★番外編
DREAM
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番外:やきもちを焼かせました。
(2011年なずな25歳)
谷村さんにやきもちを焼かせたい。
あの神室町のダニ、谷村の恋人はそう言って炭酸ジュースをぐいっと飲み干した。
聞き間違いだろうか。こいつはやきもちを焼かせたい、と言ったのか。今日久々に有給を取れたから遊びに来ると言っていた、休日の全てをなずなに会うために使っているんじゃないかってくらい惚れ込んでいるあの谷村に、嫉妬させたい、と。思わずため息が漏れる。
「ちょっとよし兄!そのため息何?!真剣な悩みなんだけど?!」
「そもそもあいつの嫉妬なんて日常茶飯事じゃねえか」
「はあ?!そんなことないけど?!私知らないけど?!」
「お前は知らなくても他の奴らは呆れるほど知ってんだよ」
株価のチェックが一通り終わり、パッドを片すと、未だに悶々としている妹の方に向き直る。モゴモゴと口を動かしながら、両手に持ったグラスを揺らしている。
「そ、そりゃあね?たまに嫉妬したとか言ってもらったりしてね、にへにへしたけどさ。普段は絶対私の方がやきもち妬いてるんだよ!とくに!デートの時!!」
「ああ、目を離したすきに逆ナンされてるんだったか」
「そう!!ほんの数分でナンパされる谷村さんすごくない?!いやたしかにイケメンだよ!!声かけたくなる気持ちはわかるよ!!でも彼女いるって断った後私と合流してるの見てもうひと押ししてくるのなんなの?!私の顔見て寝取れるって思ったってこと?!」
「まあ思ったんだろ。どう見ても釣り合ってねえしな」
「わああん!!よし兄の意地悪ううう!!」
グラスを置いて俺の肩を叩いてくるが、痛くも痒くもない。
しかし、この妹。なぜそこまで他者に軽んじられるのか。たしかに谷村と釣り合ってはいないが、そこまで劣る外見ではないと思うのだが。思わずジロジロと上から下まで見ていたら、なずなはむぅと唇を尖らせた。
「どうせいつまで経っても子供ですよ。でも私は子供心を忘れない大人でありたいと思ってるけどね!」
「お前の志はどうでもいい」
「あっはい」
「……服装と化粧を弄れば、少しはイケるんじゃないか?」
「服装と、化粧」
おそらくなずなの思う通り、子供っぽいというか、妹のように見えるのだろう。だから恋人という言葉を信用せず、妹が嘘をついているだけだと思うのかもしれない。まあ単純に勝てると強気にくる女もいるのだろうが。
風呂上がりの姿を見るに、素材は悪くないはずだ。仕方ない、今日は暇だし、たまには妹の我儘にも付き合ってやることにしよう。
「やきもち焼かせたいんだろ。ル・マルシェで一通り揃えるぞ」
「やったー!!よし兄ありがとう!!」
そういうはしゃぎ方が子供っぽいんだとは言わないでおく。なんだかんだ、なずなのこういう姿に救われていたりすることもある。たまに、だがな。
「ど、どう?よし兄……」
ル・マルシェで買い物をした後、これから出かけるからと試着室で着替えをさせてもらったなずなは、試着室から出てきてこちらを伺うように聞いてくる。
なるほど。しっかりと素材を生かせば、安価な物も高級品へと変わるものだ。
いつだったか、谷村が見せてきた神室町で一日キャバ嬢をやったというなずなの写真を、加工だと鼻で笑ったが、嘘ではなかったようだ。谷村には後で謝罪しておこう。
ゴールドのヘアピンで耳元を留めて、片側の輪郭を露わにすると、少し大人の雰囲気が出たように思う。施された濃すぎない化粧は本来の肌の白さに見事に映えていて、逆にいつもより濃いめの口紅は際立って見えた。
服装も上から下まで一新した。下はサテン生地のクリーム色のマーメイドスカートを採用した。スカート丈を短くすることも考えたが、谷村の心労を考えてそちらは不採用としておいた。この苦労は後で谷村に愚痴るとして。
トップスは紺色のノースリーブのハイネック。肩を出す服はほとんど着た経験がないらしく、ソワソワしているが元の肌が白いから色の強弱が出て良い感じになったように思う。
「年相応に見えるぞ」
「良いってことだよね?!いや、たしかに鏡見て自分でも感動したんだけど……これで私がナンパされたりしたら、谷村さんやきもち焼いてくれるかなあ?」
「そこまでは知らん」
「そういうとこー!!よし兄そういうとこあるよ?!」
「うるさい。で、谷村は今日何時にくるって?」
「あ、えっとねー……定時で上がれたらすぐに新幹線乗るって言ってたから、8時くらいかな?」
思い立って夕方に出かけたものだから、今は夜の6時。出かけたついでだ、夕飯を食べてから駅まで谷村を迎えに行くとしよう。
「お姉さん、すごく綺麗だね?どこかのお店で働いてるの?よかったら一緒に遊びに行かない?」
「あの、私待ち合わせしてるので。すみません」
珍しい光景だ。俺が駅の売店で雑誌を買っている間に、なずなが男に声をかけられていた。すぐに合流してもよかったが、今日のように大変身をするのであれば今後こういう手合いをあしらうこともあるだろうし、少し様子見するとしよう。
男は二人組で、ナンパするのに慣れている様子だ。なずなのやつ、内心パニクってるんだろうな。
「でも、さっきからずっとここにいるでしょ?」
「そうそう、その待ち合わせの相手、ドタキャンしたんじゃない?女の子がこんな時間に一人なんて危ないよ」
「いえ、もうすぐ来るので大丈夫です」
「そんなつれない態度しなくてもいいじゃん?ほら、ご飯とか食べようよ」
「だっだから私、人を待ってるんです!ちょっ、手、離してっ」
さすがにあの男ども、強引すぎるな。なずなの腕を掴んでほとんど引きずるように連れて行こうとする男どもに若干苛立ちを覚える。すぐになずなの元へ行こうとしたのだが、なずなの背後から出てきた男を見て足を止めた。
「お兄さん達、俺の彼女に何か用?」
なずなの腕を掴んでいる男の腕を引き剥がすように、ガシッと血管が浮き出る程力を込めて掴むのは、今大阪に着いたのだろう谷村だ。口元は笑みを浮かべているが、目は全く笑っていない。
男どもは突然現れたモデルのように整った顔の男の冷たい視線に怯えて、脱兎の如く去っていく。
残されたなずなは、久しぶりに会う谷村を見て嬉しそうに破顔していた。
「谷村さん!お仕事お疲れ様!」
「……なずな」
「うん?」
「……今日、すごくお洒落だね」
「あ!わかる?!あのね、よし兄プロデュースでドレスアップしてきたんだ!これで谷村さんもやきもち焼いてくれたりして………………いやあのその、今のは嘘です…………」
めかしこんだ理由をあっさり吐いたなずなは、自分の失言に気付いて顔を真っ赤にして俯いてしまった。頭上で谷村が今すぐにでも襲いそうな雄の顔をしていることにも気づかずに。
やれやれ、とため息を吐いて、二人に合流することにした。俺に気づいた谷村が気まずそうに挨拶をしてくるのは少し面白かった。
「なずな、大丈夫だったか」
「よし兄!今の見てたの?!ていうか、すごいねこの格好とメイク!まさか私がナンパされる日が来るとは!」
「よかったじゃねえか。お前がナンパされてるのがっつり嫉妬してたぞ」
「ちょ、義孝さん」
「え、え、え?!あっ、ほんとに?!ミッションコンプリート?!」
「は?何そのミッションって?」
いつまでも立ち止まっているわけにもいかないので、なずなを間に挟んで自宅へ戻るために歩き出す。谷村が俺となずなを交互に見て何の話なんだと聞いてくるから、あたふたし始めた妹をシカトして事の顛末を全部暴露してやった。
「つまり、いつもと逆の立場になって嫉妬してほしかったわけだ。どうだった?」
「いや、普通にムカつきました。そもそもこいつが俺と釣り合う釣り合わないで悩んでるのもムカつきます」
「なんでえ?!」
「俺がそういうの気にしてお前と付き合ってると思ってんの?」
「え、あ、いや、思ってないけど……」
「そもそも知らねえ奴らにとっての可愛いじゃなくて、俺用の可愛いを目指せよ。まあ俺は常にお前のこと可愛いと思ってるけど」
「へあ」
「お前ら、せめて家に着いてからイチャつけ」
照れる様子もなく「はーい」と返事をする谷村と、その横で茹で蛸のように顔を真っ赤にして俺に助けを求める妹。そんな目で見るな。お前を溺愛してるそのイケメンはお前の彼氏だ。お前が嫉妬させようと躍起になった恋人からのラブコールはお前の中で処理をしろ。
「まあでも、谷村には謝らねえとな」
「え?なんかありました?」
「前に見せてもらったこいつのキャバ嬢姿、加工だって笑ったことだ。悪かったな」
「ああ、そういえば信じてなかったですね。いえいえ、わかってもらえて良かったです。写真入ります?」
「いらねえ」
「って、ちょっと待って?!その話むしろ私に謝るべきでは?!よし兄?!」
いつもの調子に戻ったなずなを見て、谷村と二人で笑いながら前を歩くと騒ぎながらついてくる。なずなのやりたかった嫉妬させるは成功したが、この格好は今後ほとんど見ることはないのだろうと、なずなに視線を向ける通りすがりの男どもに牽制をかける谷村を見ながらため息を吐いた。
(2011年なずな25歳)
谷村さんにやきもちを焼かせたい。
あの神室町のダニ、谷村の恋人はそう言って炭酸ジュースをぐいっと飲み干した。
聞き間違いだろうか。こいつはやきもちを焼かせたい、と言ったのか。今日久々に有給を取れたから遊びに来ると言っていた、休日の全てをなずなに会うために使っているんじゃないかってくらい惚れ込んでいるあの谷村に、嫉妬させたい、と。思わずため息が漏れる。
「ちょっとよし兄!そのため息何?!真剣な悩みなんだけど?!」
「そもそもあいつの嫉妬なんて日常茶飯事じゃねえか」
「はあ?!そんなことないけど?!私知らないけど?!」
「お前は知らなくても他の奴らは呆れるほど知ってんだよ」
株価のチェックが一通り終わり、パッドを片すと、未だに悶々としている妹の方に向き直る。モゴモゴと口を動かしながら、両手に持ったグラスを揺らしている。
「そ、そりゃあね?たまに嫉妬したとか言ってもらったりしてね、にへにへしたけどさ。普段は絶対私の方がやきもち妬いてるんだよ!とくに!デートの時!!」
「ああ、目を離したすきに逆ナンされてるんだったか」
「そう!!ほんの数分でナンパされる谷村さんすごくない?!いやたしかにイケメンだよ!!声かけたくなる気持ちはわかるよ!!でも彼女いるって断った後私と合流してるの見てもうひと押ししてくるのなんなの?!私の顔見て寝取れるって思ったってこと?!」
「まあ思ったんだろ。どう見ても釣り合ってねえしな」
「わああん!!よし兄の意地悪ううう!!」
グラスを置いて俺の肩を叩いてくるが、痛くも痒くもない。
しかし、この妹。なぜそこまで他者に軽んじられるのか。たしかに谷村と釣り合ってはいないが、そこまで劣る外見ではないと思うのだが。思わずジロジロと上から下まで見ていたら、なずなはむぅと唇を尖らせた。
「どうせいつまで経っても子供ですよ。でも私は子供心を忘れない大人でありたいと思ってるけどね!」
「お前の志はどうでもいい」
「あっはい」
「……服装と化粧を弄れば、少しはイケるんじゃないか?」
「服装と、化粧」
おそらくなずなの思う通り、子供っぽいというか、妹のように見えるのだろう。だから恋人という言葉を信用せず、妹が嘘をついているだけだと思うのかもしれない。まあ単純に勝てると強気にくる女もいるのだろうが。
風呂上がりの姿を見るに、素材は悪くないはずだ。仕方ない、今日は暇だし、たまには妹の我儘にも付き合ってやることにしよう。
「やきもち焼かせたいんだろ。ル・マルシェで一通り揃えるぞ」
「やったー!!よし兄ありがとう!!」
そういうはしゃぎ方が子供っぽいんだとは言わないでおく。なんだかんだ、なずなのこういう姿に救われていたりすることもある。たまに、だがな。
「ど、どう?よし兄……」
ル・マルシェで買い物をした後、これから出かけるからと試着室で着替えをさせてもらったなずなは、試着室から出てきてこちらを伺うように聞いてくる。
なるほど。しっかりと素材を生かせば、安価な物も高級品へと変わるものだ。
いつだったか、谷村が見せてきた神室町で一日キャバ嬢をやったというなずなの写真を、加工だと鼻で笑ったが、嘘ではなかったようだ。谷村には後で謝罪しておこう。
ゴールドのヘアピンで耳元を留めて、片側の輪郭を露わにすると、少し大人の雰囲気が出たように思う。施された濃すぎない化粧は本来の肌の白さに見事に映えていて、逆にいつもより濃いめの口紅は際立って見えた。
服装も上から下まで一新した。下はサテン生地のクリーム色のマーメイドスカートを採用した。スカート丈を短くすることも考えたが、谷村の心労を考えてそちらは不採用としておいた。この苦労は後で谷村に愚痴るとして。
トップスは紺色のノースリーブのハイネック。肩を出す服はほとんど着た経験がないらしく、ソワソワしているが元の肌が白いから色の強弱が出て良い感じになったように思う。
「年相応に見えるぞ」
「良いってことだよね?!いや、たしかに鏡見て自分でも感動したんだけど……これで私がナンパされたりしたら、谷村さんやきもち焼いてくれるかなあ?」
「そこまでは知らん」
「そういうとこー!!よし兄そういうとこあるよ?!」
「うるさい。で、谷村は今日何時にくるって?」
「あ、えっとねー……定時で上がれたらすぐに新幹線乗るって言ってたから、8時くらいかな?」
思い立って夕方に出かけたものだから、今は夜の6時。出かけたついでだ、夕飯を食べてから駅まで谷村を迎えに行くとしよう。
「お姉さん、すごく綺麗だね?どこかのお店で働いてるの?よかったら一緒に遊びに行かない?」
「あの、私待ち合わせしてるので。すみません」
珍しい光景だ。俺が駅の売店で雑誌を買っている間に、なずなが男に声をかけられていた。すぐに合流してもよかったが、今日のように大変身をするのであれば今後こういう手合いをあしらうこともあるだろうし、少し様子見するとしよう。
男は二人組で、ナンパするのに慣れている様子だ。なずなのやつ、内心パニクってるんだろうな。
「でも、さっきからずっとここにいるでしょ?」
「そうそう、その待ち合わせの相手、ドタキャンしたんじゃない?女の子がこんな時間に一人なんて危ないよ」
「いえ、もうすぐ来るので大丈夫です」
「そんなつれない態度しなくてもいいじゃん?ほら、ご飯とか食べようよ」
「だっだから私、人を待ってるんです!ちょっ、手、離してっ」
さすがにあの男ども、強引すぎるな。なずなの腕を掴んでほとんど引きずるように連れて行こうとする男どもに若干苛立ちを覚える。すぐになずなの元へ行こうとしたのだが、なずなの背後から出てきた男を見て足を止めた。
「お兄さん達、俺の彼女に何か用?」
なずなの腕を掴んでいる男の腕を引き剥がすように、ガシッと血管が浮き出る程力を込めて掴むのは、今大阪に着いたのだろう谷村だ。口元は笑みを浮かべているが、目は全く笑っていない。
男どもは突然現れたモデルのように整った顔の男の冷たい視線に怯えて、脱兎の如く去っていく。
残されたなずなは、久しぶりに会う谷村を見て嬉しそうに破顔していた。
「谷村さん!お仕事お疲れ様!」
「……なずな」
「うん?」
「……今日、すごくお洒落だね」
「あ!わかる?!あのね、よし兄プロデュースでドレスアップしてきたんだ!これで谷村さんもやきもち焼いてくれたりして………………いやあのその、今のは嘘です…………」
めかしこんだ理由をあっさり吐いたなずなは、自分の失言に気付いて顔を真っ赤にして俯いてしまった。頭上で谷村が今すぐにでも襲いそうな雄の顔をしていることにも気づかずに。
やれやれ、とため息を吐いて、二人に合流することにした。俺に気づいた谷村が気まずそうに挨拶をしてくるのは少し面白かった。
「なずな、大丈夫だったか」
「よし兄!今の見てたの?!ていうか、すごいねこの格好とメイク!まさか私がナンパされる日が来るとは!」
「よかったじゃねえか。お前がナンパされてるのがっつり嫉妬してたぞ」
「ちょ、義孝さん」
「え、え、え?!あっ、ほんとに?!ミッションコンプリート?!」
「は?何そのミッションって?」
いつまでも立ち止まっているわけにもいかないので、なずなを間に挟んで自宅へ戻るために歩き出す。谷村が俺となずなを交互に見て何の話なんだと聞いてくるから、あたふたし始めた妹をシカトして事の顛末を全部暴露してやった。
「つまり、いつもと逆の立場になって嫉妬してほしかったわけだ。どうだった?」
「いや、普通にムカつきました。そもそもこいつが俺と釣り合う釣り合わないで悩んでるのもムカつきます」
「なんでえ?!」
「俺がそういうの気にしてお前と付き合ってると思ってんの?」
「え、あ、いや、思ってないけど……」
「そもそも知らねえ奴らにとっての可愛いじゃなくて、俺用の可愛いを目指せよ。まあ俺は常にお前のこと可愛いと思ってるけど」
「へあ」
「お前ら、せめて家に着いてからイチャつけ」
照れる様子もなく「はーい」と返事をする谷村と、その横で茹で蛸のように顔を真っ赤にして俺に助けを求める妹。そんな目で見るな。お前を溺愛してるそのイケメンはお前の彼氏だ。お前が嫉妬させようと躍起になった恋人からのラブコールはお前の中で処理をしろ。
「まあでも、谷村には謝らねえとな」
「え?なんかありました?」
「前に見せてもらったこいつのキャバ嬢姿、加工だって笑ったことだ。悪かったな」
「ああ、そういえば信じてなかったですね。いえいえ、わかってもらえて良かったです。写真入ります?」
「いらねえ」
「って、ちょっと待って?!その話むしろ私に謝るべきでは?!よし兄?!」
いつもの調子に戻ったなずなを見て、谷村と二人で笑いながら前を歩くと騒ぎながらついてくる。なずなのやりたかった嫉妬させるは成功したが、この格好は今後ほとんど見ることはないのだろうと、なずなに視線を向ける通りすがりの男どもに牽制をかける谷村を見ながらため息を吐いた。