迷子のレクイエム(狩人)
DREAM
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「えっハンター試験終わった?!」
もう終わっただろうと訪れたハンター協会。今回は一か月近くあると聞いていて、そんな過酷な試験だったのかと震えると同時にゴンくんの生足が狙われないか心配していた私は、飛行船で協会本部のある都市へ戻ってきたのだけど、協会に着いたら受付の人にそう言われてしまった。またもめそおと凹む。ゴンくんの連絡先を知らないから、もう会えないかもなあなんてさみしくなった。レオリオとクラピカも元気かな。はあ。
「おや、ユウキさんではありませんか」
協会のロビーでめそめそしていたら、知っている声が私の名前を呼んだ。顔を上げると、2年ほど前にハンター試験でお世話になったサトツさんだった。
「わー!お久しぶりです!お元気ですか?!」
「ええ、息災です。ユウキさんはどうしてこちらに?この間も会場に来られてましたが、ライセンスをなくされましたか?なくしても再発行はできないと説明したはずですが」
「ドジっ子だと思われてる?!いやいや違いますよ!あの、今年の試験に知り合いがいて、その子どうなったのかなって思ってきたんですけど、もう終わったって聞いて凹んでたんです」
「そうだったのですね。ちなみにどなたか伺っても?」
「ゴンくんっていうまぶしい笑顔と生足が魅力の男の子です」
「変態発言はさておき、ゴンくんなら無事合格しましたよ」
「えっほんとですか!わーっ!おめでとうゴンくん!!」
12歳でハンターだなんて、なんてすごい子なんだ。ああ、本当は会ってお祝いしたかったなあ。でもきっと、これから父親捜しを始めるのだろう。さみしいけど、ゴンくんのお父さんが見つかることを祈って私も兄探しをしないと。
「ちなみに彼なら、ゾルディック家に友達を迎えに行くと言っていました」
「えっ?!」
「時間は経っていますが、もしかしたら会えるかもしれませんよ」
ど、どうしよう。会いに行こうかな。でも、この間行ったばかりだし、せっかくヨークシンから動いてないって情報もあったから、兄を探しにも行きたいし、盗賊団も調べたいし。うーっと頭をショートさせていたら、サトツさんがふふっと笑みを浮かべた。
「一つずつこなせばいいのです。ここまで来たということは、兄探しよりまずはゴンくんに会いたいのではないですか?その後で、探し始めても遅くはないと思いますよ」
たしかに、私は兄探しではなく、ゴンくんがどうなったのかが気になってここまで来た。そうか、今の私は、とにかくゴンくんと会いたいのだ。一度にやれることなんて少ないのだから、電脳ページで盗賊団の情報を探りつつ、ゴンくんに会いに行こう。
「サトツさんありがとうございます。いやー、サトツさんに会えて運がよかったなあ!それじゃあ、私行きますね!」
「はい、お気をつけて」
サトツさんに見送られ、よーしとカバンを持ち直して協会を飛び出す。また戻ることになるけど、目指せゾルディック家!
協会のロビーにて。受付にいた男女はぶわりと汗を拭きだし震え始めた。よく顔に出さず持ちこたえたものだ、と感心する。
「もう大丈夫ですよ。呼んでくださりありがとうございました」
「いっ、いえ!こちらこそ呼び出してしまい申し訳ありません!!」
「な、なんなんですかあの子。あんな、あんな子に、どうしてライセンスなんてあげたんですか」
「それは」
「ワシの判断じゃ」
おそらく彼女の気配がしたので来たのだろう。ネテロ会長がカランと下駄を鳴らしてロビーに顔を出してきた。かしこまる受付の職員に、よいよいとひかえさせて、彼女が出て行った扉を見つめる。
「あの子は念一つ使えず、見ることもできないただの一般人。じゃが、あの子についているものは違う。深く重い念でできた、あの子を守るためだけの防衛機構はあの子に害為すものすべてを殺戮する」
「そ、それがわかっていながらなぜ!試験だって、ただの身体測定とペーパーテストだけ受けさせて、それでなぜ資格を与えたのです!」
それは、監視のためだと知っている。これまでもきっと、彼女に害を為そうとしたものは彼女の知らない内に殺されていたのだろう。けどいつか、彼女がそれを知ってしまったら。
「あの子が暴走したら、誰かが止めてやらんと可哀そうじゃろ」
そう、監視のためだ。
あの子が一人で泣かないように。困った時に、ここに頼ってこれるように。ネテロ会長はほっほと笑って、長いひげを撫でていた。
ーーー……
まさか飛行船の予約が一週間以上先まで取れないとは思わなかった!
久しぶりというには近い期間ではあるけれど、再度ゾルディック家に到着すると、守衛のゼブロさんが驚いた顔で出迎えてくれた。
「どうしたんだい」
「あの、ここにゴンくんって男の子来ませんでした?」
「ああ、あの子とも知り合いなのか。でも残念だなあ。ちょうどみんなバスで帰っていったところなんだよ」
「うがあああ!兄だけじゃなくてゴンくんにも会えないのか私はああああ!!」
叫んだ後にめそおとその場にへたりこむと、ゼブロさんがちょっと待っててね、と守衛室に戻りどこかに電話をかけ始めた。それからまた戻ってきて、ほら立ってと手を差し伸べてくれる。
「今近くを通ってる配達屋さんを呼んだから、それに乗せてもらって下山しなさい。きっと追いつけるよ」
「ゼブロさああん!!ありがとうございます!!」
「いいえ。いつもミルキ坊ちゃんに会いに来てくれるお礼だよ」
友達に会いに来ているだけなのだから、そんなお礼を言われることなんてないのに。と首を横に振ったら、にこにこと微笑まれた。
その後すぐに配達屋さんがやってきたのでゼブロさんにまたお礼を言って乗せてもらった。バイクの配達屋さんだったから、あっという間に下山したけど、急カーブとかめちゃくちゃ怖かったのでしばらくはバイクはいいかな……でも配達屋の人本当にありがとうございました。
どこだどこだとバス停を探すと、街中で見慣れた丸眼鏡の男が見えて思わず駆け寄った。
「レオリオーっ!!」
叫びながら近づくと、やはりレオリオだったらしく「ああっ」と気づいてくれてこちらを指さしている。近づいていくと、他にクラピカも見えた。あちらも気づいてくれたようで目を見開いて驚いている。
「げっ、元気、げほっ、元気してた?!」
「いやおめーこそ元気だったのかよ?ちゅーかお前、ハンターライセンス持ってんなら言えや!」
「試験官に君のことを聞いたよ。二年前にライセンスを取得していたのだな」
「い、いや、私ほんと、大したことなくて、ていうか、二人に会えてうれしいんだけど、あの、ゴンくんは」
「ゴンならさっき別れたぜ」
「んきいいいいい!!もうゴンきゅんには会えないんだああああ!!」
「こ、こんな往来で泣かないでくれないか。とりあえずそこの茶店に入ろう」
「そうだな」
めそめそしていたらレオリオとクラピカに引きずられて店に入ると、二人掛けの席に座らされた。正面にはレオリオとクラピカ。落ち込んでいても仕方ない、それに二人にもまた会えてうれしいし、と気持ちを少し落ち着けることができた私はごめんねと謝罪する。
「私、あれからゴンくんがどうなったか気になっちゃって、協会まで行ったら合格したけどゾルディック家に友達に会いに行ったって言われて追いかけてね」
「あの家まで行ったのか?!」
「中には入ったのかよ?!」
「ううん、守衛さんにもう帰ったって言われたから超特急でここまで降りてきた」
はあーっと二人が息を吐いている。まああそこは暗殺一家の根城だからそういう反応にもなるか。素直に心配してくれたことに感謝だが、なかなかゴンくんに会えないことにやはり凹んでしまう。
「ああ愛しのゴンくん。あの生足が無事か否か気になって気になって眠れないよおおお」
「変態に磨きがかかってんなぁこいつ」
「ってあ、そうだ。二人はハンター試験どうだったの?」
「今聞くのか……我々二人も無事に合格したよ。君の後輩になるな」
後輩!!初めての響きだ!!思わずにやぁと笑ったら、レオリオにキモいと言われて凹んだ。めそめそしながら二人にこれからどうするのか聞くと、クラピカは賞金首ハンターとして雇い主を探して仕事を始めると言い、レオリオは医者になるために猛勉強すると言った。
「えっレオリオ医者志望だったの?!あ、お金欲しいって言ってたのって、学費とかの話?!」
「いやまあ、それもあんだけど……法外な金のかかる難病を治して、そいつらに金なんかいらねえって言えたらかっこいいだろ?だから金がほしいんだ」
「レオリオ」
「嘘じゃねえだろ」
全く、とクラピカがため息を吐いていて、二人の間で何かやりとりはあったんだろうけども、それよりも私はすごく、純粋に感動していた。誰にも話すこともなかったけれど、ついポロポロと過去の思い出が蘇り、口を伝う。
「私がいた村、流行病で両親含めてみんな死んじゃったんだって。後から行商人のおじさんに聞いたら、時間はかかるけどちゃんと治療すれば治る病だったんだって。きっと、お金もなくて、医者も少なかったから間に合わなかったんだと思う」
二人が驚いているのは分かっていたが、それでも続けた。もしレオリオが今言ってくれたような医者になるのなら、お金がなくて救われなかった人達が減るだろう。私のように一人になる人間が、少しでも減るのなら、それはなんて素敵なことなんだろうか。
「レオリオ、たくさんの人を救える医者になってね。私、ずっと応援してるから」
「……っ、当たり前だろ!」
「えっへっへ!私も病気になったらレオリオに見てもらおうっと!友達割引してね!」
「少しだけな!」
ぐしゃぐしゃと頭を撫で回されて、兄がいたらこんな感じなのかななんて思ったりして。
しかし、二人ともしっかりハンターとしてどうするか決めてるんだなあ。私なんかハンターになったっていったって、兄探しにライセンスを使うためでしかなくって、しかもその兄は全く何の情報もない。本当に、会えるのだろうか。
いや、今は違うだろ!今はとにかくゴンくんに会いたい!会って顔を見て、ちゃんとお祝いするんだ!
「二人はゴンくんがどこに行くかとか知ってる?」
「いや知らないな」
「そういやあいつらこれからどうすんだろうな?」
「うううん!!振り出し!!はあー、ゴンくん……」
「ライセンスを使えば電脳ページで交通機関の利用状況が調べられるが、しかしそれは……」
「お、おいクラピカ……もうおせえみたいだぜ……」
「あ……」
ライセンス、電脳ページ、交通機関の利用状況。
兄を探す時に覚えた調べ方だ。それなら、やれる。やれちゃうな?!
「ふっふっふ、待っててねゴンくん……必ず会ってみせるからね……ふふふふ!!」
「やべえ笑い方してやがる。オレこいつに似た変態奇術師知ってるぞ」
「奇遇だな、私もだ……ゴンは変態を引き寄せる何かがあるのだろうか……」
もう終わっただろうと訪れたハンター協会。今回は一か月近くあると聞いていて、そんな過酷な試験だったのかと震えると同時にゴンくんの生足が狙われないか心配していた私は、飛行船で協会本部のある都市へ戻ってきたのだけど、協会に着いたら受付の人にそう言われてしまった。またもめそおと凹む。ゴンくんの連絡先を知らないから、もう会えないかもなあなんてさみしくなった。レオリオとクラピカも元気かな。はあ。
「おや、ユウキさんではありませんか」
協会のロビーでめそめそしていたら、知っている声が私の名前を呼んだ。顔を上げると、2年ほど前にハンター試験でお世話になったサトツさんだった。
「わー!お久しぶりです!お元気ですか?!」
「ええ、息災です。ユウキさんはどうしてこちらに?この間も会場に来られてましたが、ライセンスをなくされましたか?なくしても再発行はできないと説明したはずですが」
「ドジっ子だと思われてる?!いやいや違いますよ!あの、今年の試験に知り合いがいて、その子どうなったのかなって思ってきたんですけど、もう終わったって聞いて凹んでたんです」
「そうだったのですね。ちなみにどなたか伺っても?」
「ゴンくんっていうまぶしい笑顔と生足が魅力の男の子です」
「変態発言はさておき、ゴンくんなら無事合格しましたよ」
「えっほんとですか!わーっ!おめでとうゴンくん!!」
12歳でハンターだなんて、なんてすごい子なんだ。ああ、本当は会ってお祝いしたかったなあ。でもきっと、これから父親捜しを始めるのだろう。さみしいけど、ゴンくんのお父さんが見つかることを祈って私も兄探しをしないと。
「ちなみに彼なら、ゾルディック家に友達を迎えに行くと言っていました」
「えっ?!」
「時間は経っていますが、もしかしたら会えるかもしれませんよ」
ど、どうしよう。会いに行こうかな。でも、この間行ったばかりだし、せっかくヨークシンから動いてないって情報もあったから、兄を探しにも行きたいし、盗賊団も調べたいし。うーっと頭をショートさせていたら、サトツさんがふふっと笑みを浮かべた。
「一つずつこなせばいいのです。ここまで来たということは、兄探しよりまずはゴンくんに会いたいのではないですか?その後で、探し始めても遅くはないと思いますよ」
たしかに、私は兄探しではなく、ゴンくんがどうなったのかが気になってここまで来た。そうか、今の私は、とにかくゴンくんと会いたいのだ。一度にやれることなんて少ないのだから、電脳ページで盗賊団の情報を探りつつ、ゴンくんに会いに行こう。
「サトツさんありがとうございます。いやー、サトツさんに会えて運がよかったなあ!それじゃあ、私行きますね!」
「はい、お気をつけて」
サトツさんに見送られ、よーしとカバンを持ち直して協会を飛び出す。また戻ることになるけど、目指せゾルディック家!
協会のロビーにて。受付にいた男女はぶわりと汗を拭きだし震え始めた。よく顔に出さず持ちこたえたものだ、と感心する。
「もう大丈夫ですよ。呼んでくださりありがとうございました」
「いっ、いえ!こちらこそ呼び出してしまい申し訳ありません!!」
「な、なんなんですかあの子。あんな、あんな子に、どうしてライセンスなんてあげたんですか」
「それは」
「ワシの判断じゃ」
おそらく彼女の気配がしたので来たのだろう。ネテロ会長がカランと下駄を鳴らしてロビーに顔を出してきた。かしこまる受付の職員に、よいよいとひかえさせて、彼女が出て行った扉を見つめる。
「あの子は念一つ使えず、見ることもできないただの一般人。じゃが、あの子についているものは違う。深く重い念でできた、あの子を守るためだけの防衛機構はあの子に害為すものすべてを殺戮する」
「そ、それがわかっていながらなぜ!試験だって、ただの身体測定とペーパーテストだけ受けさせて、それでなぜ資格を与えたのです!」
それは、監視のためだと知っている。これまでもきっと、彼女に害を為そうとしたものは彼女の知らない内に殺されていたのだろう。けどいつか、彼女がそれを知ってしまったら。
「あの子が暴走したら、誰かが止めてやらんと可哀そうじゃろ」
そう、監視のためだ。
あの子が一人で泣かないように。困った時に、ここに頼ってこれるように。ネテロ会長はほっほと笑って、長いひげを撫でていた。
ーーー……
まさか飛行船の予約が一週間以上先まで取れないとは思わなかった!
久しぶりというには近い期間ではあるけれど、再度ゾルディック家に到着すると、守衛のゼブロさんが驚いた顔で出迎えてくれた。
「どうしたんだい」
「あの、ここにゴンくんって男の子来ませんでした?」
「ああ、あの子とも知り合いなのか。でも残念だなあ。ちょうどみんなバスで帰っていったところなんだよ」
「うがあああ!兄だけじゃなくてゴンくんにも会えないのか私はああああ!!」
叫んだ後にめそおとその場にへたりこむと、ゼブロさんがちょっと待っててね、と守衛室に戻りどこかに電話をかけ始めた。それからまた戻ってきて、ほら立ってと手を差し伸べてくれる。
「今近くを通ってる配達屋さんを呼んだから、それに乗せてもらって下山しなさい。きっと追いつけるよ」
「ゼブロさああん!!ありがとうございます!!」
「いいえ。いつもミルキ坊ちゃんに会いに来てくれるお礼だよ」
友達に会いに来ているだけなのだから、そんなお礼を言われることなんてないのに。と首を横に振ったら、にこにこと微笑まれた。
その後すぐに配達屋さんがやってきたのでゼブロさんにまたお礼を言って乗せてもらった。バイクの配達屋さんだったから、あっという間に下山したけど、急カーブとかめちゃくちゃ怖かったのでしばらくはバイクはいいかな……でも配達屋の人本当にありがとうございました。
どこだどこだとバス停を探すと、街中で見慣れた丸眼鏡の男が見えて思わず駆け寄った。
「レオリオーっ!!」
叫びながら近づくと、やはりレオリオだったらしく「ああっ」と気づいてくれてこちらを指さしている。近づいていくと、他にクラピカも見えた。あちらも気づいてくれたようで目を見開いて驚いている。
「げっ、元気、げほっ、元気してた?!」
「いやおめーこそ元気だったのかよ?ちゅーかお前、ハンターライセンス持ってんなら言えや!」
「試験官に君のことを聞いたよ。二年前にライセンスを取得していたのだな」
「い、いや、私ほんと、大したことなくて、ていうか、二人に会えてうれしいんだけど、あの、ゴンくんは」
「ゴンならさっき別れたぜ」
「んきいいいいい!!もうゴンきゅんには会えないんだああああ!!」
「こ、こんな往来で泣かないでくれないか。とりあえずそこの茶店に入ろう」
「そうだな」
めそめそしていたらレオリオとクラピカに引きずられて店に入ると、二人掛けの席に座らされた。正面にはレオリオとクラピカ。落ち込んでいても仕方ない、それに二人にもまた会えてうれしいし、と気持ちを少し落ち着けることができた私はごめんねと謝罪する。
「私、あれからゴンくんがどうなったか気になっちゃって、協会まで行ったら合格したけどゾルディック家に友達に会いに行ったって言われて追いかけてね」
「あの家まで行ったのか?!」
「中には入ったのかよ?!」
「ううん、守衛さんにもう帰ったって言われたから超特急でここまで降りてきた」
はあーっと二人が息を吐いている。まああそこは暗殺一家の根城だからそういう反応にもなるか。素直に心配してくれたことに感謝だが、なかなかゴンくんに会えないことにやはり凹んでしまう。
「ああ愛しのゴンくん。あの生足が無事か否か気になって気になって眠れないよおおお」
「変態に磨きがかかってんなぁこいつ」
「ってあ、そうだ。二人はハンター試験どうだったの?」
「今聞くのか……我々二人も無事に合格したよ。君の後輩になるな」
後輩!!初めての響きだ!!思わずにやぁと笑ったら、レオリオにキモいと言われて凹んだ。めそめそしながら二人にこれからどうするのか聞くと、クラピカは賞金首ハンターとして雇い主を探して仕事を始めると言い、レオリオは医者になるために猛勉強すると言った。
「えっレオリオ医者志望だったの?!あ、お金欲しいって言ってたのって、学費とかの話?!」
「いやまあ、それもあんだけど……法外な金のかかる難病を治して、そいつらに金なんかいらねえって言えたらかっこいいだろ?だから金がほしいんだ」
「レオリオ」
「嘘じゃねえだろ」
全く、とクラピカがため息を吐いていて、二人の間で何かやりとりはあったんだろうけども、それよりも私はすごく、純粋に感動していた。誰にも話すこともなかったけれど、ついポロポロと過去の思い出が蘇り、口を伝う。
「私がいた村、流行病で両親含めてみんな死んじゃったんだって。後から行商人のおじさんに聞いたら、時間はかかるけどちゃんと治療すれば治る病だったんだって。きっと、お金もなくて、医者も少なかったから間に合わなかったんだと思う」
二人が驚いているのは分かっていたが、それでも続けた。もしレオリオが今言ってくれたような医者になるのなら、お金がなくて救われなかった人達が減るだろう。私のように一人になる人間が、少しでも減るのなら、それはなんて素敵なことなんだろうか。
「レオリオ、たくさんの人を救える医者になってね。私、ずっと応援してるから」
「……っ、当たり前だろ!」
「えっへっへ!私も病気になったらレオリオに見てもらおうっと!友達割引してね!」
「少しだけな!」
ぐしゃぐしゃと頭を撫で回されて、兄がいたらこんな感じなのかななんて思ったりして。
しかし、二人ともしっかりハンターとしてどうするか決めてるんだなあ。私なんかハンターになったっていったって、兄探しにライセンスを使うためでしかなくって、しかもその兄は全く何の情報もない。本当に、会えるのだろうか。
いや、今は違うだろ!今はとにかくゴンくんに会いたい!会って顔を見て、ちゃんとお祝いするんだ!
「二人はゴンくんがどこに行くかとか知ってる?」
「いや知らないな」
「そういやあいつらこれからどうすんだろうな?」
「うううん!!振り出し!!はあー、ゴンくん……」
「ライセンスを使えば電脳ページで交通機関の利用状況が調べられるが、しかしそれは……」
「お、おいクラピカ……もうおせえみたいだぜ……」
「あ……」
ライセンス、電脳ページ、交通機関の利用状況。
兄を探す時に覚えた調べ方だ。それなら、やれる。やれちゃうな?!
「ふっふっふ、待っててねゴンくん……必ず会ってみせるからね……ふふふふ!!」
「やべえ笑い方してやがる。オレこいつに似た変態奇術師知ってるぞ」
「奇遇だな、私もだ……ゴンは変態を引き寄せる何かがあるのだろうか……」