chapter 01
DREAM
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「ミラっ!」
「行くぞジュード!」
優姫、ただいまぼっち中です。
11.友達の証
(うぅ…ちくしょう足が使えないとこんなに足手まといになるなんて…ぼっちはアルヴィンの特権だろちくしょー!)
私達はカラハ・シャールを出て現在サマンガン海停を目指し街道を歩いている。
途中出てくる魔物はジュードくんとミラが倒すのだが、その間当たり前というか、動けない私は馬の上で待機である。
「よし、片付いたな」
「うん。ユウキは大丈夫?って、ど、どうしたの?」
「絶望した…戦いづらい状況を作っている自分に絶望したーッ!!」
「何を言っているんだ、ユウキ。お前は気にしなくていい」
ポフポフと、ミラが頭を撫でてくれる。
うぅ、優しさが胸に痛い…!でもル・ロンドまで行かなきゃ足は治らないし。
「そうだよ。ユウキは気にしなくていいんだよ?」
「ジュードきゅん…」
「でも、エリーゼ、寂しがってないかな…」
「ローエンとドロッセルが一緒だ。心配することはないだろう」
「アルヴィンの次の仕事ってどんなのかな?危ない仕事じゃないといいけど」
「傭兵には無理な相談だろうな。それにしても…本当に君は人の心配ばかりだな」
馬の手綱を引きながら、ミラはふふっと笑う。
お人よしでお節介というか、むしろお母さんですジュードくん。
ジュードくんは慌てたように首を横に振った。
「そんなことないよ!ただ…みんな一緒ならよかったのにって」
「仕方あるまい。なすべきことは、みな同じではないのだ。元気を出せジュード、きっとまた会えるさ」
「…うん」
はいミラジュですねわかります!
可愛いわぁぁぁミラ様カッコイイしジュードくん可愛いしぃぃぃ!!
ハァハァしながらやり取りを見ていたら、私の顔に水が落ちてきた。
雨が降ってきたのだ。
「わっ雨だ!」
「降ってきちゃったね。今日はここで休もう」
「ではあの洞窟に潜り込むとするか」
「ジュードの料理はやはりおいしいな」
「うん!マジおかんだよジュードくん!」
「あ、ありがとう」
場所が場所なため、簡単にしか作れないと言いつつもやはりジュードくんの料理は最高に美味しかった。
うぅん、一生食べていたいよジュードくんの手料理!
「私には到底真似できない」
「そんなことないよ…練習すれば誰だって」
「人は誰しも、成さなければならない使命がある」
「ははは、僕の使命はミラに料理を作ってあげること?」
「それだって、今の私にはできないことだ」
「私も料理作るのは好きだけど、こんな状態じゃ無理だなー」
と、つい包帯でぐるぐる巻かれた足を撫でながら漏らしてしまったら、ジュードくんとミラが私の足を見る。
お、おぉう…み、見られると恥ずかしい…!
内心照れまくっていたらジュードくんは意を決したように私の顔を見て、頬を赤らめた。
なにあれ可愛い。
「大丈夫だよユウキ。ぼ、僕が…ずっとやってあげるよ」
「ジュードくん…!プロポーズか…!」
「えっ?!ちちち違うよ!!」
「ふふふ。君達は本当に面白いな」
ふふ、とミラは笑い、胸元から何かを取り出す。
出てきたのは綺麗なペンダントだった。
宝石ではなくビー玉を加工してペンダント仕様にされたもの。
…あれ?二つある?
「これをジュードに。こちらはユウキに、だ。ほら、ジュード」
「えっわっ」
ジュードくんの首につけてあげるミラ様。
おうおう青少年が照れてしまってるよはぁはぁおねしょたですねはぁはぁ。
「あ…りがとう…」
「さ、ユウキにも」
「ほわぁ?!」
あっこれは照れるわ確実に照れる!
だってミラ近いんだもん!良い匂いするし胸がちょっと当たってるし!
ひぃミラ様マジ聖女!
混乱している間に首にかけられたペンダント。
ジュードくんには青色、私には緑色のビー玉があしらってある。
たしか、ミラが昔人間と遊んだときの思い出の品だったっけ。
そんなものジュードくんはともかく私が貰っていいのか?!
「み、ミラ…プレゼントは嬉しいけど、どして?」
「ドロッセルが言っていただろう。友達の証だ」
「…な、なら、僕も何かあげるね。ユウキにも…あげるから!」
「なら私も二人に何かあげるよ!期待しててね!あ、いややっぱ期待しないで私自分のセンスないの今思い出した」
「…ふふふっ」
「…あははっ」
「ひぃぃ笑わないでよ二人ともぉぉぉちくしょう可愛いなぁぁもぉぉ!!」
朝、雨も上がり再び海停を目指して歩き出す私達。
今日はジュードくんが手綱係のようだ。ミラは馬の斜め後ろを歩いている。
(ほんと、二人には申し訳ないなぁ)
本当なら私なんか放っておいても困らないはずだ。
この足の怪我だって、ぶっちゃけ何の策もなく突っ込んだ私の落ち度だ。
私を病院にでも置いて行ってもよかったのに。
(…とか言いながら、ジュードくんとミラが私を見捨てないでくれたのはめちゃくちゃ嬉しいんだけどね!)
「今日中には海停につけると思うよ」
「ああ」
(それにミラジュ大変美味しいけしからんもっとやれ!)
「!ジュード!ユウキ!」
「え?」
「うわぁっ?!」
ミラが何かに気付き、何だと振り返ろうとした瞬間、衝撃が私を襲った。
馬ごと倒れてしまい、私はぶつけた頭を摩る。
あっこら馬逃げんな!……逃げましたね。
「ユウキ!!」
「先にこいつを片付けるぞジュード!」
「っ、わかった!」
どうやら、ここはあの場面のようだ。
思わず噴き出してしまった、穴に嵌まっていた魔物が勢いよくすっぽ抜けて馬にぶつかるあのネタ的なとこ。
アレはほんといきなりきたから笑ったなー。
せめて普通に抜け出して襲い掛かってくればよかったのに。あ、そうかもしかしたらミラジュのおんぶフラグだったか?!
なら仕方ないなうんうん。
「ユウキっ!!大丈夫?!」
「おわっ!あ、うん大丈夫大丈夫!いやぁびっくりしたね…全く足が使えたらボコボコにしてやったよあんにゃろ!」
「馬が逃げてしまったか…よし、ユウキ、背負うからこちらへ」
ミラがそう言って手を出してくれた。
おおおミラ様素敵です男前です結婚したいです!
「ミラ、大丈夫。僕が背負うよ」
「えっほぎゃ?!」
「しっかり掴まってて」
「は、はいぃぃぃ!!」
ミラをやんわりと止め、ジュードくんは私の腕を引いて背中に乗せてくれた。
しっかり掴まれと言われたのでジュードくんの首元にギュウッと掴まる。
「それじゃ、行こう」
「ふふ…ユウキ、ジュードに愛されているな」
「!!」
「なん…だと…!いやぁもうこりゃ結婚するしかないねジュードくん!」
「ちちち違うって言ってるでしょ!もうっ!足痛かったら言ってね!」
なんだよツンデレですかジュードくん可愛すぎるわ!
ちなみにジュードくんは甘い匂いがしました。
「船があるか見てくるね。ちょっと待ってて」
サマンガン海停に到着し、私をベンチに座らせるとジュードくんは船着き場へ向かった。
お留守番なミラと私。
「…ユウキ、この『カギ』を覚えているか?」
ジュードくんがいなくなったのを見計らいミラは胸元から円盤みたいなものを取り出して私に見せた。
「うん。クルスニクの槍を起動するための『カギ』だね」
「これを、どうしようか悩んでいる。私がこのまま持っていても、狙われるのはユウキだ」
「でもなんで私が取ったの知ってんだろ?」
「おそらく研究所に映像が残っていたのだろうな」
ああ、そうかなるほど。
「ミラ様ーッ!!ようやく追いつけました!!」
唐突にあのうるさい声がしたかと思えば、私達の前にシュタッとイバルが降ってきた。
神出鬼没かお前は!
ミラは『カギ』を胸元にしまいなおし、膝をついているイバルに向き直る。
「イバル?どうしてここにいる?」
「手配書にミラ様を見つけ、心配で馳せ参じました」
「ニ・アケリアを守る使命はどうした?」
「村の者たちもミラ様の力になることを理解してくれました」
「ばかもの!そんなことを言っているのではない!」
ミラが叱り付けるも、イバルは聞かない。
ほんとこのアホ巫子は!
「おいこらアホイバル!理解してくれたからって戦う術を持たない村の人達を置いてきて何が巫子だ!巫子引退しろ!」
「なんだと?!貴様こそ何だその足は!まさか使い物にならなくなったのではあるまいな?」
「!わ、悪いかアホ巫子!足が使えなくたって私だってなぁ」
「何ができるんだ?足手まといなだけだろう!役立たずは一生そこに座ってろ!さ、行きましょうミラさ」
「謝ってよ」
イバルの罵倒に私のガラスのハートが砕けそうになっていたその時、静かに怒っているジュードくんの声が割り込んできた。
おおぅ、ジュードくん…怒った顔も可愛い…。
「なんだ偽者!」
「ユウキに謝って。ユウキは足手まといでも役立たずでもない」
「はっ、大事な足を失うような真似をした奴、足手まといで役立たずだろう。ミラ様の側にそんな奴を置いてはおけない。ミラ様に何かあってからでは遅いんだよ!」
「イバル」
「はい?何でしょうミラさほぐぁッ?!」
あ、ミラも怒ってる。
ミラはフレアボムをイバルにぶつけると、倒れ込んだ奴を腕を組み見下ろした。
「足が使えないから力がないと言うのなら、お前に巫子たる資格はない」
「なぁっ?!」
「イバル、巫子とは私の言い付けを破り、使命も守らぬ者のことだったか?」
ミラに凄まれ、イバルはグッと息を詰めた。
そうだミラ様言ってやれ!このアホ巫子はほんと今の内に更正させないと後に大変なことをしでかすからね!
ミラは胸元から出した『カギ』をイバルに渡す。
「お前にこれを託す。誰の手にも渡らぬよう守ってほしい」
「ミラ様…!」
「これは私の命と同じくらい大切なもの。四大の命もこれにかかっている」
「そのような重要な役目を……お任せください!」
「これを手に入れられたのは、ユウキのおかげだ」
え、とイバルが私と『カギ』を交互に見る。
それから身体を震わせギッと私を睨んできた。
なんなんだよこんにゃろー?!
「俺は認めんぞ!俺が本物の巫子だ!貴様っ足を治したら俺と勝負だからなーッ!!」
イバルは泣きながらどこかへと去っていきました。
めんどくさい…ほんとめんどくさい。
でもまぁ、何だかんだで『足を治したら』って言ってたし、少しは認めてくれたのかなぁ?
「あっ!まだ謝ってもらってない!」
「いいよジュードくん!てかイバルが言ったのは間違ってないし…足を治して名誉挽回してやらぁ!」
「すまない、ユウキ。イバルが失礼なことを言った…主として私から謝罪させてほしい」
「ひぃぃだからいいってば!!ほら、船来たみたいだから行こう!」
「では次は私が背負おう」
「ほぎゃぁ!!」
ミラに背負われ、未だに不満げなジュードくんを宥めながら私達はル・ロンド海停へ向かうため乗船したのだった。
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