chapter 03
DREAM
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「うぅ…ウィンガルぅぅ吐きそうぅぅ」
「我慢しろ」
「プレザぁぁ…ガイアス説得してぇぇ」
「嫌よ」
「アグリ」
「黙ってろっての!」
このメンツもう嫌だ…。
27.いつかの約束事
「着く前に聞きたいことがある」
ようやくガイアスが喋ってくれた。
何だ何だと身構えたら、ガイアスはスタスタ歩きながら聞いてくる。
「貴様、マナを吸収されているなかを普通に動いたな。なぜだ」
「え?なぜって…よくわかんないけど動けるんだよね~」
「陛下、そいつ前にも私がラ・シュガルの研究所でクルスニクの槍を使用した時動いてました!意識が朦朧してたけど、見ました!」
「ほぅ」
アグリアはガイアスには従順だなぁ…ちくしょう可愛いなぁ!
「でもどうしてかしら…マナのない人間なんて存在しないはず…やっぱりあなた…」
「だ、だから違うってば!私はただの人間!」
「ただの人間が容易くロンダウ語も理解するというつもりか?」
「ぐ、ぐぅぅ…」
プレザもウィンガルも私を訝しんでいるし、このメンツほんと居心地悪い…助けて私の天使ジュードくん。
ああ…なんか天使の微笑みが見えてくるようだよ…。妄想は得意なのうふふ。
「ところで、今ザイラの森の教会目指してるんだよね?」
「いや、カン・バルクの城だ」
「え?!いややめたほうがいいよ!多分もうジランドが占拠して……あ」
「それ、ほんとなの?」
またやってしまった。
いっそ開き直りたい。助けてジュードくん!
「では教会に向かうとしよう。ウィンガル、敵の潜伏がないか確認してこい」
「はっ」
どうやら教会は近いらしくガイアスに命令されウィンガルは走っていった。
アグリアさん、涙ぐむ私の頭を小突くのやめてください…。
――――――…
「教会周辺及び内部に敵の姿なし。安全かと」
「うむ」
近くで待機し、帰ってきたウィンガルに報告を聞いてから今度こそ教会へ到着した。
やはり、まだジュードくん達はいないようだ。
「ぐほぅっ!」
礼拝堂の中へ入ると、奥まで行きガイアスは私を放り投げた。
なにあの鬼畜な王様!!ガイジュの時に鬼畜発揮してください!
「我らはヤツらを雌雄すべく立つ。だがその前に聞かせろ、シェルとはなんだ」
「…それはミラが答えるべき内容だから黙秘します!」
「あやつらがここへ来る確証があるようだな」
「…来るよ…きっと…」
そういう筋書なのだ。
ジュードくんとアルヴィンとエリー組、ミラとレイアとローエン組に分かれ、ここで合流し、ガイアス達と共闘もどきの流れになる。
むしろ、私がいることが異端なのだから。
そんな時ウィンガルが何かに気付き身構えた。
「!陛下、外から気配が」
「…こいつを連れていけ」
「あだ!ガイアス乱暴すぎる!」
「陛下、よろしいのですか?」
ポイッと放り投げられた私。ちなみにウィンガルが受け止めてはくれませんでしたちくしょう。
プレザが問えば、ガイアスは頷く。
「こいつがいるとなれば、奴も口を割るやもしれん」
「え?んじゃ外にいるのジュードくん達?!」
「……」
「あだだだ無言で引きずるのやめてウィンガル!!」
ズルズル…
そして私を助ける人などこの中には存在しなかった。泣きたい。
重い扉を再度ウィンガルが開き、出ていく。
ちなみに私は扉の裏に隠されてしまった。なぜだ。
「!ウィンガルさん…?!」
ローエンの声だ!やっぱりみんないるんだ!
「話はあとにしてもらおう。……情報どおりか」
ウィンガルが呟くと、遠い場所からジランドの演説じみた声が聞こえた。
やはりすでに城は占拠されていたのだ。
「ふざけた男だジランド…黒匣などを使って人や精霊に害をなしながら、何が平和だ!」
「ミラ、もうあの者たちを討つしか道はないのではないかしら?」
(ミラ!それに今の声はミュゼ…!)
「アルヴィン、もう知ってること全部話してよ!」
ジュードくんの声もする。ああなんか久々のジュードくんの声…癒される。
「ガイアスは奴らに抗うのだろう?」
ミラの問い掛けにウィンガルは答えず、扉の裏にいた私のところまで戻ってきた。
ガシリと襟を掴まれ引きずり出され、また放り投げられる。
ドスンッ
「ぐほぅっ!もうやだガイアス一行!ってあっ無視していくなウィンガル!」
扉を閉めやがりましたよ。
ウィンガルマジ覚えてろちくしょーっ!
「優姫…っ?!」
尻餅ついていたら、ジュードくんに名前を呼ばれ振り返る。
見ればちゃんと全員揃っていた。よかったよかった。
「ってほぎゃ!」
「よかったよーっ優姫ーっ!」
「ティポ…かじられたら前見えんがな」
頭にかじりついたティポを引っ張ったらきゅぽんと抜け、もう一度みんなに向き直り「よ!」とアルヴィン風に挨拶して場を和ませようとしたが。
「優姫、優姫っ!」
「すっごく心配したんだからね!!」
「わわ…エリーもレイアも…私もみんなが無事でよかったよ~」
かなり心配してくれたらしく抱き着いてきたエリーをなでなでしながら、私の前で手振り身振りで心配したと訴えるレイアにえへへと笑うしかなかった。
なんか…仲間になれたみたいで嬉しいなぁ。
「優姫さん、本当に心配しました。アルヴィンさんから爆発に巻き込まれた際にはぐれたと聞きましたが、ガイアスさん達と合流していたのですね」
「ローエンもありがとう…合流というかもはや連行だったよあれは」
「優姫」
首だけ動かし前を見たら、ジュードくんとミラが泣きそうに顔を歪めていた。
ジュードくんはともかく、ミラのこんな顔初めて見たからビックリした。
「すごく、心配した。アルクノアは優姫を狙っていた。もしかしたら、捕まったのではないかと」
「ミラ…うん、大丈夫だった。ありがとう」
「アルヴィンと合流した時、いると思ってた優姫がいなくて、ミラが思ってたのと同じように、捕まったんじゃないかって僕も思って…」
「うん。ジュードくんもありがとう。えへへ…なんか嬉しいなぁ…」
けど、そんな幸せな気持ちはつかの間だった。
アルヴィンが血相を変えてこちらへ歩いてきたのだ。
「もう裏切らない、約束する。だから俺にジランドを殺らせてくれ」
アルヴィンはそう言ってジュードくん達に訴えてきた。
手にはグシャグシャに握られた手紙らしきもの。
「アルヴィン……まさか……」
胸を貫かれたような衝撃が走った。
この展開を私は知っている。
エリーから離れ、フラフラとアルヴィンに近寄ったら、悔しげに唇を噛み堪える表情。
「ダメ、だったの…?止められなかった…?」
「おたくに後で渡したいもんがある。今は…」
黙ってしまったアルヴィンに、私は何も言えなかった。
ただわかったのは、アルヴィンのお母さんを助けられなかったことだけ。
「次にもし裏切ったら、迷わずお前の剣を俺に突き立ててくれてもいい。だから俺も一緒に行かせてくれ…頼む!」
「ダメだと言ったら?」
「…俺だけでもヤツを殺る」
「…いいだろう」
ミラの了承を得たアルヴィンは背中を向け「サンキュな」と呟くように言った。
ミラは教会の扉を見る。
「ガイアス達の思惑も確認せねばな」
「うん…優姫は何か聞いた?」
「えっ?!えーと、あっガイアスはジュードくんペロペロしたいとか言ってたような」
「捏造だよねそれ?!」
久々のジュードくんのツッコミにほんの少し気持ちが軽くなった。
「来たか」
中に入ったら、先程と変わらず奥にガイアス達がいてこちらを見据える。
「結局その男をまた信じるというのか。意外と甘いな」
ウィンガルはアルヴィンがいるのを見て私達に嫌みたらしく言ってきた。
ちなみにアルヴィンは椅子にもたれ掛かりこちらを横目で見るだけだ。
「我らは奴らを雌雄すべく立つ。お前達が勝手に奴らに挑むというのならそれはそれでいい。だが、その前に話してもらうぞ」
「何をだ」
「シェルのことをだ。そいつに聞こうとしたが、口を割らないものでな」
すみませんガイアスさん睨むのやめてください。
ミラはチラリと私を見て、一呼吸おき話しはじめた。
「今から二千年前、リーゼ・マクシアは私の施した精霊術、断界殻によって閉ざされた世界として生まれた」
「この世界が……ミラにつくられた世界?」
「ビックリー!神様みたい!」
「すべては精霊と人間を守るためだった」
レイアとティポが驚きの声をあげるも、ミラは話しつづける。
知っている私は少しだけ聞いているのがつらかった。
この世界をつくったのは、本当はミラじゃないんだ。
「閉ざされた、といったな。それでは断界殻の外にはまだ世界が広がっているというのか?」
「うむ。その世界をエレンピオスという」
新しい世界の名を聞き、みんなが困惑の表情を浮かべる。
空想でも唱えられたことのなかった別の世界が空の先にありますといきなり言われたのだ。困惑するのは当然だ。
「だが、クルスニクの槍について私は大きな思い違いをしてしまった。やつらはナハティガルに兵器と伝え、謀り、断界殻を打ち消す装置をつくっていたのだ」
「打ち消すだと…?それに何の意味がある?」
「わからない…断界殻を打ち消し、エレンピオスにマナを還元する算段でもしていたか…」
「ちがう」
アルヴィンが力無く、だけどハッキリと答えた。
「アルクノアはただ…帰りたかっただけだ。生まれ故郷のエレンピオスにな」
私はまた、聞くのがすごくつらかった。
アルヴィンは側でうずくまる私の頭をポンと叩いて、みんなにアルクノアの原点を話した。
「この世界に閉じ込められて二十年余り…そのためだけに動いてきた。断界殻をぶち破る方法を見つけるか、断界殻を消すか…」
「…断界殻を消すためには生み出した者を排除しなければならない」
「…アルクノアがミラの命を狙ったのは、そのためだったんだね」
レイアの言葉にミラが頷く。
私は、何も聞きたくなくてギュウッと膝に頭を押し付けた。
「解せんな…ジランド、何を企んでいる?」
「ジランドは断界殻のある今の世界の在り方を何かに利用しようとしているのかもしれません」
「ではそろそろ聞こうか、優姫」
ガイアスに名前を呼ばれ、肩をビクリと震わせる。
「ジランドの目的をお前は知っているのだろう」
「………」
「…そうか、異界炉計画だ…!」
私が黙っていたら先にアルヴィンがジランドの思惑に気が付いた。
聞き慣れない言葉にみんなが首を傾げる様子が何となくわかる。
「通称、精霊燃料計画。まだ俺が向こうにいたガキの頃、従兄が話していたのを覚えてる。黒匣の燃料である精霊を捕まえるって話があるってな」
「…つまり、ジランドの狙いは精霊の囲い込みってワケ?」
「だけど…それはおかしいよ」
プレザの答えにジュードくんはおそらくいつもの仕種をして否定する。
「精霊だけなら、あんなウソつく必要ない。ジランドは……霊力野をもつ僕たちも一緒にリーゼ・マクシアに閉じ込めるつもりだよ」
「リーゼ・マクシアの民を資源とするつもりか……バカげたことを」
「多分ジランドは海上にあるアルクノアの本拠地に戻ってる。エレンピオス軍も来てるんだ、船で近づくにも厳しいぜ」
「…では、カン・バルクに停泊している連中の空駆ける船を奪うのはいかがでしょう」
怒りに震えるガイアスに、アルヴィンが現状が厳しいことを伝えたら、ウィンガルが少し考えたのち意見を口にする。
「あの人、さらっとすごいこと言ってない?」
「ですが、それしか手はないでしょうね」
レイアがエリーにコソコソと話しているのをローエンが答えているのが聞こえた。
「明日決行だ!…ウィンガル」
「はっ」
私に近付く足音が聞こえて顔を上げたら、今度はウィンガルに担がれた。
姫抱きはなかったことになってないかどうなんだ!
いきなりの展開にさっきまでのネガティブモードから通常運転に戻りウィンガルに抗議する。
「何すんだーっ!離せちくしょーっ!」
「交換条件だ」
「何の?!」
「黙っていてやる代わりに、奴らのことを詳しく教えろ」
最後だけ私にだけ聞こえるように言ったウィンガル。
そう言われたら、断れないっての!
「待て!なぜ優姫を連れていく!」
「優姫を離して!」
仕方なくされるがまま担がれていたら、ミラとジュードくんがウィンガルを呼び止める。
あだっ、今ウィンガルに足抓られた!なんとか誤魔化せってかちくしょーっ!
「あ、安心してミラ、ジュードくん!何かねぇウィンガルが恋の悩みがあるみたいであだだだだウィンガル痛い足の痛みが悪化するから抓らんといて!」
ウィンガルの暴挙にぐずぐずと涙ぐみながら別の言い訳を残していくことにした。
「実はガイアスが黒髪白衣の天使に惚れたみたいだから恋の手助けをしてくるねっていだだだだだガイアス様刀は凶器です刺そうとしないでくださいギャァーッ!!」
そしてINア・ジュール組部屋。
私はアグリアとプレザに挟まれ、床に座り、ベッドに座るガイアスに睨まれている。
ガイアスの側に立つウィンガルも救いの手を差し延べてくれる気はなさそうだ。
「…あのー…詳しくって言っても…さっきミラとアルヴィンが説明したじゃないスか…」
「あの女がマクスウェルでないとしたら、なぜあそこまで詳しく話せる?あやつはなぜ自分をマクスウェルだと思っている?」
「いやだから…ミラは私にとってはマクスウェルですし…」
「いーから陛下の質問に答えろっての!」
「痛い!アグリアの蹴り痛い!」
ア・ジュール組は完全にミラはマクスウェルではないと思いきっている。
たしかに今のミラは違うけど、でも私にはずっとミラがマクスウェルだ。
「ならもし私がマクスウェルだとしたらどうすんのさ」
「側に置き利用する」
「ウィンガルさんこの王様オブラートに包むって方法知らないみたい!!こんな王様で大丈夫か?!」
「で、どうなの?」
「だから私はマクスウェルじゃないってば!でもまぁ、ガイアス達のことは嫌いじゃないから少しくらいは情報をあげてもいい。けど本当にお願い。…ジュードくん達に、私がマクスウェルじゃないかとかって話は一切しないでほしい」
そんな疑いがかかってると知られたらみんなを混乱させてしまう。
ミラは自分の存在に悩み、ジュードくんは……いや、ジュードくんはきっと「ミラはミラだよ」って言うんだろうな。
ガイアス達は情報との交換条件ということもあってか、了承してくれた。
―――――――…
「みんな就寝モードだよ…私どうしよう…ベッドない…」
ガイアス達への情報提供が終わり(といってもジランドやアルクノアについてだったが)、いざ割り当てられていた部屋に来てみたらベッドは三つ。
そしてすでに寝ている面々。
仕方なく部屋を出て、階段を降りて外に出てみた。
「さむ!毛布借りててよかった…」
とりあえず乾いた石段に座り、毛布を肩に羽織り空を見上げてみた。
雪が降っていて頬を掠めて溶けていく。
そういえばファイザバード沼野は雨が降ってたな。
(ここまで…ほんと長いようで短かったような…いろんなことあったなー)
「なーに物思いに耽ってんの?」
「ほぎゃぁっ!あ、アルヴィンか…ビックリした…」
後ろから肩をポンと叩かれ、思わず奇声をあげてしまった。
振り向いたらアルヴィンが「よ」と手を上げて私の隣に腰掛けてくる。
「どしたんアルヴィン。寝れない?」
「ちょっとね…。あとこれ」
「?何これ」
「少し前に母さんからおたく宛てに返事が来てたんだよ」
え、と渡された手紙を受け取る。
まさかアルヴィンのお母さんから返事が来るとは思っていなかった。
おそるおそる開き、中を見て私は息を呑んだ。
ボロボロ零れていく涙を止められない。
「優姫…」
「……め、ない」
「え?」
「アルヴィン…ごめん…わた、し…よめない…よめないよ…何て書いてあるか…わからないんだ…」
恨み言なのか、気遣いなのか、ただの日常的な内容なのか。
この世界の字を読めない私には、何もわからなかった。
アルヴィンのお母さんが私に何て残してくれたのか、わからなかった。
「…『優姫さんへ』」
「!」
「『お手紙ありがとう。あなたは本当にアルフレドを大切に思ってくれているのね。それだけわかれば、私は安心して先に逝けます。』」
「アルヴィン…」
「『彼女が毒を盛っているのは知ってる、けど彼女を責めないであげてほしい。私は十分生かしてもらったのだから。…アルフレドをよろしくお願いします。』…そう書いてある」
「…うぅ…私バカだ…っ…何のために、ここにいるんだろ…っ!」
立てた膝にまた顔を埋めて泣いたら、アルヴィンに頭をポンポンと撫でられた。
アルヴィンの方が泣きたいのに、私が泣いてどうするんだ。
本当に私はどうしようもない。
「なぁ優姫、字が読めないならあの手紙はどうしたんだ…?」
「街の人に…書いてもらった…」
「そりゃ災難だなそいつ。毒盛ってるから気をつけて~なんて手紙書かされてさぞ驚いただろーに」
「その分お金渡したもん…」
「もんとか言うな。可愛くねーよ」
顔を上げて睨んだら、顔面にハンカチをぶつけられた。
なんて優しくない渡し方だ。
思いきり使ってやるわこんにゃろ!
「…おたくは、マクスウェルなのか?」
ぐしゅぐしゅと拭きまくっていたら、また聞かれてしまった。
「…アルヴィンはジランドと連絡取ってたもんね…。でも違うんだ。私はマクスウェルじゃないから殺したってシェルは消えない」
「……」
「でもアルヴィン。いつかアルヴィンはジュードくん達の場所が好きになると思うよ。手放したくなくなるくらい、大切な居場所になる」
「ジュード達の場所が?」
「うん。だからさ、アルヴィン。初めてカラハ・シャールに着いた時に言ってたお願い事、今する」
涙を拭き、私は顔を上げて隣に座るアルヴィンを見つめる。
「ジュードくんを、もう二度と裏切らないでほしい。私のお願いはそれだけだ」
これからの先の未来、ハ・ミルでのアルヴィンを思い出し胸が痛くなる。
同時にジュードくんとレイアのことも思い出す。
けど本当は、私はただジュードくんを悲しませたくないだけなんだ。
そのためにここにいると、そう思ってきたんだ。
なのに今更私がマクスウェルだとか、変な話にしないでほし――――――…
(……私が、マクスウェルだったなら?いや、マクスウェルの……まさか、私は)
「優姫」
「あっ、うん」
「そんな約束、俺は嘘つきだから守らないかもしれないぜ?」
「うーん。もし守らなかったら…潰す」
「…ちなみに何処を?」
「生理現象できなくしてやります、キラッ☆」
「笑顔で何て恐ろしいことを言いやがんだ」
あははと笑ったら、頭を小突かれた。
それからもう寝ようとアルヴィンが先に中に入り、私はもう少ししたら寝るからとしばらく外でこれからのことを考えることにした。
ちなみに途中でガイアスが出てきて慌てたら教会の中に放り投げ込まれ、そこにいたジュードくんとミラに寝ないで外にいるなんて風邪引きたいのかとお説教されたのはご愛敬。
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