迷子のレクイエム(狩人)
DREAM
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よくわからないまま、アイジエン大陸のとある空港へやってきました。
昨日からいろんなことが起きすぎている気がする。気が付いたら断崖絶壁で寝転んでいたし、次に目を覚ましたら知らない島にいて、所有者らしい人によくわからないことをされて森まで飛ばされて。いやこれアトラクションっていうけど、瞬間移動するなんていろんな法則を無視してない?もっと疑問持った方がいいのかこれ?いやでもなあ、そもそも頭よくないから考えてもわからないし……まあ、無事ならいっか!!
そんな感じでひとまず結論付けた私は、コインロッカーを探して空港内を歩き回っていた。ちなみにクロロさんとイルミさんは飲み物を買ってくるといって別れたので、1階のカフェテラスで集合することになっている。コインロッカーは1階と2階にあるけれど、どうやらこれは2階のもののようだ。ちょうど同じ色のナンバープレートの入った鍵を使う人を見かけて、すぐさまコインロッカーへと向かった。
番号は44だから……ここか!ジンさんからの贈り物、一体何なんだろう。楽しみだなあ。わくわくしながら鍵を開けて、中を見ると。
「……紙袋?」
ちょうどこちらを向いている紙袋の取っ手を引っ張り、取り出してみる。少し重い。扉を閉めて、せっかくだからクロロさん達と一緒に見ようと思ってそのまま中を見ないまま1階のテラス席へと少しスキップしながら向かうことにした。
ぐわっまぶしっ。
テラス席に座る顔の整った成人男性二人の圧にやられそうになりながら、おそるおそる近づく。もうほら、周囲の女子が目をハートにさせてみてますよ。これがイケメン力か。
なんて思いながらもだもだする私に気づいた二人が、やっと来たと振り返ってきた。
「遅かったな。もう少しで迷子センターに駆け込むところだったぞ」
「マジでやめてね?!」
「お目当てのコインロッカーあったんだね。それ、中何だったの?」
「あ、これなんですが、せっかくなんで三人で見ようかなって思って中身確認しないで持ってきちゃいました」
ちょうど二人が真ん中の椅子を開けていたので、そこに座り込んで紙袋にがさりと手を突っ込む。これは、箱?
「なんか固い箱が入ってる。ちょっとテーブルに置くね」
引っ張り出したそれをテーブルに出してみると、なんとゲーム機本体だった。これはたしか、ジョイステーションだったはず。他にも何か入っているなあと再度手を突っ込むと、今度はディスクケースとメモリーカードとなぜか指輪が出てきた。指輪はともかく、紙袋の中身はゲームプレイセットだったのか。
「あとはテレビがあればこれでゲームできるってことだね。そっかあ、余ってたからやるって言ってたのってゲームのことだったんだ。私がゲーム好きだって話したからかな……今度会ったらお礼言わなきゃ」
「……なるほど。こんな豪運持ってるなんて、ミルキが気に入るわけだよ」
「?何がです?」
「ユウキ、これこそお前の探し求めていた、グリードアイランドだ」
「へ?」
イルミさんに感心されて何のことだろうと首を傾げつつ、クロロさんが向けてくれたディスクケースの表を見る。グリードアイランド。たしかにそう書いてあった。
ここで叫ばなかった私を誰か褒めてほしい。声にならない悲鳴をあげた後で、なぜか息切れしてしまった私は、おそるおそるそのディスクケースを受け取った。
「こ、これがあの、200億超えの価値がついてる、プレミアゲームソフト……?うそでしょ……私とんでもないもの貰ってしまったんだが……」
「ご丁寧に一式そろっているな。さっきイルミの言った通りなら、これをプレイできるのは現状お前だけだが」
「パス。そこまでは面倒見る気ないよ。他にやってくれそうなあてはないの?」
「……ヒソカかなあ」
「ヒソカくらいだよねえ」
「??なんでヒソカの話になったの?」
ユウキが戻る少し前。
「あのゲーム内に除念師がいるとして、どうやって探す気?」
「当然ゲームをプレイして、正規に入島するしかないだろうな。そこから探すのはまあ難しくはないだろうが、誰がプレイするかが問題だ。情報によればグリードアイランドはハンター専用ゲーム、つまり念能力者でないと起動することができないと仮定する。その場合はオレもユウキもプレイ権はない」
「あーなるほどね。……今覗いてみたけど、ハンター専用の情報サイトによれば練を行って起動するらしいよ」
「そうか。……困ったな」
「ていうかまだゲームすら持ってないのにそこの心配?」
「ゲームは盗ってくればいいだけだからな」
「結局盗賊思考なんだよね、君」
――――…
「うわああヒソカだあああ」
「や、呼んでくれてありがと。ユウキも元気そうだねえ」
「元気だけど元気じゃないわ!ていうかよくもあんな断崖絶壁に置いてけぼりにしたなこの変態め!!」
「クロロが電話があるから置いて行っていいって言ったんだもの」
「クロロ=ルシルフル!!」
思わずフルネームで怒ったのだが、元気だなあなんてのほほんとして私を見ているのであまり効いていないようだ。くそう。
さて、あれから数日をかけてパドキア共和国へやってきた私達だが、どうやらヒソカも呼び出されていたらしく空港で合流してしまった。それからヒソカが隠れ家に使っているという建物へ案内してもらったのだけど、どう見ても空き家です。しかし中に入ってみると使用感があり、あまり埃をかぶっている様子はなくたしかに定期的に使っていることがうかがえる。
「で、ボクはグリードアイランドに入ってキミの待ち人を探してくればいいわけだね?報酬の件、忘れないでよ?」
「ああ、もちろんだ。この間の言葉通りにしてやるよ」
「それはそれは……楽しみだ。あ、そうだ。プレイヤー名はどうする?ボクの案としては、キミの名前にしておけばゲームに入ってきた団員に説明する手間が省けると思うんだけど?」
「……よし、その案を採用しよう。オレの名前を使ってくれていい」
「ちょちょちょ!ちょっと待って?え、ヒソカがプレイするの?私もやってみたいんだけど」
何やらクロロさんとヒソカの間ですでに段取りが組まれているようで話がどんどん進んでいくのだけど、そもそもこのゲームの所有者は私であり、プレイ権も私にあると思うのだが?そういう意味も含めて二人を見ると、なぜかうーんという顔をされてしまった。いや何その顔は。
「残念だけど、これキミじゃプレイできないんだよ」
「えっなんで?!」
「ハンター専用ゲームなんだけど、ハンター試験の後に行われた特別な訓練を受けた人しか遊べない仕組みになってるんだ。キミ、そんな訓練受けた記憶ないでしょ」
「な……ない!!全く身に覚えがない!!なにそれ聞いてないんだが?!」
そんな説明受けてないです!!サトツさん一体どういうことなんですか?!今度聞きに行かないと!!
うおおおと四つん這いになって落ち込んでいたら、ポンとイルミさんに肩を優しく叩かれて慰められる。
「全員が全員受けられるわけじゃないから仕方ないんじゃない?それよりさ、ヒソカが戻ってくるまで暇だよね?オレ家に戻るから、ユウキも一緒に来なよ。ドレスのサイズとか見ないといけないし」
「嫁入りさせられそうになってる!!」
「何度も言わせるなイルミ。ユウキはオレと兄妹団欒をして待つんだ。絶対に嫁には出さない」
「こっちも何か言ってる!!」
「ふ、くく……少し見ない間に面白いことになってるじゃないか。あ、ちょっと待って笑いすぎてお腹痛くなってきた……っ」
「笑うな変態!!」
思う存分笑ったヒソカは呼吸を整えてから「それじゃあまた後で」とゲーム機を持って奥の部屋に入ろうとするので、それを呼び止める。
「ちょっと待って!よくわかんないんだけど、それって体験型ゲームなんだよね?」
「まあ、そんなものかな。キミ達が追い返された島にトリップして遊ぶゲームみたいだし。それがどうかした?」
「私は特殊な訓練受けてないから今回遊べないけど、他にもたくさんの人があの島で遊んでるって認識でいいんだよね?!」
「そうだよ」
それなら、いるかもしれない。今の私では会いに行けないけど、ヒソカに頼むのも癪なんだけども、そうは言ってられない。
「もしサトルって名前の人がいたら、妹のユウキが探してるって伝えてほしいんだ。もし悪い事してても……例えば幻影旅団のリーダーだったとしても!私はずっと妹だから……会いたいって伝えて」
頭を下げてお願いすると、少しの沈黙の後、なぜか三人がドッと笑い始めた。いや、おいこら。今とてもシリアスな場面なんですけど?!
「私は大真面目なんだけど?!なんで笑うのさ?!」
「いや……ふふっ!げ、幻影旅団のリーダー……ごふっ!」
「か、可能性の話だからね?!ヒソカ笑いすぎでは?!ていうかイルミさん顔逸らしてるけど笑ってんじゃん大笑いじゃん!!クロロさんもなんで顔覆ってんの笑ってんでしょそれ!!」
うがーっと三人に怒るも、何がツボだったのかずっと笑われてしまった。
なに、幻影旅団のリーダーかもしれないって話のことか?!たしかに荒唐無稽な発言かもだけど、一ミリくらい可能性があるかもじゃん!もしただのトレジャーハンターだったとしたらごめんって謝るし!
「ふうっ、はー……ま、会えたら伝えておくよ。期待しないで待ってて」
「くっそー……マジで頼んだからねヒソカ!」
「はいはい」
今度こそゲーム機とともに奥の部屋に引っ込んだヒソカの後をクロロさんがついていくと、扉のところで中の部屋を覗いていた。ほお、なんて感嘆した声をあげるので私も覗いてみたら、そこにヒソカの姿はなくゲーム機だけが起動音を鳴らして残っていたのだった。
「じゃ、オレはもう行くよ」
さっきの言葉通り、家に戻るイルミさんをバス停で見送ると、よしよしと頭を撫でられる。完全に子供扱いというかミルキくんの嫁扱いされています。
「今回は置いていくけど、うちに入る気になったら連絡してね。迎えに行くから」
「遊びには行くと思うんですが、嫁入りはしないので……ミルキくんも困っちゃうんで……」
「そう?それなら別にオレでもいいよ?」
「…………」
「なーんて、うそだよー。だから睨むのやめなよクロロ。ヒソカが戻るまで、ユウキと仲良くね。それじゃあ、ユウキもまたね」
ぽんぽんと最後の撫で撫でをした後、バスに乗ってイルミさんは家へ帰って行ってしまった。クロロさんと二人になり、さっきまでの賑やかさがなくなって少し寂しく感じる。
「もう夜も遅いし、ご飯食べて帰ろっか。あ、帰るのヒソカズハウスでいいんだよね?」
「ああ。……兄探しは、再開しなくていいのか?」
「うーん、とりあえずヒソカが戻ってくるの待とうかなって。あの島で遊んでるんなら私じゃ会いに行けないし、他にあてもないしね。それなら可能性のありそうなグリードアイランドに賭けてみるよ!だからしばらくよろしくね、クロロさん!」
へへっと笑ったら、クロロさんはキョトンとした顔をしてから、噴き出すように笑い始めた。
「そもそも兄はオレなんだから、しばらくと言わず一生そばにいてくれていいんだぞ」
「だから兄じゃないんだってば?!」
昨日からいろんなことが起きすぎている気がする。気が付いたら断崖絶壁で寝転んでいたし、次に目を覚ましたら知らない島にいて、所有者らしい人によくわからないことをされて森まで飛ばされて。いやこれアトラクションっていうけど、瞬間移動するなんていろんな法則を無視してない?もっと疑問持った方がいいのかこれ?いやでもなあ、そもそも頭よくないから考えてもわからないし……まあ、無事ならいっか!!
そんな感じでひとまず結論付けた私は、コインロッカーを探して空港内を歩き回っていた。ちなみにクロロさんとイルミさんは飲み物を買ってくるといって別れたので、1階のカフェテラスで集合することになっている。コインロッカーは1階と2階にあるけれど、どうやらこれは2階のもののようだ。ちょうど同じ色のナンバープレートの入った鍵を使う人を見かけて、すぐさまコインロッカーへと向かった。
番号は44だから……ここか!ジンさんからの贈り物、一体何なんだろう。楽しみだなあ。わくわくしながら鍵を開けて、中を見ると。
「……紙袋?」
ちょうどこちらを向いている紙袋の取っ手を引っ張り、取り出してみる。少し重い。扉を閉めて、せっかくだからクロロさん達と一緒に見ようと思ってそのまま中を見ないまま1階のテラス席へと少しスキップしながら向かうことにした。
ぐわっまぶしっ。
テラス席に座る顔の整った成人男性二人の圧にやられそうになりながら、おそるおそる近づく。もうほら、周囲の女子が目をハートにさせてみてますよ。これがイケメン力か。
なんて思いながらもだもだする私に気づいた二人が、やっと来たと振り返ってきた。
「遅かったな。もう少しで迷子センターに駆け込むところだったぞ」
「マジでやめてね?!」
「お目当てのコインロッカーあったんだね。それ、中何だったの?」
「あ、これなんですが、せっかくなんで三人で見ようかなって思って中身確認しないで持ってきちゃいました」
ちょうど二人が真ん中の椅子を開けていたので、そこに座り込んで紙袋にがさりと手を突っ込む。これは、箱?
「なんか固い箱が入ってる。ちょっとテーブルに置くね」
引っ張り出したそれをテーブルに出してみると、なんとゲーム機本体だった。これはたしか、ジョイステーションだったはず。他にも何か入っているなあと再度手を突っ込むと、今度はディスクケースとメモリーカードとなぜか指輪が出てきた。指輪はともかく、紙袋の中身はゲームプレイセットだったのか。
「あとはテレビがあればこれでゲームできるってことだね。そっかあ、余ってたからやるって言ってたのってゲームのことだったんだ。私がゲーム好きだって話したからかな……今度会ったらお礼言わなきゃ」
「……なるほど。こんな豪運持ってるなんて、ミルキが気に入るわけだよ」
「?何がです?」
「ユウキ、これこそお前の探し求めていた、グリードアイランドだ」
「へ?」
イルミさんに感心されて何のことだろうと首を傾げつつ、クロロさんが向けてくれたディスクケースの表を見る。グリードアイランド。たしかにそう書いてあった。
ここで叫ばなかった私を誰か褒めてほしい。声にならない悲鳴をあげた後で、なぜか息切れしてしまった私は、おそるおそるそのディスクケースを受け取った。
「こ、これがあの、200億超えの価値がついてる、プレミアゲームソフト……?うそでしょ……私とんでもないもの貰ってしまったんだが……」
「ご丁寧に一式そろっているな。さっきイルミの言った通りなら、これをプレイできるのは現状お前だけだが」
「パス。そこまでは面倒見る気ないよ。他にやってくれそうなあてはないの?」
「……ヒソカかなあ」
「ヒソカくらいだよねえ」
「??なんでヒソカの話になったの?」
ユウキが戻る少し前。
「あのゲーム内に除念師がいるとして、どうやって探す気?」
「当然ゲームをプレイして、正規に入島するしかないだろうな。そこから探すのはまあ難しくはないだろうが、誰がプレイするかが問題だ。情報によればグリードアイランドはハンター専用ゲーム、つまり念能力者でないと起動することができないと仮定する。その場合はオレもユウキもプレイ権はない」
「あーなるほどね。……今覗いてみたけど、ハンター専用の情報サイトによれば練を行って起動するらしいよ」
「そうか。……困ったな」
「ていうかまだゲームすら持ってないのにそこの心配?」
「ゲームは盗ってくればいいだけだからな」
「結局盗賊思考なんだよね、君」
――――…
「うわああヒソカだあああ」
「や、呼んでくれてありがと。ユウキも元気そうだねえ」
「元気だけど元気じゃないわ!ていうかよくもあんな断崖絶壁に置いてけぼりにしたなこの変態め!!」
「クロロが電話があるから置いて行っていいって言ったんだもの」
「クロロ=ルシルフル!!」
思わずフルネームで怒ったのだが、元気だなあなんてのほほんとして私を見ているのであまり効いていないようだ。くそう。
さて、あれから数日をかけてパドキア共和国へやってきた私達だが、どうやらヒソカも呼び出されていたらしく空港で合流してしまった。それからヒソカが隠れ家に使っているという建物へ案内してもらったのだけど、どう見ても空き家です。しかし中に入ってみると使用感があり、あまり埃をかぶっている様子はなくたしかに定期的に使っていることがうかがえる。
「で、ボクはグリードアイランドに入ってキミの待ち人を探してくればいいわけだね?報酬の件、忘れないでよ?」
「ああ、もちろんだ。この間の言葉通りにしてやるよ」
「それはそれは……楽しみだ。あ、そうだ。プレイヤー名はどうする?ボクの案としては、キミの名前にしておけばゲームに入ってきた団員に説明する手間が省けると思うんだけど?」
「……よし、その案を採用しよう。オレの名前を使ってくれていい」
「ちょちょちょ!ちょっと待って?え、ヒソカがプレイするの?私もやってみたいんだけど」
何やらクロロさんとヒソカの間ですでに段取りが組まれているようで話がどんどん進んでいくのだけど、そもそもこのゲームの所有者は私であり、プレイ権も私にあると思うのだが?そういう意味も含めて二人を見ると、なぜかうーんという顔をされてしまった。いや何その顔は。
「残念だけど、これキミじゃプレイできないんだよ」
「えっなんで?!」
「ハンター専用ゲームなんだけど、ハンター試験の後に行われた特別な訓練を受けた人しか遊べない仕組みになってるんだ。キミ、そんな訓練受けた記憶ないでしょ」
「な……ない!!全く身に覚えがない!!なにそれ聞いてないんだが?!」
そんな説明受けてないです!!サトツさん一体どういうことなんですか?!今度聞きに行かないと!!
うおおおと四つん這いになって落ち込んでいたら、ポンとイルミさんに肩を優しく叩かれて慰められる。
「全員が全員受けられるわけじゃないから仕方ないんじゃない?それよりさ、ヒソカが戻ってくるまで暇だよね?オレ家に戻るから、ユウキも一緒に来なよ。ドレスのサイズとか見ないといけないし」
「嫁入りさせられそうになってる!!」
「何度も言わせるなイルミ。ユウキはオレと兄妹団欒をして待つんだ。絶対に嫁には出さない」
「こっちも何か言ってる!!」
「ふ、くく……少し見ない間に面白いことになってるじゃないか。あ、ちょっと待って笑いすぎてお腹痛くなってきた……っ」
「笑うな変態!!」
思う存分笑ったヒソカは呼吸を整えてから「それじゃあまた後で」とゲーム機を持って奥の部屋に入ろうとするので、それを呼び止める。
「ちょっと待って!よくわかんないんだけど、それって体験型ゲームなんだよね?」
「まあ、そんなものかな。キミ達が追い返された島にトリップして遊ぶゲームみたいだし。それがどうかした?」
「私は特殊な訓練受けてないから今回遊べないけど、他にもたくさんの人があの島で遊んでるって認識でいいんだよね?!」
「そうだよ」
それなら、いるかもしれない。今の私では会いに行けないけど、ヒソカに頼むのも癪なんだけども、そうは言ってられない。
「もしサトルって名前の人がいたら、妹のユウキが探してるって伝えてほしいんだ。もし悪い事してても……例えば幻影旅団のリーダーだったとしても!私はずっと妹だから……会いたいって伝えて」
頭を下げてお願いすると、少しの沈黙の後、なぜか三人がドッと笑い始めた。いや、おいこら。今とてもシリアスな場面なんですけど?!
「私は大真面目なんだけど?!なんで笑うのさ?!」
「いや……ふふっ!げ、幻影旅団のリーダー……ごふっ!」
「か、可能性の話だからね?!ヒソカ笑いすぎでは?!ていうかイルミさん顔逸らしてるけど笑ってんじゃん大笑いじゃん!!クロロさんもなんで顔覆ってんの笑ってんでしょそれ!!」
うがーっと三人に怒るも、何がツボだったのかずっと笑われてしまった。
なに、幻影旅団のリーダーかもしれないって話のことか?!たしかに荒唐無稽な発言かもだけど、一ミリくらい可能性があるかもじゃん!もしただのトレジャーハンターだったとしたらごめんって謝るし!
「ふうっ、はー……ま、会えたら伝えておくよ。期待しないで待ってて」
「くっそー……マジで頼んだからねヒソカ!」
「はいはい」
今度こそゲーム機とともに奥の部屋に引っ込んだヒソカの後をクロロさんがついていくと、扉のところで中の部屋を覗いていた。ほお、なんて感嘆した声をあげるので私も覗いてみたら、そこにヒソカの姿はなくゲーム機だけが起動音を鳴らして残っていたのだった。
「じゃ、オレはもう行くよ」
さっきの言葉通り、家に戻るイルミさんをバス停で見送ると、よしよしと頭を撫でられる。完全に子供扱いというかミルキくんの嫁扱いされています。
「今回は置いていくけど、うちに入る気になったら連絡してね。迎えに行くから」
「遊びには行くと思うんですが、嫁入りはしないので……ミルキくんも困っちゃうんで……」
「そう?それなら別にオレでもいいよ?」
「…………」
「なーんて、うそだよー。だから睨むのやめなよクロロ。ヒソカが戻るまで、ユウキと仲良くね。それじゃあ、ユウキもまたね」
ぽんぽんと最後の撫で撫でをした後、バスに乗ってイルミさんは家へ帰って行ってしまった。クロロさんと二人になり、さっきまでの賑やかさがなくなって少し寂しく感じる。
「もう夜も遅いし、ご飯食べて帰ろっか。あ、帰るのヒソカズハウスでいいんだよね?」
「ああ。……兄探しは、再開しなくていいのか?」
「うーん、とりあえずヒソカが戻ってくるの待とうかなって。あの島で遊んでるんなら私じゃ会いに行けないし、他にあてもないしね。それなら可能性のありそうなグリードアイランドに賭けてみるよ!だからしばらくよろしくね、クロロさん!」
へへっと笑ったら、クロロさんはキョトンとした顔をしてから、噴き出すように笑い始めた。
「そもそも兄はオレなんだから、しばらくと言わず一生そばにいてくれていいんだぞ」
「だから兄じゃないんだってば?!」