snobbism(龍如)
DREAM
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続私の話。
(2006年優姫20歳)
「錦山の親父とはどういう関係だったんだ」
「お前の金はどこから入ってくるんだ」
頭から何度も水をかけられながら、繰り返し問われた言葉。一つもわからなくて、むしろ私が知りたいくらいだった。
どうして兄貴はいなくなったの?
どうしてお金が振り込まれるの?
どうして、谷村さんが酷い目に遭わなきゃいけなかったの?
そんなの決まってる。私のせいだ。ずっと考えないようにしてたけど、兄貴がいなくなったのは私に愛想を尽かしたからかもしれない。お金は所謂生活費で、一応の生活をさせるため。谷村さんは、私が巻き込んだ。もう、消えてしまいたい。何も考えたくない。怖い。苦しい。
思考も肉体も溺れているようだった。誰かに助けを求める資格なんてないけど、誰か、助けて。
意識が朦朧としている中、頬を軽く叩かれる。パチパチ、と刺激を受けて思考が少しずつ覚醒していく。また尋問の続きだろうか。
何も知らないと何度も口にした言葉を言うと、違うと優しく言われた。助けに来たんだ、と。それから、警察に行こう、と。
靄がかかっていた思考がハッキリする。警察はダメだ。もう巻き込みたくない。私なんかに関わったせいで、優しいあの人を傷つけた。だから警察はダメだと声を絞り出したら、グレースーツの男の人は「警察の奴が救急車で運ばれてたな」と言った。
(救急車、来てくれたんだ……!谷村さん、良かった。本当、良かった。どうかあの人が、いつもの日常に戻れますように。)
それからグレースーツの男の人こと、桐生さんと闇医者さんのところへ移動して、診察してもらった。お金は要らないと言われてしまったが、後日何かお礼がしたいと思う。
とはいえ闇医者という裏社会の人間が存在することに驚きつつも、私を拉致した人達も極道組織だというし、この町はやっぱり変わっている。いや、むしろこの町なら、兄貴がいるかもしれない。
真島さんにも伝えたが、私はやっぱり兄貴に会いたい。桐生さんも真島さんも巻き込むことになるけど、本当は、また傷つけてしまったらと思うと怖いけど。一人では、心が折れてしまいそうだった。いや、違う。一人が、怖くなってしまったんだ。楽しかった私の誕生日を想うと、足が止まってしまいそうだった。けど、ここで兄貴を探すのを諦めることだってしたくなかった。
「はーーー!仰山おったわりには雑魚ばっかやないかい!」
「兄さん、こいつ携帯でどこかに連絡を取っていたみたいだ。見てくれ」
「ほん?なんや、メールか。形に残る連絡方法なんて、ズブの素人やなー」
「何かヒントになるもの書いてありました?」
ミレニアムタワーの地下に降りると、そこを拠点にしていたらしい錦山組が数人いて、桐生さんと真島さんが颯爽と倒してくれた。なんとなく感じていたけど、やっぱりこの二人めちゃくちゃ強いんだなぁ。倒した組員の一人が持っていた携帯を取ると、躊躇なく中身を確認している。それを後ろから覗いてみるも、文字が小さくて良く見えない。
「んー。こいつら、花屋に依頼しようとしてたみたいやのー。依頼内容を文字に起こして、組員同士に情報回しとったんやな」
「まさか、優姫の居所か?それとも、金の出所?」
「……いや、それも含むんやけど、兄の方も探そうとしとったみたいや」
「兄貴を?!」
「二手に別れとったみたいやで。兄を探す班と妹を探す班。桐生ちゃんがぶん殴ったのは妹を探す班だったんや」
「なんだって、この兄妹を探してるんだ……?」
ブルルルル
わぁっ!と思わず声を上げてしまった。突如震えた携帯は、今まさに真島さんが手にしているものだ。どうするかと視線を送る桐生さんに、片手を上げて声を潜ませると真島さんは通話ボタンを押す。
しばらく会話をした後、アホくさ、と真島さんが返した。会話が聞こえない私と桐生さんは真島さんが誰と会話してるのか早く知りたくて仕方なかったが、ふとワラワラと現れた錦山組の人達に気を取られる。
桐生さんは、真島さんの横に私を置いて、オラァッ!と殴りに向かってしまった。その間も真島さんは私の腕を掴んで側に置いて、電話をしている。
ひとまず、私にできることは今ないな、と結論が出たので、自分の携帯に貼り付けた谷村さんとのプリクルをぼんやりと眺めていた。
(2006年優姫20歳)
「錦山の親父とはどういう関係だったんだ」
「お前の金はどこから入ってくるんだ」
頭から何度も水をかけられながら、繰り返し問われた言葉。一つもわからなくて、むしろ私が知りたいくらいだった。
どうして兄貴はいなくなったの?
どうしてお金が振り込まれるの?
どうして、谷村さんが酷い目に遭わなきゃいけなかったの?
そんなの決まってる。私のせいだ。ずっと考えないようにしてたけど、兄貴がいなくなったのは私に愛想を尽かしたからかもしれない。お金は所謂生活費で、一応の生活をさせるため。谷村さんは、私が巻き込んだ。もう、消えてしまいたい。何も考えたくない。怖い。苦しい。
思考も肉体も溺れているようだった。誰かに助けを求める資格なんてないけど、誰か、助けて。
意識が朦朧としている中、頬を軽く叩かれる。パチパチ、と刺激を受けて思考が少しずつ覚醒していく。また尋問の続きだろうか。
何も知らないと何度も口にした言葉を言うと、違うと優しく言われた。助けに来たんだ、と。それから、警察に行こう、と。
靄がかかっていた思考がハッキリする。警察はダメだ。もう巻き込みたくない。私なんかに関わったせいで、優しいあの人を傷つけた。だから警察はダメだと声を絞り出したら、グレースーツの男の人は「警察の奴が救急車で運ばれてたな」と言った。
(救急車、来てくれたんだ……!谷村さん、良かった。本当、良かった。どうかあの人が、いつもの日常に戻れますように。)
それからグレースーツの男の人こと、桐生さんと闇医者さんのところへ移動して、診察してもらった。お金は要らないと言われてしまったが、後日何かお礼がしたいと思う。
とはいえ闇医者という裏社会の人間が存在することに驚きつつも、私を拉致した人達も極道組織だというし、この町はやっぱり変わっている。いや、むしろこの町なら、兄貴がいるかもしれない。
真島さんにも伝えたが、私はやっぱり兄貴に会いたい。桐生さんも真島さんも巻き込むことになるけど、本当は、また傷つけてしまったらと思うと怖いけど。一人では、心が折れてしまいそうだった。いや、違う。一人が、怖くなってしまったんだ。楽しかった私の誕生日を想うと、足が止まってしまいそうだった。けど、ここで兄貴を探すのを諦めることだってしたくなかった。
「はーーー!仰山おったわりには雑魚ばっかやないかい!」
「兄さん、こいつ携帯でどこかに連絡を取っていたみたいだ。見てくれ」
「ほん?なんや、メールか。形に残る連絡方法なんて、ズブの素人やなー」
「何かヒントになるもの書いてありました?」
ミレニアムタワーの地下に降りると、そこを拠点にしていたらしい錦山組が数人いて、桐生さんと真島さんが颯爽と倒してくれた。なんとなく感じていたけど、やっぱりこの二人めちゃくちゃ強いんだなぁ。倒した組員の一人が持っていた携帯を取ると、躊躇なく中身を確認している。それを後ろから覗いてみるも、文字が小さくて良く見えない。
「んー。こいつら、花屋に依頼しようとしてたみたいやのー。依頼内容を文字に起こして、組員同士に情報回しとったんやな」
「まさか、優姫の居所か?それとも、金の出所?」
「……いや、それも含むんやけど、兄の方も探そうとしとったみたいや」
「兄貴を?!」
「二手に別れとったみたいやで。兄を探す班と妹を探す班。桐生ちゃんがぶん殴ったのは妹を探す班だったんや」
「なんだって、この兄妹を探してるんだ……?」
ブルルルル
わぁっ!と思わず声を上げてしまった。突如震えた携帯は、今まさに真島さんが手にしているものだ。どうするかと視線を送る桐生さんに、片手を上げて声を潜ませると真島さんは通話ボタンを押す。
しばらく会話をした後、アホくさ、と真島さんが返した。会話が聞こえない私と桐生さんは真島さんが誰と会話してるのか早く知りたくて仕方なかったが、ふとワラワラと現れた錦山組の人達に気を取られる。
桐生さんは、真島さんの横に私を置いて、オラァッ!と殴りに向かってしまった。その間も真島さんは私の腕を掴んで側に置いて、電話をしている。
ひとまず、私にできることは今ないな、と結論が出たので、自分の携帯に貼り付けた谷村さんとのプリクルをぼんやりと眺めていた。