★番外編
DREAM
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※誰も死んでないハッピー時空
※兄探し中のどこか
クロロさんにホワイトデーのお返しの一つだと言われて連れてこられた高級ホテルのバイキング。並ぶ食べ物全て見たことがないくらいキラキラしていて、こそりとパクノダさんに金額を尋ねたら目をそらされた。つまり、私が金額を聞いてしまうと萎縮して食べられなくなるくらい高いという意味である。
生まれたての小鹿のようにプルプル震えていたら、自称兄は「お気に召さなかったか?」とどこかしょんぼりした顔をするので、そのギャップにやられつつひとまず何も考えないことにして、素直にお返しとして受け取ることに決めた。お肉美味しい!
「今日は大仕事だったからなあ!仕事終わりはうまい酒飲みてえよなあ」
「ふん」
「いってえ!だから腹殴るのやめろフェイ!おかしなこと言ってねえだろうが!」
「いつか口が滑るね」
「滑らねえって!」
相変わらずフィンクスさんとフェイタンさんは仲が良い。それにしても、そんなに今回の講演は大仕事だったのか。ますます見れなかったのが悔やまれる。いつか絶対、みんなの講演を探し当てて見てやるぞ。
「あれ、フェイタンさんのそのお酒、美味しそうだね」
フェイタンさんの手にあるお洒落なグラスにはキラキラしたお酒が入っていた。まあここにあるものすべて高級品だろうから、このお酒も目が飛び出るくらい高いのだろう。それにしても、きれいだなあ。
「お前も飲むか?」
「えっいいの?」
「ああ、今持てきて……」
「それじゃあ、一口いただきまーす!」
ほどよく酔いも回っていた私は、何も考えずにフェイタンさんの持つグラスをその手ごと握って、ぐいっと一口飲んだ。周囲がざわついたことには気づかず、喉を通るお酒を味わって驚きに目を見開いた。
「う、美味い!え、何これ飲みやすい!度数低いのかなあ、少しジュースっぽくも感じるような……」
「わかたから手を放すよ!」
「あれ……フェイタンさん、なんだか今日、すごくかっこいいね……好き……」
「?!?!」
どうしよう。これは困ったことになった。よりによって団長が上の階に金庫があったから盗ってくるなんて一人で行ってしまい不在の中、ユウキがフェイタンに頬を赤らめている。
お酒に酔ったのか?いや、度数は確かに高いが、彼女は弱くはなかったはずだ。少し喜怒哀楽が顕著になるだけで、こんな惚れ薬でも飲んだかのような症状には……惚れ薬?
「フェイ、そのお酒飲んだ?」
「飲んだよ!それが何か?!」
「で、同じグラスでユウキも飲んだ、と。これ、惚れ薬かもしれないよ」
「惚れ薬?!」
どういうこと、と少しワクワクしている女性陣が集まってくるので、携帯を使って少し調べてみることにした。少し深いところまで潜らないと出てこない情報だったが、やはり今の状況にヒットする薬があった。
「一つのグラスを二人で使うっていうのがスタンダードな方法だね。それから先に自分が飲み、それを意中の相手にも飲ませる。なぜ先に飲むかというと、同じ薬を体に取り込む必要があって、かつその薬と混ざった自分の体液がほんの少しでも相手に入ればいいからってことらしい。薬の混ざった体液なら何でもいいみたいだから、手段はいろいろあるだろうけど、今回は間接キスが仇になったみたいだね」
「間接キスて言うな!それよりどうすれば戻るね?!」
「あはは、摂取量が少ないだろうから数時間で戻るってさ。いやあ楽しくなってきたね!」
「全然楽しくない!」
このやりとりの間にも、ユウキはフェイを後ろから抱きしめてにこにこしている。惚れ薬のはずなのに、姉と弟に見えなくもないので少し面白い。年齢的にはおそらくフェイの方が年上だろうけど。
「なあ、ユウキ。おめえフェイタンのどこが好きなんだよ」
「ノブナガァ!!」
「えっとねえ、クールなんだけど、優しいところ!バレンタインの時ね、チョコを手作りしようか悩んでたら、クロロさんは手作りの方が喜ぶって教えてくれて、それで味見とかも協力してくれたんだ!」
「へええ?」
「そのにやけ面あとでブチ殺すね!!」
ノブナガとフィンクスがこれでもかというくらいフェイで遊んでいる。そして先ほどからワクワクとしていた女性陣も、二人を囲って次々と質問してはユウキにのろけさせていた。おお、フェイの顔が真っ赤だ。新鮮で楽しい。オレも参加しよ。
「それじゃあ、フェイに恋人とかできたらどうする?」
「え?えっと、別に私、付き合ってるわけじゃないから、祝福するよ」
「あ、そうなんだ?」
意外とドライなのかな、と思っていたら、ポロリと、ユウキの目から涙が落ちた。突然の涙にわああっと慌てふためくオレ達だったが、泣いていることに気づいたユウキが自分の目の涙をぼうっと見つめて、それから力任せに目元を拭った。
「へへ、ごめんね。なんでだろ、止まんないや」
「っ、そんなにこすたらキズがつくね」
「フェイタンさん」
「ワタシは他に恋人なんて作らないね。ありもしないことで泣く必要はないよ」
「う、うん!えへへ!」
こそこそ
「他に、だってさ」
「お前しか見てないってこと?」
「惚れ薬なしですごいこと言うじゃない」
「お前ら後でぜたい殺すね!!」
女性陣の感想にフェイがキレ散らかしている。その光景にフィンクスもノブナガも笑っているし、オレもおかしくてお腹を抱えて笑いをこらえていた。そういえば、コルトピが見えないな、と周囲を見渡していたら、会場の扉が開かれる。
「何かあったの?」
会場から出ていたらしいコルトピが入ってきて、オレ達の様子に首を傾げている。実は、と今の状態を話したら、どこか納得した顔をしたように見えた。
「さっき、団長に呼ばれて上の階に行ってきたんだ。なんか、金庫の中には薬品がいっぱい並んでて、シャルナークを呼んだけど電話出なかったって」
「あ、深めの調べものしたから、回線変えてたんだった。それで、薬品って?」
「裏ルートで試作品として流し始めた媚薬。多分今二人が飲んだやつ。団長が全部盗ってたけど、これっていつ治るの?」
「数時間程度の予定。でもこれ自白剤にも応用できそうだし、何より面白いからちょっとオレもわけてもらえないか聞いてみようかな」
「いや、もうその薬はないから無理だ」
バリン、とガラスが割れる音がした。足元に、おそらく媚薬だった薬品ケースが無残にも粉々になっている。おそるおそる顔を上げると、目の据わった団長がおられました。
「事情はわかった。あと数時間だな」
はい、とお怒りモードの団長から距離をとりつつ答えると、じゃりじゃりとガラスを踏みつぶしながら団長は件の二人に近づいていく。何かを察したフェイが珍しく冷や汗をかいている。そのフェイを好き好きオーラ全開で抱きしめているユウキだけが、このぴりっとした空間に気が付いていなかった。
「ユウキ」
「あ、クロロさんだ」
「これ、美味しいから飲んでみてくれ」
「ほんと?わー、いただきまーす!」
何の躊躇もなく、団長に差し出されたグラスを飲み干すユウキ。あ、とこの場にいた全員が察した。
「……あれ、なんか今日のクロロさん、すごくかっこいいね!好き!」
(やりやがった―――!!)
ユウキの返答にこれでもかというくらい満足そうな笑みを浮かべた団長は、こっちにおいでと腕を広げる。ユウキはフェイから離れてその腕の中に飛び込むと、えへへと幸せそうに笑いながら顔をうずめていた。
「あと何本自分用に盗ってるわけ?」
「秘密だ。ほらユウキ、あそこに美味しいデザートが並んでるよ。兄妹で一緒に食べよう」
「うん!クロロさん大好き!」
「ふふ」
団長らしからぬ緩い笑顔をユウキに向けながら、デザートが並ぶテーブルへ連れたって行ってしまった。残されたオレ達は、ついフェイを見つめてしまう。いや別に、寝取られたみたいだなぁなんて思ってないよ。しかし全員そんな表情で見つめてしまい、案の定フェイが毛を逆立てるようにキレた。
「やぱり全員ここで殺すね!!」
「わーっフェイがキレたぞー!」
ワイワイガヤガヤ。呆れたようにため息を吐く女性陣とは裏腹に、オレ達はおかしくて刀を振り回すフェイから逃げながら大笑いしていたのだった。
ちなみに翌日、昨夜の媚薬騒動時の記憶がすっぽり抜け落ちていたユウキを見て、団長が「改良の余地があるな」と呟くのが聞こえてしまったので、全員で聞かなかったことにした。
※兄探し中のどこか
クロロさんにホワイトデーのお返しの一つだと言われて連れてこられた高級ホテルのバイキング。並ぶ食べ物全て見たことがないくらいキラキラしていて、こそりとパクノダさんに金額を尋ねたら目をそらされた。つまり、私が金額を聞いてしまうと萎縮して食べられなくなるくらい高いという意味である。
生まれたての小鹿のようにプルプル震えていたら、自称兄は「お気に召さなかったか?」とどこかしょんぼりした顔をするので、そのギャップにやられつつひとまず何も考えないことにして、素直にお返しとして受け取ることに決めた。お肉美味しい!
「今日は大仕事だったからなあ!仕事終わりはうまい酒飲みてえよなあ」
「ふん」
「いってえ!だから腹殴るのやめろフェイ!おかしなこと言ってねえだろうが!」
「いつか口が滑るね」
「滑らねえって!」
相変わらずフィンクスさんとフェイタンさんは仲が良い。それにしても、そんなに今回の講演は大仕事だったのか。ますます見れなかったのが悔やまれる。いつか絶対、みんなの講演を探し当てて見てやるぞ。
「あれ、フェイタンさんのそのお酒、美味しそうだね」
フェイタンさんの手にあるお洒落なグラスにはキラキラしたお酒が入っていた。まあここにあるものすべて高級品だろうから、このお酒も目が飛び出るくらい高いのだろう。それにしても、きれいだなあ。
「お前も飲むか?」
「えっいいの?」
「ああ、今持てきて……」
「それじゃあ、一口いただきまーす!」
ほどよく酔いも回っていた私は、何も考えずにフェイタンさんの持つグラスをその手ごと握って、ぐいっと一口飲んだ。周囲がざわついたことには気づかず、喉を通るお酒を味わって驚きに目を見開いた。
「う、美味い!え、何これ飲みやすい!度数低いのかなあ、少しジュースっぽくも感じるような……」
「わかたから手を放すよ!」
「あれ……フェイタンさん、なんだか今日、すごくかっこいいね……好き……」
「?!?!」
どうしよう。これは困ったことになった。よりによって団長が上の階に金庫があったから盗ってくるなんて一人で行ってしまい不在の中、ユウキがフェイタンに頬を赤らめている。
お酒に酔ったのか?いや、度数は確かに高いが、彼女は弱くはなかったはずだ。少し喜怒哀楽が顕著になるだけで、こんな惚れ薬でも飲んだかのような症状には……惚れ薬?
「フェイ、そのお酒飲んだ?」
「飲んだよ!それが何か?!」
「で、同じグラスでユウキも飲んだ、と。これ、惚れ薬かもしれないよ」
「惚れ薬?!」
どういうこと、と少しワクワクしている女性陣が集まってくるので、携帯を使って少し調べてみることにした。少し深いところまで潜らないと出てこない情報だったが、やはり今の状況にヒットする薬があった。
「一つのグラスを二人で使うっていうのがスタンダードな方法だね。それから先に自分が飲み、それを意中の相手にも飲ませる。なぜ先に飲むかというと、同じ薬を体に取り込む必要があって、かつその薬と混ざった自分の体液がほんの少しでも相手に入ればいいからってことらしい。薬の混ざった体液なら何でもいいみたいだから、手段はいろいろあるだろうけど、今回は間接キスが仇になったみたいだね」
「間接キスて言うな!それよりどうすれば戻るね?!」
「あはは、摂取量が少ないだろうから数時間で戻るってさ。いやあ楽しくなってきたね!」
「全然楽しくない!」
このやりとりの間にも、ユウキはフェイを後ろから抱きしめてにこにこしている。惚れ薬のはずなのに、姉と弟に見えなくもないので少し面白い。年齢的にはおそらくフェイの方が年上だろうけど。
「なあ、ユウキ。おめえフェイタンのどこが好きなんだよ」
「ノブナガァ!!」
「えっとねえ、クールなんだけど、優しいところ!バレンタインの時ね、チョコを手作りしようか悩んでたら、クロロさんは手作りの方が喜ぶって教えてくれて、それで味見とかも協力してくれたんだ!」
「へええ?」
「そのにやけ面あとでブチ殺すね!!」
ノブナガとフィンクスがこれでもかというくらいフェイで遊んでいる。そして先ほどからワクワクとしていた女性陣も、二人を囲って次々と質問してはユウキにのろけさせていた。おお、フェイの顔が真っ赤だ。新鮮で楽しい。オレも参加しよ。
「それじゃあ、フェイに恋人とかできたらどうする?」
「え?えっと、別に私、付き合ってるわけじゃないから、祝福するよ」
「あ、そうなんだ?」
意外とドライなのかな、と思っていたら、ポロリと、ユウキの目から涙が落ちた。突然の涙にわああっと慌てふためくオレ達だったが、泣いていることに気づいたユウキが自分の目の涙をぼうっと見つめて、それから力任せに目元を拭った。
「へへ、ごめんね。なんでだろ、止まんないや」
「っ、そんなにこすたらキズがつくね」
「フェイタンさん」
「ワタシは他に恋人なんて作らないね。ありもしないことで泣く必要はないよ」
「う、うん!えへへ!」
こそこそ
「他に、だってさ」
「お前しか見てないってこと?」
「惚れ薬なしですごいこと言うじゃない」
「お前ら後でぜたい殺すね!!」
女性陣の感想にフェイがキレ散らかしている。その光景にフィンクスもノブナガも笑っているし、オレもおかしくてお腹を抱えて笑いをこらえていた。そういえば、コルトピが見えないな、と周囲を見渡していたら、会場の扉が開かれる。
「何かあったの?」
会場から出ていたらしいコルトピが入ってきて、オレ達の様子に首を傾げている。実は、と今の状態を話したら、どこか納得した顔をしたように見えた。
「さっき、団長に呼ばれて上の階に行ってきたんだ。なんか、金庫の中には薬品がいっぱい並んでて、シャルナークを呼んだけど電話出なかったって」
「あ、深めの調べものしたから、回線変えてたんだった。それで、薬品って?」
「裏ルートで試作品として流し始めた媚薬。多分今二人が飲んだやつ。団長が全部盗ってたけど、これっていつ治るの?」
「数時間程度の予定。でもこれ自白剤にも応用できそうだし、何より面白いからちょっとオレもわけてもらえないか聞いてみようかな」
「いや、もうその薬はないから無理だ」
バリン、とガラスが割れる音がした。足元に、おそらく媚薬だった薬品ケースが無残にも粉々になっている。おそるおそる顔を上げると、目の据わった団長がおられました。
「事情はわかった。あと数時間だな」
はい、とお怒りモードの団長から距離をとりつつ答えると、じゃりじゃりとガラスを踏みつぶしながら団長は件の二人に近づいていく。何かを察したフェイが珍しく冷や汗をかいている。そのフェイを好き好きオーラ全開で抱きしめているユウキだけが、このぴりっとした空間に気が付いていなかった。
「ユウキ」
「あ、クロロさんだ」
「これ、美味しいから飲んでみてくれ」
「ほんと?わー、いただきまーす!」
何の躊躇もなく、団長に差し出されたグラスを飲み干すユウキ。あ、とこの場にいた全員が察した。
「……あれ、なんか今日のクロロさん、すごくかっこいいね!好き!」
(やりやがった―――!!)
ユウキの返答にこれでもかというくらい満足そうな笑みを浮かべた団長は、こっちにおいでと腕を広げる。ユウキはフェイから離れてその腕の中に飛び込むと、えへへと幸せそうに笑いながら顔をうずめていた。
「あと何本自分用に盗ってるわけ?」
「秘密だ。ほらユウキ、あそこに美味しいデザートが並んでるよ。兄妹で一緒に食べよう」
「うん!クロロさん大好き!」
「ふふ」
団長らしからぬ緩い笑顔をユウキに向けながら、デザートが並ぶテーブルへ連れたって行ってしまった。残されたオレ達は、ついフェイを見つめてしまう。いや別に、寝取られたみたいだなぁなんて思ってないよ。しかし全員そんな表情で見つめてしまい、案の定フェイが毛を逆立てるようにキレた。
「やぱり全員ここで殺すね!!」
「わーっフェイがキレたぞー!」
ワイワイガヤガヤ。呆れたようにため息を吐く女性陣とは裏腹に、オレ達はおかしくて刀を振り回すフェイから逃げながら大笑いしていたのだった。
ちなみに翌日、昨夜の媚薬騒動時の記憶がすっぽり抜け落ちていたユウキを見て、団長が「改良の余地があるな」と呟くのが聞こえてしまったので、全員で聞かなかったことにした。