snobbism(龍如)
DREAM
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私の話
(2006年優姫20歳)
兄が、帰ってこなくなった。
突然のことだった。いつものように家を出た兄は、そのまま帰宅することはなく一年が経過した。この家には私と兄しか暮らしておらず、警察に行こうと思ったがなんて言えばいいのかわからなくて行けてない。ただただ、毎日兄の帰りを待って、学校に通っていた。
お金の心配はなかった。毎月多すぎるくらいの額が私の口座に入っていたからだ。送金先は様々な銀行からで、身に覚えがなくて怖かったが、もしかしたら兄かもしれないと思った。しばらくは必要最低限だけ使わせてもらって、ほとんど手はつけないでおいた。
兄は、どうして帰ってこなくなったのだろう。
ふと思い浮かんだのは、何か事件に巻き込まれたんじゃないかということだ。もしかしたら、動けないのかもしれない。もしかしたら、訳あって行動が制限されてて、家には帰れない代わりにお金だけ振り込んでいるのかもしれない。色んな陰謀論が頭を駆け巡る。助けに行かないと。一年待ったんだ。もう私が動くしかない。
大きな都市を巡ろうと思い、最初は大阪で兄を探した。お金が沢山振り込まれる口座からいくらか引き出してアパートを借りて、観光客も多い蒼天堀を中心に日中夜関係なく半年以上探したが、良い情報は得られなかった。ちなみに近所に住んでいた館山さんちの奥さん、マコトさんに「夜遅くに出歩くなんて危ないでしょう!」と怒られてからは夜の外出は控えるようにした。
そんな時、マコトさんの働くほぐし会館のお客さんの中に、私とよく似た特徴の女性を探す人が現れたらしい。兄を探している話を知っているマコトさんから教えてもらい、その人の住所も強引に聞き出した。東京の人だった。
兄かもしれない。もしくは兄と関わりのある人かもしれない。やっと情報を得られた私は、アパートの契約解除を済ませて荷物をまとめて、大阪を旅立つことにした。
海外へ引っ越してしまうマコトさん一家を見送りできずお別れするのは寂しいが、居ても立っても居られない私は大阪からすぐに東京へと向かった。その際新幹線の中で隣になった眼帯のお兄さんと盛り上がったのも記憶に新しい。
東京に着いてからは、都内をとにかく歩き回って探した。ちなみに教えてもらった住所は空き家だった。これはもう、兄の可能性が高まってきた気がする。色んな街を歩いて、最後は治安は悪いが楽しい街でもあると噂の神室町へとやってきた。
そして探し始めて早々に、突然数人の男の人達に囲まれるや否、拐われそうになってそれはもう抵抗した。しまくった。そうしたら相手が怒りながらとうとうドスを持ち出してきて、どうする?!ってなったそんな時に、イケメンのお兄さんが助けに入ってくれたのだ。
イケメンのお兄さんこと谷村さんは、神室町のお巡りさんで、私の兄探しを手伝ってくれた。私を襲ったのは錦山組、兄の死亡届が出てた事、それでも生きてるって希望、それから、楽しい一日をくれた。そういえば、今日私誕生日だったんだ。だからかな、余計に嬉しくて、楽しくて、幸せだって思えたんだ。
なのに、そんな楽しかった時間を錦山組の人達に滅茶苦茶にされてしまった。谷村さんがバッドで頭を殴られて、殴られて、蹴られて、たくさん酷いことをされた。
やめて。やめてよ。谷村さんは関係ないんだ。私がついていけばいいなら行くから、もう酷いことしないで。早く救急車を呼んで。
泣きながら懇願したら、男の人達は傷だらけになった谷村さんを地面に放って離れて行く。私の後ろには黒いバンが止まっている。
谷村さん。私のせいでごめん。今日、楽しかった。兄貴がいなくなって、がむしゃらに探し回ってここまできたから、気がつかないうちにきっと、私疲れてたんだ。けど、谷村さんと色んなところを歩き回って、遊んで、本当に楽しかった。楽しい一日だった。ありがとう、谷村さん。どうか、死なないで。
黒いバンは、私を乗せてどこかへと走り出す。走り出してすぐに何かを嗅がされて、私の意識はそこで途絶えた。
(2006年優姫20歳)
兄が、帰ってこなくなった。
突然のことだった。いつものように家を出た兄は、そのまま帰宅することはなく一年が経過した。この家には私と兄しか暮らしておらず、警察に行こうと思ったがなんて言えばいいのかわからなくて行けてない。ただただ、毎日兄の帰りを待って、学校に通っていた。
お金の心配はなかった。毎月多すぎるくらいの額が私の口座に入っていたからだ。送金先は様々な銀行からで、身に覚えがなくて怖かったが、もしかしたら兄かもしれないと思った。しばらくは必要最低限だけ使わせてもらって、ほとんど手はつけないでおいた。
兄は、どうして帰ってこなくなったのだろう。
ふと思い浮かんだのは、何か事件に巻き込まれたんじゃないかということだ。もしかしたら、動けないのかもしれない。もしかしたら、訳あって行動が制限されてて、家には帰れない代わりにお金だけ振り込んでいるのかもしれない。色んな陰謀論が頭を駆け巡る。助けに行かないと。一年待ったんだ。もう私が動くしかない。
大きな都市を巡ろうと思い、最初は大阪で兄を探した。お金が沢山振り込まれる口座からいくらか引き出してアパートを借りて、観光客も多い蒼天堀を中心に日中夜関係なく半年以上探したが、良い情報は得られなかった。ちなみに近所に住んでいた館山さんちの奥さん、マコトさんに「夜遅くに出歩くなんて危ないでしょう!」と怒られてからは夜の外出は控えるようにした。
そんな時、マコトさんの働くほぐし会館のお客さんの中に、私とよく似た特徴の女性を探す人が現れたらしい。兄を探している話を知っているマコトさんから教えてもらい、その人の住所も強引に聞き出した。東京の人だった。
兄かもしれない。もしくは兄と関わりのある人かもしれない。やっと情報を得られた私は、アパートの契約解除を済ませて荷物をまとめて、大阪を旅立つことにした。
海外へ引っ越してしまうマコトさん一家を見送りできずお別れするのは寂しいが、居ても立っても居られない私は大阪からすぐに東京へと向かった。その際新幹線の中で隣になった眼帯のお兄さんと盛り上がったのも記憶に新しい。
東京に着いてからは、都内をとにかく歩き回って探した。ちなみに教えてもらった住所は空き家だった。これはもう、兄の可能性が高まってきた気がする。色んな街を歩いて、最後は治安は悪いが楽しい街でもあると噂の神室町へとやってきた。
そして探し始めて早々に、突然数人の男の人達に囲まれるや否、拐われそうになってそれはもう抵抗した。しまくった。そうしたら相手が怒りながらとうとうドスを持ち出してきて、どうする?!ってなったそんな時に、イケメンのお兄さんが助けに入ってくれたのだ。
イケメンのお兄さんこと谷村さんは、神室町のお巡りさんで、私の兄探しを手伝ってくれた。私を襲ったのは錦山組、兄の死亡届が出てた事、それでも生きてるって希望、それから、楽しい一日をくれた。そういえば、今日私誕生日だったんだ。だからかな、余計に嬉しくて、楽しくて、幸せだって思えたんだ。
なのに、そんな楽しかった時間を錦山組の人達に滅茶苦茶にされてしまった。谷村さんがバッドで頭を殴られて、殴られて、蹴られて、たくさん酷いことをされた。
やめて。やめてよ。谷村さんは関係ないんだ。私がついていけばいいなら行くから、もう酷いことしないで。早く救急車を呼んで。
泣きながら懇願したら、男の人達は傷だらけになった谷村さんを地面に放って離れて行く。私の後ろには黒いバンが止まっている。
谷村さん。私のせいでごめん。今日、楽しかった。兄貴がいなくなって、がむしゃらに探し回ってここまできたから、気がつかないうちにきっと、私疲れてたんだ。けど、谷村さんと色んなところを歩き回って、遊んで、本当に楽しかった。楽しい一日だった。ありがとう、谷村さん。どうか、死なないで。
黒いバンは、私を乗せてどこかへと走り出す。走り出してすぐに何かを嗅がされて、私の意識はそこで途絶えた。