長編(メインストーリー沿い)番外編
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この小説の夢小説設定twstメインストーリーの番外編なので、学園での呼称が多いです。
一応設定方法も長編と同じ表示にしてるので、同じように入れていただくと同じような感じで読めるかと。。
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『エリアごとにテーマが別れてて、時計回りで進むとテーマの時代が徐々に新しくなるんです』
「ほんとだ。名前もそれっぽい」
エディシアがマップを3人に見せて説明した。
そしてクオリティの高い風景や装飾を眺め歩きながらパーク全体の概要の解説が続く。
『アズール先輩は下調べで知ってるかもしれないですけど、誕生日だとスタッフやキャラクターたちがおめでとうって祝ってくれるんです。あとはここのキャラクターを真似たファッションで歩いているときも、そのキャラに合わせた反応をしてくれることがあるんですよ』
「たしかに調べていた際、そういった話をネットで見たことがありますね」
「キャラクターの服装というと、ああいった方たちのような感じでしょうか」
『はい。あれはリスのキャラクターですね。あのキャラクターたちは昔から人気です。2匹で1セットって感じなのでジェイド先輩とフロイド先輩がそれっぽく着たら可愛いと思いますよ』
ジェイドが指さした先には、女性の2人組がリスのキャラクターを意識したであろうコーディネートで歩いていた。
キャラクター自体は兄弟ではないが同じ動物ということで、双子コーデのような感覚でカップルや友達同士がキャラクターに寄せて着ることがある。
「ふぅん。だから小さい稚魚ちゃんから大人まで、いろんなやつらが普段見ないような恰好してるんだ」
『好きなキャラを意識した格好をそのキャラがいる場所で着ていくことで、お揃いの気分になれたり交流できるチャンスが生まれますから』
「キャラクターに寄せた服装ならパークの世界観にも馴染みますしね。好きなキャラクターに反応をもらえることでリピート率や購買意欲の増加にもつながる、と…」
「アズールはこんな浮足立った環境でも勉強熱心ですね」
「何度も言いますが目的は市場調査ですよ」
最初のエリアでは海賊の世界観を楽しめるアトラクションに乗ることとなった。
4人で一列に座れる大きなボートへ何人もの客が乗り込む。
川が苦手なエディシアは内側に座り、横はアズール、両端には双子が並ぶ形となった。
全体的に照明は薄暗く、ホラー寄りの要素もあるようで時折不気味な海賊も出てくるものだった。
『(ここは川じゃない……人口的に作られた流れる水……溺れてもいない……舟だから大丈夫……)』
「……エディシアさん、失礼します。よろしければ使ってください」
『……ジェイド先輩』
「さあ、アズールも」
「……ああ、そういうことですか。これからの案内に支障が出ても困りますからね。代わりにしっかり解説するんですよ」
「えー?みんなでくっついてんの?んじゃオレも」
「お前は必要ないでしょう」
『……ありがとうございます』
エディシアは舟に乗るから問題ないと考え、同乗し都度説明をすることに同意したが、意識しないようにすればするほど真下の川に神経がいく。
隣の後輩の様子に違和感を感じたジェイドは自身の片腕にエディシアの腕を絡ませた。
つられる形でアズールも片腕を差し出す。
フロイドは3人の真似をして隣のアズールのもう片方の腕をガッシリとホールドさせた。
「故郷では沈没船ばかり見てきたのでなんだか新鮮でしたね。エディシアさんは大丈夫でしたか?」
『はい、左右で腕を貸してくれたのでどうにか』
「リベンジできたようでよかったです」
『それに演出が非現実的なものばかりですし。さすが夢の国です』
「海の上ではああいうの多かったのかな?」
『さすがにフィクションですよ』
「夢の国って言った傍から夢のないことを言いますね」
特別問題が起きることなく4人はアトラクションを後にした。この時ばかりはジェイドにエディシアは胸のうちで感謝の言葉を呟いた。
その後も雰囲気を楽しんだところで次のエリアを歩いていると、フロイドが「あった!」と嬉しそうに声をあげた。
何度も行ってみたいと話していたアトラクションの1つを目の前に指さしたのだ。
「オレこれ乗る!」
「ふふ。大きいですねぇ」
「前のエリアのときからあればかり見ていましたね」
『ちゃんと待てて偉いですね……ではあと80分待ちましょう』
「えー!?」
エディシアがリアルタイムで待ち時間を確認できるアプリで調べた時間帯を伝えた。
先ほどまでは待っても20分前後といった具合だったが、フロイドの希望したアトラクションは別のエリアからも見えるほど大きく有名で、人気アトラクションの1つとして待ち時間も頭1つ抜けているのだ。
「1つ1つ見ていては時間が足りない最大の理由ですね」
「まだ待たなきゃなんねぇの…?」
『そう言うと思いました。…ですが』
「…!まさか、”アレ”を…!?」
『さすがアズール先輩。ご存じですか』
ようやく乗りたいものの1つを目の前にしたもののさらに1時間以上待つと知ったフロイドはうなだれた。
それに対しエディシアは意味深げな言い方をし、アズールはハッとした。
フロイドの実際には出ていないが出ているようにも見えた涙が、こぼれそうなところですんでのところでとどまった。