★番外編
DREAM
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※誰も死んでないハッピー時空
※兄探し中
※ソシャゲの学園衣装妄想(イベント未参加なのでゲーム要素は多分ないです)
「ほんとにこんな学校に貴重な古書があんのかあ?」
ウボォーギンがそう言って校内をどかどか歩くので、声抑えてと注意する。
「一応情報としては精度が高いから、あるにはあるはずだよ。ただどこに保管されてるかまではわかんないけど」
「はー、オレは潜入するってのは向いてねえんだがな」
「まあまあ、似合ってるよ番長ルック」
「ん?そうか?そういやお前のそれはなんだ?他の奴と制服の色がちげえな」
「これは白ランっていって、生徒会用の白色の学生服だよ。オレは生徒会室担当だから」
シャルは白ランが似合いそうだから生徒会室を探ってくれと団長から渡されたそれを着て、廊下を歩く。
この学校は生徒数が世界一と言われるほどで、生徒も教師も全生徒を把握できない状態である。つまり、オレ達のような悪い奴がほいほい潜入できてしまうのだ。生徒会も人数が多いから難なく潜り込めた。
パクノダは保健室の教師を脅し……交渉して保健室担当として潜入している。マチとシズク、フェイタンは無難に生徒として潜入したが、フェイタンもウボォーと同タイプの総長スタイルだったなとふと思う。団長の趣味だろうか。
「や、二人とももうすぐ授業が始まるよ。一度くらいは受けておいたらどうだい?」
「げ、ヒソカ」
「ふふ、先生、でしょ?」
ニヤリと笑う男、ヒソカは面白がって数学教師の変装をしてこの学校に潜り込んでいた。無駄に完成度が高く、服装もおとなしめ、髪を下ろしてメガネまでかけている。
「お前勉強なんて教えられんのかよ」
「授業なんて、教科書を読んで生徒に答えさせるだけだよ。ボクの授業受けてみるかい?」
「遠慮しとく。オレ達は音楽室の方探しに行くから、教室は任せるね」
「そう、わかったよ。残念だなあ」
とても残念そうに聞こえない笑い方をしながら、ヒソカは教室へと入っていった。途端に生徒達、主に女子の色めきだった声が聞こえてくる。聞き耳を立てると、今日担当の教師が休んだから急遽研修中の自分が来たと無難な回答を返していた。ヒソカの方は大丈夫そうだな、とオレ達はその場を離れる。それにしても、あいつモテるタイプだったのか。なんか少し、イラっとするなあ。
結局音楽室にも生徒会室にも目当てのものはなかったが、途中会ったマチが怪しい教師五人組を見つけ、パクノダが窃盗団の男を捕まえて窃盗団のリーダーの顔をオレ達に共有し、フェイタンが拷問した結果、幻の古書は図書室にあることがわかった。おそらくリーダーの男もそこへ向かっているのだろう。
ウボォーはフェイタンが拷問した相手と窃盗団のリーダーを除いた三人を殴り飛ばしたからか注目を浴びてしまい、団長から電話でウボォーは撤退しろと指示があったので、オレとフェイタン、シズクの三人で図書室に向かっていた。
「シズクは図書室に着いたら本全部吸い取っちゃって。そしたら撤退して、アジトで本を吐き出してもらって捜索しよう」
「わかった」
「けどその目当てのもの、見てわかるか?いちいち探すのめんどうね」
「ウボォーが暴れちゃったからね、早めに撤退するのが先決。そういえば団長も潜入してるらしいけど、どこにいるんだろう?」
「そうだねえ。相変わらず隠れるのが上手なんだから、団長は」
気配なくオレ達の背後に立ち、語尾にハートをつけながら会話に入ってきたのは数学教師に扮したヒソカだ。授業は終わったらしい。
「さっきマチに会って状況を聞いたよ。探し物は図書室にあるんだってね?」
「マチはどうしたの?」
「団長から撤退の指示があったからパクノダと一緒に先に戻るってさ。で、ボクはこっちに加わるようにだって」
「てことは、残ってるのはオレ達だけってことか。なら、さっさと盗ってアジトに戻ろう」
頷くシズクとフェイタン、それから薄ら笑いを浮かべているヒソカを連れて、オレ達は図書室へ向かった。そこまでは、よかった。
図書室に入って、シズクに本を全部吸い取ってもらって撤退。それが流れだったのだけど。
「お前あいつらの仲間だな?!その本を返せ!!」
「いや、ちょっ、これは私が貰った本なんだけど?!ていうかどなたです?!学校の人じゃないよね?!」
「お前こそこの学校の奴じゃねえだろ!!」
「そうだけど一応許可もらって入ってるからね?!そもそも、あいつらって誰の話して……わきゃああ?!」
無駄に広い図書室の二階のキャットウォークから、聞き覚えのある声がパクノダから見せてもらったリーダーの男に迫られているのが見えた。男は彼女、ユウキの腕の中の古書を奪おうとにじり寄っていた。どうして彼女がここに、なんて思っている間に、男から逃れようとユウキが後退り、手すりに背中をぶつけてしまった。そのままの勢いで、体が手すりを乗り越えてしまう。ユウキが、二階から落ちていく。
やばい、と駆け出そうとしたオレより早く、どこに潜んでいたのか誰よりも早くユウキの元へ辿り着き一階で落ちてきた彼女を見事にキャッチした男がいた。まあ、言わずもがな、団長である。
「おうふっ!!……あれ、し、死んでない?」
「大丈夫だったか?」
「フゴフッ!!く、クロロさん?!いやどこでも会うね?!神出鬼没なの?!」
「ふ、元気そうだな。よかった。……ヒソカ」
「こっちは問題ないよ。のんびり兄妹団欒してて」
見れば、二階からヒソカがヒラヒラと手を振っている。フェイタンもすでに二階にいるから、窃盗団のリーダーは捕まえてユウキから見えないように転ばされているのかもしれない。殺していないことから、団長はそいつの能力を盗む気なのだろう。
そう状況分析をしている間に、シズクは団長に横抱きされているユウキへ駆け寄ると、怪我してないかと尋ねている。大丈夫と答えたユウキは、ようやくオレ達の格好に気がついたらしく目を輝かせた。
「わ、シズクさん制服だーっ!めちゃくちゃ可愛いーっ!!よく見たらシャルナークさんも制服着てる!!かっこいーっ!!」
「ユウキ、ボクはどうだい?」
「ぎゃーっ!!まさかヒソカ?!うっそだーっ!!そんなイケメンメガネ教師モテまくりじゃん!!」
「……」
「あっフェイタンさん!わーっ総長ルックだ!!めちゃくちゃ似合う!!かっこいい!!」
「ふん、どうでもいいね」
とか言ってるけど、ヒソカが褒められた後無言で出てきたのはユウキからの感想を聞きたかったからだろうな。
一通り感想を言い終えると、ユウキはハッと表情を変え、自身を抱えたままの団長へ向き直った。
「お礼言ってなかった!助けてくれてありがとクロロさん!……んええええ?!クロロさん、学生服着てる?!」
「似合うか?」
「似合う!かっこいい!……ただ、なんだろ……学生服より教師の方が似合いそうだから、意外性の方が強いかも」
「……そうか」
「わーっ!しょんぼりしないでえええ!!いやいや十分かっこいいからね?!こらああ二階のヒソカーっ!笑うのやめろーっ!!」
あの後、男はどうしたのかとユウキに聞かれたので、この学校に忍び込んだ窃盗団だから警察に突き出したよと言ったら何の疑いもなく信じてくれた。
「みんなは学校関係者の演技しながら悪い奴を探して捕まえたんだね!すごいなぁ!」
「ユウキはどうして学校にいたの?」
「私はねー、昨日困ってる人がいたから助けたら、この学校の校長先生だったらしくて、お礼がしたいって言われて来たんだ。とんでもなく高そうなもの渡されそうになったから、いやそれは受け取れないって断ったら校長先生凹んじゃって。なら、図書室の本を一冊貰っていいかってお願いして、選んでたらさっきの男に襲われたんだよね」
話を聞く度に思うが、彼女は本当に善人だし、レア物を引き当てる才能がある。彼女がよく言うトレジャーハンターの素質は本当にあると思う。実際、彼女が選んだ本は幻の古書。オレ達が狙っていたお宝なのだから。
図書室を出て、学校を出ようと校門へ向かって歩く中、ユウキは腕の中に抱えていた本をじっと見つめた後、隣を歩く団長へそれを向けた。案の定、団長がきょとんとしている。
「クロロさん、これあげる」
「どうしてオレに?」
「うーん、最初は好きな本探してたんだけど、途中からクロロさんが読みたい本あるかなーって探しててさ。クロロさん、よく古書読んでるから好きなのかなって思って見つけたのがこれなんだよね。さっき助けてもらったし、いつも気にかけてもらってるから、日頃のお礼も込めてプレゼント!いつもありがとう、クロロさん!」
「……オレの妹が今日も可愛い」
「何を言い出してるの?!あと妹じゃないよ!!」
うっと目元を押さえながら、団長が震えている。感極まっているようだ。
渡された本を団長が丁寧に鞄へしまう様子を見届けると、ユウキはまたハッと表情を変えて今度は後ろを歩いていたヒソカの方へ駆け寄っていった。少し怪訝な顔になる団長と、相変わらず読めない笑みを浮かべてユウキを見下ろすヒソカ。変装したままのヒソカをじっと見つめて、ユウキがううーんと悩ましい声を上げた。
「なーんか、今のヒソカ見てるとムズムズするんだよなぁ。なんだろ、メガネ?髪型?それともその組み合わせ?ううーん、なんだろうなー」
「つまりボクに見惚れたってこと?」
「違うけど?!」
「団長、妹さんから求婚されたんだけど、式には来てくれるかい?」
「してないし式もあげないけど?!」
「ユウキは一生嫁には出さないから式にも出る予定はない」
「こっちもこっちでいつものやつ!!」
からかうためだろうけど、求婚に応じるようなヒソカの言い回しに少しイラッとしてしまう。それは団長も同じなようで、ユウキを引き寄せてさっさと前を歩き出した。
その様子を見てくっくっと笑うヒソカにフェイタンが睨みを効かせる。
「ふざけるのも大概にするね、ヒソカ」
「ふふ、怖い怖い」
相変わらず読めない笑みを浮かべたまま、ヒソカは団長達の後ろをついていく。ユウキは団長とヒソカを振り返った後、困った顔でオレ達の方に助けを求めてきたが、正直今してあげられることはない。がんばれ、と口パクしたら、薄情者!と口パクで返された。
ちなみに、この後幻の古書は団長のお気に入りとして、手放すことなく大切に保管されている。
※兄探し中
※ソシャゲの学園衣装妄想(イベント未参加なのでゲーム要素は多分ないです)
「ほんとにこんな学校に貴重な古書があんのかあ?」
ウボォーギンがそう言って校内をどかどか歩くので、声抑えてと注意する。
「一応情報としては精度が高いから、あるにはあるはずだよ。ただどこに保管されてるかまではわかんないけど」
「はー、オレは潜入するってのは向いてねえんだがな」
「まあまあ、似合ってるよ番長ルック」
「ん?そうか?そういやお前のそれはなんだ?他の奴と制服の色がちげえな」
「これは白ランっていって、生徒会用の白色の学生服だよ。オレは生徒会室担当だから」
シャルは白ランが似合いそうだから生徒会室を探ってくれと団長から渡されたそれを着て、廊下を歩く。
この学校は生徒数が世界一と言われるほどで、生徒も教師も全生徒を把握できない状態である。つまり、オレ達のような悪い奴がほいほい潜入できてしまうのだ。生徒会も人数が多いから難なく潜り込めた。
パクノダは保健室の教師を脅し……交渉して保健室担当として潜入している。マチとシズク、フェイタンは無難に生徒として潜入したが、フェイタンもウボォーと同タイプの総長スタイルだったなとふと思う。団長の趣味だろうか。
「や、二人とももうすぐ授業が始まるよ。一度くらいは受けておいたらどうだい?」
「げ、ヒソカ」
「ふふ、先生、でしょ?」
ニヤリと笑う男、ヒソカは面白がって数学教師の変装をしてこの学校に潜り込んでいた。無駄に完成度が高く、服装もおとなしめ、髪を下ろしてメガネまでかけている。
「お前勉強なんて教えられんのかよ」
「授業なんて、教科書を読んで生徒に答えさせるだけだよ。ボクの授業受けてみるかい?」
「遠慮しとく。オレ達は音楽室の方探しに行くから、教室は任せるね」
「そう、わかったよ。残念だなあ」
とても残念そうに聞こえない笑い方をしながら、ヒソカは教室へと入っていった。途端に生徒達、主に女子の色めきだった声が聞こえてくる。聞き耳を立てると、今日担当の教師が休んだから急遽研修中の自分が来たと無難な回答を返していた。ヒソカの方は大丈夫そうだな、とオレ達はその場を離れる。それにしても、あいつモテるタイプだったのか。なんか少し、イラっとするなあ。
結局音楽室にも生徒会室にも目当てのものはなかったが、途中会ったマチが怪しい教師五人組を見つけ、パクノダが窃盗団の男を捕まえて窃盗団のリーダーの顔をオレ達に共有し、フェイタンが拷問した結果、幻の古書は図書室にあることがわかった。おそらくリーダーの男もそこへ向かっているのだろう。
ウボォーはフェイタンが拷問した相手と窃盗団のリーダーを除いた三人を殴り飛ばしたからか注目を浴びてしまい、団長から電話でウボォーは撤退しろと指示があったので、オレとフェイタン、シズクの三人で図書室に向かっていた。
「シズクは図書室に着いたら本全部吸い取っちゃって。そしたら撤退して、アジトで本を吐き出してもらって捜索しよう」
「わかった」
「けどその目当てのもの、見てわかるか?いちいち探すのめんどうね」
「ウボォーが暴れちゃったからね、早めに撤退するのが先決。そういえば団長も潜入してるらしいけど、どこにいるんだろう?」
「そうだねえ。相変わらず隠れるのが上手なんだから、団長は」
気配なくオレ達の背後に立ち、語尾にハートをつけながら会話に入ってきたのは数学教師に扮したヒソカだ。授業は終わったらしい。
「さっきマチに会って状況を聞いたよ。探し物は図書室にあるんだってね?」
「マチはどうしたの?」
「団長から撤退の指示があったからパクノダと一緒に先に戻るってさ。で、ボクはこっちに加わるようにだって」
「てことは、残ってるのはオレ達だけってことか。なら、さっさと盗ってアジトに戻ろう」
頷くシズクとフェイタン、それから薄ら笑いを浮かべているヒソカを連れて、オレ達は図書室へ向かった。そこまでは、よかった。
図書室に入って、シズクに本を全部吸い取ってもらって撤退。それが流れだったのだけど。
「お前あいつらの仲間だな?!その本を返せ!!」
「いや、ちょっ、これは私が貰った本なんだけど?!ていうかどなたです?!学校の人じゃないよね?!」
「お前こそこの学校の奴じゃねえだろ!!」
「そうだけど一応許可もらって入ってるからね?!そもそも、あいつらって誰の話して……わきゃああ?!」
無駄に広い図書室の二階のキャットウォークから、聞き覚えのある声がパクノダから見せてもらったリーダーの男に迫られているのが見えた。男は彼女、ユウキの腕の中の古書を奪おうとにじり寄っていた。どうして彼女がここに、なんて思っている間に、男から逃れようとユウキが後退り、手すりに背中をぶつけてしまった。そのままの勢いで、体が手すりを乗り越えてしまう。ユウキが、二階から落ちていく。
やばい、と駆け出そうとしたオレより早く、どこに潜んでいたのか誰よりも早くユウキの元へ辿り着き一階で落ちてきた彼女を見事にキャッチした男がいた。まあ、言わずもがな、団長である。
「おうふっ!!……あれ、し、死んでない?」
「大丈夫だったか?」
「フゴフッ!!く、クロロさん?!いやどこでも会うね?!神出鬼没なの?!」
「ふ、元気そうだな。よかった。……ヒソカ」
「こっちは問題ないよ。のんびり兄妹団欒してて」
見れば、二階からヒソカがヒラヒラと手を振っている。フェイタンもすでに二階にいるから、窃盗団のリーダーは捕まえてユウキから見えないように転ばされているのかもしれない。殺していないことから、団長はそいつの能力を盗む気なのだろう。
そう状況分析をしている間に、シズクは団長に横抱きされているユウキへ駆け寄ると、怪我してないかと尋ねている。大丈夫と答えたユウキは、ようやくオレ達の格好に気がついたらしく目を輝かせた。
「わ、シズクさん制服だーっ!めちゃくちゃ可愛いーっ!!よく見たらシャルナークさんも制服着てる!!かっこいーっ!!」
「ユウキ、ボクはどうだい?」
「ぎゃーっ!!まさかヒソカ?!うっそだーっ!!そんなイケメンメガネ教師モテまくりじゃん!!」
「……」
「あっフェイタンさん!わーっ総長ルックだ!!めちゃくちゃ似合う!!かっこいい!!」
「ふん、どうでもいいね」
とか言ってるけど、ヒソカが褒められた後無言で出てきたのはユウキからの感想を聞きたかったからだろうな。
一通り感想を言い終えると、ユウキはハッと表情を変え、自身を抱えたままの団長へ向き直った。
「お礼言ってなかった!助けてくれてありがとクロロさん!……んええええ?!クロロさん、学生服着てる?!」
「似合うか?」
「似合う!かっこいい!……ただ、なんだろ……学生服より教師の方が似合いそうだから、意外性の方が強いかも」
「……そうか」
「わーっ!しょんぼりしないでえええ!!いやいや十分かっこいいからね?!こらああ二階のヒソカーっ!笑うのやめろーっ!!」
あの後、男はどうしたのかとユウキに聞かれたので、この学校に忍び込んだ窃盗団だから警察に突き出したよと言ったら何の疑いもなく信じてくれた。
「みんなは学校関係者の演技しながら悪い奴を探して捕まえたんだね!すごいなぁ!」
「ユウキはどうして学校にいたの?」
「私はねー、昨日困ってる人がいたから助けたら、この学校の校長先生だったらしくて、お礼がしたいって言われて来たんだ。とんでもなく高そうなもの渡されそうになったから、いやそれは受け取れないって断ったら校長先生凹んじゃって。なら、図書室の本を一冊貰っていいかってお願いして、選んでたらさっきの男に襲われたんだよね」
話を聞く度に思うが、彼女は本当に善人だし、レア物を引き当てる才能がある。彼女がよく言うトレジャーハンターの素質は本当にあると思う。実際、彼女が選んだ本は幻の古書。オレ達が狙っていたお宝なのだから。
図書室を出て、学校を出ようと校門へ向かって歩く中、ユウキは腕の中に抱えていた本をじっと見つめた後、隣を歩く団長へそれを向けた。案の定、団長がきょとんとしている。
「クロロさん、これあげる」
「どうしてオレに?」
「うーん、最初は好きな本探してたんだけど、途中からクロロさんが読みたい本あるかなーって探しててさ。クロロさん、よく古書読んでるから好きなのかなって思って見つけたのがこれなんだよね。さっき助けてもらったし、いつも気にかけてもらってるから、日頃のお礼も込めてプレゼント!いつもありがとう、クロロさん!」
「……オレの妹が今日も可愛い」
「何を言い出してるの?!あと妹じゃないよ!!」
うっと目元を押さえながら、団長が震えている。感極まっているようだ。
渡された本を団長が丁寧に鞄へしまう様子を見届けると、ユウキはまたハッと表情を変えて今度は後ろを歩いていたヒソカの方へ駆け寄っていった。少し怪訝な顔になる団長と、相変わらず読めない笑みを浮かべてユウキを見下ろすヒソカ。変装したままのヒソカをじっと見つめて、ユウキがううーんと悩ましい声を上げた。
「なーんか、今のヒソカ見てるとムズムズするんだよなぁ。なんだろ、メガネ?髪型?それともその組み合わせ?ううーん、なんだろうなー」
「つまりボクに見惚れたってこと?」
「違うけど?!」
「団長、妹さんから求婚されたんだけど、式には来てくれるかい?」
「してないし式もあげないけど?!」
「ユウキは一生嫁には出さないから式にも出る予定はない」
「こっちもこっちでいつものやつ!!」
からかうためだろうけど、求婚に応じるようなヒソカの言い回しに少しイラッとしてしまう。それは団長も同じなようで、ユウキを引き寄せてさっさと前を歩き出した。
その様子を見てくっくっと笑うヒソカにフェイタンが睨みを効かせる。
「ふざけるのも大概にするね、ヒソカ」
「ふふ、怖い怖い」
相変わらず読めない笑みを浮かべたまま、ヒソカは団長達の後ろをついていく。ユウキは団長とヒソカを振り返った後、困った顔でオレ達の方に助けを求めてきたが、正直今してあげられることはない。がんばれ、と口パクしたら、薄情者!と口パクで返された。
ちなみに、この後幻の古書は団長のお気に入りとして、手放すことなく大切に保管されている。