chapter 01
DREAM
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お、おぉ…!なんかすごい潤ってるとこ着いた!」
「このキジル海瀑を越えれば、精霊の里二・アケリアか」
「んなこと言ってる場合じゃないよアルヴィン!水だよ水!てかこんな透き通った自然の水初めて見たよ!」
「うわっつめてっ!ユウキ水かけてくんな!」
キジル海瀑に到着しました。
04.代理捕縛
「村の人達に悪いことしちゃったね…よくしてくれたのに…」
ジュードくんがぽつりと呟いた言葉に私はアルヴィンに水をかけるのを止めた。
(じゅ、ジュードくんがこんなこと考えてるのに私はめちゃくちゃはしゃいでしまった…!優姫のバホー!)
「どうするか決めたのは彼らだ」
「ミラ、僕らを守ってくれたのかもしれないのに、そんな言い方…」
「気になるのなら、君は戻るといい」
「…っどうしてそうなの?」
珍しくジュードくんがミラに咎めるように問い返す。けどミラは気にもとめていない様子で進めた足を止めジュードに向き直った。
「もっと感傷的になって欲しいのか?それは難しいな、君達人もよく言うだろう?感傷に浸っている暇はない、と」
「…使命があるから?」
頷くミラに、ジュードくんは納得しない。
「やるべきことのためには、感傷的になっちゃいけないの?」
「人は感傷的になってもなすべきことをなせるものなのか?」
「…わからないよ、そんなの…やってみないと…」
「なら、やってみてはどうだ?」
え、とジュードくんが上げた顔の先でミラは微笑んでいた。
揺るがない言葉を、ジュードくんに投げる。
「君のなすべきことを、そのままの君で」
ミラはそれだけ言うとまた歩き出した。
立ち止まったままのジュードくんは今の言葉をおうむ返しのように繰り返して呟く。
「僕のなすべきこと…」
「マクスウェル様のようになる必要ないだろうさ。普通、ああはなれないって」
そういえば、最初アルヴィンはジュードくんに優しかったよね…なんだかんだでジュードくんはアルヴィンがいたからミラに着いていけてた気がする。
アルヴィンがジュードくんに優しく言葉をかけてるのを見ながらそう思った。
「ねぇ、アルヴィンにはなすべきことってある?」
「…さて、な。あるって言ったら余計迷うだろ、ジュード君」
「え」
「僕も決めなきゃ~ってな。ほらあいつ見てみろよ、なすべきことなんて絶対ないぜ」
「アルヴィンぐっじょぶぅぅぅ!ジュードくんの肩抱いて優しくするアルヴィンはい萌えたー萌え禿げたー!アルジュアルジュ!!ジュードくん可愛すぎるぅぅぅ!!」
「…ふふ、ユウキってば」
「な?人それぞれなんだよ」
ん?なんか馬鹿にされてないか私?
まぁいいよアルジュ萌えだから!
とりあえずジュードくんとアルヴィンがミラの後を追うのを後ろから見てにやけることにした。
「もうすぐ二・アケリアか~、どんなところなんだろう。いいところなの?」
「うむ。私は気に入っている」
半分ほど進んだであろう道で、周囲に魔物がいないのを確認し一息つく。
ジュードくんはまた空元気でミラに話しかけた。
「瞑想すると力が研ぎ澄まされる気がする。落ち着けるところだ」
「へえ~」
その様子を見兼ねたアルヴィンがわざとらしく足をトントンして休憩を促した。
後ろからジュードくんにぺたぺた触り、肩を抱くという私ホイホイのオプション付きで。
「岩場続きで足痛ぇし、ちょっと休憩~」
「到着してから休めばいいだろう」
「そう言うなってミラ。二・アケリアは逃げないんだし。な、ジュード君、休もうぜ」
「え、うん。じゃあそうしようか」
「はいはーい!アルヴィンがジュードくんとどういうご休憩をするのか十文字で答えなさい!」
「ユウキは先に行って魔物退治してろ」
「アルヴィンが私に冷たくなってきた!!」
ともあれ、一時休憩することになった私達。
座って足を休めているアルヴィンに、ジュードくんが話しかけていた。
私もそこに混ざろうとすると、ミラが私を呼んだ。
「ミラ?」
「アルヴィンは要らぬ気を回す奴だな」
「あはは、みんな疲れてるし。それにジュードくんは人の倍は気をつかっちゃうから、アルヴィンの気遣いは助かるよ」
「女ではできないこと、というわけか」
「男同士の方が弱いところも見せられるだろうしね」
滝の近くまで来た私達は離れた場所で会話しているジュードくんとアルヴィンを見つめる。
ジュードくんに無理なんてさせたくないのにな。
私にも何か出来ることがあるといいんだけど。
「!ユウキ!」
「へ?うぎゃっ?!」
足元が光ったかと思うと、陣が描かれ浮かび上がり、私の身体を締め付けた。
ミラが私を捕まえるよりも早く身体が浮かされる。
ちょ、待った待った!これはミラ様が捕まるとこで私じゃないでしょ?!
人違いです人違い!!
「へぇ、あなたがアグリアの言ってた娘ね」
やはり、犯人はプレザだ。
岩場の上でプレザは私を目の前に浮かせ、クスリと笑う。
エロいよ格好も仕種も!でも美人だちくしょー!!
とにかく私はストーリー的に間違ってるとは言えないが間違いだと主張する。
「あのその人違いです私を捕まえる意味が解りかねます!!」
「あなたが持って逃げた大切なモノ…渡してくれないかしら?」
「うわぁん話聞いてくれない!私何にも持ってませんんんん!!」
「往生際が悪いわね…」
プレザは本を開くと何かを唱えた。
私にはわからなかったけど、身体を締め付けはじめた陣に何となく痛みを与えようとしているのだと気づく。
もしかして、ジュードくん達が駆け付けるまでミラもこんな目に遭ってたんだろうか。
「あなた…何笑ってるの?」
私は、笑っていたらしい。
多分きっと、ミラを少しだけ守れた気がしたから。
「いいわ。あなたには一緒に来てもらう」
「させるかッ!」
下からミラが精霊術を発動させた。
火の玉が放たれ、プレザへと向かうがたやすく避けられてしまう。
「あなた、本当にマクスウェル?」
「く…っ」
ミラが悔しそうに剣を構える。
ミラ、向かってきちゃダメだ。
もうすぐジュードくん達がくる。ミラがここにきたら、二人の行動にズレが生じてしまう。
大丈夫、必ずジュードくんが助けてくれる。だから私は時間稼ぎをするんだ。
「プレザ。私は知ってる」
「あら、私のこと知ってたの」
「名前だけじゃない。あなたのアルヴィンとの昔話も知ってるよ」
「!」
カッとなったプレザが私にかけた術を強めた。
いたたたたた本気で痛い!!
「なに、アルから聞いた?」
「アルヴィンは何も言わない。けど私は知ってる。あなたがアルヴィンのこと、まだ…うぁっ!!」
「あなた…絶対に逃がさないわ。一緒に来てもらうわよ」
「ユウキッ!」
痛みにしかめた顔のまま下を見たら、ジュードくんとアルヴィンがいた。
よかった、間に合った。
「放してくれよ。どんな用かは知らないが、そいつ良い金づるなんだ」
「アルヴィ…このやろ…うぐっ」
つい金づる発言だけは聞き逃せなかった。ちくしょーアルヴィンマジ覚えてろ!
「近づかないで。どうなるか、わからないわよ」
キッとアルヴィンを睨みつけるプレザ。
ああちくしょうこの二人の絡み泣けてくるぅぅぅ!!私こんな状態だけど泣けてくるぅぅぅ!!
アルヴィンの隣のジュードくんを見たら、あれは集中モード!
こめかみに指を添え、鋭い眼光で周囲を分析し脳内で最善の答えを導き出す。
ジュードくんにしかできないこと。
ジュードくんに何か言われたアルヴィンは銃を構えると、すぐに岩に向けて撃ち込んだ。
ダン!ダン!
「?」
プレザがアルヴィンの行動に首を傾げると、岩は勢いよく動き、そして足を生やした。
岩は魔物だったのだ。
驚いたプレザは私にかけた術を解くと、一瞬後退したが魔物の方が早く、プレザに突進した。
吹き飛ばされるプレザ、落ちる私。
「ひぎゃぁぁっ!!おふっ」
「大丈夫かユウキ!」
「ミラ!ありがとう!」
間一髪でミラにキャッチしてもらい、事なきを得た。
ふう、怖かった。ミラみたいにシュタッなんて降りれないからね!
「来るよ!」
ジュードくんの声が聞こえ、振り向くと先程の魔物が私をターゲットにしていた。
ミラに腕の中からおろしてもらうと、剣を構える。
こいつの弱点は何だっけ?!
「ミラ!アルヴィン!僕とユウキがあいつを足止めするから、火を使った術を叩き込んで!」
「火のっ?」
「グレーターデモッシュの弱点は熱…つまり火なんだ!行くよユウキ!」
「任せろい!」
ミラが一番強力な術を出すため描く陣。それが完成するまでの足止めをしなければいけない。
私はジュードくんと岩の魔物を囲うと攻撃を続けた。
避けつつ防御しつつ、一撃を確実に入れる。
少しでも弱らせないと。
(でもこいつ固い!!それにうねうねしてるぅぅぅ!!)
「!危ないジュードくん!」
ジュードくんに向かう触手に、向かうが間に合わない。
しかし、ジュードくんが捕まる前にアルヴィンの銃が触手の動きを防いだのだ。
「アルヴィン?!」
「火の精霊術はミラ様に任せてきたよっと!」
「わぁっ!」
アルヴィンがジュードくんを抱えて魔物から離れた。
もしやと思い私も魔物から飛びのくと、ミラ様の精霊術が発動する。
「バーンスプレッド!!」
「おいこらアルヴィンんんん!!言いたいことが二つあるぞこらぁぁぁ!!まず一つぅぅぅ金づるとはなんだぁぁぁ!!」
「安心しろ、良い金づるだ」
「安心できるかぁぁぁ!!あとさっきジュードくんだけ連れて避けたな!!萌えたけど私が燃えるとこだったぞこらぁぁぁ!!」
「萌えたならいいじゃねーの」
「アルヴィンそこに直れぇぇぇ!!」
魔物を倒し終わると、私は真っ先にアルヴィンに抗議に向かったが聞く耳なしアルヴィン。
こいつは一度性根をだな…!
「魔物が岩に擬態していたとはな…だが魔物があの女でなく、真っすぐ私達に向かうとは考えなかったのか?」
「それでもよかったんだ。そうすればアルヴィンとミラがあの人の死角に入れる位置だったからね」
「すごいな。あの一瞬でそこまで…」
「大したものだ。誰にでもできることではないな」
ミラとアルヴィンがジュードくんの起点の早さに感服する。
それを聞いてジュードくんは自分にできることはと考えているようだった。
というか。
「ジュードくんありがとぉぉ!!あのお姉さんめちゃ怖かった!」
「わっユウキ!怪我はしてない?」
「してないしてない!はぁ~ジュードくんで癒し確保~」
「そういえば、あの人は?」
ジュードくんにスリスリするが、何故か慣れたらしくスルーされた。ジュードくんまで私を軽くあしらうように…!
「優等生。悪い奴まで気にしてたら日が暮れるぞ。ほら、行こうぜ」
「あ、うん」
アルヴィンが適当にはぐらかし、先に進むことになったが。
「ねぇ、さっきの人、知り合いだったの?」
ジュードくんはアルヴィンとプレザが気になったらしい。
歩きながらアルヴィンの隣に移動すると、そんなことを聞いていた。
「あー、あれね。なんか向こうは知ってたみたいだけど」
「傭兵とは、恨みを買う商売のようだな」
「…まぁね」
「でもキレイな人だったね」
ハッとジュードくんを見つめる。
ミラ=キレイ、プレザ=キレイ。
つまりジュードくんは年上のキレイな人が気になっちゃうわけで!
「ジュード君は年上好み?」
「う~ん、よくわからないけど、そうなのかも」
「ジュードくんんんん私はアウト?!私は年近いからアウト?!ジュードくんの好み年上ならアルヴィンも対象になるってことでオケ?!」
「なんでそうなるの?!」
「わぉ、ジュード君俺も狙ってたのかー、ソクバクされちゃうのかー」
「からかわないでよっ!もう!」
ジュードくんが怒って先に行ってしまった。怒った姿も天使だよジュードくん!
残されたアルヴィンが私に「なぁ」と聞いてきた。
「おたく、今いくつ?」
「16なう」
「そりゃ青少年からしたら年上って認識しずれーわ。どんまい」
私は剣を構えてアルヴィンを全力で追いかけた。
next
「このキジル海瀑を越えれば、精霊の里二・アケリアか」
「んなこと言ってる場合じゃないよアルヴィン!水だよ水!てかこんな透き通った自然の水初めて見たよ!」
「うわっつめてっ!ユウキ水かけてくんな!」
キジル海瀑に到着しました。
04.代理捕縛
「村の人達に悪いことしちゃったね…よくしてくれたのに…」
ジュードくんがぽつりと呟いた言葉に私はアルヴィンに水をかけるのを止めた。
(じゅ、ジュードくんがこんなこと考えてるのに私はめちゃくちゃはしゃいでしまった…!優姫のバホー!)
「どうするか決めたのは彼らだ」
「ミラ、僕らを守ってくれたのかもしれないのに、そんな言い方…」
「気になるのなら、君は戻るといい」
「…っどうしてそうなの?」
珍しくジュードくんがミラに咎めるように問い返す。けどミラは気にもとめていない様子で進めた足を止めジュードに向き直った。
「もっと感傷的になって欲しいのか?それは難しいな、君達人もよく言うだろう?感傷に浸っている暇はない、と」
「…使命があるから?」
頷くミラに、ジュードくんは納得しない。
「やるべきことのためには、感傷的になっちゃいけないの?」
「人は感傷的になってもなすべきことをなせるものなのか?」
「…わからないよ、そんなの…やってみないと…」
「なら、やってみてはどうだ?」
え、とジュードくんが上げた顔の先でミラは微笑んでいた。
揺るがない言葉を、ジュードくんに投げる。
「君のなすべきことを、そのままの君で」
ミラはそれだけ言うとまた歩き出した。
立ち止まったままのジュードくんは今の言葉をおうむ返しのように繰り返して呟く。
「僕のなすべきこと…」
「マクスウェル様のようになる必要ないだろうさ。普通、ああはなれないって」
そういえば、最初アルヴィンはジュードくんに優しかったよね…なんだかんだでジュードくんはアルヴィンがいたからミラに着いていけてた気がする。
アルヴィンがジュードくんに優しく言葉をかけてるのを見ながらそう思った。
「ねぇ、アルヴィンにはなすべきことってある?」
「…さて、な。あるって言ったら余計迷うだろ、ジュード君」
「え」
「僕も決めなきゃ~ってな。ほらあいつ見てみろよ、なすべきことなんて絶対ないぜ」
「アルヴィンぐっじょぶぅぅぅ!ジュードくんの肩抱いて優しくするアルヴィンはい萌えたー萌え禿げたー!アルジュアルジュ!!ジュードくん可愛すぎるぅぅぅ!!」
「…ふふ、ユウキってば」
「な?人それぞれなんだよ」
ん?なんか馬鹿にされてないか私?
まぁいいよアルジュ萌えだから!
とりあえずジュードくんとアルヴィンがミラの後を追うのを後ろから見てにやけることにした。
「もうすぐ二・アケリアか~、どんなところなんだろう。いいところなの?」
「うむ。私は気に入っている」
半分ほど進んだであろう道で、周囲に魔物がいないのを確認し一息つく。
ジュードくんはまた空元気でミラに話しかけた。
「瞑想すると力が研ぎ澄まされる気がする。落ち着けるところだ」
「へえ~」
その様子を見兼ねたアルヴィンがわざとらしく足をトントンして休憩を促した。
後ろからジュードくんにぺたぺた触り、肩を抱くという私ホイホイのオプション付きで。
「岩場続きで足痛ぇし、ちょっと休憩~」
「到着してから休めばいいだろう」
「そう言うなってミラ。二・アケリアは逃げないんだし。な、ジュード君、休もうぜ」
「え、うん。じゃあそうしようか」
「はいはーい!アルヴィンがジュードくんとどういうご休憩をするのか十文字で答えなさい!」
「ユウキは先に行って魔物退治してろ」
「アルヴィンが私に冷たくなってきた!!」
ともあれ、一時休憩することになった私達。
座って足を休めているアルヴィンに、ジュードくんが話しかけていた。
私もそこに混ざろうとすると、ミラが私を呼んだ。
「ミラ?」
「アルヴィンは要らぬ気を回す奴だな」
「あはは、みんな疲れてるし。それにジュードくんは人の倍は気をつかっちゃうから、アルヴィンの気遣いは助かるよ」
「女ではできないこと、というわけか」
「男同士の方が弱いところも見せられるだろうしね」
滝の近くまで来た私達は離れた場所で会話しているジュードくんとアルヴィンを見つめる。
ジュードくんに無理なんてさせたくないのにな。
私にも何か出来ることがあるといいんだけど。
「!ユウキ!」
「へ?うぎゃっ?!」
足元が光ったかと思うと、陣が描かれ浮かび上がり、私の身体を締め付けた。
ミラが私を捕まえるよりも早く身体が浮かされる。
ちょ、待った待った!これはミラ様が捕まるとこで私じゃないでしょ?!
人違いです人違い!!
「へぇ、あなたがアグリアの言ってた娘ね」
やはり、犯人はプレザだ。
岩場の上でプレザは私を目の前に浮かせ、クスリと笑う。
エロいよ格好も仕種も!でも美人だちくしょー!!
とにかく私はストーリー的に間違ってるとは言えないが間違いだと主張する。
「あのその人違いです私を捕まえる意味が解りかねます!!」
「あなたが持って逃げた大切なモノ…渡してくれないかしら?」
「うわぁん話聞いてくれない!私何にも持ってませんんんん!!」
「往生際が悪いわね…」
プレザは本を開くと何かを唱えた。
私にはわからなかったけど、身体を締め付けはじめた陣に何となく痛みを与えようとしているのだと気づく。
もしかして、ジュードくん達が駆け付けるまでミラもこんな目に遭ってたんだろうか。
「あなた…何笑ってるの?」
私は、笑っていたらしい。
多分きっと、ミラを少しだけ守れた気がしたから。
「いいわ。あなたには一緒に来てもらう」
「させるかッ!」
下からミラが精霊術を発動させた。
火の玉が放たれ、プレザへと向かうがたやすく避けられてしまう。
「あなた、本当にマクスウェル?」
「く…っ」
ミラが悔しそうに剣を構える。
ミラ、向かってきちゃダメだ。
もうすぐジュードくん達がくる。ミラがここにきたら、二人の行動にズレが生じてしまう。
大丈夫、必ずジュードくんが助けてくれる。だから私は時間稼ぎをするんだ。
「プレザ。私は知ってる」
「あら、私のこと知ってたの」
「名前だけじゃない。あなたのアルヴィンとの昔話も知ってるよ」
「!」
カッとなったプレザが私にかけた術を強めた。
いたたたたた本気で痛い!!
「なに、アルから聞いた?」
「アルヴィンは何も言わない。けど私は知ってる。あなたがアルヴィンのこと、まだ…うぁっ!!」
「あなた…絶対に逃がさないわ。一緒に来てもらうわよ」
「ユウキッ!」
痛みにしかめた顔のまま下を見たら、ジュードくんとアルヴィンがいた。
よかった、間に合った。
「放してくれよ。どんな用かは知らないが、そいつ良い金づるなんだ」
「アルヴィ…このやろ…うぐっ」
つい金づる発言だけは聞き逃せなかった。ちくしょーアルヴィンマジ覚えてろ!
「近づかないで。どうなるか、わからないわよ」
キッとアルヴィンを睨みつけるプレザ。
ああちくしょうこの二人の絡み泣けてくるぅぅぅ!!私こんな状態だけど泣けてくるぅぅぅ!!
アルヴィンの隣のジュードくんを見たら、あれは集中モード!
こめかみに指を添え、鋭い眼光で周囲を分析し脳内で最善の答えを導き出す。
ジュードくんにしかできないこと。
ジュードくんに何か言われたアルヴィンは銃を構えると、すぐに岩に向けて撃ち込んだ。
ダン!ダン!
「?」
プレザがアルヴィンの行動に首を傾げると、岩は勢いよく動き、そして足を生やした。
岩は魔物だったのだ。
驚いたプレザは私にかけた術を解くと、一瞬後退したが魔物の方が早く、プレザに突進した。
吹き飛ばされるプレザ、落ちる私。
「ひぎゃぁぁっ!!おふっ」
「大丈夫かユウキ!」
「ミラ!ありがとう!」
間一髪でミラにキャッチしてもらい、事なきを得た。
ふう、怖かった。ミラみたいにシュタッなんて降りれないからね!
「来るよ!」
ジュードくんの声が聞こえ、振り向くと先程の魔物が私をターゲットにしていた。
ミラに腕の中からおろしてもらうと、剣を構える。
こいつの弱点は何だっけ?!
「ミラ!アルヴィン!僕とユウキがあいつを足止めするから、火を使った術を叩き込んで!」
「火のっ?」
「グレーターデモッシュの弱点は熱…つまり火なんだ!行くよユウキ!」
「任せろい!」
ミラが一番強力な術を出すため描く陣。それが完成するまでの足止めをしなければいけない。
私はジュードくんと岩の魔物を囲うと攻撃を続けた。
避けつつ防御しつつ、一撃を確実に入れる。
少しでも弱らせないと。
(でもこいつ固い!!それにうねうねしてるぅぅぅ!!)
「!危ないジュードくん!」
ジュードくんに向かう触手に、向かうが間に合わない。
しかし、ジュードくんが捕まる前にアルヴィンの銃が触手の動きを防いだのだ。
「アルヴィン?!」
「火の精霊術はミラ様に任せてきたよっと!」
「わぁっ!」
アルヴィンがジュードくんを抱えて魔物から離れた。
もしやと思い私も魔物から飛びのくと、ミラ様の精霊術が発動する。
「バーンスプレッド!!」
「おいこらアルヴィンんんん!!言いたいことが二つあるぞこらぁぁぁ!!まず一つぅぅぅ金づるとはなんだぁぁぁ!!」
「安心しろ、良い金づるだ」
「安心できるかぁぁぁ!!あとさっきジュードくんだけ連れて避けたな!!萌えたけど私が燃えるとこだったぞこらぁぁぁ!!」
「萌えたならいいじゃねーの」
「アルヴィンそこに直れぇぇぇ!!」
魔物を倒し終わると、私は真っ先にアルヴィンに抗議に向かったが聞く耳なしアルヴィン。
こいつは一度性根をだな…!
「魔物が岩に擬態していたとはな…だが魔物があの女でなく、真っすぐ私達に向かうとは考えなかったのか?」
「それでもよかったんだ。そうすればアルヴィンとミラがあの人の死角に入れる位置だったからね」
「すごいな。あの一瞬でそこまで…」
「大したものだ。誰にでもできることではないな」
ミラとアルヴィンがジュードくんの起点の早さに感服する。
それを聞いてジュードくんは自分にできることはと考えているようだった。
というか。
「ジュードくんありがとぉぉ!!あのお姉さんめちゃ怖かった!」
「わっユウキ!怪我はしてない?」
「してないしてない!はぁ~ジュードくんで癒し確保~」
「そういえば、あの人は?」
ジュードくんにスリスリするが、何故か慣れたらしくスルーされた。ジュードくんまで私を軽くあしらうように…!
「優等生。悪い奴まで気にしてたら日が暮れるぞ。ほら、行こうぜ」
「あ、うん」
アルヴィンが適当にはぐらかし、先に進むことになったが。
「ねぇ、さっきの人、知り合いだったの?」
ジュードくんはアルヴィンとプレザが気になったらしい。
歩きながらアルヴィンの隣に移動すると、そんなことを聞いていた。
「あー、あれね。なんか向こうは知ってたみたいだけど」
「傭兵とは、恨みを買う商売のようだな」
「…まぁね」
「でもキレイな人だったね」
ハッとジュードくんを見つめる。
ミラ=キレイ、プレザ=キレイ。
つまりジュードくんは年上のキレイな人が気になっちゃうわけで!
「ジュード君は年上好み?」
「う~ん、よくわからないけど、そうなのかも」
「ジュードくんんんん私はアウト?!私は年近いからアウト?!ジュードくんの好み年上ならアルヴィンも対象になるってことでオケ?!」
「なんでそうなるの?!」
「わぉ、ジュード君俺も狙ってたのかー、ソクバクされちゃうのかー」
「からかわないでよっ!もう!」
ジュードくんが怒って先に行ってしまった。怒った姿も天使だよジュードくん!
残されたアルヴィンが私に「なぁ」と聞いてきた。
「おたく、今いくつ?」
「16なう」
「そりゃ青少年からしたら年上って認識しずれーわ。どんまい」
私は剣を構えてアルヴィンを全力で追いかけた。
next