれ、シリアスな展開はいずこ…。
「(イルベルト……ガイアスが世界の王たる人間だ。…俺の思い…今のお前なら…)」
「ウィンガルさん…」
「こぉらぁ!ネガティブ禁止!ウィンガルも一緒に頑張るんだよバホ!」
ウィンガルがいきなりロンダウ語で話し、ローエンに遺言みたいに言うから叩いてやった。
ら、物凄い力で頭を掴まれた。
「あだだだだだ!無言で怒りを向けるのやめてウィンガル!!」
「もう…優姫、行く」
よ、とジュードくんが私の傍に歩いて来ようとした瞬間、ジュードくん達のいた足場が崩れた。
ガラガラッ!!
「!!みんな!!」
落ちていく時、ジュードくんもミラも手を差し出してくれていたが握り返せないまま、私達は離れ離れになってしまった。
たしか、ここはウィンガルが最期の力を振り絞ってみんなを下に落とす場面だったはず。
けどウィンガルは何もしていない。プレザもアグリアも唖然としているから違う。
なら誰が?
「ガイアスのところへは…行かせない…」
上から声が聞こえ顔を上げたらやはりというか。
宙に浮きながら、私のコピーが片手を広げていた。
「コピー!あんたの仕業か!!」
「筋書き通りにいきたいんだろう、オリジナル。ならこの展開は予定通りのはずだ」
「…いいや、私はもう筋書き通りにいきたいなんて思わない」
「なに?」
ウィンガルの上から動いて立ち上がり、私は見下ろしてくる私と同じ顔に言ってやる。
「私は私の思うままに行動する。ウィンガルが死ぬのは嫌だ。だから私は動いたんだ」
「……」
「私はジュードくんを勝たせる!んであんたも止める!わかったか!」
「……っ、ガイアスの邪魔は、させない!」
「あっ待てコピー!だーっすぐ逃げるしあんにゃろ!!」
コピーはまた空間を切って逃げていった。
なんだなんだ!まったく、なんか必死だな私のコピーのやつ。
私がぷんすかぷんすか怒っていたら、いつの間にか座り込んでいたウィンガル達は肩を竦めていた。
「こっちのおバカさんとコピー、全然似てないわね」
「むしろ、コピーの方はアグリアに似ている気がするな」
「ああ?!あんな冷血女と一緒にすんなよ!!」
冷血女って…別作品のヒロイン…。ていうか、プレザさん…おバカさんて…。
グスグスと心の汗を拭いていたら、アグリアに「泣くなバカ!」と言われてしまった。
「で、あなたはどうするの?」
「へ?もちろん進みますとも」
「あいつら、下でお前を待ってるかもよ」
「いんや、きっとガイアスのところに向かってるよ。ジュードくんはそう決断する」
「それはそういう未来だからか?」
ウィンガルに言われて、私は首を横に振った。
「みんなは私が進むのわかってると思うからみんなもガイアスの元へ向かう、そう信じてるからだよ。ドヤァ」
「少し休憩したら、陛下のところへ行きましょうか」
「身体うごかねー、だりー」
「陛下のお選びになる未来、見届けなくてはな」
「あれなんだこの扱い涙出そう」
グスグスとまた心の汗を拭っていたら、今度はウィンガルに「うるさい」と言われた。
なにこれほんと泣きたい。
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