★番外編
DREAM
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※誰も死んでないハッピー時空
※兄探し中のどこか
「やあマチ、ホワイトデーのお返しだよ」
「あたしあんたにあげたっけ?大体あんたからのお返しなんていらないよ」
「相変わらずつれないねえ」
などという会話を、たまたま街で聞いてしまった私はなぜか物陰に隠れて二人の様子を伺ってしまっていた。
いやだって、あのヒソカが、あの変態奇術師が、アプローチしてるんだよ?!気になるでしょこんなの!
でもマチさんはクールにさらっと受け流してるし、もしかしたらわりと高頻度でアピっているのかもしれない。盛り上がってまいりました!
二人は少し会話した後、マチさんが売ればいいかとヒソカから渡されたホワイトデーのお返しを受け取ってクールに去っていった。超かっこいいぜ。私もあんな大人の女になりたい。
それにしても、ヒソカも恋とかするんだなあ。団員内での恋愛はオッケーなんだろうか。後でクロロさんに聞いてみよう。
思えば、私も兄探しで必死だったものだから、恋とか意識したことなかった。恋とはどんなものかしら。なんて乙女ちっくなことを考えていたら、いつの間にか私の背後に立つ男に気が付かなかった。
「や、百面相してて今日も面白いね、キミ」
「ほぎゃああああ?!」
両肩をポンと叩かれ、耳元で囁かれるように話しかけられて往来にもかかわらず悲鳴を上げてしまった。驚く周囲の人たちにすみませんと頭を下げて、驚かせてきた元凶であるヒソカに文句を言おうと振り返る。怒ろうと思っていたのに、意識が怒りより先に、見慣れない服の方へ向かってしまった。
さっきまでは後ろ姿しか見えなかったから気が付かなかったが、白いジャケットに、薄緑のタートルネック。髪型と頬のペイントはいつもの奇術師ファッションの時と変わらないが、今日はどこか、普通の人に見える。それどころか、イケメンに見えてくるではないか。
「どうしたんだい?」
「……ヒソカって、実はイケメンだったりする?」
「面と向かって言われたことはないね」
ということは、外から噂しているのを聞いたことがあるとかそういう感じなのだろうか。思えば劇団員なのだから、ファンクラブがあってもおかしくはない。
「いや、でもちょっとわかる。ヒソカって隠れファンがめちゃくちゃいるイメージある。くっそー、ヒソカみたいな変態に少しでもキュンときたの悔しー」
「へえキュンときたんだ?それじゃあ、デートでもしよっか」
「なんでそうなる?!しないけど?!」
「いいじゃないか。マチを誘おうと思ってとっていたディナーの予約、キミで埋めようと思ってるだけだし」
「おいこら」
包み隠さないなこの男!まあでも、フラれて可哀そうではあるし、ご飯くらいなら付き合ってあげてもいいかもしれない。それにマチさんのどこが好きなのか聞いてみたいし。
「よっし、わかった。じゃあコイバナしよう!!コイバナ」
「キミと?キミ話せる内容あるのかい?」
「いいからいいから!さてと、どこに行くって言ってたっけ?あ、ちょっと待って、クロロさんから電話だ」
着信が入ったので、ヒソカを待たせて電話に出ると、相変わらずいい声のクロロさんが今どこにいるんだと優しく聞いてくる。
「今は大通りのショッピングモールにいるよ。今日はどうしたの?」
『シャルから良い店を聞いたから、これから食事でもどうかと思ってな』
「あー、ごめんね。今日はヒソカとご飯食べに行くんだ」
『……なんて?』
「え?ヒソカとご飯……あっちょっと!」
「ごめんねクロロ。これからユウキと雰囲気のある良いお店でディナーをするんだ。朝帰りになるかもしれないから、携帯は切っておくからね」
話してる途中なのにヒソカは私から携帯を奪うと、これでもかってくらい愉悦の顔をしてピッと通話を切って、そのまま電源まで落としてしまった。そして自分のポケットに入れられる。いやちょっと。私の携帯とられたんだが。
「ディナーの後で返してあげるよ。それじゃあ、いこっか」
「うーん、嫌な予感しかしない」
クロロさんには後で電話途中で切ってごめんねと謝っておかないと。
さて、ヒソカに連れられてやってきたディナーのお店だが。ドレスコード付きの超高級料理店でした。
どおりでお店に行く前にドレスアップさせられたわけだよ。久しぶりのスカートだからスース―するよ!
ヒソカの白いジャケットスーツに合うように揃えられた白いマーメイドスカートは少し動きにくくて何度も転びそうになった。肩には高そうなファー付きの真っ白いコートをかけられて少しあったかい。まあ席についたら脱ぐんだけども。完全個室ではなく、しきりで遮られているのは広々とした空間を壊したくない店の方針だろうか。夜景のよく見える席に案内され、うっと涙を堪える。
「急にどうしたの」
「いや、ほんとはここにマチさんが来る予定だったんだよなあと思うと、ヒソカの努力に涙が……」
「(努力しなくても金さえあればいつでも予約できるんだけど、まあ面白いから放っておこ)」
次々提供される料理の数々に舌鼓を打ちつつ、今夜の本題についてさっそく聞いていくことにした。そう、コイバナである。
「それで、ヒソカはマチさんのどういうところが好きなの?」
「うーん、つれないところかなあ」
「ひゅうーっ!わかるわかる!いわゆるおもしれー女ってわけだね!いいよね、難攻不落の女性!ヒソカは変態だけど、たまに常識人なところあるからそっちに全振りすればいけると思うんだけどなあ」
「キミも変態部分を除けば普通の女性には見えるんじゃない?」
「へへへ変態ちゃうわ!!一緒にしないでくれます?!私はゴンくんがヒソカみたいな変態に狙われないか心配なだけで、邪な思いはこれっぽっちも抱いておりません!!」
イエスショタ、ノータッチの精神は常に忘れない。
そういえばゴンくん今何やってるかな。ふと意識をそっちへ持っていったら、ヒソカに頬を触られ、やんわりと正面を向かされる。
「他の男のこと、考えてたの?」
少し優しい声音に、ひゅっと息をのむ。これは、テクニックだ。イケメンにしかできない、女をコロっと落とすテクニックに違いない。負けんぞ、とつい睨み返したら、なぜかキョトンとされて、そのままクスクスと笑われてしまった。なんなんだちくしょう。
「ダメだよ、今の状態から見つめ返すのは」
「え?なんで?」
「それはもちろん、こうされてもオッケーって合図になるからさ」
そのまま顔を持ち上げられて、ヒソカの顔が近づいてきて。
―――タン、とテーブルにフォークが突き刺さった。
突然現れたフォークに驚いてヒソカから離れて、なんならテーブルからも飛びのいてしまったのだが、その体がスッと背後から受け止められる。
「大丈夫?」
「えっ、ま、マチさん?!」
バランスを崩した体を支えてくれたのは、ドレスアップしているマチさんだった。どうしてここに、と尋ねようとすると、もう一度タンっとフォークが刺さる音がする。見ると、ヒソカが再度突き付けられたフォークを避けているところだった。
「ちょっとここお店なんで暴れないで……いやクロロさんじゃん!!何やってんの?!」
マチさんと同じくドレスコードのお店に相応しいように黒スーツに高そうな生地の赤いコートを羽織る男は、クロロさんだった。持っていたフォークを下ろすと、にこやかにこちらへ向かってくる。
「奇遇だな」
「いやもうダウトダウト!こんなところで奇遇なことある?!」
「本当に偶然だよ。団長と二人でここに来たら、ユウキがいたから声かけようと思っただけだし」
「えっ、クロロさんとマチさんが、ここでディナー?」
「ちょうど隣の席が予約席だからね」
二人が並ぶ姿を見て、あまりにも美男美女で、思わずヒソカの肩をポンと叩きに行ってしまった。なんなのという訝しむ目をされたので、またも涙が出そうになる。
「ヒソカ、つらかったら言ってね。今日は私、夜通し話聞いてあげてもいいよ」
「急に優しいと気持ち悪いんだけど、一体キミの中でどんな解釈が生まれたのかな?」
「だってクロロさん相手は分が悪いよ!見てよあのかっこよさ!!そしてヒソカの誘いは断ったのにクロロさんのディナーには来てるマチさん!もうヒソカ、これは勝ち目がないよ、諦めよう」
「コイバナするとき絶対言っちゃだめなセリフでしょそれ。いいよ別に。今日は面白いものが見れたから」
「面白いもの?」
はて、何か面白いものはあっただろうか。夜景と、テーブルに刺さったフォークと……いやこれ、器物破損にならない?
「クロロさん、このフォークどうするの」
「あとで弁償しておくよ。それよりも、そいつは放っておいてこっちでマチと三人でディナーの続きをしよう」
「ええっ?!ダメだってそれは!さすがにデートの邪魔できないよ」
「それなら大丈夫だ、デートじゃないからな」
「そうだよ。ただの親睦会みたいなもの。いいからこっちおいで。そいつのところはやめときな」
「いやでもなあ。今日ヒソカの愚痴聞くつもりで来たからなあ。いてて」
どうやら驚いて飛び上がった時に、足を捻っていたらしい。マチさんがトイレで手当てすると言って私に肩を貸してくれたので、ヒソカとクロロさんの様子が気になったものの、ひとまず処置の方を優先することにした。
「偶然だなんてまた嘘ついちゃって。過保護すぎる兄は嫌われるよ」
「お前こそ、その気もないくせにユウキを引っ掻き回して遊ぶな」
「その気があればいいんだ?」
「死にたいのか?」
「ふふふ。それにしても、どうやってマチを誘ったんだい?ボクには全くなびいてくれないんだけど」
「普通に誘っただけだが」
「うわ、クロロってそういうところあるよね。まあいいよ。コイバナでユウキが釣れるってわかったし、次からユウキを誘っていくから。朝帰りさせるかもしれないけど、よろしくねお兄さん」
「よし、今殺す」
「いいね!今やろうか!」
「ただいまー!二人ともごめんね。マチさん処置うまくて驚いちゃった……何かやってた?」
「「いいや何も?」」
トイレから戻るとヒソカとクロロさんがお互い顔を合わせてにこやかに椅子に座っていた。いやめちゃくちゃ怖いな。絶対何かあったじゃん。
結局その日はテーブルを二つくっつけて、四人でディナーを食べて帰ることとなった。帰る時、足を捻っているということでクロロさんに横抱きされた時は悲鳴を上げそうになったが、ヒソカに「ボクがしてあげようか?」と言われたのは普通にお断りしておいた。怪しいし、なによりその話を振ってきたときのクロロさんの目が怖かったし。この自称兄、もしかしてヤンデレ属性持ちなのか?ちょっとときめくね!
※兄探し中のどこか
「やあマチ、ホワイトデーのお返しだよ」
「あたしあんたにあげたっけ?大体あんたからのお返しなんていらないよ」
「相変わらずつれないねえ」
などという会話を、たまたま街で聞いてしまった私はなぜか物陰に隠れて二人の様子を伺ってしまっていた。
いやだって、あのヒソカが、あの変態奇術師が、アプローチしてるんだよ?!気になるでしょこんなの!
でもマチさんはクールにさらっと受け流してるし、もしかしたらわりと高頻度でアピっているのかもしれない。盛り上がってまいりました!
二人は少し会話した後、マチさんが売ればいいかとヒソカから渡されたホワイトデーのお返しを受け取ってクールに去っていった。超かっこいいぜ。私もあんな大人の女になりたい。
それにしても、ヒソカも恋とかするんだなあ。団員内での恋愛はオッケーなんだろうか。後でクロロさんに聞いてみよう。
思えば、私も兄探しで必死だったものだから、恋とか意識したことなかった。恋とはどんなものかしら。なんて乙女ちっくなことを考えていたら、いつの間にか私の背後に立つ男に気が付かなかった。
「や、百面相してて今日も面白いね、キミ」
「ほぎゃああああ?!」
両肩をポンと叩かれ、耳元で囁かれるように話しかけられて往来にもかかわらず悲鳴を上げてしまった。驚く周囲の人たちにすみませんと頭を下げて、驚かせてきた元凶であるヒソカに文句を言おうと振り返る。怒ろうと思っていたのに、意識が怒りより先に、見慣れない服の方へ向かってしまった。
さっきまでは後ろ姿しか見えなかったから気が付かなかったが、白いジャケットに、薄緑のタートルネック。髪型と頬のペイントはいつもの奇術師ファッションの時と変わらないが、今日はどこか、普通の人に見える。それどころか、イケメンに見えてくるではないか。
「どうしたんだい?」
「……ヒソカって、実はイケメンだったりする?」
「面と向かって言われたことはないね」
ということは、外から噂しているのを聞いたことがあるとかそういう感じなのだろうか。思えば劇団員なのだから、ファンクラブがあってもおかしくはない。
「いや、でもちょっとわかる。ヒソカって隠れファンがめちゃくちゃいるイメージある。くっそー、ヒソカみたいな変態に少しでもキュンときたの悔しー」
「へえキュンときたんだ?それじゃあ、デートでもしよっか」
「なんでそうなる?!しないけど?!」
「いいじゃないか。マチを誘おうと思ってとっていたディナーの予約、キミで埋めようと思ってるだけだし」
「おいこら」
包み隠さないなこの男!まあでも、フラれて可哀そうではあるし、ご飯くらいなら付き合ってあげてもいいかもしれない。それにマチさんのどこが好きなのか聞いてみたいし。
「よっし、わかった。じゃあコイバナしよう!!コイバナ」
「キミと?キミ話せる内容あるのかい?」
「いいからいいから!さてと、どこに行くって言ってたっけ?あ、ちょっと待って、クロロさんから電話だ」
着信が入ったので、ヒソカを待たせて電話に出ると、相変わらずいい声のクロロさんが今どこにいるんだと優しく聞いてくる。
「今は大通りのショッピングモールにいるよ。今日はどうしたの?」
『シャルから良い店を聞いたから、これから食事でもどうかと思ってな』
「あー、ごめんね。今日はヒソカとご飯食べに行くんだ」
『……なんて?』
「え?ヒソカとご飯……あっちょっと!」
「ごめんねクロロ。これからユウキと雰囲気のある良いお店でディナーをするんだ。朝帰りになるかもしれないから、携帯は切っておくからね」
話してる途中なのにヒソカは私から携帯を奪うと、これでもかってくらい愉悦の顔をしてピッと通話を切って、そのまま電源まで落としてしまった。そして自分のポケットに入れられる。いやちょっと。私の携帯とられたんだが。
「ディナーの後で返してあげるよ。それじゃあ、いこっか」
「うーん、嫌な予感しかしない」
クロロさんには後で電話途中で切ってごめんねと謝っておかないと。
さて、ヒソカに連れられてやってきたディナーのお店だが。ドレスコード付きの超高級料理店でした。
どおりでお店に行く前にドレスアップさせられたわけだよ。久しぶりのスカートだからスース―するよ!
ヒソカの白いジャケットスーツに合うように揃えられた白いマーメイドスカートは少し動きにくくて何度も転びそうになった。肩には高そうなファー付きの真っ白いコートをかけられて少しあったかい。まあ席についたら脱ぐんだけども。完全個室ではなく、しきりで遮られているのは広々とした空間を壊したくない店の方針だろうか。夜景のよく見える席に案内され、うっと涙を堪える。
「急にどうしたの」
「いや、ほんとはここにマチさんが来る予定だったんだよなあと思うと、ヒソカの努力に涙が……」
「(努力しなくても金さえあればいつでも予約できるんだけど、まあ面白いから放っておこ)」
次々提供される料理の数々に舌鼓を打ちつつ、今夜の本題についてさっそく聞いていくことにした。そう、コイバナである。
「それで、ヒソカはマチさんのどういうところが好きなの?」
「うーん、つれないところかなあ」
「ひゅうーっ!わかるわかる!いわゆるおもしれー女ってわけだね!いいよね、難攻不落の女性!ヒソカは変態だけど、たまに常識人なところあるからそっちに全振りすればいけると思うんだけどなあ」
「キミも変態部分を除けば普通の女性には見えるんじゃない?」
「へへへ変態ちゃうわ!!一緒にしないでくれます?!私はゴンくんがヒソカみたいな変態に狙われないか心配なだけで、邪な思いはこれっぽっちも抱いておりません!!」
イエスショタ、ノータッチの精神は常に忘れない。
そういえばゴンくん今何やってるかな。ふと意識をそっちへ持っていったら、ヒソカに頬を触られ、やんわりと正面を向かされる。
「他の男のこと、考えてたの?」
少し優しい声音に、ひゅっと息をのむ。これは、テクニックだ。イケメンにしかできない、女をコロっと落とすテクニックに違いない。負けんぞ、とつい睨み返したら、なぜかキョトンとされて、そのままクスクスと笑われてしまった。なんなんだちくしょう。
「ダメだよ、今の状態から見つめ返すのは」
「え?なんで?」
「それはもちろん、こうされてもオッケーって合図になるからさ」
そのまま顔を持ち上げられて、ヒソカの顔が近づいてきて。
―――タン、とテーブルにフォークが突き刺さった。
突然現れたフォークに驚いてヒソカから離れて、なんならテーブルからも飛びのいてしまったのだが、その体がスッと背後から受け止められる。
「大丈夫?」
「えっ、ま、マチさん?!」
バランスを崩した体を支えてくれたのは、ドレスアップしているマチさんだった。どうしてここに、と尋ねようとすると、もう一度タンっとフォークが刺さる音がする。見ると、ヒソカが再度突き付けられたフォークを避けているところだった。
「ちょっとここお店なんで暴れないで……いやクロロさんじゃん!!何やってんの?!」
マチさんと同じくドレスコードのお店に相応しいように黒スーツに高そうな生地の赤いコートを羽織る男は、クロロさんだった。持っていたフォークを下ろすと、にこやかにこちらへ向かってくる。
「奇遇だな」
「いやもうダウトダウト!こんなところで奇遇なことある?!」
「本当に偶然だよ。団長と二人でここに来たら、ユウキがいたから声かけようと思っただけだし」
「えっ、クロロさんとマチさんが、ここでディナー?」
「ちょうど隣の席が予約席だからね」
二人が並ぶ姿を見て、あまりにも美男美女で、思わずヒソカの肩をポンと叩きに行ってしまった。なんなのという訝しむ目をされたので、またも涙が出そうになる。
「ヒソカ、つらかったら言ってね。今日は私、夜通し話聞いてあげてもいいよ」
「急に優しいと気持ち悪いんだけど、一体キミの中でどんな解釈が生まれたのかな?」
「だってクロロさん相手は分が悪いよ!見てよあのかっこよさ!!そしてヒソカの誘いは断ったのにクロロさんのディナーには来てるマチさん!もうヒソカ、これは勝ち目がないよ、諦めよう」
「コイバナするとき絶対言っちゃだめなセリフでしょそれ。いいよ別に。今日は面白いものが見れたから」
「面白いもの?」
はて、何か面白いものはあっただろうか。夜景と、テーブルに刺さったフォークと……いやこれ、器物破損にならない?
「クロロさん、このフォークどうするの」
「あとで弁償しておくよ。それよりも、そいつは放っておいてこっちでマチと三人でディナーの続きをしよう」
「ええっ?!ダメだってそれは!さすがにデートの邪魔できないよ」
「それなら大丈夫だ、デートじゃないからな」
「そうだよ。ただの親睦会みたいなもの。いいからこっちおいで。そいつのところはやめときな」
「いやでもなあ。今日ヒソカの愚痴聞くつもりで来たからなあ。いてて」
どうやら驚いて飛び上がった時に、足を捻っていたらしい。マチさんがトイレで手当てすると言って私に肩を貸してくれたので、ヒソカとクロロさんの様子が気になったものの、ひとまず処置の方を優先することにした。
「偶然だなんてまた嘘ついちゃって。過保護すぎる兄は嫌われるよ」
「お前こそ、その気もないくせにユウキを引っ掻き回して遊ぶな」
「その気があればいいんだ?」
「死にたいのか?」
「ふふふ。それにしても、どうやってマチを誘ったんだい?ボクには全くなびいてくれないんだけど」
「普通に誘っただけだが」
「うわ、クロロってそういうところあるよね。まあいいよ。コイバナでユウキが釣れるってわかったし、次からユウキを誘っていくから。朝帰りさせるかもしれないけど、よろしくねお兄さん」
「よし、今殺す」
「いいね!今やろうか!」
「ただいまー!二人ともごめんね。マチさん処置うまくて驚いちゃった……何かやってた?」
「「いいや何も?」」
トイレから戻るとヒソカとクロロさんがお互い顔を合わせてにこやかに椅子に座っていた。いやめちゃくちゃ怖いな。絶対何かあったじゃん。
結局その日はテーブルを二つくっつけて、四人でディナーを食べて帰ることとなった。帰る時、足を捻っているということでクロロさんに横抱きされた時は悲鳴を上げそうになったが、ヒソカに「ボクがしてあげようか?」と言われたのは普通にお断りしておいた。怪しいし、なによりその話を振ってきたときのクロロさんの目が怖かったし。この自称兄、もしかしてヤンデレ属性持ちなのか?ちょっとときめくね!