★番外編
DREAM
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※誰も死んでないハッピー時空
※兄探し中
花見に行くぞ、と団長が言ったので、慈善事業を行いながら花見に来ました、シャルナークです。とりあえず集まれるメンバーで、ということで言い出しっぺの団長にフィンクス、フェイタン、シズク、パクノダ、オレことシャルナークを含めた六人で花見をすることになったのだ。
団長に指定された場所へ五人集まって向かう中、フィンクスがすでに花見をしている人達をじろじろと眺めていた。
「花見って何すんだよ」
「花を見ながらお酒を楽しんだり食事をするのが定番ね」
「今回は団長直々に場所取りしたらしいから、どんな絶景なのか楽しみだなあ」
「そういえば、団長珍しくユウキを呼んでないね」
「もう連れてきてるとかじゃないか?ん、ユウキから電話ね」
さりげなくユウキと仲が良いフェイは、慣れた仕草でユウキからの電話を受けている。全員で聞き耳を立てると、電話の向こうからいつもの明るいユウキの声ではなく、どこか焦った声が聞こえてきた。
『フェイタンさん!急に電話かけてごめんね!そっちにクロロさんいる?!』
「いや、いないね。これから集まるところよ。何かあたか?」
『それがさっき電話してたんだけど、花見に誘われてオッケーって答えようと思ってたら、携帯の充電が切れかけてて、思わず私「やばい、死ぬ。もう電話できない。ごめん」って死ぬ直前みたいなセリフ言って充電落ちちゃったんだよおおお!!今近くで花見してた人に充電器借りて、クロロさんに電話掛け直したんだけどでないし、それで花見のメンバーって名前でてたフェイタンさんにかけたってわけなんだけど!!』
うわーどうしよー!!とユウキが慌てているが、オレ達は少し面白くて笑ってしまっていた。団長、ユウキが死にかけてると思って探しているのだろうか。
「とりあえず団長に電話はかけ続けておくといいね。こちで合流したら連絡するよ」
『うわぁんありがとおお!!それじゃまた!!ってうわー?!クロロさん?!わーっやめてーっ!!その人充電器貸してくれた良い人だから締め上げるのやめてーっ!!』
「なんだなんだ、向こうめちゃくちゃ面白えことになってんな」
「団長、すっかり心配性のお兄さんになってるねー」
「ま、団長もユウキと無事合流できたことだし、オレ達は花見の準備始めておきますか」
「(無事にだたか……?)」
「(無事にじゃないと思うわ……)」
それからしばらくして。
「大変お騒がせしました」
ようやくやってきたユウキは、オレ達のところへやってくるなりぺこりと頭を下げた。いいって、とフィンクスが言うと、顔を上げるも申し訳なさそうな顔をしている。
「充電を切らさない、紛らわしいことを言わない、とクロロさんに誓いましたので……」
「というわけだ。さ、花見を始めようか」
わあ良い笑顔。ここに来るまでに兄さんぶって説教とかしたんだろうなぁ。
しかし団長が場所取りしていた公園の一角で、シートを広げている時もまだめそっと凹んでいるものだから、パクノダがおいでと手招きして呼んでいた。
「ほら、ユウキ。もう気にしなくていいからお弁当開けるの手伝ってちょうだい」
「はーい……わぁ!すっごく美味しそう!これパクノダさんが作ったの?!」
「ええ。男共に味見させてるから味は保証するわよ」
「そうなんだ!ううーんおいしそーっ!!早く食べたい!!こっちに広げるね!」
「ふふ、お願いね」
すっかりいつものユウキに戻った姿を見て、団長が相変わらず後方兄貴面で微笑んでいるので放っておいたのだが、ここでシズクから爆弾が投下される。
「なんだかパクとユウキ、姉妹みたいだね。いいなー。私も混ぜてー」
「!!」
パタパタと二人の手伝いに向かうシズクを見ながら団長が衝撃を受けた顔になる。面白。おそるおそると、団長がオレの方を向く。
「なぁシャル。オレとユウキ、兄妹に見え」
「今のところは見えないかなぁ」
「……染めるか?」
「やめろやめろ。パクとユウキだって髪色一緒じゃねえだろうが。雰囲気もっと意識しろっつうことだよ」
「こんなに愛でているのに他に何が……やはりオレ以外に目を向けないようにするしか」
「これ過保護兄のカテゴリでいいのか?」
「いやどう考えても違うでしょ。束縛彼氏だよ」
「どちにしろアウトね」
さすが団長が場所取りをしただけのことはある。サクラと呼ばれる広葉樹が咲き誇っている様が広々とした空間で楽しめた。
サクラを背景に雑談しながら弁当を食べた後、フィンクスとフェイタンは登れそうだといって木登りしてしまいパク達が呆れていたが、ユウキも登ろうとして団長に危ないからダメだと止められていたのは少し笑った。
「一人の時は当たり前でやってるから平気なんだけど!」
「なら一人の時もダメだ」
「ええ?!」
さっきは見えないと言ったが、こうしていると二人は兄と妹のように見えるとオレ達みんな思っている。
団長は気に入ったものをしばらく側に置いて愛でる事があるが、今回は気にいるどころか家族認定までして一生側におこうとしている。パクとマチから団長が兄を自称し始めたと聞いた時は正気を疑ったものだが、もう疑いようはない。
団長は、ユウキが大切だ。旅団の団長としてではなく、クロロとして大切に思っている。
(なんでかなー、少しモヤッとするんだよなぁー)
それは我らが団長がユウキに盗られていると感じるからか、それともその逆なのか。もしその逆なのだとしたら、こんな怖い自称兄になんて言って譲り受けようか。
(……あー、いや、そんなこと考える時点で、逆の方の感情ってことか)
「シャルナークさん?どしたの?」
兄妹のような二人のやり取りを、座ってぼんやり眺めていたらいつの間にかこちらの顔をユウキが覗き込んでいる。これが敵の念能力者相手だったら、オレ死んでたななんて自嘲した。
「んー、何でもないよ。なんでユウキは団長のこと兄さんって呼んでやらないのかなーとか」
「いやだって、兄じゃないし?!」
「でもさ、兄じゃなかったら付き合ったり結婚とか出来ちゃうんだよ?団長とはそっちの関係の方がいいってことだったりする?」
「んええ?!いやクロロさんは友達だからね?!それにそういうのはちゃんと然るべき相手とおいおい成っていくものだと思うし……クロロさんのタキシードめちゃくちゃカッコ良いだろうな……結婚するときは式には呼んで欲しい……」
「オレはユウキといるから結婚はしないしお前も嫁には一生出さないから安心してくれ」
「安心できる要素どこ?!この自称兄重いよ!!」
ふーん、友達なんだ。ふーん。
「おい見ろよフェイタン、あいつニヤニヤしてやがんぞ」
「やらしい目してるね。草食に見えて肉食獣よあいつ」
外野はうるさいけど、少し気分が浮上したオレは立ち上がってユウキの頭についているサクラの花びらを取ってあげた。不意に頭を触られたからか、ユウキがびくりと震えて驚いた顔でオレを見上げている。うん、可愛いな。
「花びらついてたよ」
「あ、ありがとう!えへへ、シャルナークさんイケメンだから、少し照れちゃった。そうやって女の子を落とすんだなぁ!いや待って、これ無意識だとしたら女の子達が弄ばれるのでは?!今後気をつけないとダメだよ!」
「じゃあユウキにしかしないことにする」
「いやそこまで気にしなくてもいいんだけどね!!あ、シャルナークさんも花びらついてる」
よっ、と言いながらユウキがオレの頭についた花びらを取ってくれる。こうやっていきなり距離感を縮めてくるから、団長も気が気じゃないんだろうな。今も視線が怖いし。いや、めちゃくちゃ怖い顔してるな団長!
自称兄が嫉妬の目でオレを見ていることに気付いていないユウキは、あっと背後の団長を見上げた。
「クロロさんも頭に花びらがついてるよ」
「そうか?どこだ?」
「取ってあげるから動かないでね」
「ああ、頼むよ」
いやニッコニコ。めちゃくちゃ良い笑顔。どこについてるかなんてわかってるくせに惚けて取ってもらってニッコニコだよこの団長。
「いやーでもほんと、お花見誘ってくれてありがとね、クロロさん。サクラってジャポンでは春の定番の花でさ、久しぶりに見れて嬉しかった!」
「そう言ってもらえると誘った甲斐があるな」
「へへ!そういえばね、サクラの花言葉はジャポンと外国じゃ少し違ったりするんだよ。文化の違いって面白いよね」
そう言ってユウキはサクラの木を見上げる。風に吹かれて舞うサクラの花びらの中で、ユウキの姿がどこか儚く見えてしまった。花に攫われそうだ、なんて、突飛な想像が頭を過ぎる。
「どんな花言葉なの?」
「ジャポンでは優美とか純潔なんだけど、外国では私を忘れないで、って言われてるんだ。サクラの美しさを淑やかな女性に例えたって本で読んだよ。けどサクラは短い期間しか咲き誇ることができないから、外国の人達には寂しく見えたのかもしれないね」
シズクが問うと、ユウキは少し得意げに花言葉を教えてくれた。
たしかにこんなにも綺麗な時間が短いなんて、寂しいかもしれない。綺麗な時しか、人々は見にこない。気にもかけない。それは、きっと寂しいだろう。ユウキは、きっと自分を重ねているのだろうと寂しそうな表情でわかった。
「来年もさ、また誘ってくれたら嬉しいな」
「来年と言わず、何度でも誘うから安心しろ」
「!……へへっ!そっか!楽しみにしてるね!」
照れたように笑うユウキの頭を撫でる団長は、本当の兄のように見えたのだ。
「あ、そうだ。ミルキくんにサクラの写真送ってあげよ。自撮り自撮りっと」
「待て。男に自撮りの写真を送るなんてその気があると勘違いされてしまうだろ。送るならオレとの写真にしておけ」
「こら団長」
「立場立場」
何のとは言わないが、フィンクスとパクノダが写真に映ろうとする団長を止めに行くとユウキが「そっか、クロロさん団長さんだもんね!有名人がほいほい写真映っちゃだめだよ!」とツーショットのお断りをした。団長がしょんぼりしていて少しかわいそうだなぁと思いつつ、いやしっかりしろ幻影旅団団長と心の中で突っ込んだ。
※兄探し中
花見に行くぞ、と団長が言ったので、慈善事業を行いながら花見に来ました、シャルナークです。とりあえず集まれるメンバーで、ということで言い出しっぺの団長にフィンクス、フェイタン、シズク、パクノダ、オレことシャルナークを含めた六人で花見をすることになったのだ。
団長に指定された場所へ五人集まって向かう中、フィンクスがすでに花見をしている人達をじろじろと眺めていた。
「花見って何すんだよ」
「花を見ながらお酒を楽しんだり食事をするのが定番ね」
「今回は団長直々に場所取りしたらしいから、どんな絶景なのか楽しみだなあ」
「そういえば、団長珍しくユウキを呼んでないね」
「もう連れてきてるとかじゃないか?ん、ユウキから電話ね」
さりげなくユウキと仲が良いフェイは、慣れた仕草でユウキからの電話を受けている。全員で聞き耳を立てると、電話の向こうからいつもの明るいユウキの声ではなく、どこか焦った声が聞こえてきた。
『フェイタンさん!急に電話かけてごめんね!そっちにクロロさんいる?!』
「いや、いないね。これから集まるところよ。何かあたか?」
『それがさっき電話してたんだけど、花見に誘われてオッケーって答えようと思ってたら、携帯の充電が切れかけてて、思わず私「やばい、死ぬ。もう電話できない。ごめん」って死ぬ直前みたいなセリフ言って充電落ちちゃったんだよおおお!!今近くで花見してた人に充電器借りて、クロロさんに電話掛け直したんだけどでないし、それで花見のメンバーって名前でてたフェイタンさんにかけたってわけなんだけど!!』
うわーどうしよー!!とユウキが慌てているが、オレ達は少し面白くて笑ってしまっていた。団長、ユウキが死にかけてると思って探しているのだろうか。
「とりあえず団長に電話はかけ続けておくといいね。こちで合流したら連絡するよ」
『うわぁんありがとおお!!それじゃまた!!ってうわー?!クロロさん?!わーっやめてーっ!!その人充電器貸してくれた良い人だから締め上げるのやめてーっ!!』
「なんだなんだ、向こうめちゃくちゃ面白えことになってんな」
「団長、すっかり心配性のお兄さんになってるねー」
「ま、団長もユウキと無事合流できたことだし、オレ達は花見の準備始めておきますか」
「(無事にだたか……?)」
「(無事にじゃないと思うわ……)」
それからしばらくして。
「大変お騒がせしました」
ようやくやってきたユウキは、オレ達のところへやってくるなりぺこりと頭を下げた。いいって、とフィンクスが言うと、顔を上げるも申し訳なさそうな顔をしている。
「充電を切らさない、紛らわしいことを言わない、とクロロさんに誓いましたので……」
「というわけだ。さ、花見を始めようか」
わあ良い笑顔。ここに来るまでに兄さんぶって説教とかしたんだろうなぁ。
しかし団長が場所取りしていた公園の一角で、シートを広げている時もまだめそっと凹んでいるものだから、パクノダがおいでと手招きして呼んでいた。
「ほら、ユウキ。もう気にしなくていいからお弁当開けるの手伝ってちょうだい」
「はーい……わぁ!すっごく美味しそう!これパクノダさんが作ったの?!」
「ええ。男共に味見させてるから味は保証するわよ」
「そうなんだ!ううーんおいしそーっ!!早く食べたい!!こっちに広げるね!」
「ふふ、お願いね」
すっかりいつものユウキに戻った姿を見て、団長が相変わらず後方兄貴面で微笑んでいるので放っておいたのだが、ここでシズクから爆弾が投下される。
「なんだかパクとユウキ、姉妹みたいだね。いいなー。私も混ぜてー」
「!!」
パタパタと二人の手伝いに向かうシズクを見ながら団長が衝撃を受けた顔になる。面白。おそるおそると、団長がオレの方を向く。
「なぁシャル。オレとユウキ、兄妹に見え」
「今のところは見えないかなぁ」
「……染めるか?」
「やめろやめろ。パクとユウキだって髪色一緒じゃねえだろうが。雰囲気もっと意識しろっつうことだよ」
「こんなに愛でているのに他に何が……やはりオレ以外に目を向けないようにするしか」
「これ過保護兄のカテゴリでいいのか?」
「いやどう考えても違うでしょ。束縛彼氏だよ」
「どちにしろアウトね」
さすが団長が場所取りをしただけのことはある。サクラと呼ばれる広葉樹が咲き誇っている様が広々とした空間で楽しめた。
サクラを背景に雑談しながら弁当を食べた後、フィンクスとフェイタンは登れそうだといって木登りしてしまいパク達が呆れていたが、ユウキも登ろうとして団長に危ないからダメだと止められていたのは少し笑った。
「一人の時は当たり前でやってるから平気なんだけど!」
「なら一人の時もダメだ」
「ええ?!」
さっきは見えないと言ったが、こうしていると二人は兄と妹のように見えるとオレ達みんな思っている。
団長は気に入ったものをしばらく側に置いて愛でる事があるが、今回は気にいるどころか家族認定までして一生側におこうとしている。パクとマチから団長が兄を自称し始めたと聞いた時は正気を疑ったものだが、もう疑いようはない。
団長は、ユウキが大切だ。旅団の団長としてではなく、クロロとして大切に思っている。
(なんでかなー、少しモヤッとするんだよなぁー)
それは我らが団長がユウキに盗られていると感じるからか、それともその逆なのか。もしその逆なのだとしたら、こんな怖い自称兄になんて言って譲り受けようか。
(……あー、いや、そんなこと考える時点で、逆の方の感情ってことか)
「シャルナークさん?どしたの?」
兄妹のような二人のやり取りを、座ってぼんやり眺めていたらいつの間にかこちらの顔をユウキが覗き込んでいる。これが敵の念能力者相手だったら、オレ死んでたななんて自嘲した。
「んー、何でもないよ。なんでユウキは団長のこと兄さんって呼んでやらないのかなーとか」
「いやだって、兄じゃないし?!」
「でもさ、兄じゃなかったら付き合ったり結婚とか出来ちゃうんだよ?団長とはそっちの関係の方がいいってことだったりする?」
「んええ?!いやクロロさんは友達だからね?!それにそういうのはちゃんと然るべき相手とおいおい成っていくものだと思うし……クロロさんのタキシードめちゃくちゃカッコ良いだろうな……結婚するときは式には呼んで欲しい……」
「オレはユウキといるから結婚はしないしお前も嫁には一生出さないから安心してくれ」
「安心できる要素どこ?!この自称兄重いよ!!」
ふーん、友達なんだ。ふーん。
「おい見ろよフェイタン、あいつニヤニヤしてやがんぞ」
「やらしい目してるね。草食に見えて肉食獣よあいつ」
外野はうるさいけど、少し気分が浮上したオレは立ち上がってユウキの頭についているサクラの花びらを取ってあげた。不意に頭を触られたからか、ユウキがびくりと震えて驚いた顔でオレを見上げている。うん、可愛いな。
「花びらついてたよ」
「あ、ありがとう!えへへ、シャルナークさんイケメンだから、少し照れちゃった。そうやって女の子を落とすんだなぁ!いや待って、これ無意識だとしたら女の子達が弄ばれるのでは?!今後気をつけないとダメだよ!」
「じゃあユウキにしかしないことにする」
「いやそこまで気にしなくてもいいんだけどね!!あ、シャルナークさんも花びらついてる」
よっ、と言いながらユウキがオレの頭についた花びらを取ってくれる。こうやっていきなり距離感を縮めてくるから、団長も気が気じゃないんだろうな。今も視線が怖いし。いや、めちゃくちゃ怖い顔してるな団長!
自称兄が嫉妬の目でオレを見ていることに気付いていないユウキは、あっと背後の団長を見上げた。
「クロロさんも頭に花びらがついてるよ」
「そうか?どこだ?」
「取ってあげるから動かないでね」
「ああ、頼むよ」
いやニッコニコ。めちゃくちゃ良い笑顔。どこについてるかなんてわかってるくせに惚けて取ってもらってニッコニコだよこの団長。
「いやーでもほんと、お花見誘ってくれてありがとね、クロロさん。サクラってジャポンでは春の定番の花でさ、久しぶりに見れて嬉しかった!」
「そう言ってもらえると誘った甲斐があるな」
「へへ!そういえばね、サクラの花言葉はジャポンと外国じゃ少し違ったりするんだよ。文化の違いって面白いよね」
そう言ってユウキはサクラの木を見上げる。風に吹かれて舞うサクラの花びらの中で、ユウキの姿がどこか儚く見えてしまった。花に攫われそうだ、なんて、突飛な想像が頭を過ぎる。
「どんな花言葉なの?」
「ジャポンでは優美とか純潔なんだけど、外国では私を忘れないで、って言われてるんだ。サクラの美しさを淑やかな女性に例えたって本で読んだよ。けどサクラは短い期間しか咲き誇ることができないから、外国の人達には寂しく見えたのかもしれないね」
シズクが問うと、ユウキは少し得意げに花言葉を教えてくれた。
たしかにこんなにも綺麗な時間が短いなんて、寂しいかもしれない。綺麗な時しか、人々は見にこない。気にもかけない。それは、きっと寂しいだろう。ユウキは、きっと自分を重ねているのだろうと寂しそうな表情でわかった。
「来年もさ、また誘ってくれたら嬉しいな」
「来年と言わず、何度でも誘うから安心しろ」
「!……へへっ!そっか!楽しみにしてるね!」
照れたように笑うユウキの頭を撫でる団長は、本当の兄のように見えたのだ。
「あ、そうだ。ミルキくんにサクラの写真送ってあげよ。自撮り自撮りっと」
「待て。男に自撮りの写真を送るなんてその気があると勘違いされてしまうだろ。送るならオレとの写真にしておけ」
「こら団長」
「立場立場」
何のとは言わないが、フィンクスとパクノダが写真に映ろうとする団長を止めに行くとユウキが「そっか、クロロさん団長さんだもんね!有名人がほいほい写真映っちゃだめだよ!」とツーショットのお断りをした。団長がしょんぼりしていて少しかわいそうだなぁと思いつつ、いやしっかりしろ幻影旅団団長と心の中で突っ込んだ。